アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
サイコ・エンド・パニッシャー
【サイキック族/シンクロ/効果】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:自分のLPが相手のLP以下の場合、S召喚したこのカードは相手が発動した効果を受けない。②:1ターンに1度、1000LPを払い、自分フィールドのモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。③:自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードの攻撃力は、お互いのLPの差の数値分アップする。
「これが私の最強の
……地縛神程ではないがそれでも凄まじい巨体、そして威圧感。サイキック族最強のシンクロモンスター……サイコ・エンド・パニッシャー。
「地縛神でもないのに、これほどの禍々しさ……!」
「けどあれをどうにかしなきゃ……勝てない」
(その通りだ、もう諦めることは俺が許さん)
そうだ、僕はもう「仕方ない」でデュエルを諦めることは……やめた。
考えろ、どうすればあれを突破できる……いや。
それ以前に、どうやってあれの攻撃を、耐える……!?
「サイコ・エンド・パニッシャーは私のライフが相手より下の場合相手が発動したカードの効果を受けない。どれだけ強力なマジック、トラップ……そしてモンスターであろうともこいつの前では全て無力!」
「地縛神をも超える耐性だと!?」
僕は効果を知っているから特に言うことはないけど、代わりに遊星がリアクションしてくれる。言われてみれば地縛神より一段と硬い耐性だ、ミスティへの当てつけか……はたまたディヴァインの心情を写したものか。
……あの効果がある以上超変化は使えない、それに問題はもう一つの効果……!
「バトル開始時、サイコ・エンド・パニッシャーの効果発動!このモンスターの攻撃力をお互いのライフの差分……即ち3100ポイントアップする!サイコ・チャージ!」
「攻撃力……」
3500→6600
「6……600!?」
そう、ライフと肉体的ダメージ。この攻撃を二重に耐えなければ僕は勝てない。
現在僕の伏せは「忍法 超変化の術」「忍法 落葉舞」「忍法 空蝉の術」「バースト・リバース」の4枚。
恐らくあれの直撃を受けて「バースト・リバース」を発動するためのライフは残らない、「忍法 空蝉の術」は使ったところでダメージは避けられない……
……「忍法 超変化の術」と「忍法 落葉舞」。この2枚で……どうにか耐えてみせる!
「行け、サイコ・エンド・パニッシャー!獣の忍者-獏を粉砕しろ!」
「永続罠「忍法 超変化の術」を獣の忍者-獏とサイコ・エンド・パニッシャーを対象に発動!」
「無駄だ!サイコ・エンド・パニッシャーはカードの効果を受けないと言っただろう!」
「確かにそっちはそうだけど……こっちは違う!獣の忍者-獏を墓地へ……ごめん」
「サクリファイス・エスケープだと!?」
間違いなく貰えば再起不能になるであろう一撃を喰らう寸前、獏は効果音と共に姿を消した。
「この処理と同時に効果で墓地へ送ったモンスターのレベルの合計以下のドラゴン、恐竜、海竜族モンスターを特殊召喚できるけど僕のデッキに該当するレベル3以下のモンスターは存在しない。よってこっちは不発に終わる」
普段ならば絶対にしないアド損行為。ただ今回は状況が状況だ、出し惜しみしている場合じゃない。
「小癪な……ならば銃の忍者-火光を攻撃!」
「更に永続罠「忍法 落葉舞」を銃の忍者-火光を対象に発動!火光をリリースし、デッキから「忍者軍師IKUSA」を守備表示で特殊召喚!」
(代わるぞ、火光)
「2回も同じ手を……!」
「生憎この手しか知らないからね!」
火光と交代するように現れた「彼」、IKUSA。僕を仕留めたいだろうディヴァインが彼を攻撃することはないだろう。
「「忍者軍師IKUSA」の効果発動、デッキから「忍法装具 鉄土竜」を手札に!」
これで勝つための布石は整った……後は、耐えるだけ。
「そこまでして負けたくないか……ならば死すら生温い程の苦痛を与えてやる。サイコ・エンド・パニッシャーで巨骸竜フェルグラントを攻撃!オーバーロード・パニッシュメント!」
「……リバースカードは、ない」
緑の雷を纏った巨大な拳がフェルグラントに降り注ぐ。
……フェルグラントは吠えるが、できるのはそれだけで。
「ぐ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
フェルグラントが軽く潰されると共に、僕をこれまでとは比べ物にならない衝撃が襲った。
4000→200
「衣玖!」
(これは……)
「あ……ぐ……」
ダメージの衝撃でそのまま屋上から落下してしまいそうだったが、アンカーのお陰でどうにかセーフ。けど……
「一度に3800ものライフを失ったんだ。その身体でまともにデュエルを……いや、立つことすらできるはずがない」
「……っ……」
……身体が、隅々まで痛い。動こうする度に何か強い力で押さえつけられているような、そんな感じ。
ああ、きっと諦めてしまえばいいのだろう。
「仕方ない」と思ってしまえば楽になるのだろう。
でも、きっとここで諦めてしまったら。
「仕方ない」で済ませてしまえば。
僕は……ずっと、進めない。
(そうだ、立ち上がれ衣玖。お前は此処で終わる器ではない)
……うん。
そうだよね。
「クッ……俺が衣玖の代わりに」
「いや……遊星……だいじょう、ぶ……」
「衣玖!?」
軋む身体に鞭打って、おぼつかない足取りでどうにか立ち上がる。少し視界がふらつくけど……1ターン、それだけ立って、デュエルが続行できれば、それでいい。
「馬鹿な……あの攻撃を受けて尚立ち上がるというのか!?」
「僕はね……一度受けた仕事は絶対に遂行するのがポリシーなんだ……途中で諦めたり、他人に任せたりなんて、以ての外……」
