アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
「先行は私が貰った、ドロー!」
今まさにシグナーとダークシグナーの戦いが行われている横で始まったディヴァインとのデュエル。彼女たちの戦いには本来不必要な蛇足だが……きっとこれは僕が変わる為の試練なのだろう。
「「クレボンス」を守備表示で召喚」
クレボンス
【サイキック族/チューナー/効果】
このカードが攻撃対象に選択された時、800ライフポイントを払って発動できる。その攻撃を無効にする。
「カードを2枚伏せ、ターンエンドだ……アキのサイコパワーをまともに喰らっても立っていた君だ。さぞ良い実験体になるだろう」
「……そうやって今まで何人犠牲にしてきた」
「さあ?少なくとも有象無象のことなど覚えてないね」
「……僕のターン、ドロー、スタンバイ、メイン!」
クレボンスの突破は無理に考えなくていい、今は盤面を整える時間だ。
「「忍者マスターHANZO」を召喚!」
「ほう……フォーチュンカップの時とはデッキが違うようだな」
何時ものように初手に来てくれるHANZO、毎度のことながらありがたい。
「召喚した忍者マスターHANZOの効果、デッキから「忍法」カード……「忍法 落葉舞」を手札に加える。更に手札の「蟲の忍者-蜜」の効果発動、自身を特殊召喚する……来い、蜜!」
「彼」を使えなかった都合上ここで初めて召喚した彼女……蜜。ようやくか、とでも言わんばかりの顔でこちらを見てきた。
そうだ、臆せず……飛び込め!
「僕は「忍者マスターHANZO」と「蟲の忍者-蜜」をリリースし、融合!」
「カードも使わずに融合だと……!?」
後ろに現れた混沌の渦に二人が飛び込み収束する、その後ろ姿は今までと違って「任せろ」とでも言いたげだ。
「現れ出でよ「冑の忍者-櫓丸」!」
収束した渦は無骨な絡繰り仕掛けの忍者となり、駆動音を立てる。
「冑の忍者-櫓丸の効果を墓地の「蟲の忍者-蜜」を除外しセットカードを対象として発動、そのカードを除外する!」
櫓丸の拳が轟音を立ててセットカードへと迫る。
「おっと、ではこのタイミングでトラップ発動「サイコ・リアクター」」
サイコ・リアクター
自分フィールド上にサイキック族モンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスターがこのターン相手モンスターと戦闘を行った時、そのサイキック族モンスターと相手モンスターをゲームから除外する。
拳は開かれたセットカードを破壊し、元に戻った。
「このターン、私のフィールド上のサイキック族と戦闘を行ったモンスターは除外される……せっかく出した融合モンスターだ、失いたくはなかろう?」
「……」
あの口ぶり、除外されたクレボンスを帰還、ないし補充する手段を彼は持っているか、はたまたただのブラフか。いずれにせよ……やることは変わらない。
「バトルだ、「冑の忍者-櫓丸」で「クレボンス」を攻撃!」
「おっと、警告はしたんだがね?」
櫓丸の拳が再び飛びクレボンスに命中。
「「サイコ・リアクター」の効果により今戦闘を行った2体のモンスターは除外される……無鉄砲なことをするね、君は」
2体は突如として発生した渦に飲み込まれ消えた。クレボンスの効果を使わなかったということは次の準備は整っているとみていい、それがわかっただけでも収穫だ。それに……
「メイン2。このカードは自分フィールドまたは墓地に「不知火」「忍者」モンスターの何れかが存在すれば特殊召喚できる」
今僕と共に戦っているのは忍者だけじゃない。
「来い、「焔の忍者-不知火」!」
焔の忍者-不知火(オリジナル)
【アンデット族/チューナー/効果】
このカード名の①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分のフィールドまたは墓地に「忍者」または「不知火」モンスターが存在する場合、手札のこのカードは特殊召喚できる。②:このカードが召喚・特殊召喚・リバースした場合に発動できる。デッキ・墓地から「忍法」または「不知火」魔法・罠カード1枚を手札に加える。③:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「忍者」または「不知火」モンスター1体を手札に加えるか墓地へ送る。
燃え盛る炎と共に現れる忍装束に薙刀を携えた新たなモンスター。武部……ではなく今は「不知火」と名乗る彼女はこちらへ向けてウインクをしてきた、一族の名を忍者名にするとか大丈夫なんだろうか、いろんな意味で。
(名前はあまり褒められたものではないが……今は心強い、違うか?)
