シャーレの清掃員やってます。   作:Raitoning storm

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お月見する。

 

 

「アリス、お月見というものをしてみたいです!」

 

 

シャーレに来て早々に、そんなことをアリスさんは言い放ちました。

 

 

「お、お月見…ですか?」

 

 

「はい!モモイたちから聞きました!今日は、月を…どうにかする日だって!」

 

 

「…な、なるほど…」

 

 

お月見ですか…もうそんな時期なんですね。時の移ろいの速さを感じますね。ついこの間まで夏だった気が…

 

 

”いいね。みんなでお月見しよっか。お団子食べたい…”

 

 

先生も乗り気ですし…乗り気ですよね?

 

 

「じゃあ…早いうちに準備しましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、まずはお団子です…」

 

 

「お月見のときは、お団子を食べるんですか?」

 

 

「はい…もともとお月見は、今年の豊作への感謝と来年の豊作の祈願のために行われるんですよね…」

 

 

”よく知ってるね。”

 

 

「え、えっと…ユウカさんに教えてもらったんですけど…」

 

 

”…あー。なんか、目に浮かぶ気がする”

 

 

は、話がずれましたね…。

 

 

「そ、それで…丸いお団子は満月を表してて、月とのつながりを表してる…らしいです」

 

 

「なるほど!しっかりとした理由があったんですね!」

 

 

「そ、それで…せっかくなので、手作りしませんか?材料も…なぜかたくさんありますし…」

 

 

”いいね。アリスはやってみたい?”

 

 

「はい!アリスは勇者から、料理人にジョブチェンジです!」

 

 

 

 

 

「じゃあ、ボウルにだんご粉とお砂糖を入れたので…水を加えて混ぜていってください。一気にやるとダマになってしまうので、少しずつ入れてくださいね…」

 

 

「はい!アリス頑張ります!」

 

 

事務室は先生が作業をされているので…別室のキッチンにてアリスさんとエプロンを着て、一緒にお団子作りに励んでいます。

 

 

「…いい感じですね。では…15個のお団子に丸めてください…」

 

 

「…?なぜ15個なんですか?」

 

 

「一五夜だから、15個…だそうです。」

 

 

それでも疑問符を解消できていない様子のアリスさん…そうですよね、わかんないですよね…。

 

 

「はい!できました!」

 

 

「では…次は茹でていきます。このお鍋で茹でていきましょう…」

 

 

手頃な大きさのお鍋があったので、水を注いで沸くのを待ちます…。

 

 

「…す、すみません…先にやっておくべきでしたね…」

 

 

…僕が先にやってなかったので、待ち時間が生まれてしまいました…

 

 

「いえ!アリスは清掃員さんと一緒にいられて嬉しいです!」

 

 

「…ありがとうございます、アリスさん…」

 

 

こんな気配りもできるなんて…アリスさんはいい人ですね…。

 

 

「…そろそろ沸きましたね。じゃあ、少しずつ入れていきましょうか…」

 

 

「はい!」

 

 

「茹で終わりは…お団子が浮き上がってきて3分ほどなので、何回かに分けて茹でましょうか。終わったら、そのお水の中に入れてください。あっ…氷を入れておきますね…」

 

 

「はい!」

 

 

お湯の中で踊るお団子を見ながら、楽しそうにお料理をするアリスさん…とても微笑ましいですね…

 

 

「アリス!全てのお団子を茹で終わりました!これでクエスト完了ですか?」

 

 

「はい…ありがとうございました。よくできましたね…」

 

 

…そう僕が言うと、目を閉じてこちらを見てくるアリスさん。どうしたのでしょうか…

 

 

「…アリスは、クエストを終えたのに報酬をもらっていません。頭を撫でてほしいです!」

 

 

あっ…そういうことですか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、アリスさんはゲーム開発部の方々を連れてシャーレに来られました…

 

 

「おー!お団子上手に出来てる!アリス頑張ったね!」

 

 

「清掃員さんのおかげです!」

 

 

「いえ…アリスさんが頑張ったからですよ。」

 

 

高く積まれたお団子を見て、みなさん思い思いのご感想を述べられてます…ご好評なら何よりです…

 

 

「…なんか、食べるの勿体無いね。」

 

 

「うん。せっかくアリスが頑張ったお団子だしね…」

 

 

”……”

 

 

みなさん、アリスさんと一緒に作ったお団子を食べるのを渋られてる様子ですね…中々手を出そうとしてない…してないですよね?先生。

 

 

「…あっ、別で作ったお団子もあるんですけど…食べますか?」

 

 

「えっ!いいの!?」

 

 

「はい…お団子粉が余ってしまったので、作ったものがあります…」

 

 

そう言って、冷蔵庫の中から取り出します…。あんまり上手くいかなかったんですけど…

 

 

「みたらしと、あんこ…あと、ずんだを乗せたのを作ったんですけど…」

 

 

「…結構作ったんだね。」

 

 

「…余ってしまったので…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、みなさんで一緒にお月見をしてたんですが…

 

 

「…アリスさん、寝てしまいましたね。」

 

 

夜も更けてきたからか、アリスさんが寝てしまい…僕の膝の上で寝ています…。

 

 

”一番はしゃいでたからね。ミレニアムとここを往復してたし…”

 

 

「…アリスさんは、楽しんでいただけたんでしょうか。」

 

 

”…?楽しんでたと思うよ?”

 

 

「…こう言うのも嫌なんですけど、肝心のお月見をあんまりしてもらえなかったので…」

 

 

そういうと、先生はしばらく考えた後に…

 

 

”…最近忙しくて、あんまりミレニアムに行けてなかったよね?”

 

 

「…そう、ですね…アリスさんともあんまり会えてなかったです…」

 

 

”だからさ、久しぶりに会えて楽しかったんだよ。一緒にお団子を作ったのもそうだし、食べたこともさ。”

 

 

「…そうですかね?」

 

 

”きっとそうだよ。じゃなかったら、ほら…こんなに安らかに寝れないよ。”

 

 

「…そうですね。アリスさん。」

 

 

 

 

 

「…月が、綺麗ですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白亜の予告状(清掃員君入り)見たい?

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