マギアレコード~CROSSOVER/BRIGHTS RIDER!~   作:カナミーかなみー

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こんにちは、かなみーです。
前回黒江の名前は“黒江いろは”としましたが、
環の方のいろはとの混同を防ぐため、“黒江”呼びのままにしておきます。
登場人物たちは名前で呼んでいる体で話は進んでいきますので、ご了承ください。


第22話・BURNING TURBO /誰より早く、(すく)ihg(イング)ターボ!

「わたしは……さいきょーー!!!』

 

あらぬ方向に曲がった骨が元に戻り、ダメージが消えてゆく鶴乃。ただただ痛々しい、辛いだけの光景。

 

「やちよさん!!」「コネクトが拒絶された……?」

 

「変身』『PRESS RELEASE!』

 

再びキレーションカスタムへ変身し鉄扇を構える。

 

「そんな…もしあのままコネクトしてたら、マミさんも…!」

 

「おい!ならどうすんだよ!」「逃げてもう一度策を立て直すしか…」「それを許してくれる程、相手も優しくはなさそうね」

 

ホーリーカスタムマミ相手に手を焼くまどか達、それを囲む様に“兵隊グマのウワサ”が現れる。

 

ーーー

 

「もー!!そのウワサもブライツ・ルモードもマギウスの自信作なんだよ!?あんな乱暴に扱うなんてー!!!」

 

塔の最上階で観戦する灯花とねむ。そして小さいキュゥべえ。

 

「どうしてこうなってしまったんだか………」

 

ため息を吐くねむ。あの日を知る者は、彼女だけだ。

 

ーーー

 

「やちよさん、もう一度コネクトを!」「………」

 

鶴乃を知ったつもりでいた自分への怒り、失敗したことへの焦りがやちよの思考を鈍らせる。

 

「やちよさん!!!」いろはの叫びが耳に届くももう遅い、眼前には攻撃を加えんとするウワサの姿。

 

 

 

ウワサの一撃が入る直前ーーー

 

 

 

 

ヴゥゥゥゥゥン!!!

 

 

 

聞き慣れたエンジン音が響くと共に、レーザーとロケット弾によってウワサが吹き飛ばされていく。

 

「ただいま、いろはちゃん!」ヒナタと黒江だ。

 

「ヒナタさん!」「た、環さん…」「黒江さんも無事でよかったです!」

 

「私、ずっと環さんみたいになれたら、って思ってた。優しくて前向きで、みんなに希望を与えられる様な人に。」「黒江さん?」

 

「でも私はなれない。」「そんなことないよ!」「うんん、なれない。私は私だから。だから強くなる、たとえ後ろ向きでも、卑屈でも、自分に負けないように!!!」

 

「黒江さん……」2人の会話を聞いて微笑むヒナタ。そしてやちよに目を向ける。

 

「コネクトの方は…」「失敗よ、私は鶴乃を理解していなかった…」

 

「だったら俺が時間を稼ぐ、その間に鶴乃ちゃんのことをもう一度思い出してみて」

 

ヒナタは変身ベルト“ブライツィードライバー”のスターターを回す。

 

ドシュン…キュキュキュキュキュキュ…………

 

スターターが回るだけでシステムが始動しない。

 

「な…もう一回だ」キュキュキュ………

 

「もう一回」キュキュキュ………

 

「もう一回!」

 

何度やっても始動しない。それはつまり「壊れた!?“エンゲージ”の多用*1が祟ったか……」

 

 

 

「鶴乃ちゃんはさいきょー!!!』『RUMOREDルモールドSPARKYスパーキーWALTZワルツ!』

 

「危ないっ!!」鉄扇を打ち合わせて電気を起こし突進する。

 

ヒナタは黒江を突き飛ばして攻撃の地点から逸らす。

 

キレーションカスタム鶴乃が着地した地点に落雷に、3人はそれに包まれて………

 

 

 

 

 

 

 

 

気づけば劇場にいた。

 

ヒナタ、いろはは座席に座っている。

 

