マギアレコード~CROSSOVER/BRIGHTS RIDER!~ 作:カナミーかなみー
今回も自身の対人経験値の乏しさなどから、かける言葉の不自然さが目立つ場面があると思われます。ご了承ください。
『『PRESS RELEASE!』』
『神・浜・聖・女!!』『CHELATION RAND!(Wooooooo!!!)』
フェントホープ城から現れた巴マミと由比鶴乃。2人はウワサの力を纏う仮面ライダーブライツ・ルモードへと変身した。
「嘘…アレがマミさんなの……?よくわかんないのになってるし…凄く怖い魔力で満ちてるよ……!」
巴マミが変身したブライツ・ルモード ホーリーカスタムに恐怖するまどか。
「鶴乃ちゃん!「やめときな。こっちの知り合いもアンタらの知り合いも、お喋りしてくれる感じじゃなさそうだ。」でも…」
鶴乃達が居る塔へ近づこうとして、杏子に止められるいろは。
鶴乃が変身したブライツ・ルモード キレーションカスタムが、メリーゴーランドの木馬の姿をした“キレートマスコットのウワサ”に合図を出して飛び乗る。
ホーリーがドライバーを操作し背後から無数のマスケット銃を生成、陣形を組み宙に浮く。
ーーー
一方でフェントホープ城の最上階から銭湯の様子を見ている里見灯花と柊ねむ。
「灯花…魔法少女は本来、僕達が救済すべき存在だ。無闇に傷付けるものではないよ……」
「ど〜しちゃったのねむ?わたくし達は魔法少女を救う“神様”にならなきゃいけないんだよ?」
ーーー
「鶴乃ちゃん!私だよ!いろはだよ!環いろはだよ!!」「鶴乃…あの様子だと何かに操られているの…?」
「魔法少女は、救われなくちゃいけない」
「なっさけないなぁ。あの巴マミがいい様に使われちゃってさ。笑えるぜ…」
銃口が一斉にこちらに向けられる。「いきなりかよ!?」「あんたが煽ったからでしょ!」
「言い合ってる場合じゃないわよ」
言い合うさやかと杏子をよそに、盾の機構を作動させるほむら。それによって周囲の時間が停止……
しなかった。マスケット銃が一斉に火を吹き、弾丸が雨あられの如く降り注ぐ。
「使えなくなるまでまだ時間はあるのに止まらない……」「こっちもダメです、“屈折”の魔法が使えません!」
愛生まばゆの魔法は“屈折”。光の屈折を利用し姿を消しての攻撃が、彼女の主な戦法だがそれさえも封じられている。
「……魔女結界とも違う…これは一体何なのよ…!?」
「のんびり行こうよ〜」《/color》《/b》
キレーション はウワサから飛び降りやちよに襲い掛かる。
電流を纏い、青緑に染まった鉄扇“キレーションスタンビュー” を広げて錐揉み回転で突撃する。
「もう頑張らなくてもいいんだよ〜?」槍で攻撃を受け止めるやちよを弾き着地する。
「っぅ………しっかりしなさい鶴乃!本当のあなたを思い出して!」
力無く鉄扇を構えて再びやちよに攻撃を繰り出す。槍と鉄扇が鍔迫り合い、やちよは吹き飛ばされた。
「やちよさん!!」「大きな声は…迷惑だよ〜?」
キレーションが飛び上がり、鉄扇から斬撃波を放つ。地面を削りいろはに迫り来る直前に
「ま……間に合いました!」「遅くなったな、いろは!」
「さなちゃん!フェリシアちゃん!」
さなとフェリシアが駆けつけて攻撃を防いだ。
「さな、“コネクト”だ!」「はい!」2人がハイタッチをし互いの魔力を循環させる。
「鶴乃………起きろぉぉぉぉぉぉっ!!!」
フェリシアが魔力を込めたハンマーを叩きつける。ハンマーから左右に魔力の波動が伸び、そこからさなの盾を模した巨大な障壁が生成される。
「いろは!さっさと逃げるぞ!赤いねーちゃん達も!」
