ソードアート・オンライン〜旭日の防人達〜   作:霧のイージス艦

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キリト達の決意

その頃、夜の食堂では千束、たきな、式の2人がキリト達に説明を行なっていた。

 

キリト

つまり…零や千束達は、クーデターを起こすって事か!?

 

たきな

はい。現在の日本国の情勢は最悪の一言です。

 

千束

零曰く、どっかの増税クソメガネがまともに働きもしない国会議員の給料だけは速攻で上げるわ、どこかの某都知事や自称平和団体とやらは自衛隊のあらゆる正当な防衛活動を徹底的に批判して足を引っ張るわ……。正直、本当に狂ってますよ。このままだと日本は間違いなく亡国まっしぐらですよね…だってさ

 

真澄

いや、確かにそうだけどね…

 

リムル

つまり、俺達にも協力してくれってことか?

 

たきな

強制はしません。零から「俺は、強制や命令は嫌いだからね」だそうです

 

レイン

うん。それは零らしいと思う。

 

零曰く、「これは誰かがやらなければならない。誰かがやるのなら、それは自分でありたい」だそうよ

 

シノン

誰かがやらなければならない事か………

 

……ま、そういうことよ。零はバカみたいにお人好しだから。自分の手が血に染まるのを承知で、この腐った国を大掃除しようって腹積もりなよ」

 

式は壁に寄りかかりながら、穏やかだが鋭い眼光を隠さずにそう言い放った。

 

真澄

……信じられない。本当に国家を相手に戦争を起こすつもりなんて

 

千束

戦争じゃないですよ〜!『お掃除』!……まぁ、かなり大掛かりになっちゃうのは事実だけどねっ

 

たきな

千束、茶化さないでください。これは命を懸けた作戦です。一歩間違えれば、私たち全員が反逆者として消されます

 

ピシャリとたきなが釘を刺す。その張り詰めた空気の中、食堂の扉が静かに開いた。

 

――たきなの言う通りだ。だからこそ、君たちには君たち自身の道を選んでほしい

 

そこに立っていたのは、他でもない零だった。彼の眼差しは、揺るぎない覚悟と、仲間を巻き込むことへの僅かな申し訳なさを帯びていた。背後には清隆、ひより、渚、有希子、達也、深雪がいた。

 

レイン

零…

 

お疲れ様。千束。

 

千束

あ、零! お疲れ様〜! みんなにはバッチリ説明しといたよっ!

 

たきな

状況の深刻さと、私たちの目的については、十分に理解していただけたかと思います

 

ええ。あなたの抱く『覚悟』の形、彼らには伝えておいたわ。……あとは、彼ら自身の選択に委ねるだけね

 

セイバークラスとして現界した式の、どこか浮世離れしつつも深淵を覗かせるような静かな微笑み。そして、零の後ろに控える面々の放つ異様なまでの存在感に、キリトやリムルたちは息を呑んだ。

清隆

……そういうことだ。感情論を抜きにして、客観的なデータと現状の政治腐敗を照らし合わせれば、現体制を維持するメリットは皆無に等しい。合理的に考えて、このクーデターは国を存続させるための必然的なプロセスだ

 

達也

同感だな。現政府の無能と保身は、我々や自衛隊、ひいては善良な国民の生存権すら脅かしている。これは単なる反逆ではなく、正当な『自衛』のための手段だ

 

深雪

お兄様のおっしゃる通りですわ。理不尽な暴力や搾取から大切なものを守るため……私たちも、零さんの覚悟に寄り添います

 

彼らの冷静かつ冷徹なまでの大局観に続き、渚と有希子も静かに前に出る。その瞳には、かつて暗殺教室で培われた、標的を見据える確かな光が宿っていた。

 

僕たちも、ただ見ているだけなんてできないからね。前世で殺せんせーから学んだこと……今度は、もっと大きなものを守るために使うよ

 

有希子

ええ。理不尽な悪意に屈しないためにも、私たちは私たちの戦い方をします

 

圧倒的な知略、規格外の魔法力、そして隠密と暗殺の技術。あらゆる分野の「最強」たちが、零というひとつの意志の下に集っている。その事実が、食堂の空気を極限まで引き締めていた。

零は静かに頷くと、改めてキリト、シノン、リムル、そしてレインたちへと視線を向けた。その眼差しは、どこまでも真摯だった。

 

ありがとうな。……キリト、シノン、リムル、そしてレイン、真澄。さっき千束たちからも話があった通り、これは国全体を相手に回す修羅の道だ。君たちの力は喉から手が出るほど欲しいが、俺は仲間に無理を強いるつもりは一切ない。せっかくDAから逃げたんだ。ここで引き返しても、誰も君たちを責めないが……どうする?

 

少しの静寂の後、最初に沈黙を破ったのはキリトだった。

 

キリト

……これだけとんでもない連中を目の前に揃えられて、今さら『関係ない』なんて言って引き下がれるかよ。

 

キリトは不敵な笑みを浮かべ、相棒である剣の重みを確かめるように立ち上がった。

 

リムル

全く同感だな。これだけ頼もしい奴らがいるなら、負ける気もしない。ま、俺も一国の盟主として、理不尽な国政の末路ってやつを見過ごすわけにはいかないしな

 

シノン

……そうね。私も、自分の手で自分の居場所を守るわ

 

レイン

うん。私も零の手伝いをする。零が背負おうとしてるもの、少しでも軽くしたいから

 

彼らの迷いのない言葉を聞き、零の表情に僅かに安堵の色が浮かぶ。

そして、キリトたちの決意の言葉に呼応するように、食堂に集まっていた他の少女たちも次々と立ち上がり、零の前に進み出た。彼女たちの瞳にもまた、一切の迷いはなかった。

 

リーファ

お兄ちゃんがやるって言うなら、私も付き合うよ。それに……剣道で鍛えたこの力、理不尽な大人たちから自分たちの未来を守るために使いたいから

 

ミト

ええ。あの絶望的なデスゲームを生き抜いて、今世でDAに囚われて、そしてやっと取り戻した現実(リアル)だもの。誰かの身勝手で壊されるなんて絶対に許さないわ

 

リズベット

そうそう! キリトたちだけにかっこつけさせるわけにはいかないわよ! 私の鍛冶屋魂、現実世界でも見せつけてやるんだから!

