変態バケツエンジョイ勢。   作:ひつまぶし太郎

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お久しぶりです。
ここ最近ひたすら誰得ドシリアス小説を書いてたんですが、最終章まで書ききったご褒美にキチガイゲージを発散しに来ました。
エクスキャリバー編と合わせて八千字になっちゃったので、とりあえず一旦大人しい方のユウキ編だけ投稿します。


お前はあいつのなんなんだよの巻。

 

最近なんか、母親とのことで悩んでるという閃光さんから相談のメッセージが入っていた。

 

…なんで僕に?と思ったけれど、そのメッセージには『あなたがいつだったか、反りの合わない祖父と反目していた話を聞いたのを思い出して…』という追伸があったので納得した。

 

納得したけれど、答えはあげれない。

喧嘩したら?しかいうことないもんだって。

僕は別に祖父憎しで無軌道に反目してたわけでもなく、あれは一種そういうコミュニケーションだったのだ。

いい子ちゃんの閃光さんにはそんな発想ないのかもしれないが、結局のところ人間関係なんて衝突してこそ相互理解が生まれるのだ。

 

衝突を恐れて言いたいことを言えない関係なんて偽物だってどっかのボッチ系主人公も言ってたし。

 

「わかる?」

 

『わかりません…何を言ってるのかも、深夜2時にその場のノリで電話かけてくる非常識さも…』

 

現在僕がいる地域は日本と違ってちょうどいいお昼時だ。

渋いマスターとジャズのかかる店内。

アメリカの喫茶店ってもっと治安とか終わってるかと思ってたけど(偏見)、別にどうってことはなかった。

 

ここが田舎なのもあるだろうけど。

 

「もー閃光さんは固いなぁ」

 

『……イラッとしたせいで目が冴えてきちゃったんですけど…』

 

「最近若者の間で寝落ちもちもちが流行ってるって聞いてさ。特別サプライズみたいな?」

 

『シノンとしてくださいよそういうのは…』

 

「それはそう」

 

喫茶店のマスターに確認してから思いつきで電話してみたが、そういや時差とかありましたね。

 

僕バカだからわかんないけどよ、まぁ別に時差なんて知らなくても生きてけるから別にいいかなって思うぜ。

 

『普通に反省はしてください。相談に乗ってもらってることには感謝してますけど…』

 

「うぃーす。で、話し戻すんだけどさ」

 

『……あい』

 

閃光さんの寝起きボイスとか僕キリトに殺されんじゃねえのかな。

シノンとの電話だとこうはならないんだよな。

 

束縛ボイスなんで基本。

 

「ほら、僕とキリトなんてしょっちゅう衝突事故起こしてるけど、未だに顔を突き合わせてゲームを遊んだりしてるじゃん?人間そんなもんだって」

 

『それは二人が特殊なだけだと思いますけど…』

 

「そうかなぁ…」

 

つーか友達なんて煽ってビンタしてなんぼでしょ。

カンチョーして爆笑。

返しの鼻フックで激昂。

それくらいでいきたい所存。

 

それに衝突した挙句決別したとして、それでその人との過去や今後の交流すべてが消え去るわけでもない。

また道が交わることもあるだろうし。

 

『交わるどころかこないだ一緒に水着選びに行ったって聞きましたよ』

 

「あのイベントマジでなんだったのか聞いていい?秋だぜ?あと男同士の水着選びとかゴミみたいな盛り上がりだったんだけど」

 

『…それで、そのあと交わったんですか?』

 

何言ってんだこいつ。

交わった?

僕とキリトが?

舐めてんの? 

 

「眠かったら普通に下ネタとかいうタイプなんだ」

 

『ほっといてください。…もう、もう限界なんですよ!こっちは!やたら当たりのつよい母!口を開けば長ネギ丸さんとの思い出話ばかりのキリトくん…!私にどうしろっていうんですか!?そんなに長ネギ丸さんが好きだったらそっちと付き合ったらいいと思いません!?』

 

「お、思わないよ…」

 

『だったらやたらとホモホモしいのやめてくださいよ!』

 

「ホモホモしくないよ…?」

 

『最近なんか長ネギ丸さんが可愛く見えてきちゃって病院に行くか真剣に悩んでるんですよ!』

 

「眼科いったほうがいいねぇ…」

 

だめだ、話の流れが良くない方向に向かっている。

 

「ほら、そもそもお母さんとの仲がどうたらみたいな話だったじゃん」

 

『…はい…すみません取り乱しました…』

 

まったく、これだから思春期高校生は困るんだよな。

ここは大人が完璧な対応を授けてあげようじゃないか。

 

「まーほら、あれだよ。そんなに母親の表情が変わらないなら胸でも揉めばいいんじゃない?」

 

『切りますね』

 

ぶつり、と。

 

電話口から音がなり、以降すべてが沈黙する。

 

まぁいいか…元気出たみたいだし。

 

「つまりあのメス猫と別れて私とよりを戻そうって話?」

 

「は?お前何言ってんの?」

 

「私へのそのあたりの強さも愛なのかなって」

 

「そういうのはドマゾのストーカー同士でやってろよ〜うるさいなぁ〜」

 

「ぶつかり稽古ってことだね」

 

「お前ほんと何言ってんの?」

 

ちなみに閃光さんが心配してる、自分の弱さを見せたらキリトが離れてくかもなんて心配は要らないよ。

あいつ話の種ゲームか閃光さんとの思い出しかない寂しいやつだから。

 

…いやまじで。

閃光さんのマイベスト顔の角度とか知らんわ。

閃光さんが作ってくれた料理の話もうざいし、なんなら僕の家来て勝手に飯食って比較してくるのもうぜえよ。

 