「……あの、ここは?やちよさんは?」「いない。一体どこに」

 

開演を知らせるブザーが鳴り、幕が開く。

 

 

 

「私は、どこかで失敗を予感していたのかもしれない……」

 

舞台の上にはやちよの姿が。

 

「やちよさん!?」近くの座席にパンフレットが置かれている。そのタイトルは

 

“最強魔法少女・由比鶴乃”……もしかして、鶴乃ちゃんの心の中なのか…?」

 

 

 

ーーー

 

 

 

私は彼女、由比鶴乃を理解している筈だった……

 

でも、心の奥底では『私は鶴乃のことを知らないんじゃないか?』って、

 

本当は知らなかった癖に、認めようとしなかった。

 

私が危惧した通りであってほしくなかったから……

 

だからあの子の心を都合よく決めつけて、それ以上知ろうとしなかった…」

 

ーーー

 

 

 

「私は最強魔法少女・由比鶴乃。」「鶴乃ちゃん!?」舞台の上座から鶴乃が現れる。

 

「それが私のあるべき姿、あの日から、そうじゃなきゃいけなかった……」

 

 

 

舞台はありし日のみかづき荘になる。

 

「わぁっ!!占いによると、今日は“千年に一度のラッキーデー”だそうですよ!」

 

「なんと!?」「メル、占いはもうしないって約束したわよね?あなたの占いは「まぁまぁやちよさん。ラッキーデーらしいからいいじゃん!」もしものことを言っているのよ。」

 

「悪い結果なんて全力で逃げちゃえばいいんだよ!!」

 

舞台の上にはやちよと鶴乃、ももことみふゆ、そしてかつてのチームメイト・安名メルルが立っていた。

 

 

 

「これって“記憶ミュージアム”で見た!」

 

「やちよさん達の記憶……それも鶴乃ちゃんの視点か」

 

 

 

その日の夜の万々歳には団体客が来た。その時は確かに“千年に一度のラッキーデー”《だった

 

 

 

「もしもし鶴乃?今大東区から流れ込んできた魔女を見つけたんだけど……その様子じゃ難しそうね」

 

「ごめんね、団体のお客さんなんて珍しいから…」「いいのよ、今日は親孝行しなさい。」「ありがとう!やちよししょー!」

 

 

 

私はこの言葉を信じて、魔女退治に参加しなかった

 

 

 

舞台は再びみかづき荘に変わる。

 

 

 

「メルが死んだ…?なんで…あの時大丈夫だって!「ごめんなさい、思ったより魔女が強かったの…」

 

「私が、行かなかったから……」「違う!運が悪かったのよ!」

 

 

 

私が行けなかったから、メルは死んだ

 

 

 

「どうしようもなかったんだよ…鶴乃がいても、きっと結果は変わらなかった…」

 

ももこはそう口にする。

 

「ぇ……」

 

私は、頼りにされてない、私が弱いから、メルは魔女に殺された…

 

 

 

「違うよ鶴乃ちゃん!そんなことない!」

 

いろはは舞台に上がろうとするが、見えない壁に阻まれ上がれずにいる。

 

 

「えっ!みふゆが行方不明!?」「そうなの…少し前に言い合いになってそれっきり…」

 

 

 

みふゆには、まだまだ教えてもらいたいことがあったのに…

 

 

 

「私が一人で参京区を守るの……?」「えぇ。ももこが後輩の教育で忙しくなったから…」

 

 

ももこまで、私から離れていく…

 

 

 

「そんな訳で大変になるけど……」「……何言ってるのししょー!私は最強魔法少女・由比鶴乃だよ!」

 

 

 

そう、私は本当に最強の魔法少女でなくてはならない

 

でないとみんな、私の前からいなくなっちゃう

 

弱音を吐いちゃいけない、辛そうに見えたら信用してもらえなくなる!

 

私は誰よりも元気で明るい、最強魔法少女・由比鶴乃。

 

でも、いつまで最強の魔法少女でなくちゃいけないんだろう……

 

でも頑張らなきゃ、頑張らなきゃ、頑張らなきゃ!

