アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
「これがゴーストのデッキ……」
「5枚で1体のモンスター……それにシンクロモンスターを吸収する効果とはな」
「俺たちには関係ねぇ話だと思ってたが……こりゃまたどえらいのが出てきたな……」
「僕のデッキはたまたま相性が良かったからどうにかなったけど……シンクロモンスターの攻撃力は平均して2000以上、吸収効果が通ってしまえば途端にあのモンスターの攻撃力は4500を超える。おまけに本体は対象耐性があるし攻撃対象を誘導するパーツもある……突破は困難を極めると思う」
POPPOTIME地下ガレージ。数日前ゴーストとデュエルした時の記録データを持って僕は用事ついでに此処に下宿している遊星達の元を訪れていた。目的は本編より強化されているであろう機皇帝デッキについて少しでも情報を共有するためだ。彼らを信じていないわけじゃないけど情報は多い方が良い。
「少なくともこのモンスター……機皇帝ワイゼルを1ターンで突破するためには攻撃力1300以上と2500以上……2体のモンスターが必要になる」
「もしくは僕の時みたいに何らかの手段を用いてパーツを破壊して弱体化させるという手もあるね」
「下らん、どれだけ強力な効果だろうが正面から突破すればいいだけのこと」
「そりゃあいくら何でも能天気すぎるぜジャック。衣玖のデータを見る限り奴は「攻撃の無力化」を始めとした戦闘からこのモンスターを守るための防御札を複数積んでやがる。単純なパワーだけでの突破は無理そうだ」
「「ワイゼルG」「ゴースト・コンバート」……この2枚には特に注意しておいた方がよさそうだな。もし奴とデュエルすることになった場合はゴースト・コンバートを意識して戦術を考えることになるだろう……貴重な情報をありがとう、衣玖」
「まあほぼほぼ偶然なんだけど……役に立ったのなら。ただそれ以外に気になる点があって」
「気になる点……?」
「うん……うん?」
「これは……」
ついでに共有しておこうとフェルグラントを取り出せば、赤く光るフェルグラントに共鳴するように3人の痣もまた赤く光っていた。
「シグナ―の痣が反応している……?」
「……やっぱり、ただごとじゃないんだ」
「やはりとはなんだやはりとは!シグナ―に関する事があるのならまずそっちから先に話せ馬鹿者!」
「あー衣玖、ジャックはほっといていいから話してくれ」
「クロウ!」
……ジャックの扱いが随分と雑になってきたなぁ、アカデミアで僕がゆきのんに振り回されてる時みたいだ。
「……ゴーストがデュエルモードを強制起動してくる前、ダークシグナーとの戦いの時みたいにこんな感じでフェルグラントが光ったんだ。シグナ―の痣も光ってるってことは……」
「そのゴーストとやらがダークシグナーの力を持っているとでも言いたいのか?」
「まさか、ダークシグナーとの戦いは遊星が終わらせた。それにダークシグナーならデュエル開始と同時に地上絵が出現してるでしょ?」
「確かにそうだ、つまりは……」
「ダークシグナーともまた違う新たな脅威ってことかよ!あれからまだ半年も経ってねぇんだぞ!?」
「僕だってこんな月刊世界の危機みたいなことになるとは思ってなかったよ……WRGPAも控えてるのに」
実際には知識の上で知ってはいるんだけど……言っても無駄に混乱させるだけだろう。
「WRGPA?」
「ああ、なんでもWMGPのデュエルアカデミア版をやるらしくてさ、そっちと同時進行で進むんだって……ちなみに優勝チームはそっちの優勝チーム……世界最強のライディングデュエルチームと試合できる権利が貰える」
「へえ、そっちもそっちで面白そうじゃねえか。衣玖も出るのか?」
「勿論、というかネオドミノ校のチーム代表にされそうで困ってる」
「いいじゃないか、衣玖はプロデュエリストを目指してるんだろ?大舞台に立つ経験は多い方が良い」
「そうとも、プロのデュエルとは勝負以前にエンターテイメント。観客を湧かせ、そして勝つ!ただ勝つだけのデュエルなど2流のやることよ!」
「さっすが元キング様は言うことが違うぜ」
「【元】を付けるな【元】を!」
「あはは……まあ言いたいことはわかるよ。周りを見ろってことでしょ?」
「ぐぬぬ……そういうことだ、お前もプロを目指す以上それは肝に銘じておけ」
