アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
「神、ですって……?」
『そうとも、地縛神のような人の意思が生み出した神や三幻神のようなただの使い魔とは違う……正真正銘、原初から「神」である存在、それが私だ』
「……確かに、地縛神と似た気配だけど……」
『あんな紛い物共と同一にされては困るな……我は我の意思で動く存在だ』
「……例え相手が誰であろうと関係ないと、そういった筈よ」
『我とて有象無象にその意識を向ける気はない……この小娘は我が計画に必要が故手に入れたまで』
「……計画?」
(どうせ碌なものではないだろうが……)
衣玖……否、衣玖の身体を操る「tierra」を名乗る存在。それと雪乃たちは対峙していた。
『これが至るであろう力を取り込み、我は完全なる復活を果たす。その後は……そうさな、我の巫女として奉仕でもしてもらおうか』
「最低ね、貴方」
『どうとでも言うがいい、お前がこれを取り返そうとするのを止めはしない……だが、愚かにも我に歯向かった有象無象共の末路をお前たちは既に目にしている』
「やっぱり……」
「龍可?」
「……そのモンスター達は」
『そうとも、我が眷属と戦い、勝利したと喜び油断したところを取り込み傀儡とした……一人未だに抵抗を続けているようだが、無駄な足掻きよ』
tierraはどうでもいいというような目で霊獣たちを見つめる。
『こうして異なる世界への尖兵という役割を与えてやったのだ、寧ろ感謝してもらいたいものだが』
「随分と傲慢な考えだこと……余計貴方を許すわけには行かなくなったわ」
「雪乃さん……お願いします。衣玖さんと……霊獣の皆を!」
「言われずともよ……貴方達も力を貸してくれるんでしょうね、冥禪、フェルグラント!」
(無論だ、主を傀儡になどさせてたまるか……!)
「……!!!!」
一時的な主である雪乃に応えるように二体のモンスターは構える。
『……精霊の声が聞こえないとはいえ心を通わせるか……いや、そうか』
「何勝手に納得してるのよ……それに私のターンはまだ終わっていないわ!フェルグラントで……」
『おっと、「精霊獣使い レラ」は「霊獣」モンスターが戦闘・効果で破壊される場合代わりに除外される効果がある……悪いがその攻撃は無駄だ』
「っ……」
(あれは除外された場合にデッキから霊獣モンスターを呼ぶカード……それに融合主体である以上裏側守備はあまり意味がない……)
「……私はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
『賢明な判断だ』
『我のターン、ドロー』
(……分身の術は気軽に使えない。相手の動きを見て一番効く場所に……)
『貴様はこれだけではなくこの有象無象共も開放すると言ってのけたな』
「ええ、当然でしょう?私は欲張りなのよ」
『なら、貴様が何を相手にしているのか……見せてやろう。「精霊獣 ラムペンタ」を召喚し、そのまま効果を発動する』
精霊獣 ラムペンタ
【獣族/効果】
自分は「精霊獣 ラムペンタ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。①:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。EXデッキから「霊獣」モンスター1体を除外し、そのモンスターと同じ種族の「霊獣」モンスター1体をデッキから墓地へ送る。
(……此処では、ない)
「……チェーンはないわ」
『エクストラデッキから「聖霊獣騎 キムンファルコス」を除外し、デッキから「精霊獣使い ウィンダ」を墓地へ』
「あのカード……」
「融合モンスターの筈だけど……一瞬、青くなかった?」
「気のせいじゃないわ……私も見た」
(……あれの手によって本来の在り方を歪められたか)
本来ならば
『そして我は墓地の「精霊獣使い レラ」と「霊獣使い ウィンダ」を除外し……融合』
「墓地のモンスターだけで融合を……まるでいつもの墓地シンクロね」
「エンシェント・フェアリー・ドラゴンの時と同じ……モンスター達が苦しんでる……」
ウィンダが虚空へと取り込まれ、レラは抵抗せんと藻掻くが虚しく紫の糸に絡めとられる。
『融合召喚、来たれ「聖霊獣騎 ノチウドラゴ」』
現れたのは藻掻き続ける少女を乗せた黄色い竜。
聖霊獣騎 ノチウドラゴ
【幻竜族/融合/効果】