 

 

 

「何がラッキーデーよ!最悪じゃない!」

 

……あの日とうとう、全部を知った。

 

 

 

記憶ミュージアムで見せられた記憶、メルが変わった卜者の魔女。

 

「あの魔女…ヒナタさんと殺った……メル……」

 

『魔法少女?それって一体?』『もちろん!悪い魔女を仲間であってもバッサバッサと薙ぎ倒す正義の味方だよ!』

 

「メルーーーーーーっ!!!!」

 

 

 

 

「鶴乃ちゃん!違うよ!違うんだよ!」「何も違わない」

 

 

もう、頑張るの、頑張りたくない…

 

私には、もう何も残ってない…

 

 

「私のせいね……私が鶴乃を追い込んでしまった…」「「やちよさん!!!」」

 

2人に手を握られ正気を取り戻す。やがて舞台は吹き飛んで………

 

 

 

3人はキレーションランドの芝生の上にいた。

 

「今のは一体…」「コネクトが、精神を繋いだ…?」「なら何で俺まで……ん?」

 

ヒナタの手元には未完成の強化ユニットがあった。「コレが繋いだ…?そんな機能はなかったはず…」

 

「みーつけた!ダメだよ〜起きて頑張ったりしたら」閃光の如く高速移動を始め3人に接近する。

 

「もういいだろ鶴乃!お前強くなんかねーだろ!!!」ハンマーが落下し鶴乃は動きを止める。ハンマーの柄に1人の少女が着地する。

 

「フェリシア!?」「フェリシアちゃん!」

 

「もう頑張るんじねーよ、ガマンし続けたら一生やめられなくなるぞ!!やちよだっておんなじだ!!!」「フェリシア、あなた…」

 

「……フェリシア…………私は…最強!!誰よりも…強い!!!』

 

『IGNITION…!IGNITION…!』スターターを二回回しグリップを押し込む。

 

RUMOREDルモールド DOPPELIONドッペリオン !』

 

キレーションの背面から現れる、食欲の失せるような緑の巨大な焼豚、

 

これが鶴乃のドッペル団欒だんらんのドッペル”

 

「大丈夫だって……言ってるでしょぉぉぉぉぉっ!!!!』

 

団欒のドッペルは鼻から炎を放出して全員を退ける。そしてドッペルを解除しヒナタに襲い掛かる。

 

ヒナタはザンシューターで鉄扇を受け止め鍔競り合う。

 

「ぐっ!」「私は最強魔法少女由比鶴乃!いつも明るく元気で無敵なの!!」「そうだな、でも鶴乃ちゃんが最強なのもここまでだ!」

 

「そんなことしたらみんなが!」「誰も逃げない!いなくならない!約束する、だから戻ってこい!」「私は……私は……っ!」ヒナタを蹴り飛ばして距離を取る。

 

「頼む動いてくれ…」ユニットをブライツィードライバーにセットしスターターを回す。

 

ドシュン……キュ…キュ…

 

「やっぱりダメかっ!?」「ちゃらあぁぁぁっ!!!!」鉄扇に電気を纏わせヒナタに叩き付ける。

 

魔法少女ならばある程度ダメージを逃がせただろう、だが普通の人間に耐えられる筈がない。

 

「がぁぁぁぁあぁぁぁっ!!!!」

 

高圧電流に曝され続ければ、死に至るだけだ。

 

やがてヒナタの身体から力が抜け、膝から崩れ落ちてゆく。瞼がゆっくりと閉じてゆく、そして膝を突き、意識を完全に手放す……

 

「だ……まだだ……!」ことはなかった。「どうして立ち上がれるの……」

 

「たとえ今変身できなくても、このベルトを着けている限り俺に戦う意志がある限り!!俺は立ち上がる!」

 

ヒナタは立ち上がる。マギウスの多くの人を犠牲にする強引で独り善がりな救済を止めるため、それ以上に仲間を救うため。

 

