俺の名はハトレッド。とある人間の憎悪で生まれた、セカンドロイミュードのラストナンバーだ。
飛び蹴りの押し合いの中、俺は打ち負かされて変身が解除される。
消滅が間近というのにも関わらず、あいつは俺に目線を向けながら距離を詰める。
???「ハトレッド。お前が人間嫌いなのは否定しない。だがな、いつか...いつの日か、人間を好きになれる事を願っている。今度は良い奴に生まれ変われよ」
ハトレッド「はっ、テメェはいつまで経っても甘ちゃんだなぁ...そういうとこが、一番気に入らねぇんだよ」
人間の何度でもやり直せる力とやらに打ち負かされた俺の肉体は消滅。飛び出たコアも砂の様に崩れ落ちた。
こうして長きに渡るセカンドロイミュードとの戦いは幕を閉じた。俺はこのまま地獄に落ちると思っていた。
思っていた
ハトレッド(なっ、何じゃこりゃああああああああッ!!!?)
皮肉な事に神の
俺みてーな極悪人が消滅すれば、地獄に堕ちるのかと想っていた。
あの日から約六ヶ月が経過し、目覚めりゃ
???「良い子でちゅね
ハトレッド(なんつぅ名前付けてんだ。このアホ女は...)
紫色の長髪に一番星の様な輝きを放つピンク色の瞳の女の名前は『星野アイ』。
簡単に言うなら、俺達の母親だ。
今言った言葉には意味がある。アイに抱っこされてデレているのは、長男の愛久愛海。
一方、柵でギャンギャン泣き喚いているもう一人の赤ん坊は長女の
そして俺の方は末っ子で、名前は
???「そっちはルビーだろ?それでも母親か」
アクアをルビーの名前で間違えた事に毒突いてきたムカつくクソサングラス野郎は
ホワイトボードに書かれた内容にはアイの本日復帰の内容と、今度の活動に関するもの。
アイが仕事の間に、妻のミヤコが育児の面倒見の代役といった雑用係を命じられた。
だが、次に発せられたのは「アイが16歳三児の母と言った情報を世間に流出すればアイドル生命終了」と言った内容だった。
ちゃんとファンを愛してるって言うなら、包み隠さずちゃんと話せば良いのにどいつもこいつも無能な奴ばかり。
自分達は何も悪くないと他人に責任を棚に上げて被害者ヅラする。これだから俺は人間を好きになれないんだよ。
六本木スタジオでの生ライブでB小町のメンバーがテレビ画面に映ると、早速インタビューに入る様子をアクアと見ている。
アイ『そうそう!ご飯と言えば、此間ウチの子が...』
「「ブーッ!!」」
余りにも唐突な即答で俺達は噴き出す。
だが直ぐに笑って
エメラルド (こりゃあ駄目かもしんねぇな...)
そう思っているとB小町のパフォーマンスが始まり、曲が流れ出す。
アクア「あの社長も
エメラルド「テメェも物好きだよなぁクソ兄貴。こんなの俺にとっちゃあ
俺にとっては微塵もないが、アクアはアイの輝きに見惚れているかの様に呟く。
その笑みにどす黒い何かが
ルビー「...待って。Nスタもう始まってるじゃん!どうして起こしてくれなかったの!?」
エメラルド「俺に文句言い付けてどうする...もうとっくにクソ兄貴が録画しといたぞ」
ラスサビから放たれたアイの投げキッスでクソ姉貴ことルビーが目を覚まし、番組が始まる前に自分を起こしてくれなかった事に愚痴りながら赤ん坊用のゆりかごから前転返り。
少ししか見れなかったとはいえ、アイに夢中で
ルビー「はああ〜、ヤッバァ〜!!ママ可愛すぎぃ〜!視聴者全員、億支払うべき!!ターンの時の表現力マジヤバない!?
