アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
WRGPA、開幕
「……ねえゆきのん、レイン」
「どうしたの?」
「何かしら」
「今日はWRGPA予選当日だよね」
「ええ」
「そして僕達の試合時間までもうすぐだよね?」
「あと30分」
「……夢じゃ、ないんだ」
「確かめてみる?」
「いや遠慮しまやめふぇ!?」
「結構柔らかいわね」
「むぐ……マンガじゃないんだからさぁ」
……里帰り、つまりは兄さんとデュエルしてアクセルシンクロを身に着けてから数日後。今日はいよいよ待ちに待ったWRGPA予選ラウンド初戦、なんと僕たちネオドミノ校は栄えあるトップバッターである。まあ正確にはあちこちでやってるから同時開催される初戦の1つなんだけど……細かいことは気にしないでおこう。
「うん、とりあえず現実なのは分かったけど……」
「ええ」
「初戦の相手何処だっけ、すっぽ抜けちゃった」
「……本気で言ってる?」
「ごめん本気で忘れた」
「理解不能」
「お兄さんが心配する理由が心底分かったわ……」
「えぇ……?」
いやその、緊張かどうかわからないけど本当にすっぽ抜けたんだって。
「しょうがないから最終確認ついでに教えてあげるわ……」
「今日の対戦相手、アメリカ校」
「へぇ、アメリカ……アメリカ!?」
初戦でよりにもよって其処!?
「私たち……予選Bブロックの中で頭一つ抜けた実力と分析されているわ、流石はI2社のお膝元と言った所かしら」
「アメリカのプロリーグ、3割がアカデミア出身」
「そりゃあ最有力候補にもなるか……で、なんで僕たちがよりにもよって其処と当たる訳?」
「あら、どうせ何れは対決する相手よ?それにやるなら全勝だって言ったのは貴方じゃない」
「……まあそうだね。遊星達とエキシビションで会おうなんて約束したんだ、絶対に勝とう!」
「その調子……メンバー確認、する?」
「うん、一応」
アメリカ校のDホイーラー3名。ランスロー・レイク、デイビット・ノーマン、アラン・フェニックス……フェニックス?
「ねえゆきのん、もしかしてこのフェニックスって……」
「ええ、彼はあのエド・フェニックスの息子らしいわ……正確には養子らしいけど」
「……なんで海馬社長の時といいポンポンビッグネームが出てくるのこの大会?」
「さあ?」
「相手が誰でも変わりない、勝つ」
「……ま、そうだね」
緊張をほぐすためか思考を整えるためかはわからないけど、身体が勝手に頬を叩く。
……よし。
「……着替えも終わったし行こうか二人とも。怖気付いてちゃ勝てる勝負も勝てない、強気で行こう」
「あら、一番怖気付いてそうだったのに言うわね?」
「ブーメラン、特大」
「うるさいやい」
なんか最近二人が一気に距離を詰めてきた気がする、なんでだ。
『WRGPの前哨戦?いいやそんなことはない!これは言うなれば「最強の学生Dホイーラー」を決める大会、本戦に負けず劣らずの盛り上がりを見せてくれ!ワールドライディングデュエルグランプリ・イン・アカデミア!いよいよ開幕だぁ!』
「……うわぁ、下手しなくてもフォーチュンカップの時より人が居るよ」
「当然でしょう、フォーチュンカップはあくまでネオドミノの最強を決める大会、でも今回は世界規模の大会よ?規模が違うにも程があるわ」
「まあそうだよね……あ、遊星達だ」
時刻はあっという間に予選開始時刻。僕たちネオドミノ校チームは対戦相手であるアメリカ校チームと並んでサーキットに入場、辺り一面に広がる観客と大歓声にちょっとビビったけど遊星達を見つけたので手を振っておく。わざわざ横断幕まで作ってくれるとは……
『このメモリアルサーキットで行われる予選Bブロックはなんと初日にも関わらず屈指の好カード!フォーチュンカップベスト4の鞍馬衣玖をリーダーとしたネオドミノ校とあのエド・フェニックスの息子にして愛弟子のアラン・フェニックスが率いるアメリカ校!優勝候補2校がなんと初戦でぶつかり合うとは誰が予想できただろうか!?』
「よかったわね、私たちも優勝候補に含まれてるらしいわよ?」
「光栄だかなんだか……」
……目立つってことはそれだけ対策され……今更か。
「まさか初戦から君たちのような可憐な乙女たちと戦えるとは……我が生涯最高の瞬間である!」
「ん?」
いざデュエルの準備……といったところで唐突に対戦相手のアメリカ校チームの一人に話しかけられた、黒髪の……たしかランスローだっけ、なんかチャラ男臭が凄いな。
「あら、見た目に騙されて喰われないようにね?」
「無論だ、レディは丁重に扱うがデュエルは真剣勝負。全身全霊を掛けて挑むとも、ああそれはそれとしてデュエルが終わった後に……」
「またいつもの悪癖か、ランスロー」
「悪癖とは失礼だなアラン、これは我が家の家訓であり……」
「はいはいそういうのいいから……うちのランスローがごめんね、ネオドミノの皆」
