アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?   作:文字の忍者-遅筆

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【オワビ】
リアル都合で遅れました。


逆襲のサイコ・デュエリスト

 

「気づけばWRGPA予選ラウンドももうすぐかぁ……」

(また不安になっているのか?)

「いいや、寧ろ楽しみ。なんだかんだライディングデュエル好きみたいだし、僕」

(ならばいい、日和っていたのならまた喝を入れねばならんところだった)

「流石にもうないよ……それにこの前アキとのデュエルで感じたあの感覚……」

(遊星が言うにはクリアマインド……だったか)

「そう、僕もその入り口には立てているはずなんだ……何か切っ掛けがあれば辿り着けると思うんだけど」

(それがWRGPAで得られるかも、と?)

「うん、まあ僕アンカーだからそもそも出番が来る前に二人が全部終わらせてしまわないかだけが心配」

(寧ろそれが殆どだと思うが?)

「うーん……難しいな」

(寧ろ誇れ、お前はアンカー……正真正銘のエースだ)

「そう受け取った方が気が楽だね……」

 

 アキへのリベンジ成功から少し、気づけばWRGPとWRGPAも開催目前である。時の流れって早い……僕の精神年齢の影響もあるかもだけど。

まあ無駄に時間を消費しているのかと言われればそうでもない。ついこの前ブルーノも来たことだし遊星に一回Dホイールを見てもらおうかなーと思ったんだけど……タイミング悪く不在、どうも今の期間はクラッシュタウン編らしい。まあブルーノがヤタガラスを改修してくれたから結果オーライではあったけど……都合よく利用してしまっているみたいで少し申し訳ない気持ちになった。

そんなこんなで今日は作戦会議を終えて帰宅中、少し戦術とかの話で熱中してしまって少し遅くなってしまった。チーム戦は個人戦とは勝手が違う……「相手を倒すデュエル」から「次に繋げるデュエル」への切り替えのタイミングとか結構考えることも多い、まあその……先述の通り僕はアンカーだから回ってくる頃には「相手を倒すデュエル」以外やることないんだけど。

 

「……にしてもこいつ、どうやって生まれたんだろう。赤き竜の力……とかでもなさそうだし」

(考えられるのはフェルグラントからの干渉だが……あのカード1枚にそれだけの力があるとも思えん)

「だよねぇ……謎だ」

 

先日のアキのデュエルで誕生?したシンクロチューナー「イモータル・ドラゴン」。デッキに入れた覚えもなければ手に入れた覚えもない、真面目に気づいていたらデッキに入っていましたーって感じの謎しかないカードだ……OCG版と違ってなんかすっごい見覚えのある効果が追加されてるし。

 

「まあ使えるものはありがたく……うん?」

(どうした?)

「……フェルグラントじゃなくてイモータル・ドラゴンが光ってる。なんで光ってるかは相変わらずわかんないけど」

 

ふとデッキから熱を感じて取り出してみるとイモータル・ドラゴンはものの見事に赤く輝いていた、フェルグラントのように脅威を伝えようとしてるのか、また別の意図か。よくわからないけど……んえ?

 

「……き、消え始めてる!?なんで!?今までそんな素振り一切なかったじゃん!」

(……すまない、俺にもわからん。フェルグラントは人間の思念の集合体故まだ理解できたが、こいつは……)

 

一際強く光ったと思えば唐突にカードからイモータル・ドラゴンの姿がテキストごと消えていく。手に入れてから1回もそんな素振りはなかったのに一体どうして……

 

 

……そんな風に慌てて周りを見ていなかったのが災いしたのだろう。

 

(……!?衣玖、避けろ!)

「避けろって今それどころじゃ……へ?」

 

背中に熱を感じた頃にはもう遅く。

 

「がっ……あ、ぐ……!?」

(っ……助けを呼ぶ、それまで耐えろ!)

「助けって……それに、これ……」

 

……熱を帯びた物体、ファイヤー・ボールが直撃。僕は思いっきり吹っ飛ばされて壁に叩きつけられた……サイコ・デュエリスト……?

