タイトルは、原作率の高いパートは原題を引用して、オリジナル性の高いパートではオリジナルのタイトルとしたいと思います。
ただ、センスのあるサブタイトルが付けられるのかどうか…。
再度の注意となりますが、原作改変が多数含まれます。どうぞご理解ください。
1 幕開プロローグ!
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」
懐かしいセリフだ。映画『白雪姫』で象徴的なセリフの一つと言えるだろう。
王妃が魔法の鏡に対してする印象的な質問だ。
小さいころからディズニーの映画を見て育ったからこのセリフはかなり怖い記憶と共に心に染みついている。
いや、もしかしたら昔ディズニーランドで遊んだミステリーツアーで魔法の鏡にめちゃくちゃ脅かされた記憶が怖いイメージを強くしているのかもしれない。
私が怖い夢を見るときは決まってミステリーツアーのエレベーターに閉じ込められる夢だった。
だから、多分これもそうなんだろう。きっと目が覚めたらまた同じような日常に戻っていって……。
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物音がして目が覚めた。朝が来たのだろうか。
しかし、私の部屋ってこんなに暗かっただろうか。そう思っていると、
「やべえ、そろそろ人が来ちまうゾ。早いところ制服を……」
突然聞こえてきた声に体が固まる。知らない声だ。まさか、自分の家に泥棒が入っている?
叫んで追い払うべきか、いやしかし泥棒を怒らせたら私や家族の身に危険が及ぶかもしれない。
それに声の主は制服を探している?私の高校の制服を探してるとしたら本当にやばいやつだ。一旦ここは静かにしておいた方がよさそうだ。
「うーん!!!この蓋、重たいんだゾ。」
今度は何か箱を開けようとしているらしい。しかし、心なしか自分のベッドが揺れているような。
というか、私がいる場所はベッドじゃない!非常に小さい箱の中に閉じ込められている!
自分が箱の中に閉じ込められていて、そして声の主が自分が入る箱を開けようとしている。その事実に気が付いて悲鳴を上げなかったことをほめてほしい。
しかし悲鳴こそこらえたものの声の主はついに箱を開けることに成功する。
突如蓋が大きくあけ放たれ、周囲の景色が目に入ってくる。
やはり自分は箱のようなものに入っていた。
そして私の周囲は青白い炎で取り囲まれていた。
「か、火事だ――!?!?逃げなきゃ…!?」
部屋をきちんと理解する前に火の存在に気が付いた私はその場から逃げようとする。
しかし、そこには火以上に異質な「何か」が存在していた。
「ギャーーーーーー!!!!オマエ、なんでもう起きてるんだ!?」
そういったのは黒毛の動物のような何か。
何か、と表現したのはそれが自分の知る動物とは似ても似つかない何かだったからだ。
特にその耳には青白い炎が灯っていた。
「し、しゃべる狸!?どうやらよっぽど変な夢を見てるみたいだ!」
こんなのどう考えても現実にありっこない。まるで、まるで物語の世界に迷い込んだみたいだ。
「誰が狸じゃーー!!俺様はグリム様なんだゾ!」
しゃべる狸はグリムと名を名乗った。
「まあいい。そこのニンゲン!おれ様にその服をよこすんだゾ!」
服をよこせ、と言われて初めて自分の装いが大きく変わっていることに気が付く。
寝る前に来ていたミッキーがあしらわれたパジャマではなく、フードを誇張しすぎたパーカーのような服を着ていた。
しかも服の装飾に金糸が使われていていかにも豪華そうである。
「いや、なんでほしいんです?というか、ここはどこなんですか?いきなりすぎて話が理解できなくて」
「何をいってるんだ?ここはナイトレイブンカレッジに決まってるゾ!」
脅してきている割に質問に答えてくれるグリムだった。が、その答えの単語に全く聞きなじみがない。日本にそんな名前の大学はあっただろうか?