ルモード達は一度攻撃をやめる。障壁が消えると、いろは達はどこかへ行方をくらませていた。
ーーー
全員が逃げ隠れたのは離れた場所にある小さなステージ。
「2人とも無事だったんだね!」
「いろはさんもお元気そうで安心しました…!」「だから言っただろ?いろはは殺したって死にはしないって……」
再開を喜ぶさなとフェリシアに近づくやちよ。「あなた達、いなくったまま連絡しないで…みんなどれだけ心配してたかわかってるの…?」
「ご、ごめん」「すみません…」やちよは頭を下げる2人を優しく抱きしめる。
「もうこんな勝手な真似はしないでちょうだい。マギウスがどんなに危険な奴らかわかったでしょう…?」離れて頭を撫でる。
「オレ、せっかくマギウスの翼に入ったのに、魔女にならない方法はロクでもないヤツだったし、鶴乃のことも……」
「鶴乃は私が何とかしてみせるわ、あなた達のことも私が、命を懸けて魔女なんかにはさせは「ちげぇよ…」何が違うのよ?」
「やちよだってドッペルがなかったらとっくに魔女になってたんだろ!?そんなのイヤだよ!オレは、やちよに「魔法少女の運命は自ら選択した希望の代償よ。」それは…」
「私はその責任を誰かに押し付けて自分だけ助かることは……望んでないわ。」
「何だよそれ!魔女になるのは仕方ねーことなのかよ、さっきと言ってること違うじゃんか!」
「違わないわ。ドッペルに頼らなくても済むよう強くならなきゃいけないのよ。あなた達だって私がいてあげられるうちに「それじゃあやちよが!」私のことは私が考えるわ。」
「〜〜〜っ!もういい!やちよのバーカ!ケチ!分からず屋!妖怪10ポイントババア!!」
「待ちなさいフェリシア!!」
ステージからどこかへと走り去ってしまった。
「なーにやってんだか……そんなこと今話すことかよ?」杏子は呆れながら、何処から持ってきたチュロスを齧る。
「…私は嘘が嫌いよ」「ふーん、じゃあまず……」杏子はチュロスを差し出して
「こんな時に?」「“こんな時”だからだよ」
きっと彼女なりの気遣いだろう。仲間が敵に寝返って、混乱している今だからこそ、一息入れて手を考えようと
「……じゃあ、いただきます!」
いろは1本受け取る。「じゃあ私も」まどかも受け取りチュロスを食べる。
「仕方ないか…」「そうね」「腹が減っては何とやら、ってヤツですね。」
それぞれ受け取り、食べながら今後を考える。
「その鶴乃さんって方も、いろはちゃん達のお友達だったんですか?」
「うん!大切な友達で、みかづき荘の仲間なんだ!」「仲間……」「巴さんもまどかちゃん達の?」
「はい、マミさんは私達を導いてくれた人で…なのにどうして」「マギウスの仕業だよ」「佐倉さん、何か知ってるの!?」
「フェントホープってとこで見ちまったんだよ。アイツら『魔力の強化』とか言ってソウルジェムに得体の知れないモン注入してたんだけど……
多分それが完成したんだろ。“魔法少女とウワサの融合”とかなんとか」
「そ、それどうやったら解けるんですか!?」「そんなのアタシが知るわけないだろ?」
食べ終わったゴミを片付ける杏子。
「あの、逃げる時にみふゆさんがコレを…」さなが封筒を差し出す。
「みふゆが?」やちよがそれを受け取り開くと紙が飛び出て立体映像の様に、キレーションランドの地図と構造が浮かび上がった。
「今いる場所の地図ね…」「あんなことできる魔法もあるんですか…!映画でしか見たことないですよ立体映像なんて!「静かになさいまばゆ」すんません…」
「もう一枚入ってるわね…」もう一枚の方は何の変哲もない普通の便箋。その内容を除けば。