 

「今回は当たったみたいだね?」

「な……」

 

物凄く、物凄く聞き覚えのある声。ただ……まともに貰ったせいで身体が上手く動かない。ただ想像の通りなら、せめて証拠の一つは……

 

「……!?」

 

嘘だろ、鞄が吹っ飛ばされてる……

 

「この時間帯此処の人通りはあまりにも少ない、セキュリティも間に合わないだろうさ」

「なに、が……」

 

……殺す気ならとうの昔にファイヤー・ボールを連打してる筈、命乞いが聞きたいとかでもないだろうし……

 

「目的を聞いているのかい?なら3つだ、どうせ君以外聞いている奴も居ないだろうし話してあげよう」

「……」

 

3つ……?

 

「1つ、単純な復讐。君にしてやられたせいでこうして表社会から姿を消す羽目になってしまったからね」

「自業……自得……」

「なんとでも言うがいいさ。2つ、頼まれたから」

「頼まれた……?」

 

誰が、そんなことを……

 

「少々癪だったが利害の一致だ、仕方なく引き受けたよ」

「誰、が……」

「君に教える義理はないね。そして3つ……単純に君に利用価値があるからだ」

「……は?」

 

確かにあの時も連れ帰るだかなんだか言われてたけど……

 

「あの娘程ではないが……君はデュエルモンスターズの精霊の力を操っている。是非研究してみたいものだよ」

「っ……」

 

……こいつ、まだ諦めてなかったのか……!

 

「そういう訳だ、君には共に来てもらおう。無論拒否権はない」

「おこと、わり、だよ……!」

 

どうにか立てるようになった足になんとか力を込め、鞄に向けて走り出す。ディスクさえ取り付けられればアンカーで無理矢理デュエルに……!

 

「悪いが2度も同じ手段でやられるほど私も愚かではない……」

「……あ、あ……?」

 

……気持ち悪い、頭が掻き回される感覚、なんだ、これ?

 

ダメだ……

 

意識、が……

 

 

「さて……これで本人は確保した、後はデッキを……?」

「……あの時使っていた精霊のカードたちが、消えている?」

 

 

 

 

 

 

 

 

(……下手を打ってしまった。まさか奴がもう一度現れるとは想定外……俺の怠慢だ)

(こんな時に限って普段からカードにその身を宿していないのが幸するとは)

(ひとまずは十六夜アキ……彼女に協力を希うために龍可の元へ行かねばなるまい)

(……すまない、衣玖)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「衣玖が……ディヴァインに!?」

「うん……冥禪が言ってたから間違いないと思う、ほら」

 

 とある日のデュエルアカデミア。いつものように集まっていた龍亞、龍可、アキの3人の会話は手に持った「戎の忍者-冥禪」のカードと共に衝撃的な発言をした龍可から始まった。

 

「確かにあれ以降ディヴァインについての情報を耳にした事はなかったわ、逮捕されたという情報もなかったしある程度警戒はしていたのだけれど……」

「あの野郎アキ姉ちゃんや龍可の次は衣玖かよ!?しかももうすぐWRGPAだってのに!」

「アキさん、ディヴァインの居場所に心当たりはあったりしない?このままじゃ衣玖さんが……」

「アルカディア・ムーブメントの本部は既にない、となるとディヴァインが非常用に準備していた隠れ家の可能性が高いわ。私も一応は教えられていたから乗り込むことはできる……」

「じゃあ今日にでも……!」

「でも私と貴方達2人で乗り込むのは逆に危険よ。話が本当ならディヴァインだけじゃなくて……」

「……衣玖さんが、敵に回ってる可能性が?」

「ええ、今は遊星にジャック……クロウも居ない。ブルーノを連れて行く訳にもいかないし……」

「じゃあどうしろってのさ!?雪乃姉ちゃんやレインになんて言えば……!」

「あら、私達が……」

「どうか、した?」

「へ?」

 

何処から話を聞きつけたのやら、いつのまにか3人の座るテーブルに並ぶように雪乃とレインが立っていた。

 

