アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
「本当に世界中のアカデミアから生徒が集まってる……WRGPA、やるとはわかっていても実感が湧かないや……」
「一応貴方はネオドミノ校のチーム代表なのよ?もう少ししゃんとしなさい、しゃんと」
「頑張れ、リーダー」
「……レインはまだしも、なんでゆきのんじゃなかったの?」
「あら、世間一般で見れば貴方の方が知名度は高いのよ?学生の身分で大型大会に出場してしかもプロデュエリストまで倒して見せたのだから」
「……成程、そりゃあ僕が矢面に立った方がいいか」
僕がゆきのんと「始末屋」としてデュエルし、同時に休業……そして遊星たちがゴーストと戦ってから少し。先日WRGPのプレミアイベントが行われたホールにて同じようにWRGPAのイベントが行われていた、たしか一騒動あって多少被害が出てたと思うんだけど……よくすぐに修理終わったな。
「合計何校来てるんだこれ……よく集まったなぁ」
「確か32校ね、予選は合計4ブロックの総当たり、スコア上位2チームが決勝リーグ……」
「予選上がり、最低5勝、必要」
「2回は負けれると考えるべきか、2回しか負けれないと考えるべきか……」
「随分と弱腰ね、そこは全勝してトップスコアで決勝に上がるくらいの気概は見せなさい」
「……確かにそうだね」
会場にはあっちこっちのアカデミアの制服を着た生徒とそれとは別に招かれた人たちやWMGPの選手たちも来ていたりする。特にチーム・ユニコーンは凄い生徒達に群がられている……今回は来ていないけどチーム・ラグナロクも居たらあれの比じゃない生徒達に押しかけられてたんだろうな。
「いたいた、みんなー!」
「あら、貴方は……」
「龍亜?」
「……」
声の方向に振り返ってみるといつもの双子にアキ、それと遊星達が揃い踏み。3人は分かるけど遊星達も来てくれたんだ。
「遊星にクロウはわかるけど……ジャックも一緒なんだ、珍しいね」
「1年後俺たちと戦う相手がこの中から選ばれると聞いては敵情視察をせぬわけにはいかんからな」
「ああやって理由付けしてるけど実際はちょーっと綺麗に終わらなかった先日のプレミアイベントの焼き直しみたいなもんだからな、改めて存在感をアピールしたいってとこだろ」
「クロウ!」
「成程……なんかクロウもジャックの翻訳係が板についてきたね」
「あたぼうよ、俺がこいつと何年の付き合いだと思ってやがる」
「俺は貴様の翻訳などいらん!」
「んだとぉ!?その素直じゃない性格のせいでこれまで何回面接落ちたと思ってやがる!?」
「そもそも俺はだな……!」
「……二人については気にしないでくれ、こっちの問題だ」
「……大体理解したわ、大変なのね、貴方も」
「いい奴らではあるんだ……素直じゃないだけで」
遊星が呆れたような笑ってるような複雑な表情を浮かべてゆきのんと話してる。ゆきのんってマーカー持ちについて特に偏見もないのか、まあそういうことするタイプじゃないとは思ってたけど初めて知った。
「衣玖、目指せ優勝だよ、優勝!」
「そうだね、やるからには勝ちに行く。結果を残せばプロへの道も広くなるだろうし……龍亜達も自慢できるでしょ?」
「さ、流石に他人の実績で自慢とかは……」
「……」
「龍可の視線を見る限り、するつもりだったんだね?」
「ハイ……」
「ま、止めろとは言わないけど程々にしときなよ?」
この二人は相変わらずだ、やれやれという意味ではなく少し微笑ましい。
「実は私もライセンスの教育課程を……」
「チーム、入るの?」