「わかってる、塩試合程見ててつまらない物もないしね」
これまででそれは嫌というほど実感した。本編に関わる時まで僕も思考としては塩試合をする側の人間に寄ってたわけだし……ここまで本編とガッツリ関わるとは思ってなかったのだけれど、結果的に良かったのかもしれない。
「まあひとまず最近噂のゴーストについてはこれで終わりかな……そういう訳で遊星、例のブツできてる?できてたらついでに受け取りたいんだけど」
「勿論だ」
「ブツ?衣玖お前Dホイールの塗装ついでに何か頼んだのか?」
「うん、ちょっとね」
下手に正体を明かせないから遊星ぐらいにしか頼めなかったもの……まあ、ぶっちゃけて言えば。
「今までのものより視界が大分広くなった筈だ、試しに付けてみてくれ」
「わかった」
遊星から手渡され流れるように装着……そう、「始末屋」として活動するときの仮面である。
「おお……今までの奴に比べて雲泥の……あれ、これ映像?」
「気づいたか、AR技術の応用で搭載したカメラの映像をそのまま映している。激しく動くときに多少のブレはあるが……基本は問題ないはずだ」
「なるほど……それじゃあボイチェンも……あー、あー』
一通りガレージを見回した後にボイチェンを起動。今までのものより音質が数段クリアだ、流石遊星。
『よし……問題なさそうだ、ありがとう遊星」
「お前……まだ始末屋として活動しているのか?」
「まあそのなんというか……トップシークレットというか……」
「なんだそりゃ、お前確か一人暮らしなんだろ?」
「とにかく色々あるの!い・ろ・い・ろ!」
(……はあ)
これ以上突っ込まれるとまたややこしいことになるので慌てて話を切り上げる、幾ら遊星達と言えどもこれを続けてる理由は話せない……真面目に個人の事情の話になるから。あと冥禪……今度は何に呆れてるのさ。
「そういうわけでありがとう遊星!多分壊れたらまた来る!」
「なるべく壊さないでほしいんだが……」
「そういうフラグじゃなくて大切な商売道具だし信頼できる人に任せたいってだけの話、それじゃ!」
若干逃げるようにガレージを後にする。ゴーストのデータはあのまま置いてきたし最低限サポートは出来たはずだ……秘密を隠したままなのは悪いと思ってるけど。
「……さて、そういや今日も仕事だ。Dホイール使えればいいんだけど……うん」
折角ヤタガラスを正式に所有することになって行動範囲は広がったのだが、いかんせん普段使いもしているせいで迂闊に使えば正体がバレかねない。あれもこれも僕の感覚をぶっ壊したヤタガラスが悪い……他のDホイールだと何かしっくりこないんだよ。
まあ仕方ないものは仕方ない、今日も無駄にある身体能力を活かして徒歩でどうにか移動しよう。
『終わりだ、白竜の忍者でダイレクトアタック』
「のわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
『デュエルアンカー、起動』
「こんな……あり得ねぇ……」
今日のお仕事……街の手に負えない不良共への対処完了。どうも大規模再開発と件のゴーストの影響で手が追いついてないらしく、不良漫画さながらダイモンエリアで活動していた奴らを中心に不良デュエリスト達の抗争が起きてるんだとか。おかげで最近はずっとこうして不良たちのディスクを壊して回っている、数だけは無駄に多いせいで1vs3とかもザラだ……その気力をもっと別のことに回せばいいのに。
『……これで此処のグループは全員か、仕事は終了だな』
(これで5グループ目……そろそろ懸賞金でも掛けられそうな頃だな、程々にして少し活動を休止したらどうだ?)
『……もしかしたら、があるかもしれない以上休止するわけには行かない』
(またそれか。この程度の奴らがその筈がないだろう)
『……わかっている、ある種憂さ晴らしなのかもしれんな』
(わかっているのなら引き際は見極めろ。金銭面の問題などとうに解消している)
『……善処する』
……ダークシグナーとかWRGPAとか色々あって忘れそうになるけど、「始末屋」として活動している本来の目的は忘れちゃいけない。忘れてしまえば僕はただ金銭目当てで非合法にデュエリストを狩る不良共の仲間入りだ……現状をそうだと言われれば否定はできないけど。
ともかく今日の仕事は終わりだ。明日が休日で助かった、はやく帰って……
……ん?