 

シリカ

私も……! ピナはここにはいないけど、みんなと一緒ならどんな相手にだって立ち向かえます!

 

SAOサバイバーである彼女たちの力強い言葉に、隣にいた木綿季が満面の笑みで大きく頷く。

 

ユウキ

うんっ! ボクたちだって負けてられないよ! ぶつからなきゃ伝わらないこともあるなら、全力でぶつかるだけさ! それに、零が直視の魔眼で僕達の病気を殺してくれたもん!そのお礼しないと!ね、お姉ちゃん!

 

ラン

ええ、そうね木綿季。私たちがこうして生きている奇跡……その意味を証明するためにも、零さんたちに協力させてください

 

サチ

私も……もう、怯えて逃げるだけの私じゃありません。皆からもらったこの命と勇気で、今度は私が誰かを守るために戦います

 

かつて過酷な運命に翻弄されながらも、それを乗り越え、この世界に再び立つ彼女たちの言葉には、計り知れない重みと覚悟が宿っていた。

さらに、別のテーブルから香蓮と美優が進み出る。

 

レン

GGOの大会(スクワッド・ジャム)より、現実(こっち)の方がよっぽどハードモードみたいですけど……やります! 私たちの平穏なリアルを脅かすなんて、絶対に許しませんから!

 

フカ次郎

あははっ、香蓮がやる気なら私も乗るよー! ま、腐った連中相手なら、両手持ちのグレネードでまとめてドカン! って吹き飛ばしちゃえばいいよね!

 

物騒なことを明るく言い放つ美優に、周囲から苦笑いが漏れる中、小春、琴音、そして紅葉やひよりたちも力強く頷いた。

 

コハル

私たちも同じ気持ちです。これまでだって、みんなで一緒に数え切れない困難を乗り越えてきたんですから

 

フィリア

そうね。仮想世界(ゲーム)だけじゃなく、現実の居場所も私たちがしっかり守り抜いてみせるわ

 

クレハ

ええ! 私の銃弾で、道を切り開いてみせる!

 

ルクス

ふふっ、本当に頼もしいこと。私も微力ながら、全力でサポートさせてもらうわね

 

彼女たちと共に、ツェリスカ、アルゴ、ナユタたちも、それぞれの知識や技術、そして決意を込めた眼差しで零を見つめ返している。

そして最後に、悠那が軽やかな足取りで皆の前に躍り出た。

 

ユナ

もちろん、私も手伝うよ! 戦うみんなの背中は、ARアイドル・ユナの歌でばっちり後押しするんだから! 私の最高のステージ、しっかり見せてよね!

 

食堂に響き渡る、少女たちの凛とした声。

ここに集ったのは、仮想と現実、様々な世界で死線を潜り抜け、理不尽に抗い続けてきた「最強の乙女たち」だった。

 

やっぱりな。俺の知る原作通りだ。

 

彼の胸の内にあった「仲間を巻き込むことへの僅かな申し訳なさ」は、彼女たちの真っ直ぐな覚悟を前に、確かな「信頼と感謝」へと変わっていた。

 

お前ら……本当に、馬鹿みたいに頼もしいな。ありがとう、全員の覚悟、確かに受け取った。

 

そして、後沢鋭二――かつてARMMO『オーディナル・スケール』で最強のプレイヤーとして君臨し、誰よりも悠那を想い続ける青年だった。

 

エイジ

……ユナが矢面に立つっていうのに、俺が安全な後ろで見ているわけにはいかないからな

 

ユナ

エイジ……!

 

エイジはユナを守るように隣に並び立ち、真っ直ぐな視線を零へと向けた。その目には、かつてアインクラッドで恐怖に苛まれていた少年の面影は微塵もない。愛する者を守り抜くという、揺るぎない覚悟を秘めた戦士の顔だった。

 

エイジ

俺はもう、二度と大切なものから逃げないと決めたんだ。仮想世界(ゲーム)でも、この現実世界(リアル)でもな。ユナが安心して歌える世界――そのステージを守れるなら、相手が国家だろうと腐敗した権力者だろうと……喜んでこの剣を振るうさ

 

力強く言い切った鋭二の横顔を見て、悠那は嬉しそうに花が咲くような笑顔を浮かべた。

 

ユナ

えへへ……すっごく頼もしいね、エイジ! 私の専属の騎士様だもんね!

 

エイジ

……茶化すな。だが、お前の居場所は俺が必ず守り抜く。それだけは絶対に誓う

 

少しだけ照れ隠しのようにフッと短く笑う鋭二。その固い絆と決意の姿に、キリトやクラインたちも頼もしげに口角を上げた。

 

ああ、本当に心強いよ。鋭二、君のその覚悟と力……存分に貸してくれ

 

エイジ

任せておけ。俺のすべてを懸けて、お前たちの道を切り拓いてやる

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