「(鶴乃ちゃんを、二人を救う力を……!)」その時ヒナタの脳裏に戦いのイメージが浮かんだ。

 

蒼い装甲の戦士が、目にもとまらぬ速さで戦う様子。背中に装着された大きなブースターから炎を吹き出し周囲の物を切り刻む攻撃をかわし続ける。

 

ドシュン……キュキュキュキュキュキュ……

 

ドライバーのスターターを回す。まだシステムは始動しない。だが少しずつエンジンが回ろうとしている気がした。

 

「なんなの……あなたは一体…!」「まだ俺が何なのかわからないけど、今だけは胸を張ってこう言える!!

 

俺は連並つらなみヒナタ!!“仮面ライダーブライツ”だ!!

 

キュキュキュキュ…………ヴゥゥン!!!『イグニッション!』「動いた!!」

 

ドライバーが始動する。そして強化ユニットも黒一色から鮮やかな赤に染る。

 

「「「きゃあぁっ!!!」」」爆発と共にまどか達が吹っ飛んでくる。

 

「あら?まだ抗うつもりなのね。由比さん、彼を救ってあげましょう。」「……」

 

『『RUMORED DOPPELION!』』

 

「“ティロ・フィナーレ セントドッペリオン”!」

 

団欒のドッペルと、ホーリーが呼び起こす礼拝のドッペル。火炎放射と砲弾がヒナタに向かって飛んでいく。

 

握った右手を胸に当て、その手を天に向かって突き出し指を鳴らす。

 

「変身!!!」

 

そのまま右手でスロットルグリップを捻った瞬間ーーー

 

 

 

ドォォォォン!!!

 

2体のルモードの攻撃が爆発を起こす。

 

「「ヒナタ!!」」「「ヒナタさん!」」

 

 

 

『TRANSFORM!ファイヤー!!』

 

爆炎の中から電子音声が響き、炎が消えてヒナタ、いやブライツの姿が現れる。

 

オレンジ色の炎の様な装飾が施され、背中に大型のブースター“ガッチャードッカーン”が搭載された新たなブライツ。

 

「名付けて“バーニングターボフォーム”!!」

 

『バーニングターボ!仮面ライダーブライツ!!アチー!!!』

 

 

「強化ユニットの存在は知ってたけど、完成形のデータだけはどこにもなかったのに…!」「この窮地で形にするとは、驚嘆に値するよ、仮面ライダー。でも…」

 

「そうだねねむ、わたくし達のウワサが負けるはずがないよね」

 

 

スロットルグリップを捻り一時的に高出力を得られる“レブイングブースト”を発動させる。

 

レブイングブーストは、ヒナタから抽出した生体エネルギーと戦闘時に浴びる風を装甲内部の“ブライツエンジン”で混合、圧縮し、

 

ヒナタの情熱で燃焼、燃焼によって得られた爆発的なエネルギーを各部に送り出力を一時的に底上げする。

 

そこに過給装置“バーニングターボチャージャー”を搭載したことで、排気される余剰エネルギーによってエネルギーと風がより

 

され、今までにない高い出力を得られるのだ。

 

「あっちゃぁぁぁぁぁぁっ!ファイヤー!!!」

 

ガッチャードッカーンから炎が吹き出る。

 

勢いよく一歩を踏み台した瞬間、ブライツの姿が消えた。

 

「ドーーン!!!」「きゃあっ!?」

 

ブライツの姿が見えたと思うと、自分たちの懐に入り込まれ腹に強烈なパンチが叩き込まれて吹っ飛ばされる。

 

「速い……!」「だったら!」

 

『神浜聖女!RELEASEリリースRUMOREDルモールド CUSTOMIZINGカスタマイジング!!』

 

「“ティロ・フィナーレ ホーリーナイト”!!」

 

大砲が複数生成されブライツ目掛けて飛んでいき、砲撃を放つ。

 

「(どれだけ速くても……先回りして撃てば!)」

 

砲撃音が鳴り響き、そこかしこで爆発が起こる。だがブライツは速すぎた。

 

どれだけ先回りして発射しても、発射された瞬間にはすでにブライツは射線上からいなくなっている。

 

ブライツは砲撃を躱しながらカードを取り出しベルト左側の“ライドコマンドスキャナー”に通す。

 

「変身!」『バーニングフォームライド!ガッチャード!スーパーU.F.O.!