「そうだね、頼りにさせてもらうよ」
やっぱり彼視点でもちょっとダメっぽい。
「焔の忍者-不知火の効果発動、デッキから「忍法」カード……「異譚の忍法帖」を手札に加えそのまま発動。墓地から「忍者マスターHANZO」、デッキから「忍法 空蝉の術」をそれぞれセット。カードを2枚伏せてターンエンドだ」
……うん、明らかに張り切りすぎだよこの子。召喚権を使わないHANZOって考えると……末恐ろしい。
「この瞬間トラップ発動、「緊急アポート」」
緊急アポート
①:自分の墓地・除外状態のレベル5以下のサイキック族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
「戻って来い、「クレボンス」」
……やっぱりか。
「私のターン、ドロー。マジックカード「緊急テレポート」を発動」
緊急テレポート
①:手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される。
「この効果によりデッキから「メンタルプロテクター」を特殊召喚する」
メンタルプロテクター
【サイキック族/効果】
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。この時に500ライフポイント払えない場合はこのカードを破壊する。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、サイキック族モンスター以外の攻撃力2000以下のモンスターは攻撃宣言をする事ができない。
「さらに「メンタルプロテクター」をリリースし、「ストーム・サモナー」をアドバンス召喚」
ストーム・サモナー
【サイキック族/効果】
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外のサイキック族モンスターが戦闘によって破壊した相手モンスターは墓地へ送らず、相手のデッキの一番上に置く事ができる。このカードがカードの効果によって破壊された時、このカードのコントローラーはこのカードの攻撃力分のダメージを受ける。
合計レベルは……8、此処だ。
「ストーム・サモナーのアドバンス召喚成功時「忍法-落葉舞」を「焔の忍者-不知火」を対象として発動。僕は不知火をリリースし、新たな忍者を呼ぶ!」
「たかがモンスター1体呼んだところで何ができるというんだい?」
……求めれば応えてくれる、確かに彼はそう言った。だったら遠慮せずに求めてやる、今まで姿を見せずにいた最後の忍者……「翁」を!
『もう少し様子を見たかったんだが……ま、ご当主の命なら仕方あるまい』
「!」
声が聞こえた、そんな気がした。
「だったら身をもって何をするか体感してもらおうか……来い!」
「「重の忍者-磁翁」!」
デッキからそれを引き抜き、ディスクに置く……確かに、来てくれた。
重の忍者-磁翁
【岩石族/効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが召喚・特殊召喚・リバースした場合、フィールドの表側表示モンスターを2体まで対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。この効果で裏側守備表示になった相手フィールドのモンスターは表示形式を変更できない。②:このカードが既にモンスターゾーンに表側表示で存在する状態で、フィールドのモンスターがリバースした場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
突風と共に不知火と入れ替わったのは巨大な磁石を手にした筋肉質な老人、磁翁。
「レベル8……最上級モンスターだと!?」
「ただレベルが高いだけじゃない、重の忍者-磁翁の効果をクレボンスとストーム・サモナーを対象に発動、天磁鳴動!」
磁翁が持っていた磁石を地面に叩きつけると同時、発生した強力な磁力によって2体のサイキック族は強引に裏側になった。
「磁翁は場に出た時、フィールドのモンスター2体を裏側守備表示にする!」
「チッ、面倒な……」
「それだけじゃない、落葉舞で墓地へ送られた不知火の効果、デッキから「忍者」モンスター……「獣の忍者-獏」を手札に加え、そのまま効果発動!来い、獏!」
これまた毎度のように出てくる獏、今回は磁翁がいるからかいつもより尻尾を振っている。
「特殊召喚された獏の効果発動、墓地の不知火を回収する……!」
……ああ、やってるな、不知火。いくら何でも張り切りすぎだよ……
「仕方あるまい、クレボンスを反転……な、反転召喚できない!?」
「磁翁の効果で裏側守備表示になったモンスターはその表示形式を変更できない……クレボンスの効果は使わせないよ」
磁翁の叩きつけた磁石からは微弱な波動が流れ続けている。彼と一緒に力を貸さなかったことから相当固い性格なのはわかるけど、共に戦ってくれるのなら頼りになることこの上ない。
「ちょこまかと小細工を……!カードを2枚伏せ、ターンエンドだ!」
「衣玖!」
「遊星、アキは!?」
「ダメだ、まるで話を……お前は!」
此処でようやく遊星が合流、結構早かったな……ひとまずこいつについてはこっちに任せてくれ。
「……こいつに勝って、無力化することを優先する。僕のターン、ドロー!」
「トラップ発動「砂塵の大竜巻」!」
砂塵の大竜巻
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない・①:フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊する。
「「忍法 落葉舞」とそこのセットカードには消えてもらおうか!」
「チェーンして「忍法 落葉舞」の効果を落葉舞自身を対象に発動、手札に戻す!」
「また姑息な手を……!」
破壊されたカードは「忍法 影縫いの術」、今はいいが……後々が少し怖いな。