『あれは……』
(……どう見ても藤原雪乃だな、夜遊びは控えていると父親は言っていたがこんな時間に外出しているとは)
『……見つからないように動くか』
どうしてか知らないけど、帰宅ルートに運悪くゆきのんの姿を見かけた。一応仮面を付けているとはいえ遭遇すれば面倒くさいことになるのは想像に難くない。此処は迂回ルートを通って帰……
「あら、こうも目立つように立っているのにつれないわね、「始末屋」さん?」
『……』
あっダメだ、思いっきりこっちをマークしている。
『……学生がこんな時間にうろつくものではないぞ』
「別に問題ないわ、これでも私元不良よ?」
『だとしてもだ。此処はついさっきまで野良デュエリスト共の抗争が……』
「それ、最初から見てたって言ったら?」
『何が目的で?』
「……無論、貴方よ」
やっぱり面倒くさいことになった、だから見つからないように帰りたかったのに。
『……デュエルしろという話なら聞けんな。私は仕事以外でデュエルをする気はない』
「たとえあなたになくても私にはあるのよ……それとも「依頼」でもすればいいのかしら?私とデュエルしなさい、と」
『確かに仕事なら断る理由はない……だがそこまでして私とデュエルしようとする理由は何だ?』
「確かめたいことがある、それだけよ」
『……』
(だから程々にしておけと言ったのだ……すでに手遅れだったようだが)
……ダメだ、この状態のゆきのんは自分の要求を通すまで絶対に自分を曲げない。大人しくデュエルする以外で終わらせる……彼女を安全な場所に帰らせる方法はないだろう。
『仕方あるまい、このまま付き纏われても面倒だ』
「ようやく誘いに乗ってくれるのかしら、随分と焦らしてくれるわね……」
『乗るリスクと乗らないリスクを天秤にかけて乗らないリスクが上回っただけだ。それと……私が勝った場合二度と私を探ろうとするな、迷惑だ』
「あら、一言も探るなんて言ってないのだけれど……それと貴方だけ一方的に押し付けるのは不公平よ、私からも条件を1つ提示させてもらおうかしら」
『言ってみろ』
「私が勝ったら……あなたの事、洗いざらい教えてもらおうかしら」
『……』
……なぜそこまで「始末屋」に執着する?セキュリティに突きだすわけでもあるまいし。
『……いいだろう、ディスクを抜け』
「最初はつれない人かと思ったのだけれど案外その気になったら積極的なのね、ますます気になっちゃう」
負ける気はない、はやく終わらせてゆきのんには帰ってもらおう。
「それじゃあ始めましょう?ふたりっきりの……夜の戦いを」
『……始めようか』
……いけない、思わず反射で返しそうになった。言い方ァ!なんて言おうもんなら速攻でバレるって。
『先行は私のようだな、ドロー、スタンバイ、メイン』
「……」
……少々マズいことになった。ゆきのんのデッキはデミスドーザー……後手ワンキルデッキだ。おまけにこっちは僕であることがバレちゃいけないから不知火とフェルグラントは絶対に使えない……相当きついぞ、これ。
『「忍者マスターHANZO」を召喚し効果発動、デッキから「忍法 分身の術」を手札に加える』
いつものHANZO。今回は止めるべき対象がはっきりしている以上落葉舞より分身の術を優先、そういや冥禪たちは……
(お前の身から出た錆だ、自分でどうにかしろ)
……今回は力を貸してくれないらしい。危険な相手とかそういうわけでもないし、当然か。
『カードを3枚伏せ、ターンエンドだ』
「私のターン、ドロー……「マンジュ・ゴッド」を召喚」
こちらもいつもの如く現れる仏だか化け物だかよくわからない見た目のモンスターマンジュ・ゴッド。センジュ・ゴッドは正当派仏だったのにどうしてこうなったのやら。
『召喚に対し発動する効果はない』
「なら効果を発動させてもらうわ、デッキから「高等儀式術」を手札に」
……儀式の下準備から入らない、既にデミスが手札にあるのか?
「そのまま「高等儀式術」を発動、チェーンはあるかしら?」
『高等儀式術にチェーンはない』
「流石にここに喰いつくおバカさんではないわね、私はデッキから「
やっぱりデミスを素引きしてた。警戒してたのは間違いじゃ……
「勝利を齎す青き龍よ、今混沌の力帯びてその力を振るいなさい!」
……え?