「2人とも……どうして此処に?」

「どうしても何も……」

「それ、衣玖のカード」

「え……ええっ!?なんで冥禪が衣玖のカードだってもごぉ!?」

「龍亞、余計なこと言わないの……何処から聞いてました?」

「私は最初から」

「私、今来た」

「……じゃあ、事情は全部?」

「ええ、聞きたいことは色々あるわ。何故貴方達が衣玖の事情を知っているのかとか、この前の奇妙な痣のこととか、けど……それは今どうでもいい」

「どうでもって……まさか」

「あら、何か勘違いしてないかしら?」

 

 

「私は友人に何か会った時にただ無事を祈ることしかできない程純情でか弱い乙女ではないのよ?」

「同上」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……頭が痛い。風邪だとかそういうのじゃなくて何か針を刺されたような、そんな痛み。

意識は……だいぶ朧気だ、目の前がぼやけて見えるし、身体も上手く動かない。ただこれ、動かない、じゃなくて動かせない、ような……

 

「……意識……覚醒……」

「…パワー……上……」

 

……っ、なんだ、これ……

 

「……!?……!!」

 

あちこちに焼印を押し付けられたような奇妙な感覚、痛い以外の言葉が出てこない。藻掻こうとしたけど、やっぱり動かせない。なんでこんなことに……

……あ。

そっか、僕は……

 

「……」

 

……ダメだ。

やっぱり、意識が……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あたまがぼんやりする、前に映ってるのが何かよくわからないくらいにはねぼけてるみたい。

何処かに浮かんでいるのだろうか、凄い身体がふわふわする。プールになんていつ入ったっけ?

というか……此処、何処だろう。兄さんから危ない場所には一人で入るなって言われてたし、危ない場所ではない気がするけど……

 

「……順調……」

「……出力……最終……」

 

話し声が聞こえる、ただ不思議なことに起きてしっかり聞こうとしても全然頭が目覚めない。肉体年齢は前世から引き継いでないんだからIKUSAに起こされなくてもこういう時くらいしっかり起きて……あれ?

急に意識が沈んでいく、ぼんやりした視界がどんどん暗くなっていく。

……何か、怖い。自分が自分でなくなっていくような、そんな感覚がする。頭も何か変だ。

どう考えてもおかしいのに、辺りに人も、精霊の気配も感じない。

……誰か、兄さん、助け……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……妙に頭がスッキリしている、随分と長く眠っていた気がするが気のせいだろうか?

気付けば身体は天井を仰いでいた、下半身は水に浸かっている感覚がする……何処だ、此処は。

 

「気分はどうかな?」

 

唐突に()()()()()()が声をかけてきた。状況から推測するに此処の住人だろうか……

 

「……貴方は?」

「私の名はディヴァイン、訳あって君を「保護」した者だ」

「保護……?」

「ああ、君は酷い「事故」に遭ってね……普通の病院では治療しきれずというところを私が引き取ったんだ」

「……そんな事故に遭った記憶は……」

「当然だろう、覚えてないのだからね。君、自分の名前は思い出せるかい?」

「名前……」

 

……?

……なんでだ、自分の名前が思い出せない。確かにある筈なのに……

 

「今の君は一時的な記憶喪失状態に陥っているんだ、何、これからゆっくり思い出していけばいいとも」

「……一つ聞きたい」

「何かな?」

「「私」の名前は……?」

 

……多分この男は私の名前を知っている、そう信じて一縷の望みに賭けてみることにした。

 

「ああ、知っているとも」

「「竜灯衣玖」、それが君の名前さ」

「竜灯……衣玖……」

 

……特に違和感は覚えない、きっとこれが私の名前なんだろう。随分と独特な苗字なのが少し気になるが……

 

「ひとまず着替えたまえ、君用のディスクとデッキも用意している」

「……わかった」

 

右も左も分からない今は彼の指示に従った方がいいだろう、大人しく指示に従うことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いやにサイズがピッタリだ」

 

与えられた服は小さくも大きくもない丁度良いもので、ディスクも手に馴染む。後はデッキだが……

 

「……見たことがあるような、ないような……」

 

何処かで見たことや使ったことがある気がするがやはり思い出せない、やはり記憶喪失なのだろう。

ただなぜかどう使えばいいかはわかる……記憶喪失になる前に扱っていたデッキなのだろうか?

