アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
いい加減本編の時間も進めます。
「ワールドライディングデュエルグランプリ……」
「イン、アカデミア……?」
「うむ、発端はオーナー……海馬社長の提案だ」
スタントマンの撮影を終えてから数日後、案の定また校長室に呼ばれた僕は最早3度目ではあるがいつものように校長の話を聞いていた……今までと違う点としてはゆきのんが一緒に居るところだが。ていうか海馬社長まだ現役なのかよ……いやまあ牛尾がセキュリティやってるし当然っちゃ当然ではあるが。
「WRGPは文字通り世界規模の大会だ、世界中の名立たるライディングデュエルチームが此処ネオドミノシティに集う。当然世界中から観客も集うことだろう」
「まあ、それはわかりますが……」
「ただ現地での観戦となるとハードルは相当高い、学生ともなれば猶更。そこに目を付けたのがオーナーだ」
「……席は用意するがタダで観戦できると思うな、と」
「まあそういうことになるな。WRGPと同じように世界各国のアカデミアから選び抜かれたDホイーラー達が此処ネオドミノに集い、覇を競い合う。昔行われていたアカデミア交流試合の現代版、とでも言おうか。今回はWRGPの観客席チケットというおまけが付いているが」
「確かにそれならあちこちから活きの良い子たちが集まりそうね、でもそれだけで集まるものかしら」
「無論それだけではない、このアカデミア版WRGP……WRGPAの優勝チームにはオーナーから豪勢な景品が用意されている」
「豪勢……特別なカード、とかですか?」
「まさか、強いデュエリストを育成することが目的のアカデミアでそんなちゃちなものを景品にするわけがなかろう」
「確かにあの人はそういう観賞用のカードはあまり好きじゃないと言っていたわね……」
「じゃあ何を……?」
……アカデミア版WRGP、なるほど僕とゆきのんが呼ばれるわけだ。講習会で実演までした訳だし、ネオドミノ校でチームを作るならまず候補に上がるだろう。ただ気になるのは優勝賞品だな、一体何を……
「……WRGP優勝チームとのエキシビションマッチ、その権利だ」
「それは……」
「……あー、確かにやりそうですね。というかプロデュエリストを目指すのなら何が何でも欲しい権利でしょう」
「全くオーナーも人が悪い。大方アカデミアという井戸の中で勝ち上がった蛙に外の世界の強さを思い知らせるとでも考えているのだろう」
「随分と酷い言い方ね、まあ事実なんでしょうけど」
「やるかやらないかで言えば間違いなくやるでしょうしね、あの海馬社長なら」
WRGP優勝チーム……本編通りに進むのならチーム5D'sと試合を行える権利。世界の頂点と戦えるんだ、そりゃあ欲しくもなるだろう……ぶっちゃけ僕も欲しい。
「まあオーナーの意図はともかく、WRGPにはチーム・ユニコーンやチーム・ブラックバロン……果てはあのチーム・ラグナロクまで世界の名立たる強豪チームが参加を表明している。そんな大会の頂点……世界最強のライディングデュエルチームと戦えるというんだ、デュエリストである以上やる気を出さない生徒など居るわけがない」
「やる気どころかライディングデュエルに進みたいと考えてるなら死ぬ気で勝ちに行きそうな……あれ、でも全員学生なんですよね?ライセンスは持ってるけどDホイールがないとかそういう生徒も十分あり得そうな……」
「それに関しては問題ない、この大会は海馬コーポレーションとI2社の全面協力で行われる。Dホイールやそのカスタムパーツはあちらから無償で提供されるらしい」
「なんという大盤振る舞い……」
「あくまでカスタムは自身の手で行わせようっていうのがなんとも憎らしいわね」
そうだったわ、海馬社長こういうことやるタイプの人だった。
「全アカデミア最強のライディングデュエルチームという称号。そして世界の頂点と戦える権利、おまけでDホイール……本当大盤振る舞いなことだよ」
「Dホイールがおまけ相当って時点で事の次第はわかりました……わかりましたがなんでまた僕たちが呼ばれたんです?」
まあ大体検討は付いてるけど……
「既に世界各地のアカデミアでは続々と参加チームが結成されているらしくてな、ライディングデュエルの本場と言っても過言ではないこのネオドミノのアカデミアとしては遅れるわけにはいかんのだよ」
