ソードアート・オンライン〜旭日の防人達〜 作:霧のイージス艦
八幡たち「奉仕部」の面々が覚悟を示した直後、食堂の空気にさらに研ぎ澄まされた知性と静かな闘志が混じり合った。
有栖
ふふっ……本当に、退屈しない方たちばかりですわね。天才たる私たち『高度育成高等学校』の生徒が、これほどまでに面白い大舞台を見過ごすわけにはいきませんわ
坂柳有栖の背後には、いつものように呆れ顔ながらも付き従う神室真澄に加え、山村美紀、森下藍の姿があった。
真澄
はぁ……アンタがノリノリな時はロクなことにならないけど、今回はスケールが違いすぎるわね。ま、最後まで付き合うけど
有栖
ええ。腐敗した愚鈍な大人たちに、本物の『実力』というものを教えて差し上げましょう
彼女たちの冷静な宣言に続くように、今度は凛とした佇まいの堀北鈴音が一歩前に出た。その隣には櫛田桔梗と松下千秋が並んでいる。
鈴音
感情論で動くつもりはありませんが……現在の国家運営が、あまりにも非合理的で無能であることは明白です。私たちの未来を不毛なものにされるくらいなら、自らの手で排除するのが最も効率的な解決策ね
桔梗
あー、マジで胸糞悪い。どいつもこいつも、権力だの利権だのにしがみついて偉そうにふんぞり返りやがってさ。自分たちだけ美味しい汁吸って、私たちがその尻拭いさせられるとか、ほんっとイラつくんだよねぇ……!
ギリッ、と桔梗は苛立ちのままに爪を噛む。その顔に浮かんでいるのは、先程までの天使のような笑みではなく、他者を徹底的に見下し、破滅を望む悪魔のような嘲笑だった。
桔梗
……ねぇ、零? その増税クソメガネだか何だか知らないけどさぁ、私がそいつらの裏の顔からスキャンダルまで全部ひっぺがして、社会的に完ッ全に抹殺してやってもいいんだよね?
清隆
……相変わらず、容赦ないな
桔梗
うるさいな、綾小路。……とにかく、私の平穏な日常を脅かすようなクソみたいな大人たちは、一人残らず地獄に引きずり落としてやるわ。情報戦でも何でもいい、私の邪魔をする奴らは、絶対にタダじゃおかないから
千秋
ま、ここまで来たら毒食わば皿までってやつよね。私たちのポテンシャル、存分に使ってもらうわよ
鈴音たちの決意を受け、今度は一之瀬帆波が、いつものような温かくも力強い眼差しで零を見つめた。彼女の後ろでは、白波千尋、網倉麻子、小橋夢、そして白石飛鳥たちが、帆波の背中を支えるように立っている。
帆波
どんな理由があっても、争いごとが悲しいのは事実だよ。でも……大切なみんなの笑顔を、理不尽な暴力や搾取から守るためには、立ち上がらなきゃいけない時がある。私は、みんなの明日を守るために戦うよ。
千尋
帆波ちゃんがそう決めたなら、私たちも全力でサポートするからね!
さらに、清隆の背中をじっと見つめていた軽井沢恵が、意を決したように声を上げた。
恵
……清隆がやるって決めたなら、私が反対する理由なんてないわ。それに、私たちの平穏を脅かすようなクソみたいな大人たちなんて、こっちからお断りよ
麻耶
そうそう! 恵の言う通り! 私たちの青春を邪魔する奴は許さないんだから!
波瑠加
みーちゃんも、無理しなくていいからね。……でも、私は大切な居場所を守りたいから、やるよ
美雨
う、うん……! 私も、逃げたくないから……っ。頑張る!」
彼女たちクラスメイトの決意に、ひねくれた笑みを浮かべた伊吹澪が腕を組んで鼻を鳴らす。
澪
ふんっ。小難しい理屈はどうでもいいわ。単に、ムカつく連中を実力行使でぶっ飛ばしていいってことでしょ? 最高じゃない
武子
あんたらしいわね、伊吹さん。でも、今回ばかりは私も同意見かな
ユキ
……私も、もう周りに流されるだけの自分は嫌だから。できることをやるよ
さらに、後方からは圧倒的な強者のオーラを放つ鬼龍院風花が、愉快そうに肩を揺らして歩み出た。
風花
くくっ、素晴らしい! 国家転覆という前代未聞の遊戯、この鬼龍院風花が参加しない手はないな。私の退屈を紛らわせるには、これ以上ない極上の舞台だ
なずな
あはは、風花は相変わらずだね〜。でも、私も後輩たちばっかりに無茶はさせられないし、手伝わせてもらうよ
茜
……全く。生徒会で培った私の裏方としての能力が、まさかクーデターのロジスティクスに活かされる日が来るとは思いませんでしたけどね
そして最後に、清隆や零の前に、二人の特異な少女が恭しく、そして不敵に歩み寄る。
翼
零先輩、そして綾小路先輩。……私に与えられた命と力は、すべて先輩方の道を切り開くために使います。どのような冷酷な任務であろうと、必ず遂行してみせます
七瀬翼が深く一礼すると、その隣で天沢一夏が小悪魔のような笑みを浮かべてウインクをした。
一夏
あはっ♡ センパイたちが悪いこと企んでるのに、私だけ仲間外れなんてひどいですよ〜? 邪魔するおバカな大人たちは、私がみーんな綺麗に『お掃除』してあげますから、安心してくださいねっ
ホワイトルームの過酷な環境を生き抜いた彼女たちの、底知れない戦闘力と暗殺技術。それすらもが、今や確固たる戦力として組み込まれた。
圧倒的な頭脳、カリスマ性、そして容赦のない実力主義の世界を生き抜いてきた乙女たちの参戦。
彼女たちがずらりと並び立つ光景は、一つの軍隊以上の脅威と知性を放っていた。
零
やっぱりお前らイカれてんな。だが、よろしく頼むよ。