 

「ユー、フォー!!」

 

ブライツの背に巨大なカードが現れ、カードに描かれたユーフォーが飛び出してくる。

 

そのユーフォーは錬金術で造られた“人工生命体・ケミー”。その中でも特に強力な“レベルナンバー10”に位置するU.F.O.Xユーフォーエックス

 

『ガッチャーンコ!エーックス!U.F.O.X!』

 

ブライツは“ブライツスーパーガッチャード・クロスU.F.O.Xターボ”へと変身する。

 

そしてもう一枚、必殺技用のカードを取り出し読み込ませる。

 

『バーニングファイナルアタックライド!ガ・ガ・ガ・ガッチャード!』

 

「この力でなら二人の分離ができる!」

 

「だったらそれで!」「だけどあくまで“表面上”の話、確実な分離には“コネクト”じゃないとダメだ!」

 

「でも、また失敗したら……!」

 

「一人でダメなら二人で!それでもダメならみんなで!!本当の意味で理解した今ならきっと成功する!!手を伸ばすことを恐れるな!!!」

 

「大丈夫です!やちよさんもちゃんとわかったはずです!」「……私、みんなに対して厳しすぎたのね…」

 

「やちよさんが厳しいのは自分自身にもですよ。本当は誰も強くなんてないんです、やちよさんはこれから鶴乃ちゃんにどうなってほしいんですか?」

 

「鶴乃には……強がらないでほしい!」「私達は弱いまま、支え合いましょう!」「いろは…!」

 

[ウォグマァァァァァッ!〉

 

後ろから兵隊グマが迫り来る。「うぉりゃぁぁぁっ!!!」

 

巨大なナタの一閃で、兵隊グマは真っ二つにされた。

 

「なんとか間に合ったみたいだな!」「ももこさん!」

 

「何言ってるんですか、大遅刻ですよ」「みふゆ…!」

 

十咎ももこ梓みふゆが駆けつけてくれた。

 

「二人とも!なんとか無事に終わったみたいだなっ!!」

 

「病棟のみんなも目を覚ましましたよ!」「背中は私達に任せてくれ!」

 

「私達も一緒に戦います!」「ヒナタさん達の邪魔はさせない!」「まどか!さやか!マミさんを頼んだわよ!」

 

黒江のロケット弾とほむらのライフル、まばゆの金の鋏で他の兵隊グマ達も一掃される。

 

「みんな!いくよ!!!」

 

ザンシューターを中心に金のXの文字が造形された“錬聖剣・エクスガッチャリバー”に変化させ、

 

刀身から牽引能力を持つ光線“アブダラクタービーム”を照射し二体のルモードを、ユーフォーの光に吸い寄せられる物体のごとく宙に浮かせる。

 

キレーションは電気を起こそうと、ホーリーは大砲を操作しようとするが、電気は起こらず大砲も操作を受け付けない。

 

このビームの中では熱も、電気も、衝撃も、能力も、重力でさえも遮断されるのだ。

 

「そぉ……っ!りゃぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ビームごとエクスガッチャリバーを振り回してルモードを投げ飛ばす。その先には四人の魔法少女。

 

「やちよさん……私も心を合わせます」「ありがとう、いろは」

 

やちよといろはのコネクトにより白い翼の装飾が施された大きな槍が創り出される。

 

「さやかちゃん私達も!」

 

もう二人の魔法少女、まどかとさやか。

 

二人もコネクトすることで、さやかのサーベルがウエディングナイフのような形状に変化した。

 

そして四人は二体のルモードに、大切な人に向かって飛び立った。

 

 

「あなたは……最強になんてなりたくなかったし、あなたが強くならなきゃいけない理由なんて本当はなかった!」

 