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分のフィールド・墓地の上記のカードを除外した場合のみ特殊召喚できる。自分は「聖霊獣騎 ノチウドラゴ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの他の「霊獣」モンスターを相手は効果の対象にできない。②:自分・相手ターンに、このカードをEXデッキに戻し、自分の除外状態の「霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは直接攻撃できない。
『除外された「精霊獣使い レラ」の効果は発動しない……絶望を教えてやろう』
霊獣たちが全員紫の糸の傀儡になる中、レラだけは必至で抵抗を続けている。
(どうにかして彼女を解放できれば……)
『……クク、私は……』
『「聖霊獣騎 ノチウドラゴ」「精霊獣 ペトルフィン」「霊獣使いの長老」の3体を除外し、融合』
「やっぱり居るのね……3体融合がもう1体……!」
ノチウドラゴに2体の霊獣モンスターが吸収される。レラがなんとか抵抗しようとしているが……やはり無駄だったようだ。
『来い、小癪にも我が対となる神の力を宿した最強の霊獣……「聖霊獣騎 レイラウタリ」』
2体のモンスターを喰らったノチウドラゴがアペライオと同じように、変化する。その在り方を歪められて。
聖霊獣騎 レイラウタリ(改変版)
【サイキック族/リンク融合/効果】
「聖霊獣騎」モンスター+「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記のカードを除外した場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる(融合は必要としない)。
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにカードの効果を発動するためにカードをリリースできない。②:自分の除外状態の「霊獣」カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札・EXデッキに戻す。その後、手札の「霊獣」モンスター1体の召喚を行う事ができる。③:相手ターンに、自分フィールドの「霊獣」カード1枚と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。
「最強という割には攻撃力が少々心許ないわね?」
『お前が冥禪の効果を使いたがっていることなどとうに検討は付いているぞ?』
「っ……」
見透かしている、そういいたそうな目線でtierraは嘲笑う。
『バトルだ、レイラウタリで戎の忍者-冥禪を攻撃、カムイ・エパチコア』
「っ……戎の忍者-冥禪をリリースして「忍法 分身の術」を……!?」
『無駄だ、レイラウタリが存在する限りカードの効果を発動するためにカードをリリースすることはできない』
「なんですって……!?」
『邪魔な精霊を粉砕せよ!』
(……ここまでか!)
レラが必死に止めようとする中、無慈悲にもレイラウタリは冥禪に向け炎を放つ。
(龍可!)
「冥禪!?」
(雪乃に伝えろ!なんとしてでもレイラウタリを奴の元から奪え!)
「……分かった!」
「……ごめんなさい、冥禪……!」
『……勝負はほぼ既に付いた、そのデッキの強力な罠カード達は全てコストとしてリリースを要求する……他の策を労じるまでもない、ターンエンドだ』
「その余裕が身を滅ぼすかもしれないわよ?」
『勝とうが負けようが我にとっては些事であるだけのこと』
「私のターン……ドロー!」
『ドローフェイズに「聖霊獣騎 レイラウタリ」の効果を発動する』
「このタイミングで……!?」
『レイラウタリは相手ターンに1度、自分と相手のフィールドのカードを1枚づつ除外する……精霊獣 ラムペンタと巨骸竜フェルグラントを除外、カムイ・ソカラ』
「な……」
レイラウタリの生み出す炎の翼にフェルグラントとラムペンタが焼かれていく。
『これで目障りな精霊の宿るカードは消した……仮に貴様が勝ってもこれが我が傀儡であることは変わらぬ』
「この……!」
どうにか強がりを見せるが、雪乃の焦りは誰から見ても明らかだった。
「雪乃さん!」
「龍可!?」
龍可が雪乃に声をかけたのはそんなときである。
「冥禪からの伝言!「レイラウタリを支配から解放して」って!」
「……!」
『……何かと思えばこ奴らは既に我が傀儡、貴様に力を貸すことはあるまい』
「やってみなきゃ分からないでしょう……私は「若い忍者」を召喚!」