熱弁を終えたルビーは、
ルビー「...むぅっ!生放送はリアタイに意味あるってのにどうして起こしてくれないのかなぁ?この体、無駄に眠いんだがらお互い協力し合おうよ!!」
エメラルド「別に俺ぁ、テメェら二人に協力する気なんざサラサラねぇよ」
ルビー「何それ!言い方酷くない!?」
アクア「それに、俺もエメも何度かお前を起こしたぞ?」
ルビー「えっ...マジ?」
エメラルド「...やっぱりテメェは、兄妹の中で一番のアホだな」
アクアとルビーは俺と同様に前世の記憶を持っている様だが、自分の前世の名前ですら教えてくれなかった。
事の発端はアイが寝静まった深夜。俺のコピー元が余りにも音に敏感だったためか、アクアが起き上がったと同時に目を覚ましてその跡を追った。
跡を追う前にルビーの姿がなかったので、アクアの足跡を頼りにするしかなかった。
まぁ、その気なりゃあ普通に喋ったり歩いたりすんのも容易い。
廊下を
ルビー『はぁ!?死ねよ!ママの才能と美を理解しない
その声の正体は、何とアイのスマホをこっそり使っていたルビーであった。
とても赤ん坊とは思えないくらいの指捌きで文字を打ち込み、アンチと壮絶なリプ合戦を繰り広げたいた。
全く、これだから人間同士の争いは絶えなくなるんだよ。ああ、雑音だ雑音だ。
唸りを上げるルビーにアクアは話し掛ける。
アクア『なぁ、お前。若しかして俺と同じか...?」
エメラルド『そういうテメェらこそ、俺と一緒じゃねーか』
ルビー『...え?』
俺も後に続く様に二人に話し掛ける。
ルビー『赤子が二人も喋った!?キモッ!?』
『『(いや)
それで今に至る。
ルビー「もっかい今のとこ観よ」
エメラルド「テメェも見て飽きねぇな。後どれくらい見るつもりだ?」
ルビー「勿論、満足するまで!」
俺とアクアはルビーが満足するまでライブ鑑賞に付き合う羽目になった。
だが、この時の俺達は知らなかった。
裏でアイが子を授かっている事を知っている人間が、憎悪の炎を
???「この嘘吐き...ガキなんてこさえやがって...どうして...
エメラルド「くっ...!変身!!」
【カメンライド ディケイド!】
それから色々あって五年が経過したライブ公演当日、リュースケと名乗る男が変身したパンダの頭部を持つ『仮面ライダーダパーン』と交戦している。
現在、俺が変身している姿は七枚のプレートが頭部にぶっ刺さっているモノクロカラーのバーコードウォリアー『仮面ライダーダークディケイド』。
だが、新しい体が全く思い通りに動かせず、更にはカメンライドカードも使えないという事態が発生。
カードホルダー型の武器『ライドブッカー』からアタックライドカードを取り出そうとした矢先で、ダパーンがスナイパーライフルの様な武器で変身ベルト『ダークディケイドライバー』ごと腹部を撃ち抜かれる。
エメラルド「がはあっ...!?」
アクア、ルビー、アイ「「「エメ!!」」」
ダパーン「どうだ?痛いか?俺はもっと痛かった!苦しかった!!アイドルの癖に子供なんて作るから...ファ、ファンを裏切るふしだら...ファンの事
エメラルド「がああッ!!」
ダパーンは変身解除した俺の苦鳴を無視して撃ち抜かれた腹部を何度も踏み付け、最後に脇腹を強く蹴って大きく吹っ飛ばす。
血
出血多量で視界が薄くなる。クソッ...!こんな
死んで、たまるかよッ...!!!!
主題歌『MY FIRST STORY/アクマ』
エメラルド「俺は人間の愛し方が分からない...だがな、今からでも、好きになれる努力は出来る。だから見ててくれ。神の悪戯によって、やり直すチャンスを与えられた俺の...本当の『
ダークディケイドライバーが突然変化した『レジェンドライバー』を腰に巻き、ディケイドに類似した金色のライダーが描かれているライダーカードを表向きに装填する。
【ケミーライド!】
エメラルド「変身!!」
【レ、レ、レ、レッジェーンド!!】
左右のハンドルを開くと、中央のドライバーの扉が開く。
金色の幻影が重なると鎧を形成し、七枚のプレートが顔に刺さるとモノクロからゴールドへと変色する。
レジェンド「...俺は仮面ライダーレジェンド。さぁ、新たな伝説の幕開けだ!!」
これは、神の悪戯によって転生した元セカンドロイミュードたる俺の...伝説を創り上げる物語。
紛い物からゴージャスになった俺が、人間を好きになる物語だ。