痩せ我慢か自分を鼓舞する言葉か、最早よく分からないけど気を抜かないために喋り続ける。一度気を抜いたら今度こそ進めなくなってしまいそうだから。
「だから……僕は……」
ワイヤーの力も使って体勢を立て直し、ディスクを再び構える。
「「始末屋」の名にかけて……お前を、倒す……!」
さあ、あと一踏ん張りだ。
「……最早立っているだけで限界の癖によくほざく!ターンエンドだ!」
「衣玖、俺が支える!」
「大丈夫……このターンで、全て、終わる……」
「しかし!」
「サポートする筈の相手にサポートされるとか……恥だからね……」
「世迷言を……バトルフェイズになればサイコ・エンド・パニッシャーの攻撃力は更に700ポイント増加し7300となる。貴様がこいつを除去できるトラップを切った今、倒せるものか!」
「……ふっ」
「貴様……何がおかしい!」
不思議だ、ここまで絶望的なのに何故か笑えてくる。
「……いや、別に。こういう状況から勝てたら……」
「凄い楽しいだろうなってだけ……僕の……ターン……!」
喋っている暇はない。いつも心掛けているフェイズ宣言すらすっ飛ばす。
これは時間との勝負。僕が力尽きる前に……ディヴァインを倒す。そのためには効果発動の時間すら惜しい。
だから……
「力、貸して……IKUSA……!」
(……)
(ああ、その望み、確かに聞き届けた)
「……!」
EXデッキが一際大きく輝く。つまりは……彼が、答えてくれた!
「あの光は……赤き竜とも違う……?」
「デッキが光った所で……勝てる訳ではない!」
「いいや、勝てる……僕は……」
「「忍者軍師IKUSA」とセットモンスター「焔の忍者-不知火」をリリースし……融合……!」
「な……だがあのモンスターは除外した筈だ……!」
「いいや……出すのは櫓丸じゃない……」
混沌の渦が現れる……訳ではなく、IKUSAと不知火が飛び上がる。折角のお披露目だ。息を切らしてなんかいられない。
IKUSAがその装束と仮面を脱ぎ、不知火が彼を炎で包み込む。
「これは……」
「影に潜みし異端なる忍の長よ!炎を纏いて今その姿を現せ!」
不知火は炎を出し終わると「後は任せた」とでもいうように消えた。うん、任された。
後は……
「融合召喚……」
不知火から受け取った炎を身に纏い、真の姿を表したIKUSA……否、冥禪が二刀の剣を引き抜く。
……そう、僕と彼で、終わらせる。
戎の忍者-冥禪
【戦士族/融合/効果】
種族が異なる「忍者」モンスター×2
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみEXデッキから特殊召喚できる。●自分フィールドの上記カードをリリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる。このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分の「忍者」モンスターは直接攻撃できる。②:自分フィールドに裏側守備表示モンスターが存在する限り、このカードは攻撃対象にならない。③:相手が効果を発動した時に発動できる。デッキから「忍者」モンスター1体を表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する。
「あれがあのモンスターの、真の姿……!」
「何かと思えばたかだか攻撃力2500……とんだ笑い話だな!」
(自分が優位に立っていると思えばすぐにこれか……甚だしい)
「……バトル」
挑発に付き合う暇はない……終わらせる!
「この瞬間サイコ・エンド・パニッシャーの効果発動!攻撃力を700ポイントアップする!」
6600→7300
「終わりだ!」
「終わるのはそっちだ……行け、冥禪……!」
(ああ、終わらせよう……)
炎を纏った剣を握り、冥禪がその姿を消す。
「盛大な自殺か!やはり私の勝ちだ!」
「……誰もサイコ・エンド・パニッシャーに攻撃するなんて、言ってない」
「何?」
「戎の忍者-冥禪は……」
「相手に……ダイレクトアタックできる……!」
「……馬鹿な……」
冥禪が再び現れたのはディヴァインの目の前。刀に灯る炎が更に燃え上がる。
「終わらせよう、冥禪!」
(……終いだ、外道が)
「あり得ない、こんな、馬鹿なァァァ!!!!!!」
「アンカー、起動……!」
ディヴァインの負けが確定すると同時にアンカーが起動、彼のデュエルディスクを破壊する。これで、サイコパワーは使えない……。
「……認められるか、認めてなるものか!!」
「ガッ……!?」
「衣久!?」
(貴様ァ!)
……と思ったんだけど、怒り心頭の彼は僕の胸倉を掴みあげた……実力行使、か。
「不動遊星!今から一歩でも動けば……この小娘を殺す!」
「卑怯だぞディヴァイン!それがデュエリストのやり方か!」
「私はリアリストだ!私は自分のためならば何であろうと戸惑いなく利用し、使い捨てる!」
「そうやってトビーも……ミスティの弟も使い捨てたのか!」
「トビー?……ああ、あの出来損ないか」
……ダメだ、視界が薄れていく。これ以上、意識を保っていられない。
(……お前はお前の役割を果たした。後は……俺たちに任せろ)
……視界が途切れる寸前に見たものは。
降臨してしまった地縛神、僕を掴み上げるディヴァイン、怒りを顕にする遊星……
……それと、龍可達の元へ飛んでいく冥禪の姿だった。
主人公にはどういう活躍を期待している?
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蹂躙、無双
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いい感じの熱いデュエル
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ギリギリを演じる2枚目