「いえ、ただ……遊星や貴方達と同じ風を感じてみたくて。私がDホイールに乗れるようになったら……1回デュエルしてもらえないかしら?」
「……わかった」
レインはレインでアキとライディングデュエルの約束を取り付けている、僕もアキにリベンジしたいんだが。しかしなんかこう……
「凄い賑やかだな……ほんと」
(文字通り此処は世界最強のDホイーラー達を決める大会の前夜祭だからな、賑やかでない方が難しいだろう)
「そうだね冥禪……これから全員と戦う可能性がある。けど今日だけは無礼講ってとこかな?」
(ああ、存分に楽しんで来い)
「まあ楽しむと言っても此処から概要説明だけど……」
「……ブロック発表、また後日」
「うん、今日はレギュレーション発表だけだね……おっと、言ってたらか」
「ほぼほぼ事前情報で出ているものの再確認でしょうけどね」
辺りが暗くなり、モニターに人の顔……あ、校長。
『世界のデュエルアカデミアから遥々ここネオドミノまで起こしくださった生徒の皆様、そしてWMGP参加者の皆様方、本日はワールドライディングデュエルグランプリインアカデミア……WRGPAの特別イベントにご参加いただき、誠にありがとうございます』
校長の挨拶の後は再開発が進んだネオドミノシティについての説明とレギュレーションの発表、1ブロック8チームの総当たり……つまり必要最低スコアは5-2、確実に突破するのなら6-1以上。とはいえそんな弱腰で行っては勝てるものも勝てない、目指すは全勝だ。
『さて、WRGPAの優勝校は今回のWRGP優勝チームとのエキシビションマッチを行えることは知っての通りですが……それについて新たに発表があります』
「発表……?」
「エキシビションであること以外WRGPの試合と大きな変わりはない筈なのだけれど……」
……なんだろう、少し胸騒ぎがする。
『発表については私ではないとある方に行ってもらいます……それでは、よろしくお願いします』
「とある方……?」
態々そんな勿体ぶった言い方をするってことは相当の人なんだろうけど、誰
……この声は。
「……ねえ、今途轍もなく聞き覚えのある声が」
「うん、僕も聞こえた」
物凄い記憶に残る声、ざわつく会場をよそにとある一点にスポットライトが当たる。
「ね、ねえあれ……」
「……私、夢でも見ているのかしら」
「嬉しいことに現実みたいよ、光が眩しいもの」
「……まさか、ブルーアイズと戦ってすぐに本人の顔を拝めるとは」
スポットライトの中心に立つ人物、それはまごうことなき……
……海馬コーポレーション社長、海馬瀬人その人だった。幼さなんて消え失せて、最早纏う雰囲気は完全にそっち界隈の人である。
「海馬、瀬人……!?」
「か、海馬瀬人っていやぁKCの社長で……それにキング・オブ・デュエリスト、武藤遊戯のライバル……!」
「まさか本人の顔をこの目で拝む機会が来ようとはな……」
……その場に存在するだけで圧がすごい、これが「伝説」のデュエリスト……!
「WRGP、そしてWRGP優勝チームによるエキシビションマッチ、これは正しく世界最強のDホイーラーを決める戦いである。デュエルの強さに大人子供は関係ない、デッキという剣を最も使いこなしたデュエリストこそが最強であることは疑いようがない」
「……だが、先ほども言った通り、世界最強のDホイーラーと世界最強のデュエリストはイコールではない。無論俺とてライディングデュエルをぬるま湯などと罵倒する気はないが……立つ土俵が違うのだ」
……まあそうだ、ライディングデュエルとスタンディングデュエルはほぼほぼ別物のようなものだと言っていい。
「故にスタンディングデュエルの頂点、その力を俺直々に最強のDホイーラーに味わわせてやろう!」
え?