「苦しい事は明日からみんなで一緒に悩もうよ!」

 

「ごめんね……鶴乃!」

 

 

「マミさんは私達を導いてくれる強い先輩だったけど」「ずっと無理をしてたかも…」

 

「本当のマミさんは……!」「マミさん、元に戻って!!」

 

コネクトがルモードにぶつかる。本心を理解した今だからこそ響く一撃。

 

「ししょー…いろはちゃん……」

 

「鹿目さん、美樹さん……」

 

心の隙間を埋めるコネクトが、ウワサを心から追い出した。

 

「今だっ!」U.F.O.X!エクストラッシュ!』

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ブライツは鶴乃とマミの心がウワサから剥がれた事を感じ取ってエクスガッチャリバーを振り抜く。

 

ビームによってルモードのボディをすり抜けるように、中の二人がルモードから放り出された。

 

そして鶴乃はいろはとやちよに、マミはまどかとさやかに抱き抱えられて地面に降り立ち、

 

中身のない抜け殻と化したルモード二体はビームに引っ張られたまま放り投げられ、地に付したまま動かなくなった。

 

「やった……やったんだ、みんな!」

 

ブライツの身体が白黒に染まり、スーパーガッチャードの姿が無数の影となって分かれ元のブライツ・バーニングターボフォームへと戻った。

 

それぞれがそれぞれの仲間の元へ駆け寄る。

 

「ったくよぉ、世話が焼けるぜ……」「ごめんなさい、本当にごめんなさい…」

 

「あなたも被害者よ、謝ることなんてないわ」「でも…」「いいからいいから、巴さん」

 

 

「やちよししょー……みんな……」

 

「鶴乃、平気か!?」「ごめん、みんな…」

 

「間違っていたのは私よ。ごめんなさい鶴乃……フェリシア、あなたにも謝らせて」「やちよ…」

 

「大丈夫ですよやちよさん!たとえ間違ったとしても、これから正せばいいんです!」

 

「そうだったわね……ももこ、みふゆ、鶴乃を戻せたのはあなた達のお陰よ」

 

「……私の償いとしてはまだまだ足りません。」

 

「またこうしてみんな集まれたんだし、これ以上はないんじゃない?」

 

ももこは顔を背けるみふゆの手を引っ張り鶴乃の元へ向かわせる。

 

「本当に良かったです…!」「それにしてもヒナタ、お前めっちゃゴツくなってんな!」

 

「ビューン!ビューン!ビューン!って!戦いながら感じ取ってたけど凄く速かったよ!」

 

「なんか『今すぐ鶴乃ちゃんを助けたい!』ってイメージしたら…なんかこの土壇場で完成してこうなっちゃって、自分でも何が何だか」

 

「そうなんだ!あはは……その…みんな、本当にありがとね」

 

「そういえばコイツ誰だ?」「あの…えっと、黒江っていいます、お二人が居ない間、七海さんにお世話になってて……」

 

「黒江ちゃんも一緒に助けてくれたんだね、ありがとう!」「ふーん、ま、これからよろしくな!黒江!」

 

「よかったら、今度一緒にお話ししませんか?好きな事とか、いろいろ」「うん、ありがとう」

 

[私は冷たく見捨てたのに、その子達とは明るく仲良くするんだね〉

 

黒江のドッペルが、あの時見捨てた“あの子”の声と姿を借りて話しかける。

 

「(私は環さんみたいな“正しい人”にはなれない。

 

でも少しでも胸を張って生きられる人になりたい。私はこれから進むよ、ごめんね……)」

 

[そうなんだ……でもきっとまた出てくるよ。あなたの後悔は消えないから〉

 

「(それでも進むから。今は、じゃあね)」[……うん。〉気づけばあの子は消えていた。

 

きっとまたいつか現れて心を闇に落としに来るだろう。でもその時の自分は、今よりずっと強くなっていると信じて。

 

 

「ア…ハハ…!アハハハハハハハ!」「ノンビリ………ガンバラナイ…!」

 