「“エンブリオ・イヴ覚醒作戦”ですって!?」「それって灯花ちゃんが言ってた!」
「コレにはその詳細が全て記されているわ……どうしてみふゆが…」
「みふゆさん、言ってました。『必ず鶴乃さんを連れて帰る』って」
「この手紙に書かれていることが本当だとしたら、城の頂上に“魔女誘導装置のウワサ”がある。」
「七海さん、その誘導装置について詳しくお聞かせ願えますか」
「暁美さんの予想する通りよ。誘導装置でワルプルギスの夜を呼び寄せ、人工魔女エンブリオ・イヴに餌として与えるつもりよ。」
「ああ。アタシもそれを見たな。他の魔女をバリバリ食ってるとこをな。」「私も見ました……怖かったです…」
「で?仮にもしワルプルギスを喰ったら本当に魔法少女はどうにかなるのか?」
「理論上はそうらしいわ。でもその際の余波で神浜から半径300km圏内は消し飛ぶみたい……跡形もなくなった更地を“開放の聖地”と呼ぶなんて、ずいぶんな事ね。」
「なら一刻も早く誘導装置を壊さないと!」「その為にもマミさん達を助けないと…でもどうすれば…」
『それには心当たりがあります』
便箋から梓みふゆの声がする。その便箋が鳥の形に折られて空を飛びながら話す。
『私のことを信じてほしい…とは言えませんが、後悔しているんです。』
「何を今更」『それでも私にはまだ取り戻したい後悔があるんです!その為に、元に戻せるかも知れない人に会ってきます』
そう言って便箋の鳥は広げられて元の便箋に戻った。
「そうなると心当たりって……」
〜〜〜
フェントホープ内 ドッペル病患者隔離病棟
ヒナタ、ももこ、みたま、レナ達は…
「ヒナタさん、身体の方は」「ありがとう、だいぶ楽になったよ」「そっか、ならよかった……なぁ調整屋、ヒナタさんが助けた子達っていつ起きそうなんだ?」
「そうねぇ……暫くは寝たままかしら?ドッペルってかなり体力使うじゃない?それを長時間やってた様なものだからそりゃもう、ねぇ?」
「だったら調整して回復させることってのは」
「難しい話ね。仮に体力が戻ったとしても、調整術を使わない強引に心に入って心の闇を“壊す”なんて荒業で無理矢理ドッペルとの融合を解いた以上、
ある程度心の闇と精神のバランスが取れるようになるまで時間が必要なのよ。普通の調整ではどうしようもない、ある意味一番厄介な状態にしてくれたわね。」
「そんなことになるなんて……本当に申し訳ない」「では別のお願いがあります」
病棟に梓みふゆが入る。「鶴乃さんと巴さんを元に戻す方法を教えてほしいんです!!」
「はぁ……ムリな相談だわ。私は信用第一の“調整屋”。守秘義務があるしいつも中立でなければならないの。そういう教えで、そういうルールだから。」
「その中立を諦めてはくれませんか。鶴乃さんが…」
「鶴乃がどうかしたのか、みふゆさん」「今の鶴乃さんはウワサと融合するタイプのライダーに変身させられている状態です」
「遅かったか…!」「なんだって!?調整屋頼む!お金もグリーフシードも払うから!!」
「大して事情も知らないのに、私を巻き込もうって言うの?」
冷たく嘲笑の混じった声で話すみたま。
「鶴乃は仲間なんだよ!事情なんか知らなくったって助けたいんだ!」
「でも私には関係ないことよね?」
「…関係ない?あたしには“中立”を言い訳にして目を逸らしてる様にしか見えない!」
「………なにそれ?」
みたははももこに近づき、首元に手を這わせ耳元で囁く。
「あなた…私のこと何も知らないじゃない。何も、知らない癖に、よく言えるわ」
「ぁ…ああ……ああそうだよ!悪いか!?お前のことも、鶴乃のことも、かえでもレナもやちよさんのことも!!