【戦士族/効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドにモンスターが表側表示で特殊召喚された場合、その内の1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを裏側守備表示にする。②:このカードが手札・フィールドから墓地へ送られた場合、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを表側攻撃表示か裏側守備表示にする。
『……そのようなモンスター1体で何かできるとでも?』
「逆に1体でどうにかしようと考えている訳ないでしょう、マジックカード「強制転移」発動!」
『……ほう?』
強制転移
①:お互いのプレイヤーは、それぞれ自身のフィールドのモンスター1体を選ぶ。そのモンスター2体のコントロールを入れ替える。このターン、そのモンスターは表示形式を変更できない。
「お互いの場にモンスターは1体だけ……展開を怠ったツケが回って来たわね。さあ、レイラウタリを渡してもらおうかしら!」
『小娘はともかく竜は我が傀儡……これの魂を解放できるはずがないだろう』
レイラウタリが雪乃のフィールドに映ると同時……
「!!!!!!」
「フェルグラント……!?」
『……何?』
「今のって……」
「フェルグラントが……レイラウタリを助けようとしてる!」
フェルグラントが咆哮と共に現れ、レイラウタリを操る紫の糸を喰らい尽くす。
『……我としたことがそいつを計算に入れ忘れていたな……失態か』
「あら、神にしてはうっかりね?」
『隙を見せれば付けあがる……これだから人間という生き物は』
「隙を見せた方が悪いのよ」
レイラウタリを解放した後、フェルグラントは再び消えて行った。
【……ノチウ!動ける!?】
【!!!】
【よかった……ありがとう!】
「モンスターが……いや、これがカードの精霊っていう奴かしら。私にも見えるようになったのね?」
【正確にはちょっと違うんだけど……今はそれよりもあの人と皆をお願い!私の力……創造の力なら、やれるはず!】
「……わかったわ、バトル!」
自分を取り戻し咆哮するレイラウタリ、そして相手フィールドでそれを受け止める体制に入った若い忍者。
「聖霊獣騎レイラウタリで若い忍者を攻撃!カムイ・エパチコア!」
『……よかろう、「今回」は、我の負け、ということにしておく』
「何度現れようが……私たちが止めるわ、行って頂戴!」
【ノチウ!私の力を最大出力で……!】
レイラウタリのブレスが若い忍者諸共衣玖の身体を覆い……
ライフを0にし、デュエル終了のブザーが鳴った。
「衣玖!」
デュエル終了と同時に雪乃は衣玖へ駆け寄り、その体を支える。
「……ぁ……?」
「意識はあるわね!?」
程なくして衣玖の意識は戻ったが……
「……あ、あ、あぁぁぁぁぁぁ!?」
「衣玖!?」
「っ……しっかりしなさい!もう大丈夫だから!」
……雪乃の顔に視線が合った瞬間、激しく取り乱してしまった。
「だ、だって僕、勝手に居なくなって、それに、雪乃に、冥禪、も……」
「そんなこと気にしてないわ、それに貴方は何一つ悪くない……だから落ち着きなさい」
「けど、僕……は……」
「……はあ、急に動くからこうなるのよ」
少しして衣玖がまた気絶したため事なきを得たが……
【……大丈夫、この人にも皆にも破壊の力の残滓は残っていない……もう操られることはない筈】
「ならいいのだけれど……」
【どうしたの?】
「……貴方のこともあるけど、それよりもっと重大なことを知ってしまったわ」
【重大な……】
「何か気づいたんですか?」
「ええ、今まで気づかなかった自分を恥じたいわ……でもひとまずは衣玖を連れて帰りましょう、随分と傷物にされてしまったようだし……その分の落とし前はアキが付けてくれている筈だからあっちに任せるわ」
……話は後でもできると判断し、雪乃は衣玖を背負って双子と共にディヴァインの隠れ家を後にした。
「今まで所々引っかかっていたのよ、それがやっと理解できた」
「……きっとこれが彼女の異常な精神性の根源」
「衣玖には真に心を許せる人……甘えられる人が、いない」
もしヒロインを作るとしたら
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ゆきのん
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レイン
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まだ見ぬTFキャラ達
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寧ろ主人公がヒロインでは?