如何にもな浮気性男の言葉をかけようとした彼をチームメイトの2人が戒める……結構仲は良いようだ。
「……なんか真剣勝負って雰囲気がいきなり薄れたね」
「もしかして毎回こうなのかしら?彼」
「度し難いことにな。だが実力は本物だ……良い勝負にしよう、ネオドミノ校の諸君」
「うん、でも勝つのは僕たちだよ」
「言ってくれるねぇ、俺たちも何か挑発し返さないのアラン?」
「いいや?そんな言葉を掛けられるということは俺たちは寧ろチャレンジャーを待ち構える側ということだ……風上に立っている以上負ける道理はない」
「おおいいねぇ、今度俺も使ってみよう」
「それも、挑発」
……随分と紳士的だなと思ったけど前言撤回、ナチュラルに煽ってくるぞこのフェニックス二世。
「ではそろそろ試合開始だ……簡単に倒れてくれるなよ?」
「……レイン、あいつら全員一人で倒すくらいの勢いで行こう」
「当然」
「あら、そうなるとあなたの見せ場を奪ってしまうことになるけど……いいのかしら?」
「あくまで勢いだよ、まあ早く終わるに越したことはないけど」
「じゃあ、行ってくる」
「うん、頑張って、レイン!」
我がチームのファーストホイーラーであるレインに激励をかけ、ゆきのんと共にピットに戻る。あっちのファーストホイーラーはチャラ……じゃなかった、ランスローか。
「ねえゆきのん、あっちのデッキ情報とかある?」
「流石に初戦だしないわ、ただ……カードが見えれば貴方のことだし大体分かるんじゃなくて?」
「んーどうだろ……全部覚えてるってわけじゃないし」
いくらOCG知識があるとはいえ全部のカードを把握しきれているわけじゃない、唐突にマイナーカードなんて出されたら大混乱するぞ。
『さあ両チーム準備が整ったようだ!いよいよ試合が開始されるぞ!』
「では行こうか……最大限の敬意を持って、全力で戦おう!」
「私も、全力」
フィールドがスピードワールドに支配され、二人の目の前にカウントが表示される。
さあ……頼むぞレイン……!
『ライディングデュエル、アクセラレーション!』
MCの掛け声とカウントのスタートが重なり、二人のDホイールが加速していく。
「……」
「速い……!」
流石というべきかレインの操縦技術は見事なもので、なんなくランスローを引き離してコーナーへと向かう……やっぱりあのDホイールヤタガラスと同等以上の加速性能あるよな、何処産なんだ……?
「取った、先行」
「ふっ……これはハンデと捉えておこう!」
「ハンデじゃない、力の差」
無事レインは第一コーナーを先に曲がり先行を獲得、なんかランスローはカッコつけてるけど……さて、実力は如何ほどか。
『先行を取ったのはネオドミノ校のファーストホイーラー、レイン恵だぁ!』
「私のターン、ドロー……発動、「SP-オーバーブースト」」
「いきなりだと!?」
「スピードカウンター、4つ上昇、ただしエンドフェイズに、1」
「最初から飛ばすわね」
「まあ先行で引いてりゃ使い得だからね……」
本当に規制されないか心配だよ、オーバーブースト。
「召喚、「ユニゾンビ」」
アンデット族のいつもの奴、ユニゾンビ。
「ほう、アンデット……乙女にしては随分とイメージにそぐわないモンスターを使うな」
「発動、ユニゾンビ、効果。デッキから「霊導師チャンシー」を墓地へ送り、レベルを上昇」
3→4
「発動「SP-サモン・クローズ」、手札の「牛頭鬼」を捨て、1枚ドロー……そして墓地へ送られた「牛頭鬼」効果、アンデット族モンスター……「霊導師チャンシー」、除外して、手札から守備表示で特殊召喚「死製棺サルコファガス」」
牛頭鬼
【アンデット族/効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分メインフェイズに発動できる。デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る。②:このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から「牛頭鬼」以外のアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。
死製棺サルコファガス
【アンデット族/効果】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが相手モンスターとの戦闘で破壊された時に発動できる。その相手モンスターのコントロールを得る。そのモンスターはアンデット族になり、攻撃力・守備力は0になる。②:このカードが墓地に存在する状態で、自分のアンデット族モンスターが相手モンスターとの戦闘で破壊された時、このカードを除外して発動できる。その相手モンスターのコントロールを得る。そのモンスターはアンデット族になり、攻撃力・守備力は0になる。
レインが次に呼び出したのは明らかにヤバそうな棺……世界観的に大丈夫なのこれ?