ホントはなにも知らないよ!!知らない癖に分かったフリしてた、見ないようにしてたんだ!!!」
みたまを振り払い叫ぶももこ。
「はぁ…はぁ…怖いんだよ、知ることが…!」「私とおんなじね…」「え……」
「私ね、本当は魔法少女に憧れてたのよ。テレビの中の魔法少女みたいになれたらなってあんな風に、誰もに笑顔と平等を分けてあげられたらって。でも現実はそうじゃなかった。」
「ええ、私達は願いの代償に魔女と戦い続け、いつか自分が魔女になる運命を背負わされた。」
「私は違うわ。私にできるのはちょこっと魔力を弄れるくらい。1人じゃ魔女と戦えずに野垂れ死ぬか魔女になっちゃう。
ーーー
だから偶々会った“調整の先生”に調整術を教わって、調整屋としてグリーフシードを譲ってもらう毎日。たくさんの絶望を見てきたわぁ……
表面は明るく振る舞ってても、中身は手の施しようのないくらい真っ黒な闇に染まってる人もいっぱいね。
調整中に魔女になった子もいた……調整のコツは心の闇に飲まれないように、自分の心を閉じること。見て見ないフリをするの、いくつもの絶望を背負って自分が壊れてしまわないように……
ーーー
「もう疲れたしまだ怖いのよ。他人に触れるのも、理解するのも……」
「だったら……あたしが背負う!」
ももこはみたまを抱きしめ、そう宣言する。
「ごめん、今まで逃げてて…ずっと見ないフリしてた」
そしてももこはみたまの目を見て話す。「あたしを“友達”にしてくれないか?」
「も、もう遅いわ「遅くなんかない!影も絶望も教えてくれ!全部あたしが背負うから!」………ももこは気楽ね。よーし次からももこの調整代は3倍にしようかしら?」
「はぁ!?なんでだよ!」「ふふっ、冗談よぉ?」
曇り切った顔からいつものみたまの顔に戻る。
「みたまさん…間に割り込むみたいでアレだけど、俺にも背負わせてほしい。こういうのを背負うのは空っぽな(涙を流せる過去のない)ヤツの役目だし」
若干倦怠感の残る身体で立ち上がり、みたまに向き合うヒナタ。
「ヒナタくん、よく自嘲みたいに空っぽ空っぽって言ってるけど……今のあなたの中身はしっかり詰まってる思うわよ?」
「それって……?」「今のあなたにはいろはちゃんもやちよさんも、みかづき荘のみんながいる。
それだけじゃないわ、神浜の魔法少女も、対立した子達も、戦いとは関係のない街の人々も、ここまで関わってきた人達がいるの。
そのかかわりの中で積み上げてきたものが、今のあなたを形作っている。そう考えたらほら?」
「空っぽじゃない……!」「私の昔話は相当重いわよ?聞く時は覚悟しておくことね。」
「ああ、ちゃんと受け止めるよ」「もちろん」
「それで鶴乃ちゃんとウワサの融合を解く方法だけど……鶴乃ちゃんに“コネクト”するつもりで攻撃するのよ。」
「コネクトで……?」「こちらの攻撃と相手の精神と同調させるの。そうしたら異物であるウワサだけが引き剥がされるはずよ。」
「なるほど…」「でも注意して、これには相手の人格をかなり具体的にイメージする必要があるの。
そのイメージがズレると……ウワサどころか鶴乃ちゃんにまでダメージを与えてしまう。」「聴きましたか、やっちゃん!」
ーーー
キレーションランド側のステージでは、やちよ達が便箋を介して話を聞いていた。
「コネクトで攻撃…」『マミちゃんも同じ方法でいけるわ!』
「マミさんも…よかった……!」「ありがとう、恩に着るわ」
『いいのよこれくらい、これからは冷たいやちよさんじゃなくてももこに一生養ってもらうんだから!』
『お、おいそこまでは言ってないだろ!?』『ヒナタくんも、しっかり頼むわね?」』
『が、頑張ります』『やっちゃん、鶴乃さんをお願いします!』通信はそこで途絶える。
「やちよさん、鶴乃ちゃんを連れて必ずみかづき荘に帰りましょう!」
「そのためには、鶴乃さんを正確にイメージしてコネクトを……」
「大丈夫よ、私がよく知っている」
「マミさんのことなら、あたしに任せて!」
「大丈夫かよ?まばゆの方がよっぽど適任じゃねーのか?」
「いえ、ここはさやかさんにお任せします」
「頼んだわよ、さやか。」「お、おう!大船に乗ったつもりでいなさい!」
「あの……一ついいですか?」まどかが自信なさげに手を挙げる。
「どうしたの?まどかちゃん」
「“コネクト”って……なんですか?」「そこから!?」
ーーー