「それで私たちが呼ばれたと?」
「その通りだ、君たち二人の腕前はこの前の講習会で全生徒が知った。わが校としては君たち二人を中心としてチームを結成してもらいたいと思っている」
そんなこったろうと思った。まあ僕個人としては断る理由はないのだけれど……ゆきのんの方はどうなんだろう。
「……事情は理解したわ。私としては……」
「鞍馬が出るっていうのなら、参加しようかしら」
「……はい?」
どういうこったい。
「このWRGPAは実績と表への露出としてはこれ以上ないプロモーションになるでしょう、でもこれはチーム戦。私が納得できるチームメイトが居ないのであれば参加する価値はないわ」
「つまり最低限僕がチームメイトとして欲しい、と」
「あら、珍しく察しがいいじゃない。変な物でも……ああ、そういえば先日はお楽しみだったわね?」
「言い方ぁ!後此処校長室!」
なんで何処でも平常運転なんだ彼女は……
「なるほど、デュエリストの絆か」
「それとはまた違う気がしますけど……僕個人としては勿論出たいです。将来的にプロデュエリストを目指している身としては逆に出ない理由がない」
「そう言ってくれると思っていたよ。書類は既に用意してある、チームメンバーが決まり次第提出を頼むよ」
「うわぁ物凄く準備が良い……」
「だって単純だもの、貴方」
「そこまで単純かなぁ……?」
……WRGPA、恐らくは僕という存在が介入したことで生まれたのであろう本来はなかった一大イベント。フォーチュンカップの時と同じように選ばれたというのなら当然出たい。出て、勝って、優勝して、世界の頂点と戦いたい。
「……まあメンバー集めはゆっくりやることにします、まだ時間はありますよね?」
「うむ、とはいえ無限ではないことを気を付けてくれたまえ」
「それくらいは弁えてます、では」
書類を片手に僕とゆきのんは校長室を後にした。
「とりあえず僕とゆきのんでホイーラーは最低限二人……」
「何かアクシデントがあった時用に控えにも一人欲しいわね、いつでも万全で行けるとは限らないもの」
「つまりは最低あと2人はDホイーラーを揃えないとか」
「欲を言えば3人は欲しいわね。そうなるとメイン争いが熾烈になりそうだけど」
「やっぱ多くてホイーラーは4人じゃないかなぁ……」
昼休み、珍しく僕は自分から隣の教室、ゆきのんの机に出向いていた。普段なら立場が逆だけど今回は至極重要な会議だ、いつも通りゆきのんの方から来るのを待つわけにもいかないだろう……まあおかげでクラスの視線が痛いけど。僕が一体何を……いや流石にこれ以上クソボケ認定されるのは勘弁。
「二人とも何をしているの?」
「あら、イイことよ、とても」
「相変わらず言い方……あーその、WRGP絡みでアカデミアでもイベント……というか大規模大会開くらしくてさ、その会議」
「アカデミアで……?」
やっぱり僕が自分からゆきのんと話に行ってるのはだいぶ珍しいらしくアキが様子を見に来た。参加してくれるなら嬉しいけど、確かこの時点だとライセンスは持ってないもんなぁ……
「ええ、今は参加者候補をリストアップしているのだけれど……流石にアカデミア、ライセンス持ちは一握りで困っちゃうわ」
「Dホイールの……確かに持っている人は少なさそうね。卒業後に取っておこうって方針の人がほとんどの筈だし、そもそも取る気がないって人の方が大半じゃないかしら」
「だからわざわざ校長がこうしてライセンス持ちの生徒をリストアップしてくれてるんだけど……いまいち決めきれないっていうのが今の状況」
「決めきれないというかそもそもまだ全員分見終わってすらいないのだけれど?とはいえ今のところお眼鏡に叶うアテはないわね、残念ながら」
「そうなんだよね……あ、そうだった、ツァンもライセンス持ってるんだ。後で声掛けに行ってみよう」
「確かに彼女なら腕は申し分ないでしょうけど……Dホイールの技術はどうなのかしら」
「一応教習所の同期ではあるから腕はよく知ってる、大丈夫だと思うよ」
ただのデュエルの大会なら単純にデュエルが強い人を集めるだけでいいが今回はライディングデュエル、デュエル以上にDホイールの操縦技術が求められる。そういう意味ではツァンはぜひ欲しい……問題は控えのDホイーラー、中々良い人材……が……
「……え?」
「どうかしたの衣玖?」
「こ、これ……」
「うん……?