「変なことを聞いてないでさっさとその服をよこすんだ、ニンゲン!さもなくば……丸焼きだ!」
「なっ!?」
再度同じ要求を突きつけたグリム。今度は丸焼きにするぞと脅してきた。
脳裏に先ほど目覚めたときに周囲を覆った炎が浮かぶ。
あれは間違いなく熱を持った炎だった。もしあれが自分の身に浴びせられたら、どう考えたって助からない。
「だ、誰かああ!!助けてください!!!」
自分にできることはたった一つ、大声で叫びながらその場を離れることだった。
すぐにグリムも追いかけ始めるが私は後ろを振り返ることもせず走り始めた。
来ていた服が自分の体に全く合っておらず、何度も転びそうになりながらとにかくあのグリムから離れようとした。
自分がどこにいるのかもわからぬまま、通路や扉を抜けついに行き止まりに入ってしまった。
そこは図書館のような場所だった。アニメで見るような大きな木製の本棚がたくさんある場所に迷い込んだ。部屋に入った私は即座に本棚と本棚の間に身を隠した。ちょうど夜だったから陰になり隠れられるとそう思ったのだ。
「はあ、はあ。どうか、夢なら早く醒めてください。」
一向に夢が終わる気配はしない。それどころかたくさん走ったせいでどんどん目がさえていくような感覚すらしてくる。
しばらくして息も整ってきたころ、閉めたはずの部屋の扉がゆっくりと開いた。
「俺様の鼻から逃げられるとおもったか!ニンゲンめ!」
入ってきたのはグリムだった。ついに見つかった!と思うと同時に、自分の中の冷静な部分が「獣だからやはり鼻が利くのか」などとのんきなことを考えていた。
しかしそんな余裕もすぐなくなる。
グリムは再び炎を出してこちらに近づいてきて……。
「ふぎゃ!?」
突然現れた縄にぐるぐる巻きにされた。
あまりにも突然のことに二人(一人と一匹?)で目を白黒させていると、部屋の入口の方からもう一人現れた。
「ああ、やっと見つけました。君、今年の新入生ですね?ダメじゃありませんか。勝手に
そういったのは仮面が特徴的な男性だった。いや、正直つけてるマントとかいろいろ特徴はあるんだけど、この時の私にはそこまでじっくり見る余裕がなかった。
彼の手には鞭が握られていた。グリムをぐるぐる巻きにしたのはこの男性らしい。
「新入生?私が?いや、たぶん人違いだと思いますが…。というかゲート?何のことですか?もしかしてこの部屋ってなんか許可証がないと入れなかったりしますかね。あと…使い魔?すみません、もう私には何が何だか。」
状況が理解できなかった私はか細い声で言葉を並べた。しかし、私の返答は彼には届かなかった。
「俺様はこんなヤツの使い魔じゃねぇんだゾ!」
そうグリムがわめき、私の小さい声は彼に届かなかった。この時既に助かった安心感であまり頭が働かなくなっていた。
仮面の男性はグリムと何か話した後グリムの口を塞いでいた。どうやら物理的に黙らせることにしたらしい。
「まったく。勝手に扉を開けて出てきてしまった新入生など前代未聞です!はぁ……どれだけせっかちさんなんですか。さあさあ、とっくに入学式は始まっていますよ。鏡の間に行きましょう。」
グリムを黙らせて満足したのか仮面の男性は再び私に言葉を投げかける。入学式という言葉を聞いて、改めて私は新入生と勘違いされていることを主張することにした。
「あの、私。たぶんここの新入生じゃないと思います。人違いじゃないでしょうか」
深呼吸をしてさっきよりも少し大きな声で仮面の男性にそう述べた。
「そんなことはありません。あなたが目覚めたたくさんの扉が並んでいた部屋があるでしょう?
