あと普通になんか体調崩してました。
デスガンくんのキャラ崩壊があります。
お覚悟を()
「おまえ、本物、か」
「本物って……どういう意味だ?あんた、誰だよ?」
「試合を、見た。剣を、使ったな」
「あ……ああ。別に、ルール違反じゃないだろ」
1回戦を結構ギリギリで突破したキリトをからかってやろうとちょっかいかけに行ったら、なんか知らないやつに絡まれていた。
青い顔になり冷や汗を浮かべるキリトの表情はただごとのそれではない。
「もう一度、訊く。お前は、本物、か」
いや、違った。
めっちゃ知ってるやつだった。
名前覚えてないけど。
「よーお、ザザちん。ひっさしぶりじゃーん?元気してたぁ?」
「「えっ」」
───キリトを問い詰め怯えさせるその死神の肩を、白い死神が捕まえた。
「なになーに?その様子じゃ最近噂のデスガンとかいうクソダサネームの痛いやつってお前なの?改名したんなら恥ずかしがらずに堂々としてればいいのにさぁ…ぷふっ、デwスwガwンw。かっこいいねぇwラフコフよりひでえや。というか冷静に考えなくても笑う棺桶って何?死体の入れ物は笑わねえだろ。センスねぇー…だから滅びた」
「いや、別に?違うけど?は?意味わかんねえし!は?なに?かっこいいとか思ってないけど!?単に分かりやすさ重視でつけただけなんですけど!?あと別にデスガンじゃねーし!知らねーしそんなやつ!なにその厨二病のセンス!うわだっさー!何その名前だっさー!」
「めっちゃ動揺するじゃん。あとめっちゃ普通に喋るじゃん」
「は?喋り方…?……は?なに?は?意味分かんな、は?だるいわー、え?だるー。なんか人間違いで絡まれてんのだるっ!」
「いきなり知らない人をいじめるのやめてやれよ…可哀想なくらいキョドってんじゃん」
「は?別にキョドってないし…?別に何も、俺らより積極的に笑顔で人を殺すサイコパスに怯えてるとかじゃないし?HPミリで暴れるキチガイムーブが目に焼き付いてるとかないけど?」
「トラウマになってる!」
知らない仲じゃないと思うけどな。
名前は知らないけど。
ただ単に朧気ながら浮かんできた呼び名を口にしただけで、ちょっと自信はない。
この動揺っぷりだと惜しい名前だとは思うんだけど。
『バカめのパパ』とかそんな名前だった気もするし、ザザちんちんって名前だった可能性もある。
だんだんバカめのパパに引っ張られてビアードパパとかバーバパパとかにも思えてきたし、つまりはシュレディンガーのちんちんってところか…。
逆だったかもしれねぇ…(意味不明)。
とりあえずラフコフなのは間違いない。
プーによって殺人の快楽を覚えさせられた
とはいえ名前がなぁ。
どっかにラフコフの名前全員メモってるやつとかいねえかな。
殺したやつなら全員覚えてるからそっから消去法で探せそうなんだけど。
「なんだおめー絡まれてるから助けてやったのによ。…それに、そんな態度ならあれじゃぞお前さん?お前が女のフリして覗いたって話広めたっていいんじゃぞ?」
「…うわ」
「さっきまで寡黙キャラ気取ってたくせにうわとか言うなよ誤解だから!あとその雑なジジイキャラやめろ!」
僕の言葉になのか、デスガンの素の反応になのか。
びくりと、先ほどまでとはまた違った青い顔で冷や汗をかき始めるキリトを殴り倒し、その胸ぐらをつかみ上げる。
「違うだろこのハゲェェエエエエ!誤解をわざととかずに覗いたんだろ?落ちるとこまで落ちたよなお前ってやつは!!」
「正直引くわー」
「な、引くよな」
「まじ最低っすねこいつ!自分許せねぇっす…!」
「なんでそこが仲良くなってんだよ!つーかなんだその三下ムーブ!見たくなかったよラフコフのそんなみっともないとこ!」
「お、やっちゃう?やっちゃうのか?噂の力で!」
「や、さすがにそれは…今日は大事なもの家に忘れてきたっていうか…いや出来ないわけじゃないですけどね?肩こりとかあるとあんま調子でなくて…あれ、これ熱あるわ。今気付いたけどめっちゃ熱ありますねこれ…風邪かな?かーっ、万全な状態ならなぁ〜!かーっ…でもムカつくな普通に…なんでこんな奴がモテるんだ?殺したすぎるだろ…殺してぇー!」
「おいバカバカバカ!やめろ!煽るな!ほんとに死んだらどうする!?」
「バッカだなぁお前。殺すんだよ?」
「純粋な殺意!」
なんだお前。
どうせ仕事で撃たれなきゃいけないんだろ。
ちょうどいいじゃん。
心臓とか頭とかぶち抜いてもらえよ。
「葬式なら任せろ。盛大に花火と陽気な音楽用意しとくから。ラブホで棺桶背負ってダンス披露すんの楽しみだなぁ。エギルさんとかクラインさんとかも呼ぼうぜ」
「オフ会するみたいな感じで人の葬式の計画しないでほしい」
「あの…」
「えー参加者は誰一人いませんでした…なんででしょうねぇ?」
「家族は来てくれるだろ!つーかそれ開催場所がラブホなせいだろ!」
「えっと…え?聞こえてない?気まず…盛り上がってる二人組に絡まれてる状況気まず…」
「ラブホテル…それは愛する人と一夜を過ごす素敵な場所…それほらあれじゃん。最近は流行ってるって聞いたぜラブホのキャラが」
「物は言い様が服着て歩いてるじゃんお前。あとそれもしかしてラブブのこと言ってる?殺されたいか?」
