ソードアート・オンライン〜旭日の防人達〜 作:霧のイージス艦
緋村零
よし……始めるか。
さて、これより朝食作りなわけだが……
スプリングフィールド
メニューはどうしましょうか?
緋村零
まぁ、白米に味噌汁、サラダと主菜で良いだろ。
スプリングフィールド
主菜はどうしますか?
緋村零
卵焼きと鮭の塩焼き。
スプリングフィールド
では、卵焼きをお願いしますね。
黛煙
遅れました。
センタウレイシー
すみません。
スプリングフィールド
大丈夫ですよ。黛煙さん、サラダをお願いします。センタウレイシーさんは味噌汁と白米を。私は鮭の塩焼きを作ります。
黛煙
わかりました。
センタウレイシー
お任せください。
大所帯の胃袋を満たすため、気合を入れて卵焼きに取りかかる。それにしても、これだけの人数分ともなると用意する卵の数が尋常ではない。
まずは無心になって卵を割り、大きなボウルへと次々に投入していく。コンコン、パカッ、という小気味いい音を何度も響かせ、ひたすら割りまくる。
すべての卵を割り終えたところで、泡だて器を手に取り、一気に攪拌(かくはん)を開始。白身と黄身が完全に一体化するよう、丁寧かつスピーディーに混ぜ合わせる。全体が均一に馴染んだタイミングで隠し味の白だしとあごだしを注ぎ、さらにしっかりと混ぜ込んでベースを仕上げた。
下準備が完了したら、愛用の卵焼き専用フライパンをコンロにセット。やはり綺麗な形に仕上げるなら、この四角い専用フライパンに限る。
あとは熱したフライパンに薄く油を馴染ませ、とき卵を数回に分けて流し込み、手際よく巻き上げていくお馴染みの工程だ。人数分の美しい黄金色の卵焼きを次々と焼き上げ、ついに完成の時を迎える。
零
よし、スプリングフィールド、卵焼き完成したよ。
スプリングフィールド
こちらも鮭の塩焼き、完成です。
焼き上がった鮭の塩焼きは、お弁当の定番サイズとしてちょうどいい大きさだ。ふっくらとした卵焼きが一人に一つずつ行き渡ることを考えれば、まさにベストなボリューム感と言える。
黛煙
サラダも完成です。
センタウレイシー
お味噌もです。
黛煙とセンタウレイシーの方もバッチリ仕上がったようだ。壁の時計に目をやると、時刻はちょうど午前5時を回ったところだった。
零
先に俺達4人は食べてしまおう。
スプリングフィールド
そうですね。起きてくる人達の準備をしないといけませんしね。
黛煙
ですね。
センタウレイシー
そうしましょう。
そういうわけで、一足先に調理スタッフの4人で朝食をいただくことにする。
『いただきます』
零
うん、中々。上手く焼けたな。
黛煙
卵焼き、ふわふわでトロトロですね。
零
焼き立てでしか味わえないからね。このふわとろは。
スプリングフィールド
流石零ですね。
センタウレイシー
美味しいです。
みんなが笑顔で食べてくれるのを見ると、大量に卵を割った苦労も吹き飛ぶ。
黛煙
センタウレイシーの味噌汁も美味しいです。
零
出汁の取り方は完璧だな。
センタウレイシー
美味しんぼと言うアニメを見たので、真似てみました。
あの伝説のグルメアニメか。
零
あのアニメか、俺もよく見たよ。お、鮭も美味いな。
スプリングフィールド
振り塩をして旨味だけを残しました。
黛煙
美味しいです。
センタウレイシー
流石ですね、店長。
こうして4人で賑やかに、かつ手早く朝食を平らげ、食器の片付けをテキパキと済ませたその時だった。
放送
『総員起こし』
基地内に厳かな起床の放送が響き渡る。それから10分ほどが経過した頃。
千束
おはようございます〜!
たきな
おはようございます。
一番に食堂へ姿を現したのは、やはり元気いっぱいの千束と、その隣に並ぶたきなだった。
零
おはよう2人共。
千束
零、おはよう〜。
たきな
おはようございます。
零
味噌汁と白米は自分で好きな量をよそってね。
千束
はぁ~い!
千束たちの後を追うようにして、次にやってきたのは……
グローザ
おはよう零。
コルフェン
おはようございま〜す。
グローザとコルフェンのペアだ。
零
おはよう。味噌汁と白米は自分でよそってね。
グローザ
わかったわ。
その後、クルカイたちも食堂へとやってきた。そして……
キリト
おはようございます。
アスナ
おはようございます。
桐ヶ谷君たちも姿を見せた。
零
おはよう。よく眠れたかな?
キリト
おかげさまで。
アスナ
こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりです。
零
それは良かった。味噌汁と白米は自分達でよそってね。
キリト
わかりました。
彼らも各自で配膳を済ませ、朝食を食べ始めた。それからしばらくして……
ザ・ボス
おはよう。
零
おはようございます。
威風堂々とした佇まいでザ・ボスが入室してきた。彼女は迷いのない足取りで、そのまま食堂の壇上へと上がっていく。
ザ・ボス
おはよう。
全員
『おはようございます』
ザ・ボス
さて、まず零や千束、グローザ達は昨日の任務ご苦労だったわ。
その言葉に、千束たちは引き締まった表情で小さく頷く。
ザ・ボス
そして、桐ヶ谷君達ね。この基地へようこそ。私はザ・ボス。零達の司令官よ。
「司令官」というその響きに、桐ヶ谷君たちの表情がわずかに緊張を帯びた。突然の環境の変化だ、それも無理はない。
ザ・ボス
今日の予定だけど、君達の事情聴取を行うわ。呼び出しがあるまでは、部屋で待機するように。零、貴方は聴取に同席するように。
零
了解。
ザ・ボス
以上よ。
簡潔に要件を伝えると、ザ・ボスは壇上から降り、そのまま足早に食堂を後にした。
零
スプリングフィールド、片付け頼める?
スプリングフィールド
わかりました。
あとの処理を彼女に任せ、俺は厨房を抜けて自分の部屋へと戻った。