 

「……後で聞いておく必要があるか」

 

完全にあのディヴァインという男を信用したわけではないが、現状彼以外にコネクションはない、記憶がない以上彼が唯一の頼りだ。

それに着替えの際体のあちこちに傷や火傷の痕があるのを確認した、事故に遭ったというのも事実なのだろう……後で詳細でも聞いてみようか。

 

「……ん?」

 

着替え終わってディヴァインの元に向かおうとしたところで不思議なことに警報が鳴り始めた……何かあったのだろうか?

 

『竜灯君、少々厄介なことになった』

「……何が起きている?」

 

警報と同時にディヴァインから通信、強盗にでも入られたのだろうか。

 

『なに、ちょっとしたコソ泥さ。ただ数が多くてね……君にも協力してもらいたい』

「協力……それだけ言われても何をすればいいのか見当がつかないのだけれど」

『侵入者を見つけ次第デュエルで叩きのめしてやればいい、頼まれてくれるかい?』

 

……まあ、今の私にリアルファイトができるかどうかと言われればNOなのだが、デュエルで叩きのめしてどうすればいいのだ……まあ呑むしかないんだけど。

 

「……わかった」

『話が早くて助かる。では頼んだよ』

 

用件だけ伝えてディヴァインはさっさと通信を切ってしまった。聞きたいこともあったのだが……まあ後で聞けばいいか、今は侵入者を見つけることを優先しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そもそも此処の構造すら知らないのにどう見つけろっていうのさ」

 

売り言葉で買い言葉で引き受けてしまったのだが、そもそもこの施設の詳細も知らなければ侵入者の概要も聞いていない……仕方あるまい、虱潰しに……

 

「……見つけた!」

「?」

 

……同じぐらいの年頃の少女の声。振り向いてみれば薄紫色の髪をした女性が息を切らしながらこちらを見ていた。

 

「……どちら様かな?」

「っ……アキの言っていたことは本当だったようね……!」

「?」

 

質問に自己解決で返されても困るのだが……ああ、成程。

 

「……君がディヴァインの言っていた侵入者とやらか……丁度いい、侵入者とは一戦交えるように言われている」

「本当なら無理やりにでも連れて帰りたいところだけど……その寝ぼけた頭に喝を入れないことには始まらないようね!」

 

彼女は一体何を言っているのだろうか……まああちらもやる気のようだし、さっさと終わらせよう。

 

「あの子経由で話してたから通じているかは分からないけど……力、貸しなさいよ!」

 

……?

一瞬彼女のデッキが光ったように見えたが……気のせいか。

 

「……始めようか。なるべく早めに終わらせたい」

「それはこっちも同じことよ」

 

まあいいや、早く終わらせてディヴァインの所へ行こう。

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

「私の先行だ、ドロー」

「……っ」

 

……彼女が何処か苦虫を噛んだような顔をしている、彼女も私について何か知っているのだろうか。デュエルが終わった後で聞いてみよう。

 

「私は……」

 

「手札の「精霊獣使い レラ」を捨て、効果発動」

 

精霊獣使い レラ

光属性 レベル1 ATK/100 DEF/2000

【サイキック族/効果】

自分は「精霊獣使い レラ」を1ターンに1度しか特殊召喚できず、その①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードを手札から捨てて発動できる。手札の「霊獣」モンスター1体の召喚を行う。②:自分フィールドの「霊獣」カードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにフィールド・墓地のこのカードを除外できる。③:このカードが除外された場合に発動できる。デッキから「精霊獣使い レラ」以外の「霊獣」モンスター1体を特殊召喚する。




【ササヤキ】
この裏では友達に手を出されて完全に決別する覚悟を決めたアキとディヴァインのデュエルが行われてたりします。ブラッドローズ・ドラゴンとか出そうですね。

もしヒロインを作るとしたら

  • ゆきのん
  • レイン
  • まだ見ぬTFキャラ達
  • 寧ろ主人公がヒロインでは?
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