「………スゥ…うっす…じゃ、自分この辺で…」
「僕は物じゃなくて人間なんだけど。差別か?それとも目が腐ってんのか?あとお茶目なかわいいミスで殺されたらあまりにも僕が可哀想だろ」
「比喩だよそれくらいわかれ!!」
さて。
わざと無駄に騒いだから、作戦通り周りに人が増えてきた。
それにようやく気が付いたデスガンが逃げようとしたのでその肩を抱き寄せて自撮りでスクショを撮る。
GGОでは真っ白な髪と真っ白な肌に青い瞳という…まぁ割とリアルの僕から色を抜いただけみたいな見た目のアバターと黒いボロマントに赤い目を光らせる男のツーショットは対比もあってなかなか様になっていた。
遺影にちょうど良さそう。
「試合たのしみにしてるぜ?もちろん、試合で勝てないって諦めて、ポリシー捨てて直接殺しに来てくれていいけど」
結局、人目を避けたかったのか、それとも対人能力の限界だったのか、逃げるように無言でその場を立ち去るデスガンを眺めながら、僕は鼻で笑った。
「レスバも雑魚か…だから滅びた」
「お前無敵すぎない?」
「僕ラフコフって月夜の黒猫団並みに嫌いなとこあるからさ。殺人ってただの手段なのにそれに娯楽性見出して神聖化してんのきしょすぎ」
「もうそろそろアイツラのこと許してやれよ…ちなみに黒猫が嫌いな理由は?」
「死にたくないからって女の子にタンク押し付けて、強くなりたくて死にたくないくせに手間を惜しむとかきしょすぎ」
「なんでラフコフより理由が長いんだよ…」
その後、強がる割に震えるキリトをしゃーなしで慰めてたら、なんかシノンまで合流してきて、挙句『どうしたらそんなに強くなれるの…?』なんて聞かれてしまった。
『え、知らん…野菜とか好き嫌いせずに食べたらいいんじゃない?あと規則的な生活習慣?ゲームとかせずに寝たら?』
『お前…寝不足による考えすぎみたいな話だと思ってる?』
『えー…そんなこと言われてもさ。僕茅場含め63人殺した割に悪夢とか見たことないから…なんなら殺したヒースクリフともマブだし』
『何回聞いてもおかしいんだよなそこの関係』
『……やっぱり、あなた
『そうそう。人殺し三銃士を連れてきたよ!つーかここにいる全員だよ!』
『人の心とかないんか?』
『そこになければないですね』
『わ、私は…』
突き放しても納得してもらえなかったので、僕がどれだけ人を殺してきたかを話して、あとはもう順番が来たから普通に予選に戻った。
『でも、だってそれは…守るため…なんでしょ…?』
『守るため?いいや、違うね。殺したほうがいいなーって思ったから殺したんだ。つまり言い換えりゃ殺したくて殺したんだよ僕は。どう正当化しても殺人鬼だろ』
『殺したくて…殺した…』
『…俺はそんな理屈認めてないけどな。しず…長ネギ丸がただの人でなしだなんて』
『他人を殺した理由に誰かを使うつもりはねーよ。僕のやったことの重さから逃げるつもりもな。ほいじゃ、あとは若いお二人でごゆっくりー』
●
ばいばーい、と手を振って軽い足取りで立ち去る後ろ姿をシノンは呆然と眺めていた。
「あいつはああ言うけどさ…」
「うん」
「俺は、あいつの殺人は…何人もの人間の罪を肩代わりしてくれたものだったって思ってる…」
キリトの言葉にあるのは、切実な思い。
「あいつのおかげで…あのゲームで何人の人間が手を汚さずにすんだか…あいつの罪は、俺たち全員の罪のはずなんだ」
「やっぱり、強いのね…」
「いやーどうだろうな。強いっていうか…あれはさすがに精神構造が宇宙人って感じもするけど。殺人の罪の重さを理解して、その上でそれはそれ、これはこれが出来るらしいから」
「それはそれ…これはこれ…」
「要不要で人を殺して、なのに殺した相手の顔は全員覚えてるし、人を殺すことの罪の重さも理解してる。…だから時々、本当に時々だけど…どっか遠くに行っちゃいそうだなって思うこともある。それが必要なら、きっと死ぬこともためらわないから…。…そんなあいつをつなぎとめる存在になれてるのかな、俺は…。あの頃から、一歩も進んでないんじゃないか?俺は…俺は弱い…!」
「………そ、そう……」
ぐ、と拳を悔しそうに握りしめるキリトにシノンはなんて返していいのかわからなかった。
…えーと、これなんの話だったかしら。
私の悩み相談って蒸発して消えた感じ?
あと何その重さ怖いんだけど。
みたいな感想しか浮かばず、頭が混乱してきたシノンはとりあえず自分の試合に向けて準備をすることにした。
それはそれ、これはこれ。
なるほどこういうことか、と。
シノンはまた一つ賢くなった。
あと、普通に立ち去る時の長ネギがわざわざバケツを外して手を振ってきた光景に『何あのファンサ…えろ…』とか考えてるシノンは割ともうだめかもしれなかった。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
37.6の熱に侵されながら働き、帰りの電車で書いてるのでいつもより意味わかんない気がします。
気のせいかもしれません。
もうわっかんね。
ここ好きとか感想とかたくさんくださいにゃん!(白目)
でもたまに気絶したりするので感想返信のタイミングにばらつきが出てますすみません。