「ここより1年後……エキシビションマッチで勝利したライディングデュエルチーム、そいつらと俺が直々にデュエルを行う!無論負けるつもりで挑む軟弱者を相手取るつもりはない……俺に勝つという絶対の自信を持って挑んでくることだ、フハハハハハ!!!!!!!!」
「じ、自分がアカデミアのオーナーだからってとんでもない横暴……」
「……とんでもない爆弾が投下されたわね、まさかあの海馬瀬人と戦えるなんて極上の景品が後出しされるなんて」
「名誉?」
「名誉なんてレベルじゃないよ……金で買えるなら数千億、いや、兆まで出してでもデュエルしたい奴は居る筈だ。何せ相手は文字通り「世界の頂点」、その一角なんだからね」
「それに彼はどちらかと言えば海馬コーポレーションの社長という側面が強い、デュエリストとして表に出てくることは滅多にないわ」
……会場が大歓声だ、そりゃあそうか。
「へっ、本当の景品は称号じゃなくて最強との戦いか……憎いことしてくれるぜ、社長さんは」
「遊星、必ず優勝するぞ……伝説のデュエリストと戦う名誉を得るのは俺達だ!」
「無論だジャック、彼とデュエルしてみたいのは俺も同じ……必ず勝ち上がってみせる!」
遊星達もやる気が物凄いことになってる……けどね。
「あら、その前にエキシビションマッチがあることを忘れないでもらいたいわね、それとも私たちの事なんて眼中にないってことかしら?」
「ゆきのんに便乗する訳じゃないけど僕たちだって伝説と対峙したいんだ、遊星達が勝ちあがってくるっていうのなら……最大の障害になってあげるよ」
「……よくわかんないけど、二人がやる気なら、私も」
「レインは後で海馬社長について説明しようか……」
……レインのせいでちょっと締まらないことになったけど遊星達に宣戦布告を投げつける。お互い自分たちが優勝することを前提に話してるけど……あの人直々に勝つ気で来いって言われたんだ、そりゃあ勝つ前提でいかないと。
「ああ、エキシビションマッチで会おう、3人とも!」
「楽しいデュエルになることを期待してるよ……無論、負ける気はない」
遊星とグータッチを交わして再び周囲を見やる。すでに海馬社長は退場したようだけど周囲の興奮は冷める気配がない、当然か。
「よし遊星、帰ってDホイールとデッキの調整だ!」
「気が走りすぎだぜジャック……まずはこのイベントを楽しんで帰ろうぜ?時間はまだまだあるんだからよ」
「クロウの言う通りだジャック、先走っても何も良いことはない」
「ぐ……仕方あるまい」
「いいなぁ……俺だって海馬社長とデュエルしてみたいよ」
「龍亜のことだからもしできたとしても凄く簡単に踏みつぶされそうね」
「うぐ……お、俺だってアカデミアで勉強して少しは強くなってるんだからな!」
「龍亜はそれより先にデュエル以外を何とかする方が先決じゃないかしら?」
「う、ううぅ……」
「……メインは僕たちの筈なのに、外野の方が盛り上がっちゃってるなぁ」
「仕方ないじゃない、彼の登壇は一瞬だったけれど、それだけでこの会場は彼に支配された……役者志望としては見習いたいわね、あの力」
「技術というよりはカリスマとかそういう類だと思うけど……」
……実際僕も興奮冷めやらぬと言った感じで、今日一日はこの昂りが収まることがなさそうだ。収めるにはデュエルでも……
「あの……鞍馬衣玖さん、ですよね?」
「そうだけど……君は?」
唐突に他のアカデミアの生徒に話しかけられた、何用だろうか。
「私はデュエル・アカデミアドイツ校のアイザック・リガルディと申します。用件は……こうすればお分かりでしょうか?」
赤髪の彼女、アイザックは既にディスクを構えていた……戦力評価、ってとこか?
