校長先生に連れられ入学式の会場にやってきた。
部屋には私が来ているのと同じ豪華なローブ(私は最初これをパーカーと言った気がするが、きっとローブと表現する方が正しい)を着た人がたくさんいた。
多分多くの人が新入生なんだと思う。
校長先生が壇上にいた7人の生徒と何やら言葉を交わすと私の方を向いてこういった。
「さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。早く鏡の前へ」
そういって、部屋に掛けられた大きな鏡を指さした。
その鏡には、私が過去何度も夢に見たあのおぞましい顔が映っていた。
「魔法の鏡……?」
そこにあったのは、間違いなく『白雪姫』で見たあの鏡だった。
鏡は私にこう問いかけた。
「汝の名を告げよ」
「私の名前……、ユウです。」
このあと何が起きるのかもわからぬまま、問われるままに名前を告げた。
「汝の魂の形は……」
そう切り出した鏡は次の言葉を発さずに黙ってしまった。
どれだけ時間がたっただろうか。周囲のすべての人間が私たちに注目していると気が付いた瞬間、緊張からしかっりと立っていられなくなりそうだった。
少しした後、鏡はこう告げた。
「わからぬ。」
そう聞こえた瞬間、部屋からざわめきが起こった。
「なんですって?」
校長先生がそう反応したとき、私は自分の身に何か面倒なことが起きたことを理解した。
「この者からは魔力の波長が一切感じられない。色も、形も、一切の無である。よって、どの寮にもふさわしくない!」
波長だとか色だとか形だとか、詳しいことは何もわからなかった。ただ、「どの寮にもふさわしくない」とそう告げられたことだけははっきりと理解した。理解できてしまった。
校長先生が何か言っているようだった。
しかし、その言葉は私の耳には入ってこなかった。
校長先生の話よりも、周りの生徒たちのざわめきが自分の耳に届いてくる。
何を言っているかはわからない。でも、誰もが自分の方を見て自分の方を指さしている。
ひどく動悸がする。さっきグリムに追いかけられていた時の比じゃないぐらい。
この感覚はひどく身に覚えがある。かつて、学校でいろんな人に指をさされながら過ごすしかなかったあの感覚。
「ああ、またなのか。僕はここでも同じような目に合うのか。」
ああ、これが夢だったならば。
思考が深く沈みそうになった時、視界いっぱいに火の手が上がる。
これはグリムの出していた火だ。
どうやら、校長先生のもとから抜け出して何かしているらしい。
先ほどは私を追いかけまわしながら使っていたが今回は違うらしい。
「誰かあのタヌキを捕まえてください!」
校長先生がそう叫ぶと、壇上にいた生徒が動き出した。
あの人たちは上級生だったらしい。
そのうちの二人が飛び出してグリムを追いかけ始めた。
彼らは手に持った小さなステッキから光の弾を出してグリムに当てようとしていた。
なるほど、あれが魔法。人が使っているのを見たのはこれが始めてだ。
案外にもすばしっこいグリムにてこずっていたふたりだったが、いよいよグリムにも疲れが見え始め気が付いたら壁際に追い詰められていた。
主人公くんの名前は、デフォルトの名前にしました。
最初は私がゲームで使っている名前にしていたのですが、デフォ名にとても似ていたので混乱させると思い変更しました。
文字数にむらがあるのはご容赦ください。うまく介入できないなと思ったら積極的にカットしちゃいますハイ。