シャーレの清掃員やってます。   作:Raitoning storm

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ボサボサメカクレセイソウイン


ごめん、やっぱメシアだわ。

「…はい、はい。わかりました。そう伝えておきます…ありがとうございました…」

 

 

″忙しそうだね。″

 

 

「は、はい…おかげさまで…」

 

 

ミレニアムで出してるお弁当がみなさんに好評でうれしい清掃員です…お母さんが作ってくれたご飯に似てるっていろんな方から言われます。家庭によって味付けは変わるはずなんですけどね…。

 

 

エンジニア部の方たちが一人で作っている僕を見かけて、一緒に作ってくれる機械を作ってくださいました。もちろん自爆機能つきの。

機能自体はすごくいいので助かっているのですが…Bluetooth機能は必要なんですかね…?

 

 

仕事は増えてしまいましたが、お給料もいいので僕としてはありがたい限りです。

 

 

ですがやはり、

 

 

 

 

(人手が足りません…どうしましょう)

 

 

エンジニア部開発の優秀な機械といえど、やはり限界はあります。人間にしか出来ないことも当然あります。

例えば盛り付け、機械が視覚的に判断するのはとても難しいです。人ですら出来ない人がいますし…あ、別に貶しているわけではないんです…許してください…。

 

 

 

 

 

 

 

″あ、そういえばさ。頼みたいことがあったんだけど…″

 

 

ですが、こんなときでも仕事は出来るんです…発生するものなんです…そういうものなんです…。

 

 

虚しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…では、まずは手を洗ってください…」

 

 

「「「「はーい!!」」」」

 

 

…そんなことを考えていたからですかね…ガスマスクをつけた人たちに料理の作り方を教えることになったのは…。

 

 

この方たちはアリウスという学校の方たちらしいです…昔いろいろ、ほんとにいろいろあって今は学校が復興中らしいです…先生が詳しいことを教えてくださいませんでした…

 

 

「…どうしても手を洗わなきゃいけないの?」

 

 

そんなことを聞いてくるのは戒野ミサキさん。腕が包帯でグルグルになってるそうです…

 

 

「…みなさんで頂くものなので、お願いします…」

 

 

「…前は手でよく食べてたけど」

 

 

手でご飯を…あっ、ホームレス時代の記憶がよみがってきて…

 

 

「お願いします…この先他の人と一緒に食べる機会もできると思うので…」

 

 

「…別にいいけど」

 

 

ひとまず納得していただけたそうでよかったです…。

 

 

「…拭くものがない」

 

 

あっ、今用意します…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと…初めての方ばかりだと思うので…まず包丁の持ち方をお教えしますね…」

 

 

まず調理器具の使い方を講義します…。

 

 

「まず背筋を伸ばしてまな板の前に立ってください。このときまな板は腰あたりにあると作業しやすいです…。

 

キッチンとの間隔はこぶし一個分を意識してください…みなさんはグレネード一個分と言った方がわかりやすいですかね…?

 

その後、足を肩幅に開いて利き手の方の足を少し後ろに引いてください…」

 

 

ここまではみなさん大丈夫ですかね…?なにやらガチガチに緊張してらっしゃる方もいますが…

 

 

「次は包丁の持ち方ですね…みねの部分に人差し指をそえ、親指は柄にそえてください。あとは残りの三本の指で柄をしっかり握ると安定します…」

 

 

見たところみなさん出来てそうですね…ですが、

 

 

「サオリさん…出来てないです。ナイフを握ってるみたいになってます…」

 

 

「す、すまない。初めてで…」

 

 

まあ初めてなら仕方ありませんね…僕もそうでしたし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと…今日作るのは卵焼きです…手順は先程お配りしたプリントに書いてあるので、分からないことがあったら教えてください…」

 

 

み、みなさん頑張っていますね…話し合いも出来てていい雰囲気だと思います…。

 

 

「えっと、次は卵をといて卵焼き機に入れる…」

 

 

秤アツコさんは上手ですね…ちゃんと手順に沿ってやってくれています。

 

 

「…どう?」

 

 

「?」

 

 

「わたし…上手かな?」

 

 

「は、はい…上手だと思います」

 

 

な、なんでこっちをじっと見てくるんでしょう…。

 

 

「…」

 

 

「…?」

 

 

「…撫でて、くれないの?」

 

 

「え?あ、撫でればいいんですか?」

 

 

で、出来るだけ優しく…猫を扱うみたいに…先生がカズサさんと接してる時みたいに…

 

 

「…」

 

 

も、もういいですかね…。

 

 

「…もっと、もっと撫でて?」

 

 

あっ、まだだめなんですね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…えっと、今回で上手く出来た人、出来なかった人それぞれいると思います…でもみなさんは頑張ってました…もっと練習したい人はこの後僕のところにきてください…」

 

 

「…でもみなさん初めてなのに焦がしている人がいなかったのはすごいと思います…今日の味を覚えてから帰ってくれたら嬉しいです…」

 

 

そう言って帰って行く人、残って練習していく人、練習で出来た卵焼きを食べているヒヨリさんたちが全員帰っていった後。

調理器具など諸々の掃除をしていたときに、

 

 

″…もういいかな?″

 

 

「あっ、先生。いらしてたんですね…」

 

 

先生がいらっしゃいました…。

 

 

″お疲れ様。今日はありがとね″

 

 

「いえ…僕としても勉強になることがたくさんあったので…みなさんと関われて嬉しかったですし…」

 

 

そ、その。終わった後にモモトークを交換してくれた人もいたので…連絡先がすごく増えて…

 

 

″どうだった?みんな上手く出来てたかな?″

 

 

「はい…みなさん初めてなのに上手にやってました…僕の立場が無くなりそうです…」

 

 

″そんなことはないと思うけど…みんな上手く出来たんだね、それなら安心だね。″

 

 

な、何が安心なのでしょうか…まさか僕の仕事がなくなって…

 

 

″それでね。今お弁当を作ってもらってるじゃない?″

 

 

「は、はい…」

 

 

″正直一人で回すのは大変だよね?″

 

 

「そ、そうですね…清掃員の仕事もありますし…」

 

 

″それでね?その仕事を彼女たちと一緒にやってもらいたいんだけど…いいかな?″

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はぇ?」

 

 

 

 





包丁の使い方はクラシルさんの記事を参考にさせていただきました。
ありがとうございました。

白亜の予告状(清掃員君入り)見たい?

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