「更に除外された「霊導師チャンシー」効果、アンデット族モンスター……牛頭鬼、除外して特殊召喚」
『レイン恵の特殊召喚が止まらない!まるで映画さながら次々と蘇るアンデットの大群だ!』
霊導師チャンシー
【アンデット族/効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分メインフェイズに発動できる。手札・デッキからアンデット族モンスター1体を墓地へ送る。②:このカードが除外された場合、自分の墓地からアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る。
「霊導師チャンシー効果、デッキから「死霊王ドーハスーラ」、墓地へ……レベル6「霊導師チャンシー」、レベル4「ユニゾンビ」、チューニング。この時……チャンシー、デッキに」
「1ターン目から……レベル10のシンクロだと!?」
ユニゾンビが見事に嚙み合わない歌声を響かせながら光の輪になり、チャンシーが突入する……1ターン目から飛ばすなぁ、レイン。
「可能性の、紅き竜……死者を率いる、王……」
「シンクロ召喚……
現れたのは青い炎を噴き出すブルーアイズとはまた違う意味でこの世界では有名なカード。
【アンデット族/シンクロ/効果】
アンデット族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:相手ターンに、「真紅眼の不死竜皇」以外の自分の墓地のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。②:このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。このカードを特殊召喚する。
『な……なな、なんと!レイン恵が出した大型シンクロは……あの「レッドアイズ」だぁ!』
「あの城之内克也……そして天上院吹雪の使用したレッドアイズ……まさかシンクロモンスターになっていたとは!」
「幸先がいいわね、1ターン目からレッドアイズとドーハスーラが揃ったわ」
「これでひとまず何もできずに見ているだけ、はないと思うけど……」
……レッドアイズの蘇生効果にドーハスーラを蘇生してフリチェ除外、アンデット・ワールドがないから無効効果の方には期待できないけど……そこそこ固い盤面ではある筈だ。
「カードを1枚セット、ターンエンド……エンドフェイズ、スピードカウンター、1」
「我がターン、ドロー!」
DUELIST | LP | SPC |
|---|---|---|
Lein | 4000 | 2 |
Lancelo | 4000 | 1 |
「スタンバイフェイズに発動、死霊王ドーハスーラ」
「何!?」
「フィールドゾーンにカードが存在するとき、守備表示で特殊召喚……「死霊王ドーハスーラ」」
ドーハスーラが虚空から這い上がり、レッドアイズと睨みあうようにレインのフィールドに並び立った。そういや仲悪かったんだっけ?
「フィールドゾーン……そうか、つまりあのモンスターは!」
「ライディングデュエルにおいてドーハスーラは実質不死身……さあ、どう対処してくるかしら?」
「アンデット・ワールドが使えない分かなり弱くはなってるけどね……」
さて、ランスロー……どんなデッキだ?
「……ふっ、姫を守る不死身たる死霊の王に立ち向かう……燃えてきたぞ!我は「レスキューキャット」を召喚!」
レスキューキャット(エラッタ前)
【獣族/効果】
①:フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊される。
レスキューキャット……
「……召喚時、ない」
「ならばレスキューキャットをリリースし効果発動!デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚する!」
……ああ、成程。
「分かったよ、彼のデッキ」
「早いわね」
「レスキューキャットを使う時点で獣族デッキまで一気に絞り込める。その上であれのデメリットを苦にしないデッキとなると……」
「来い「X-セイバー エアベルン」「XX-セイバー ダークソウル」!」
「……X-セイバー以外にない」
X-セイバー エアベルン
【獣族/チューナー/効果】
①:このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
XX-セイバー ダークソウル
【獣族/効果】
①:このカードが自分フィールドから墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。デッキから「X-セイバー」モンスター1体を手札に加える。
もしヒロインを作るとしたら
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ゆきのん
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レイン
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まだ見ぬTFキャラ達
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寧ろ主人公がヒロインでは?