マミと鶴乃中身がなくなって動かなくなったはずのルモードが声を上げながらゆっくりと立ち上がった。

 

「なっ!?なんでだよ……」「鶴乃達は分離したはずよ!」「まさかウワサが自分の意志で動いて!?」

 

「みんな離れてて!誘導装置ごとまとめて倒すから!!」

 

レブイングブーストを発動させて一瞬でルモードに接近、そのまま空高く投げ飛ばす。

 

ユニット前面のカバーを閉じ、レバーを上げてドライバーの鍵を回しスロットルを捻る。

 

『ターボリミット!イグニッション!』

 

「変身!」『TRANSFORM!ファイヤー!!』

 

胸部装甲と背部のガッチャードッカーンは分離し、前後が入れ替わって装着される。

 

『バーニングファイヤー!ターボキャノンモード!!モーット!アチー!!』

 

「何ですかそれ!?」「前後ろ逆になってるわね…」

 

バーニングターボフォームのもう一つの姿“仮面ライダーブライツ・ターボキャノンモード”

 

高火力の一発に全てをかけた砲撃形態だ。

 

『バーニングイグニッション!!』

 

再び鍵を回すと、胸部のブースターから鎖が飛び出しブライツの位置を固定するように壁や地面に突き刺さった。

 

「ターゲットロック!!」『ターゲット・ロックオン。実際の戦闘状況に従って攻撃してください。』

 

仮面の中でターゲットカーソルが表示され落ちてくるルモードに合わさる。

 

エンジンの回転数がどんどん上がり、ブースターにエネルギーが集中していく。

 

「ア、ハ、ハ!」「ノンビリ、シテ!」

 

ブースターのエネルギーが臨界点に達する。宙を舞うルモードと城の頂上にある誘導装置、それらが一直線に並ぶと同時にスロットルを捻った。

 

「“バーニングターボキャノン”!ファイア!!!」『ターボキャノンバースト!!』

 

ズギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!

 

ブースターから凄まじい光と熱量の光線が発射される。反動でブライツの身体が後ろに大きく下がるも鎖が錨のような役割を果たし下がる距離を低減させる。

 

光線はルモードを焼き尽くす。再生も許さず、欠片一つ残さずに。断末魔の叫びを上げる間もなく跡形もなく消し飛んだ。

 

「伏せるんだ!灯花!!」「にゃっ!?」

 

ねむが灯花と共に床に伏せさせる。光線は二人の頭スレスレを飛んでいき、フェントホープの屋根もろとも誘導装置を焼き払った。

 

誘導装置がなくなったことで神浜に押し寄せていた魔女たちが一斉に元居た町へ引き返していった。

 

一度に大量のエネルギーを消費したことで、ブライツの変身が解け膝を突く。「なんというか……破壊力ありすぎだな……!」

 

 

 

 

だがルモードは本当に跡形もなく消し飛んだわけではなかった。

 

「……コレにはまだ、ユーズ使うするプライス価値があるワケ」

 

マミが使っていたルモールドライバーがどこかへ飛んで行ってしまった。

 

捨てる神あれば拾う神あり、無くす魔法少女あれば拾うマギウスありというのが世の常。ドライバーはアリナ・グレイに拾われた。

 

アリナはスロットから“神浜聖女”のカードを取り出し魔力を込める。

 

すると絵が歪み“毛皮神のウワサ”に書き換えられた。

 

アリナは満足そうに微笑むと、それらを持ってどこかへ去っていった。

ーーー

 

『神浜市に接近していた暴風雨は、見滝原方面へ進路を変更して……』

 

ニュースでは暴風雨が遠ざかったことが報じられている。それを引き起こすワルプルギスの夜を引き寄せていた誘導装置がなくなったからだ。

 

「もう一仕事か……ほむら!まばゆ先輩!行きましょ!」

 

「立てるか?マミさん」「えぇ、お陰様で」

 

「いろは!アンタの願い、届くといいな」「………はい!!!」

 

