鉱山に戻ってきた私達。そこにはさっきにはなかった緊張感が漂っていた。
しかし、それはどこか心地良くもあった。間違いなくその場にいた全員が魔法石を手に入れるという目的の下、力を合わせようとしていた。
「じゃあ、始めよう。グリム、行ける?」
「が、頑張るんだゾ!」
怪物は鉱山の入口で私達を待ち構えていた。
私は3人から少し離れて怪物の方に近づいていく。
「おーい!バケモノ!こっちに来い!」
そして、大声で怪物の注意を惹く。
作戦1、怪物の誘導。
私達には魔法石を探す時間が必要だった。だから、怪物を洞窟から引き離す。
魔法が使えない私が囮となって、時間を稼ぐ。
足を取られないよう気をつけながら、怪物を誘導していく。
しかしそれだけでは不十分、怪物が洞窟に戻らないよう足止めをする必要がある。
だから、
「みんな、お願い!」
「任せろ!特大突風!」
「グリム様ファイアースペシャル!」
突如怪物の真横から炎をまとった風が吹きつける。
グリムの炎とエース君の風を組み合わせて、より強い火力の炎を浴びせかける。
それをまともに食らった怪物は追跡を止めてその場でよろける。
「効いてるぞ!デュース!」
「ああ、出でよ大釜!」
最後に登場したのはデュース君。エース君を拘束した実績もあるという大釜召喚で怪物の上に大釜を落とす。
「おおっ、あいつぺしゃんこになってるゾ!」
目論見はうまくいった。炎でよろめいていた怪物は大釜を受けてそのまま下敷きになっていた。
「よし、デュース君はそのまま大釜をかぶせ続けて怪物が動けないように!二人は急いで魔法石を探してくるんだ!」
「いくぞ、グリム!」
「任せるんだゾ!」
作戦2、デュース君が怪物を抑え続け二人で魔法石を手に入れる。
本当は私も魔法石を手に入れるのに参加しようと思っていたのだが、エース君から「誘導するので疲れて中で動けなくなると困る」と指摘を受けて外で待っていることにした。
二人が坑道の中に入ったのを確認すると、怪物はより一層拘束から逃れようともがき始めた。
「もっとちゃんと押さえつけられそう?」
「お、おう。出でよ大釜!」
そういって大釜を召喚し続けるとデュース君。
もっと大きいくて重いものを、とは言えなかった。「テンパってるとミスりやすい」と言っていたし、デュース君もかなりテンパってるはず。
であるならば、私にできることは応援することだけだった。
その時、鉱山から二人が出てくる。エース君の手には魔法石がしっかりと握られていた。
「おい、魔法石を手に入れたぞ!」
「よし、じゃあさっさと逃げよう!これ以上は持たない!」
魔法石の入手を確認して私達は即座にその場から駆け出した。
あとは学校に戻るだけ。そう思っていた。
けど、もう少しだけ続きます。