「もしかしてあの人の演説にやられちゃった感じ?奇遇だね、僕もだよ」
「その通りです、つい昂ってしまって……丁度いいところに貴方が居たものですから」
「誰でもいいってことじゃないのがどうにもまた……うん?」
応えるためにディスクを装着しようとしたが雪乃に止められた。
「……全く貴方って人は何考えてるのかしら。こんなところでデュエルを始めれば注目の的、それに今後の対策もされるじゃないの」
「まあそうだけど……遅かれ早かれじゃないかな、それが少し早くなるだけで。というか僕はフォーチュンカップに出てるんだし今更だよ」
「……言って止まる気がしないわね、はあ……」
「ごめん、けど情報を得れるのはこっちも同じこと……相手がどれだけかは分からないけど、やる価値はあるよ」
「了承、ということでよろしいのでしょうか?」
「うん、待たせてごめんね」
呆れた様子の雪乃に謝ってから改めてディスクを装着し、アイザックと向かいあう。この冷めやらぬ興奮を冷ますには一戦交えるしかないだろう。
「おいおい衣玖の奴、此処でデュエル始めるらしいぜ?」
「感心はしないが……気持ちは理解できる、あの男にあてられて平静を保てる奴などそう居ない」
ジャックとクロウから茶々を入れられる、まあその通りなんだけど……後で説教はいくらでも受けるから勘弁してほしい。
「では、始めましょうか?」
「うん、始めよう」
「先行は私が貰います、ドロー……」
さて、相手は初対面も初対面、どんなデッキを使ってくるのか……
「モンスターをセットし、カードを3枚伏せてターンエンドします」
……あれ、凄い消極的だ。
「僕のターン、ドロー、スタンバイ、メイン」
(……あの女、妙な気配がする。気を付けろよ)
「……へ?」
唐突な冥禪からの警告。妙とだけ言われても……何がどう妙なのさ。
「どうかしましたか?」
「……いや、なんでもない、続けよう。「不知火の武部」を召喚し効果発動、デッキから「妖刀-不知火」モンスターを特殊召喚する」
「チェーンはありません」
「ならばデッキから「逢魔ノ妖刀-不知火」を特殊召喚する」
いつもの如く妖刀を引っ提げて現れる武部。生憎忍者の方の武部は今回初手にない、フェルグラントが出せないのは若干不安だけどとりあえず突っ込もう。
「レベル4の「不知火の武部」にレベル3の「逢魔ノ妖刀-不知火」をチューニング!」
妖刀が放った光が3つの輪になり、その中に武部が妖刀を握ったまま突入する。見慣れた光景だ。
「妖封じし猛き将よ、その力、乙女に宿りて今再誕せよ!」
「シンクロ召喚、来たれ「妖神-不知火」!」
閃光と共に妖刀から赤い炎が迸り武部が着地。妖神となった彼女はその刃をセットモンスターに向ける。
「たった1枚のカードから大型シンクロを……」
「ただ数字が大きい訳じゃない、妖神-不知火の効果発動。フィールド、または墓地のモンスター1体を除外し、力に変える、不知火継承!」
「同じように発動するカードはありません」
燃え盛る妖刀、刃を向ける先はセットモンスターから……その後ろの伏せカードへ。
「「不知火の武部」を除外し2つの効果を適用、1つ、自分フィールドのモンスターの攻撃力を300上昇、1つ、フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊する。破壊するのは右端のセットカード」
2100→2400
武部が振るった刃が破壊したのは罠カード「リバース・リユース」……リバースモンスター中心のデッキか?
「不知火の武部が除外されたことで効果発動、デッキから1枚ドローし、1枚捨てる。「不知火の師範」を墓地へ……バトル!妖神-不知火でセットモンスターを攻撃!」
右手に妖刀を、左手に薙刀を構えて妖神がセットモンスターに突撃する。
「攻撃時に発動するカードはありません」
「だったらダメージステップだ、セットモンスターの正体、暴かせてもらうよ」
露わになるアイザックのモンスター。割ったカードからリバースモンスターの可能性が高いけど……
「セットモンスターは……」
「「シャドール・ヘッジホッグ」です」
シャドール・ヘッジホッグ
【魔法使い族/リバース/効果】
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:このカードがリバースした場合に発動できる。デッキから「シャドール」魔法・罠カード1枚を手札に加える。②:このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「シャドール・ヘッジホッグ」以外の「シャドール」モンスター1体を手札に加える。
もしヒロインを作るとしたら
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ゆきのん
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レイン
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まだ見ぬTFキャラ達
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寧ろ主人公がヒロインでは?