「さてと、ももこ、みふゆさん。2人には手伝ってもらいたいの。患者達を起こす手伝いをしてもらおうかしら?」
「でも精神のバランスが取れるまで時間が必要って…」
「ええ、だからある程度闇を増幅させるのよ?」
「ホントに大丈夫なのかよ…」「トラウマを刺激するから、最悪の場合私が闇に呑まれちゃうかもしれないの。
だから2人の魔法とコネクトで守ってほしいのよ……お願い。」
いつもの甘える様な言い方ではなく、芯のある強い言い方だ。
「みたまさん…わかった。あたし達で守りきる!」「ええ!」
「お願いします、俺はみんなの元へ」「あっ!ちょっと待ってて、確かこの辺に……」
みたまが病棟の奥からラッピングされた袋を持ってきてヒナタに渡す。
「これは?」「開けてみなさい」
袋を開けるとワインレッドのライダースジャケットが入っていた。
「絶交階段の時のゴタゴタで渡せなかったけど、あなたが調整屋に来て1年記念で、プレゼントしようと思ってたのよ。
ある程度自然乾燥してるとはいえ、びしょ濡れだった服で戦いの場へ行くわけには行かないでしょ?」
「ありがとうございます、みたまさん!いつも迷惑かけてるのにいいもの用意してくれて……」
「お着替えは奥の方でやってね?あ、服はあとでちゃんと洗って返すから」
ヒナタは奥の方へ向かい服を着替える。
上半身は黒い無印のTシャツにワインレッドのライダースジャケットを着て、下は濃青のデニムを履いた姿。バイク乗りらしい感じに仕上がっている。
「古着屋さんで買った年代物だけどなかなかイケてるわね!」
「じゃあ、行ってきます!」ヒナタはバイク“ブライツアラー”のエンジンをかけ、。
ーーー
「逃すな、捕まえろ!!」
その頃黒江は羽根達に追われていた。魔法少女の体力は人一倍以上あるがいつかは限界が来る。道の途中でつまづき倒れてしまう。
「もう逃げられない…環さん、どうしよう…!」〈助けてほしいの?私のことは見捨てたのに?]
影が語りかける。後ろめたい過去が、見捨ててしまった“あの子”が。
「ち、ちがう…見捨ててなんか…!」
「なんだ!?………うわぁぁぁぁぁっ!!!」
羽根達の悲鳴が聞こえる。何かが自分の近くで止まる。
「黒江さん、乗って!」ヒナタがバイクで駆けつけた。
黒江はバイクのタンデムシートに乗り、共にいろは達の元へ向かう。
「黒江さん、何かあった?」
「私は…何も」「何もない人の割には何かあった感じたけど?」「………」「言ってごらんよ、話せばちょっとは楽になる」
「私は…“あの子”と一緒に自分を見捨てたんです……」
ーーー
魔法少女の運命は、想像以上に過酷だった。
魔女は想像以上に強いし、魔女を倒さないとグリーフシードは手に入らない。私は魔法少女になってもそんなに強くなれなかったから、いつまで生きられるかわからなくて……
でも、“あの子”はそんな私より…もっとずっと弱かった。
「た、助けてくれてありがとうございます!」
「うん……見ない顔だけど、新人?」
「はい!この辺りじゃないですけど」
「ここら辺一応私が担当してる地域で…他の魔法少女が担当してる場所で勝手に魔女と戦うの、あんまり良くないらしいから……」
「うわぁぁぁぁごごごごめんなさい!!結界の中に、ネコちゃんが入ってくのが見えてそれで!許してくださいもうしませ〜ん!!!」
「い、いいよ別に。そういうのよくあるし」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!!」
「あの!」「何?」「もしかしてグリーフシードとか……持ってたりしませんか?さっきの戦闘でソウルジェムがかなり濁っちゃったし…もしあったらなんて……
そ、そーですよね!グリーフシード余ってるなんてないですよね!何でもないです、変なこと聞いちゃってごめんなさい!」
「私も手持ちがないの…そんなに強いわけじゃないし……ごめん」「そんな謝らないでください!私が無理言っただけですから」「でも……ごめん」
「とんでもないです!私が沢山持っていたらよかったのに……とにかく今日はありがとうございました!あのままだと私もネコちゃんもどうなっていたか……
私、早く一人前の魔法少女になれるよう頑張ります!あなたがグリーフシードに困った時に分けてあげられるように頑張りますね!」
「う、うん。お互い、頑張ろう…」