デミスのものではない口上に僕が困惑する中、ゆきのんの周りを8つの青い炎が回転し、やがて1つに合体する。
「儀式召喚……来なさい、「
無論炎の中から現れたのはデミス……ではなく、この世界において圧倒的知名度を誇る伝説のカード。
【ドラゴン族/儀式/効果】
「カオス・フォーム」により降臨
このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。①:フィールドのこのカードは相手の効果では破壊されず、相手はフィールドのこのカードを効果の対象にできない。②:「青眼の白龍」を使用して儀式召喚したこのカードの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの全てのモンスターの表示形式を変更する。この効果で表示形式を変更したモンスターの攻撃力・守備力は0になる。このターン、このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
『……まさか生きている内にこの目でかのブルーアイズを拝める日が来ようとはな』
「通常モンスターの方ではなく儀式モンスターなのは許してちょうだい……結構高く付いたのよ?」
だろうな、と内心納得しながらここからどうすればいいか考える。ハナっからデミスを出してくることを想定していたので分身の術をサーチしたのだが……随分と悪手だったようだ。あのモンスターは効果の対象にならない、それ即ち櫓丸による除去が効かないということ。冥禪とフェルグラントが使えない今のこのデッキ、サーチできる手段であれを突破する方法は風魔手裏剣か鉄土竜を装備した白竜ないしあいつか超変化を使用して
「何やら考え込んでいるようだけどそんな暇があるのかしら、バトル」
『……!』
……よかった、まだデビルドーザーは引いていないようだ。
「行きなさい、
ブルーアイズがHANZOを視界に捉え、チャージを始める。
『永続罠「忍法 分身の術」を忍者マスターHANZOをリリースし発動する』
もう少しで発射というところでHANZOは木枯らしと共に消滅。
『この効果により私はデッキからレベルの合計がリリースしたモンスターのレベル以下になるようにデッキから「忍者」モンスターを表側攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚できる。来い、「蟲の忍者-蜜」、そして2体の「宙の忍者-鳥帷」、何れも裏側守備表示だ』
代わりに現れたのは3体の忍者。彼らが2枚目以降をデッキに入れることを許してくれた今漸くこのデッキの真価が発揮できるようになった……まあ今回冥禪と磁翁は力を貸してくれそうにないが。
「攻撃対象を変更、セットモンスター……蟲の忍者-蜜に攻撃!蹂躙のカオス・バースト!」
HANZOに向け放つはずだった一撃をブルーアイズはそのままセットされている蜜に発射。強烈な閃光が数秒続き、晴れる頃にはそこに蜜の姿は跡形も残っていなかった。
「続いてマンジュ・ゴッドでセットモンスター、宙の忍者-鳥帷を攻撃!」
仏とモンスターの中間のような天使が鳥帷を殴り倒そうと迫る、が……
『宙の忍者-鳥帷はリバースしたターン、戦闘・効果では破壊されない』
「へえ……」
マンジュ・ゴッドが殴り倒したのは鳥帷……が作り出した空蝉。本体は上空へと飛翔済みだ。
「小さい癖に随分と我慢強いのね……私はカードを2枚伏せてターンエンド」
『私のターン、ドロー、スタンバイ、メイン……』
伏せは「風魔手裏剣」と「早すぎた帰還」、さっきも思考したがこのターンでブルーアイズを突破するのは無理だ。このターンは準備を
「はあ……デュエルで勝つまでもなく馬脚を現したようね?」
『……何のことだ?』
……急に、なんだ?
「さっきからずっとあなたのデュエルを見ていたけど……ドローの仕方、細かくフェイズ数を刻む癖、相手の戦術を見てから対処する受けのデュエル……そして何より想定外が発生すると黙って考え込む癖」
『それがどうした』
「まだ気付かないとでも思っているのかしら?随分とお子ちゃまな思考ね……」
「これでも私、結構怒っているのよ……「鞍馬」?」
『……』
……もしかして、これ結構マズい状況?
【ササヤキ】
明日はOCGのチームCSがあるため少し休みを頂きます。
もしヒロインを作るとしたら
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ゆきのん
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レイン
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まだ見ぬTFキャラ達
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寧ろ主人公がヒロインでは?