この学園へ入学する生徒は、すべてあの扉をくぐってこの学園へやってくるのです。」
「たくさんの扉?あの部屋にはたくさんの箱はありましたが、扉は一つだけだった気がします。」
「それではありません。棺があったでしょう?あれこそが扉です。」
あくまでも私を新入生と疑わない仮面の男性は目覚めた部屋の説明をしてくれる。
どうやらたくさんの箱、こと棺があの部屋の肝であったらしい。確かに私も棺から出てきたから、彼の言うことを信じるのであれば私は新入生ということになるのであろう。
「通常、特殊な鍵で扉を開くまで生徒はめざめないはずなんですが……」
神妙な面持ち(顔は見えてないけど)でいう男性の言うことを聞きながら、目が覚めた時のことを思い出していた。
「あのグリムってやつが私の箱を開けていました。」
グリムが鍵を使ったかどうかは定かではないが、彼が私をたたき起こしたのだろう。
「つまり、元凶はすべてこの使い魔のようですね。連れてきたのならちゃんと責任もって面倒を見なさい。」
男性は、騒ぎの原因がグリムにあると理解したようだ。というか、
「あの、私使い魔なんて持っていないんです。」
男性はまだグリムが私の使い魔だと勘違いしているようだった。私が弁明しようとすると、彼はそれを遮ってきた。
「おっと、長話をしている場合ではありませんでした。早くしないと入学式が終わってしまう。さあさあ、行きますよ。」
そういってどこかに行ってしまいそうになる。
「待ってください!あなたは誰なんですか?」
いなくなる前にどうにか質問をひねり出した。
彼はそれを聞くと私の方に向き直りこう切り出した。
「君、まだ意識がはっきりしないんですか?空間転移魔法の影響で記憶が混乱しているんですかね。」
かれは特に私のことを心配する様子もなく、ぶつぶつと何かを呟いていた。
「まあいいでしょう。よくあることです。では、歩きながら説明して差し上げます。私、優しいので。」
そういった彼の目元は怪しく光り輝いていた。
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図書館(入った時は気が付かなかったけれど、結構大きい建物だった)から出て中庭のような場所に移動してきた。
道中仮面の男性は一言もしゃべらなかった。
グリムは騒ぎつかれたのか静かになっていた。
「ここは『ナイトレイブンカレッジ』。」
彼がふと私に語り掛けてきた。説明を始めてくれるらしい。
「世界中から選ばれたたぐいまれなる才能を持つ魔法士の卵が集まる、ツイステッドワンダーランドきっての名門魔法士養成学校です。」
「な、なるほど?魔法使いの養成学校ということですか?」
先ほどから彼の説明する言葉が脳を滑る。どうにか、ここが魔法使いのための学校であることは理解できた。
「そう考えていただいて構いません。私は理事長よりこの学園を預かる校長。ディア・クロウリーと申します。」
少し先行していた彼はそう言って私の方に向き直る。なるほど、彼の仮面はカラスを模したものだったらしい。月明りがテラス中庭だと、彼が着用しているマントにカラスの羽があしらわれているのもよくわかった。
「この学園に入学できるのは『闇の鏡』に優秀な魔法士の資質を認められたもののみ。選ばれし者は、『扉』を使って世界中からこの学園へ呼び寄せられる。貴方のところにも『扉』を載せた黒い馬車が迎えに来たはずです。」
「そうでしたっけ?何か怖い夢を見ていたような記憶はあるんですが…。」
正味そんな記憶はなかった。しかし、目が覚める前何か薄気味悪い夢を見ていたような記憶はある。もしかしたらその夢の中でそういうものを見たのかもしれない。
「あの黒き馬車は、闇の鏡が選んだ新入生を迎えるためのもの。特別な馬車なのですよ。古来より特別な日のお迎えは馬車と相場がきまっているでしょう?」
「相場ですか。深夜の鐘とともに消えてしまいそうですね。」
「そうですか?この馬車は消えることはないですから安心してください。」
シンデレラみたいなことを言うな、と思いそれとなく会話に掛け返してみたが反応もなく流されてしまった。もう少し直接的に言ってみようかと思ったとき、クロウリー校長の左手からうめき声が聞こえてきた。
「むがーー!」
そう、グリムである。体力が回復したのか再び騒ぎ始めた。
しかし、校長先生は気にも留めずにどんどん進んでいってしまう。
「さ、入学式に行きますよ。」
「あ、はい。」
気が付いたら、自分は人違いであるという可能性を考えなくなっていた。
もしかしたら、私も魔法使い(先生は魔法士と言っていたか)になれるかもしれない。
そんな予感に浮足経っていたのかもしれない。
でも、ことはそう単純じゃなかった。
本当に、これが夢だったならば。
私はそう何度も思っていくことになる。
時間をかければかけるほど自分が何を思ったのかを忘れそうなので、校正は少なめでお送りしています。
お気づきのとおり、主人公はディズニー作品大好きです。ツイステの主人公がディズニー作品を知っていたとすると多少行動に変化が生まれるのではないか?と思いこの設定を差し込みました。
果たしてどうなることやら。
それにしても、原作セリフ率が結構高くなってしまいました。主人公もキャラクター達もどうにか自由にしゃべらせたいところ。精進します。