私達はお互い、名前も連絡先も聞かずに離れた。あの子とはそれっきり一度も会っていない。あの子はずっと手を振っていた。ずっと、振っていた。
あの子はきっと不安だっただろう。環さんならどうしただろう、マギウスだったらどうしただろう、あの子は今どうなったんだろう、生きてるのかな、それとも……
ーーー
「私はあの日、何も選ばずに、見捨てました……ちゃんと“あの子”に向き合ってたらと思うと何もかもが……辛くて」
「……黒江さんはさ、自分を責め過ぎてると思うよ。」
「でも、私は取り返しのつかないことを…」「生きるってそういうこと。取り返しのつかない過ちの積み重ね。
もし違う選択肢を選んでたらなんて、その道をたどった自分にしかわからない。少しくらい図々しく、厚かましくなってみなよ。」
「私は……」「黒江さんには多分今“二つの声”が聞こえてると思う。“自分に闇ばかり見せる声”と、“自分に光を見せる声”。どちらの声を聞くか、それを決めるのは黒江さん自身だよ。」
「………」「そういえばずっと“黒江さん”って呼んできたけどそれって苗字?名前?」「……苗字です」「だったら名前教えてよ。せっかくだし、ずっと苗字なのもさ」
「私………私は、いろは。“黒江いろは”……です。」「まさかの同じ名前とは……」「だから言い出せなくて……」
「でもいい名前だよね。いろはさん」「……はい」
ーーー
いろは達はルモード達と交戦を始める。
まどか達がホーリーの注意を逸らしてキレーションと分断することで
戦いやすい状況を整え、それぞれがコネクトで融合を解く算段だ。
さなの盾を借りてホーリーの攻撃を防ぎつつ接近するまどか達と、高速移動を繰り返して戦うキレーションを相手取るやちよ達。
「キレーションランドへようこそ!ここはもう頑張れない人の居場所なんだよー?」
「何言ってるの!?あなたはいつも呆れるほど元気で頑張っている、万々歳の最強魔法少女でしょ!!」電撃を避けて突撃するやちよ。
ほむらが煙幕と共にネットを射出する。キレーションはネットを斬り刻むも、タイミングをずらして飛んできた杏子の多節棍に絡め取られて柱に縛り付けられる。
そしていろはが光の矢で多節棍の鎖の隙間を射抜き、楔の様に固定する。
「あなたはいつでも誰よりも一生懸命で明るくて、本当に強かった………由比鶴乃を、絶対に助けてみせる!!“コネクト”!!!」
掌に魔力を込めてキレーションに触れる。
ホーリーの方では、マスケット銃はまどかが全て撃ち落とし、さなは盾を複数生成してホーリーを囲み杏子の魔力で作った鎖で盾を縛り固定する。
盾の中ではホーリーがリボンで盾を攻撃して破ろうとするも、まばゆが投げたハサミで盾にリボンを固定されて動きが完全に止まる。
「さやかさん!」「任せて!」剣にコネクトの魔力を込めて、ホーリー目掛けて急降下する。
「お願い、いつもの鶴乃ちゃんに戻って!!」
二人の周囲でスパークが起こり、やがて爆発する。それを見て何かを察したまどかが、急降下するさやかを抱える。「まどか!?一体何を!」バランスを崩してホーリーから離れた場所に落下する。
キレーションの周囲の爆煙が晴れる。柱の元には変身が解除された鶴乃が倒れていた。
だが鶴乃は血だらけで、腕も脚も首もあらぬ方向を向いて曲がった、どう見ても失敗ているよう。
「そんな…」「失敗した……!?」「嘘…もしあのままだったらマミさんも…!」
「鶴乃ちゃんは……さいきょーー!!!』メキメキと音を立てて立ち上がる鶴乃。曲がった腕も脚も元に戻っていく。
「だれよりもつよい、つよいからへいき』「鶴……乃………?」
「わたしは……さいきょー!!!』
失敗した、自分は理解できてなかった、それがやちよに重くのしかかる。
兵隊グマのウワサがやちよ達に迫り来る。
「やちよさん……もう一度コネクトを!」鶴乃を知ったつもりでいた自分への怒り、失敗したことへの焦りがやちよの思考を鈍らせる。
「やちよさん!!!」いろはの叫びが耳に入るも遅い、眼前には攻撃を加えんとするウワサの姿。
ウワサの一撃が入る直前ーーー
聞き慣れたエンジン音が響いた
黒江さん、救います。
初めてアニメで見た時わかっていたけどショックだったので、それと
“あちら側”とは違う世界ということの、ある種の象徴のようなものです。
次回はいよいよ強化形態、登場です。あるライダーのモロパクリですが……
温かい目線で見守っていただけると幸いです。