杏子からの激励に力強く返事をするいろは。

 

「私達も行こう、ほむらちゃん」「待ってまどか、行っちゃダメ……」

 

まどかを救うべく、幾度となく同じ時間を繰り返してきた魔法少女、暁美ほむら

 

このままならまどかだけでなく、みんな生きて明日を迎えられる、自分が望んだ以上の結末になる。せっかくワルプルギスの夜から全員を遠ざけることができたのに、見滝原に戻るなんて自殺行為だ。

 

「大丈夫、きっと上手くいくよ。今の私達なら…必ず。」「まどか……」

 

まどかの目の奥には確かな自信が見えた。今までもそうだった、勝てるはずがないのに、勝てると信じて疑わない。

 

適当にごまかしてこの場に引き留めておくべきか、それとも真実を話して戻らないように頼み込むか。ほむらがとった行動は……

 

「そう……ね。そうよ、私達なら必ず。」共に戦うことだった。

 

またまどかを死なせてしまうかもしれない。それでも、今度こそは上手くいく気がした。

 

確証はない。勝てる自信も勝算もない。それでもこの僅かな可能性にかけてみたいと思えた。

 

六人は急いで見滝原へと向かう。自分達の街を守るために。

 

ーーー

「ここまで好き勝手されて、黙っているわけにはいかない!出てきて!!“女王グマ”!!!」

 

灯花の命令に応じて、地面から大樹を模した“女王グマのウワサ”が生えてくる。

 

女王グマは兵隊グマを実らせ落としいろは達に差し向ける。

 

「いろは!ヒナタ!あなた達は先に行きなさい!」「やちよさん!」「今マギウスを止められるのはあなた達よ!!だから!!」

 

「わかりました、行こういろはちゃん!」「はい!」

 

二人はバイクに乗って走り出す。ハンドルにあるボタンを押すと、マフラーから炎が噴き出し勢い良く飛び上がり、

 

焼かれた屋根からマギウスの二人がいる部屋に入り込んだ。

 

 

 

「あなた達どこまで邪魔すれば気が済むのかにゃあ!環いろはに仮面ライダー!」

 

部屋の中には何も言わずにこちらを見つめる柊ねむと、怒りに震える里見灯花。

 

「誘導装置は壊した、お前達の負けだ!」「今すぐ計画をやめて!灯花ちゃん、ねむちゃん!」

 

「い〜や!絶対やめない!!このチャンスを逃すわけにはいかないの!」

 

「チャンスか…」ねむは本を開く。本からページが飛び出しいろはと灯花を囲む。

 

「一体何を「部外者には黙っててもらおうか」!?…………………!!!」

 

ヒナタを覆うように結界が作られ、変身が強制解除される。

 

「…!……!!」結界の壁を叩いて何かを叫ぶも何も聞こえない。

 

「いや、あながち部外者でもないか……

 

さぁ灯花、そしてお姉さん、今こそ全てを思い出そう。ここまでにあった出来事を、ういの事を……」

 

*1
18、19話参照




遂に登場バーニングターボフォーム!!

外見はファイヤーガッチャードをイメージしていただければ……

ブースター“ガッチャードッカーン”、何の考えもなしにこの名前にしたわけではないですよ?

そしてカタログスペックのコーナー!

今回はブライツ・バーニングターボフォーム、ターボキャノンモードブライツ・ルモード キレーションカスタム

バーニングターボフォーム/ターボキャノンモード(スペックは共通)
身長 195.7cm
体重 89kg
パンチ力 35.2t
キック力 40.7t
ジャンプ力 ひと跳び53.1m
走力 100mを6.3秒
最大加速時 100mを0.1秒


ブライツ・ルモード キレーションカスタム
身長 168.6cm
体重 54.6kg
パンチ力 23.1t
キック力 26.9t
ジャンプ力 ひと跳び50m
走力 100mを1.9秒

こんな感じです。第2期も終わり、第一部完結が近づいて参りました。

これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!

ではまた次回!
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