ソードアート・オンライン〜旭日の防人達〜   作:霧のイージス艦

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原作カップリングに対しての反応。

緋村零

しかし…これ原作カップリングがなぁ……

 

千束

ねえねえ零!その原作カップリングってなに?

 

全員純粋な目でみてくる。

 

緋村零

(うわぁ、全員めちゃくちゃ純粋な目でこっち見てる……。でも、前世の知識を持ってる俺からすれば、この世界のペアの組み合わせは完全にカオスなんだよな)

 

俺は少し言い淀みながらも、頭を掻きむしって話し始めた。

 

緋村零

いや、さっきも言った通り、お前たちは本来それぞれ別の物語の住人なわけ。だから、原作通りの組み合わせなら、お前たちの周りにいる女の子のメンツは全然違うはずなんだよ。

 

清隆

俺の周り……つまり、椎名ひよりのことか?

 

ひより

えっ!?

 

椎名ひよりが驚いて本を抱きしめる手が少し強くなる。

 

緋村零

そう、清隆君。原作の君の学校生活だと、確かにひよりちゃんとは読書仲間として良い雰囲気にはなる。なるんだけど……本来、君の隣に深く関わってくるのは、軽井沢恵っていう別の女の子か、あるいは堀北鈴音のはずなんだ。それがこの世界じゃ、ホワイトルームに最初からひよりちゃんが一緒に囚われてるだろ?

 

清隆

……なるほど。俺がこの施設で一番最初に心を許し、共に生き抜こうと誓い合ったのはひよりだ。原作とやらとは、そこからして既に違うということか。

 

ひより

清隆君……。私は、今の清隆君の隣にいられて幸せです。

 

ひよりちゃんが顔を赤くしながらも、清隆君を見つめて嬉しそうに微笑む。うーん、原作のドロドロした展開を見てきた身としては、この二人の純愛ルートは見ていて普通に尊いな。

 

じゃ、じゃあ僕と神崎さんは……!?

 

焦ったように潮田渚君が聞いてくる。その隣で神崎有希子ちゃんも、お淑やかに頬を染めて俺の言葉を待っていた。

 

緋村零

渚君たちの場合は、ぶっちゃけ原作でも一番人気の高かった王道カップリング(渚カエではなく渚神)に近い状態だから、ある意味で大正解のルートを進んでる。本来ならクラスメイトとして少しずつ仲良くなるはずが、この世界じゃ過酷な環境を二人三脚で生き延びてきた『戦友』であり『運命の二人』になってるわけだ。

 

神崎

運命の、二人……。

 

わ、有希子ちゃん、顔赤いよ……! あ、でも、僕も神崎さんが隣にいてくれて、いつも救われてたから……。

 

お互いに顔を真っ赤にしてモジモジし始める二人。なんだこの甘酸っぱい空気は。ごちそうさまです。

 

達也

……最後に俺と深雪だな。緋村、俺たちの何がそんなに胃を痛める原因なんだ?

 

司波達也がいつも通りの冷徹なトーンで尋ねてくる。しかし、その背後にいる司波深雪の目つきは、完全に「お兄様と私の関係に何か異論でも?」と言わんばかりの、冷たく鋭い「冷気」を孕んでいた。店の温度が確実に2度くらい下がったぞ。

 

緋村零

お前らの場合はなぁ……! 原作でも『世界一お互いへの執着が重すぎる兄妹』なんだよ! 深雪ちゃんにいたっては、お兄様のためなら世界を滅ぼしかねないレベルの超絶ブラコンだし、達也君も深雪以外の感情をすべて消されてるから、お互いしか見えてない究極の二人なんだ。それがこの世界でも遺憾なく発揮されてるから、敵に回したら一番怖いカップルなんだよ……!

 

深雪

あら……ふふ、よく分かっていらっしゃるじゃない。私にとって、お兄様は世界のすべて。たとえどのような世界線であろうと、お兄様を害するものは私がこの手で凍らせて差し上げますわ。

 

達也

深雪、落ち着きなさい。……まぁ、緋村の言う通り、俺の世界は深雪を中心に回っている。そこに関しては、原作とやらもこの現実も、何一つブレはないようだな。

 

達也君が深雪ちゃんの頭を優しく撫でると、深雪ちゃんは「はぅ……お兄様……」と、一瞬でとろけるような幸せそうな顔になった。……うん、この二人はどの世界線に置いても絶対に怒らせちゃ駄目なやつだ。

 

千束

へぇ〜! なんかみんな、それぞれに深い絆があるんだね〜!

 

たきな

世界線が混ざり合っても、惹かれ合う本質は変わらない、ということですか。

 

ふーん……形は違えど、どれも強固な縁で結ばれてる。面白いじゃない。

 

そんな風に、千束たちや両儀式までもが感心したように子供たちの関係性を見守っている。

 

緋村零

まぁ、そういうわけだから……。俺の知る原作とは色々ズレてはいるけど、今のメンツの方がお互いを真っ直ぐ支え合えてる気がするよ。……だから、お前らのその関係、俺は嫌いじゃないぜ。

 

俺が珈琲を飲み干しながらそう締めくくると、清隆たち、そして少女たちも、お互いの顔を見合わせながら、どこか誇らしげに、そして幸せそうに微笑み合っていた。

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