リストアップされた中の最後の書類、そこに書いてあった名前。
「れ、レインもライセンス持ってるの……!?」
「あら以外、てっきりあの子は持っていないものだと思っていたわ」
「確かこの子、衣玖がよく面倒見てる転校生の子よね?」
「うん、最初の1カ月くらいはずっと説明ばっかりしてたよ……どうも実技とかだとドンピシャの平均点取り続けているらしいけどデュエルの腕は確かだ、僕が保証する」
「となると問題はDホイールの操縦技術ね……」
「問題なければ是非スカウトしたいかな……ちょっと声かけてくる」
「じゃあ私はツァンさんに声をかけてくるわ。集合は早くて明日の放課後くらいになりそうね」
「2人とも頑張って。私はその……ライセンス持ってないから」
「気持ちだけありがたく受け取っておくよ……さて、この時間帯だと何処にいたかな……」
「熱中してこちらのことを忘れないようにしなさいね?」
「何にだよ」
書類を鞄にしまい教室を後に。ほぼほぼ付きっ切りだった時期があるからレインが何処に居るかは想像がつく、確かこの時間なら……
「あ、居た居た。レイン、今良い?」
「衣玖、何か用?こっち、取込み中」
「取り込み中って……猫とじゃれてるようにしか見えないんだけど」
「癒し、補給中」
「なら仕方ないかぁ……ないのか?」
「猫吸い、最優先」
「さいですか……」
アカデミア内、校庭。昼休みならたぶん此処だろうなーと狙いを定めて行ってみたらドンピシャでレインは猫とじゃれていた。それ野良猫だよね?なんで普通に懐いてるんだろ。
「猫吸いしながらでもいいなら、聞く」
「まあいつでも話せることだし……ちょっと気になったことだけだから」
「守秘義務」
「うん、今回はそっち方向じゃなくてさ」
「じゃあ、何?」
「レインってDホイールのライセンス持ってるんでしょ?ちょっと腕前が知りたくて」
レイン相手に話題をぼかしても効果が薄いためド直球で行く。
「なんで?」
「その……アカデミア対抗でライディングデュエルの大会があってさ、今そのメンバー集め中なんだ」
「……理解」
話を聞いたレインは猫を吸いながら立ち上がった。猫が嫌がってないの普通に羨ましいぞこのやろう。
「そういうことなら、Dホイール、持ってくる」
「あるの!?」
「勿論、持ってる」
「知らなかった……」
「言ってない」
「そりゃそうだけど」
まさかDホイールまで自前で持っているとは思わなんだ。もしかしたら話が結構早いかもしれない。
「いつ、持ち込めば、いい?」
「ゆきのん次第だけど……明日の放課後かな。僕とゆきのんも自分のDホイール持ってくるから、試しに走ってみたい」
「理解、じゃあ、準備する」
「ありがと……ところでその猫完全に懐いてるけど何かしたの?」
「何も」
「えぇ……?」
レインは猫に好かれる体質でもあるんだろうか、真面目に羨ましくなってきたぞ……僕だって猫好きなのに。
「それじゃあ明日の放課後ね、集合場所はあっちが決まり次第伝える」
「わかった、あと、その前に」
「何?」
「今日、午後、実技」
「……あ」
しまった、完全に忘れてた。
「早くいかないと、危ない。急ぐ」
「わかってる!あととりあえずレイン、猫は置いていくこと!いいね!」
「ダメ?」
「ダメ!」
「残念……」
漫才やってるわけじゃないんだから……
この後何故かレインを追いかけてくる野良猫をどうにか対処しながら実技の教室まで急いだ、ちなみに結構ギリギリだった。
ゆきのんの方の勧誘は……ダメだったらしい、ツァンは門限の都合上練習に付き合える時間も短いし何より親がDホイールに乗ることをあまり好ましく思ってないんだとか……まあダメなものは仕方がない。
ひとまず僕、ゆきのん、レインの3人で明日の放課後ハイウェイに集合、ということで今日は解散した。ツァンは勧誘こそダメだったけど「応援してるから」と激励をくれた、ちなみに僕はそれに「普段もそれくらい素直になればいいのに」と返したところ無言で腹パンを貰った、解せぬ。
一応3人のDホイーラーは用意できたしこれでWRGPA自体には出れるはずだ。一応僕はゴドウィン長官のスパルタ教育のおかげである程度整備知識は入っているからホイーラー兼メカニックにはなれる……多分アカデミア側でメカニックチームを紹介してくれそうな気はするけど。
ともかく明日はハイウェイで試走だ、レインの腕前はどれ程のものだろうか。
……あれ、そういえば。
……そろそろゴーストが動き出す時期だったような……
もしヒロインを作るとしたら
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ゆきのん
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レイン
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まだ見ぬTFキャラ達
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寧ろ主人公がヒロインでは?