どうすんの?そんなに閃光さんのこと話されて自認閃光さんの彼氏になったら。

バケモンが誕生しちゃうだろうが。

 

…やっぱキリトかなー。

こないだ普通にブチギレて鼻からパスタ食わせてたし。

 

『うるせぇ口だな。僕が塞いでやるよ』

 

『えっ』

 

『永遠にな!!!!!ペラペラペラペラ…人の料理を閃光さんと比較して上から目線のアドバイスしよってからに…!!!』

 

『ちょ、そんなでかいの入んないって!で、でかすぎぃ!!』

 

『うるせぇし汚え!!鼻からパスタの次はチョコボールだこら!!!てめえはうぜえ姑か!お前は僕の彼女じゃねえよ!!!!殺すぞ!!!!!!!!!(迫真)』

 

…そんなイラッとした最近の話を思い出しつつ、憎しみをできるだけ消して、純粋に励ますメールを送ったあたりで、右腕にかかる重さが限界に達して、僕は端末から顔を上げる。

 

「なに?」

 

「うふっ、目が合っちゃったね!」

 

「…どうしよ吐きそう」

 

つい先日、割と普通に世界中から感謝されるような善行を積んだってのに、僕は何でストーカーと休日のカフェで時間を潰す羽目になっているのだろう。

…さっきからずっと無視してんのに腕に絡まりついてくるのは絶対嫌がらせだ。

 

…そう、善行。

その話をちょっとしておこう。

つい先日、ふらっと僕の前に遊びに来たヒースクリフに渡された『タンパク質を作るシミュレーションゲーム*1』で遊んでたらなんかエイズの治療ができるようになったとかで、ヒースクリフの恋人の研究室がノーベル賞を獲得するとかいうニュースは今朝もテレビでやっていた。

 

それは素晴らしいことだ。

直接僕の名前が取り沙汰されるわけではないが、一応論文に僕の名前が載ったり、VRゲームも医療に転用可能みたいな話が盛り上がってたり、生み出されたタンパク質によって生まれる利益に関して僅かばかりの金額が僕の口座に振り込まれることも決まっている。

 

自画自賛するわけじゃないけど、僕っていつから聖人君子キャラになってんだろうと勘違いするほどの善行っぷりにみんながマックで拍手喝采。

 

…いいことしたなぁ。

その時期の僕確かALО内で対戦相手募集してた女の子ボコボコにして泣かせて、挙句装備剥いて触手系モンスターだらけのダンジョンに閉じ込め、その間にアインクラッドボスをソロで攻略して目標を強奪。

さらには出てきたところにドロップキックかまして浮遊城から飛び降りてその女の子で外道サーフィンして煽り散らかしてた気もするけど、普通にそれでも聖人君子だからセーフだったはずだし。

 

『ごめんごめんごめんごめんって!』

 

『ひゃっほー!』

 

『ちょっとリアルでいいことあったからって調子乗りすぎましたごべんなざいいいいいいい!』

 

『なんだよ仲良くしようぜ!?妖精の国へようこそ!!!』

 

…そもそも対戦相手待ちの暇つぶしとやらで、このガキがしてたバレーボールが僕のシュークリームを破壊したからブチギレてたなんて事実はない。

 

『うわああああん!男の人にだけ戦わせて後ろで見てるだけってことはオタサーの姫?とか聞いたの謝るから!だってしょうがないじゃん生意気な女の子に見えたんだから!』

 

『煽りカスじゃん』

 

たしかにあの女の子に勝てたらいいもの(ボスのレアドロ)あげるとか言って戦場へ駆り立ててたけど。

 

むしろ勝てなかったら金玉潰すからとか言ってたけど。

 

負けた奴は死ぬほど煽り散らかして泣かしたけど!

 

でもこいつはカスだ。

 

許しておけねえよなぁ!?

 

『なんだろう君にだけは言われたくない気がする…!』

 

『はっはー!とりあえず轢き潰して粗挽き肉団子にしてやるぜ!!』

 

『ごめんごめんごめーん!!!許して〜!!!!!』

 

…うん。

いつも通りだな。

 

むしろ一体全体神様的に何がだめだったんですかね。

 

…やっぱ妖精の国ってのがだめなんじゃねえの、神とかいないから。

 

僕は目の前のストーカーの分のお代も支払いながら、ため息交じりに伸びをするのだった。

 

まったく、せっかく祖父に久しぶりに会おうと思ってアメリカに里帰りしたのに、恋人以外と喫茶店とか何が楽しいんだよ。

…いやこのストーカーも昔アメリカに住んでたしお隣さんだったから理屈はわかるんだけど。

 

 

…後日、母親と無事仲直りできた、と閃光さんからお礼のメールが来ていたくらいで、僕の日常は過ぎていく。

 

なんかメールのなかに『母親の胸をもんだら病院に連れてかれたどうしてくれる』とか、そこで出会ったユウキって女の子と意気投合して今度クエストに行くとか、『その子も長ネギ丸さんに恨みあるみたいなんで今度PKしに行きますね』とか、大晦日にみんなでクエストどうちゃらとか書いてあった気がしたけど、まぁ別に僕には関係ないことだろう。

たぶん。

僕が恨みを買うわけないしな。

 

『あれからキリトくんとも上手く行ってます!』

 

という追伸とともにツーショットが送られてきたのがムカついてよく読んでないので、詳しくは知らない。

 

前よりキリトの鼻の穴が確実にデカくなっていて、というでかくなりすぎて目かな?って一瞬思ったのは覚えてるんだけども。

 

 

 ( ・ ⚫️ ‿⁠ ⚫️ ・ )

 

 

 

 

*1
現実にも存在する




今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
久しぶりの投稿で膝が震えてるのでよければ感想とかたくさんください(乞食)
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