「……「忍法 落葉舞」がフィールドから離れたことで「重の忍者-磁翁」は墓地へ送られる。……ごめん」
(初お披露目がこれですまないな、爺)
謝罪をすれば磁翁はいいってことよと言わんばかりにサムズアップして消えて行った、申し訳なさがすごい。
……問題はここからだ。ストーム・サモナーの守備力は2000、磁翁以外の忍者たちでは突破できない……なら。
「スタンバイ、メイン!「忍者マスターHANZO」を反転召喚し効果発動、デッキから「宙の忍者-鳥帳」を手札に。そして「焔の忍者-不知火」を特殊召喚し効果発動、デッキから「忍法 超変化の術」を手札に加える」
二人の忍者が突風と共に新たなカードを手札に運ぶ。本当、止まらないな彼らは……よし。
「レベル4「忍者マスターHANZO」にレベル4の「焔の忍者-不知火」をチューニング!」
「レベル合計は8……まさか!」
不知火は薙刀を回転させながら光の輪となり、その中にHANZOが突入する。
「雄々しき竜の朽ちし骸よ、死者の魂喰らいて、今再び脈動せよ!」
相変わらず気持ち悪い感覚だけど……前よりかは幾分かマシだ。
「シンクロ召喚!呻け、「巨骸竜フェルグラント」!」
無念の集合体、光から現れた黄金の竜がけたたましく吠える。
「フェルグラントの効果をセットモンスター……ストーム・サモナーを対象として発動!ソウルイーター!」
フェルグラントがセットされているストーム・サモナーに覆いかぶさり、貪る。
「……もう勝った気でいるのかい?」
「どうだろうね、墓地へ送られた焔の忍者-不知火の効果、「鉄の忍者-火光」を手札に加え、そのまま召喚。効果で墓地の「焔の忍者-不知火」をセット……」
……今の手札ではあのセットカードを突破する術はない、ただ攻めるのみ。
「バトル、獣の忍者-獏でセットモンスター、クレボンスを攻撃!」
「裏側表示のクレボンスの効果は……使えん……」
獏の日本刀が一刀両断、クレボンスを叩き斬る。
「続いて巨骸竜フェルグラントでダイレクトアタック!」
「ここだ、トラップ発動「ブレイン・ハザード」!」
ブレイン・ハザード
①:除外されている自分のサイキック族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
「……耐えてくるか」
(奴も存外しぶとい……)
「さっきは除外してくれてありがとうってところかな。戻って来い、ストーム・サモナー」
先ほどフェルグラントに貪られたストーム・サモナーがフィールドに戻ってくる。けど、それはただの時間稼ぎだ。
「攻撃は続行、フェルグラントでストーム・サモナーを攻撃、ソウルクラッシャー!」
再びフェルグラントはソウル・サモナーに覆いかぶさり、喰らい尽くす。これで正真正銘盤面はがら空き。
「最後に銃の忍者-火光でダイレクトアタック!」
「……」
……このターンで削り切れなかった。けど準備は整えた。次のターンで……詰める!
「僕はカードを3枚伏せ、ターンエンド!」
「私の……ターン!……フ、フフフフフ……」
「何がおかしい、ディヴァイン!」
「急に、笑い出した?」
(ヤケクソというわけでは……なさそうだ)
ドローしたカードを見たディヴァインは唐突に笑い出した。あの性格で負けが確定してヤケクソになったなんてのはあり得ない……何を考えている?
「いやぁ、私の人生そのものだよこの状況は。この身を守るものは何一つなく、対峙する者達は圧倒的力で私を追い立てる」
「……苦し紛れ、ってわけじゃないよね」
「ああそうとも、だが私は此処から勝つ!お前を倒し、アキを連れて再びアルカディア・ムーブメントを起こすのだ!」
「……は?」
ここから勝つ?……どうやって?
「私はマジックカード……」
「「ソウルチャージ」を、発動!」
「!?」
(あれは……)
ソウル……チャージ!?
ソウルチャージ(アニメ版)
①:自分の墓地のモンスターを任意の数だけ対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはこのターン攻撃できず、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×500LPを失う。
「私は墓地の「クレボンス」「メンタルプロテクター」「ストーム・サモナー」を特殊召喚し、1500ポイントのライフを失う!」
……ソウルチャージ、あのドーマ編から生まれたインチキカードの1枚、それもアニメ効果で。確かにこれでモンスターは並んだけど……シンクロモンスター、恐らくメンタルスフィア・デーモンを超変化で吸えば……
「私はレベル「3」の「メンタルプロテクター」……」
「!?」
メンタルスフィアデーモンじゃ……ない!?
「レベル6の「ストーム・サモナー」に、レベル2の「クレボンス」をチューニング!」
レベル合計は……
「レベル……11!?」
……まさ、か。
「シンクロ召喚!現れろ我が最強の僕!」
……地縛神が出たわけでもない。なのに大地が揺れる。
僕たちの周囲には緑色の雷が落ち、空が割れる。
「な……」
(……どういうことだ、何故奴がこれを……!?)
「わからない、けど……」
光より現れる、文字通り「最強」のサイキック族。
「一つだけ言えることは……」
彼らと同じ、未来のカード……
「……状況は、一瞬で最高から、最悪になった」
OCGにおいてもフィニッシャーとして一時期その名を轟かせた超大型シンクロモンスター。
「サイコ・エンド・パニッシャー」が、僕に向けてその腕を広げた。
主人公にはどういう活躍を期待している?
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蹂躙、無双
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いい感じの熱いデュエル
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ギリギリを演じる2枚目