アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
『最強の学生Dホイーラー決定戦、WRGPA決勝トーナメント!その初戦となるAブロック1回戦は早くもブロック予選1位の2チームが激突!数多のプロデュエリストを生み出して来たアメリカ校をも討ち果たし開催地の威厳を見せつけるネオドミノ校、そして無名ながら此処までラストホイーラーシスル・レイクを1度も見せないまま勝ち上がってきた強豪ノルウェー校!破竹の7連勝を果たした可憐なる華二輪が今、激しくぶつかり合う!』
「……やっぱ予選とは人の数と歓声が桁違いだなぁ、サーキットもなんか凄い事になってるし」
「あら、もしかして萎縮してしまったのですか?」
「まさか、余計負けられないなって」
「ふふ、そうでなくてはやりがいがありません」
決勝トーナメント初戦当日。昨日までに試合映像と僕の知識などから可能な限りノルウェー校の対策は済ませた。万全の体制で僕達チームネオドミノ校は意気揚々と決勝トーナメントの舞台であるWRGPと同じ特製サーキットに足を踏み入れた……まではいいんだけど。
【……む】
(……)
【むむむ……】
(何をやっているのだお前達は……)
「彼方の対抗意識も相当なようですね」
「なんでかしらね……確かに元々レラは結構喧嘩っ早い性格ではあったけども」
【それは酷くない雪乃!?】
「昔のこの子達みたいですね」
(……言わないでよ、恥ずかしい)
【やっとまともに喋った!】
……なんでか知らないけどレラとあの魔女の精霊がさっきからずっと睨み合ってる。ゆきのんは困惑はしてるけど止める様子はないしまともに止めようとしてるのは多分僕と冥禪だけだ。いや試合開始前に超常現象とか起きたら困るぞ普通に。
「ごめんねー、この子達昔っからこんな感じでさ。まあそういう所が可愛いんだけど」
「そう言ってどれだけ甘やかして来たのかを忘れたのかしら?この子が鍛えようとする度断固拒否してたのを私は忘れてないわよ」
「そっちに言われたくないなぁ」
……で、この精霊をまるで子供かのように語るチームメイト2人は何者なの?いやほんと見覚えは……見覚えはあるんだけど……うーん……
「ファーストホイーラー、レア・アルバ。セカンドホイーラー、ヴラム・ダンピラージ。あの2人も……精霊が見える?」
「多分ね。にしたって精霊というよりは娘か妹に接するみたいな態度だけど」
少し情報を漁ってみたけど昔からの仲って訳でも無さそうだし……うーん、謎。
「まあそこまでにしておきなさい。どうせ雌雄は決するのですから」
(分かってる……私とやり合うまでにくたばらないでよ)
(ニャア)
【なにおう!?】
「……先が思いやられるわね」
「ふふふ、この子達も楽しみなのですよ。ですから……」
「期待外れなどと、落胆させないでくださいね」
「……!」
……今の一瞬だけシスルの雰囲気が変わった。ダークシグナーの時のような不快感でも、tieeraのような威圧感でもなく、何か得体の知れない、そんな感じ。
「……こっちの台詞だよ、シスルさん」
「では、良い勝負にしましょう」
全部終わるとシスルは何事もなかったかのようにファーストホイーラーレアの肩を叩き、セカンドホイーラーのヴラムと一緒にピットイン。
「……剣闘獣はバトルフェイズを極力させたくない奴等だ。場合によってはエレスケルタスやグリオンガンドよりもアメトリクスを優先した方がいいかもしれない」
「理解。頑張ってくる」
「ええ、行ってらっしゃいレイン」
こちらも2人でレインに激励をかけピットへ。事前情報通りなら特になんの変哲もない昔の剣闘獣の筈だけど……いや、デイビットやアランの一件があったしドミティアノスくらいは出てきてもおかしくない。警戒の目は光らせておこう。
『さあ両チームファーストホイーラーの準備が終わりスタートラインへ!間も無く決勝トーナメント初戦の火蓋が切って落とされる!』
「それじゃあ始めよっか、ネオドミノ校の子」
「……レイン、恵」
「あ、ごめん。じゃあレインちゃんで。当然レースもデュエルも加減はしないからさ……」
スピードワールド2が発動し、いつものようにカウントが刻まれていく。どうもレインはあっちのファーストホイーラーと話してる様子だ……なーんかデイビットに似た気配を感じるんだよな。
『ライディングデュエル!』
「……ついてきてみなよ!」
『アクセラレーション!』
「……!」
「は、はっや!?何あの加速力!?」
「どうも貴方のヤタガラスと同じようなタイプね、あのDホイール。こっちも衣玖をファーストホイーラーにしておけばよかったかしら」
「それにしたって技術が異様に上手いよ!?あのレアって子。Dホイールを我が身のように扱ってる……レイン、頼むから先行取って……!」
まさにロケットスタート、としか言いようがない速さでスタートと同時にレアのDホイールは急加速。未来製(本人から聞いた)のレインのDホイールが少し遅れるレベルの速度で迷う事なくコースを駆けていく。
「いいねいいね!そうでなきゃ張り合いがない!」
「……先行は、貰う」
「それじゃあ第一コーナーまでランデブーしようか!」
『突っ走るレア、追うレイン!デュエルもさることながらその操縦技術すら学生とは思えない超ハイレベル!真のWRGPはこっちだと言わんばかりだ!』
……ようやくレインの加速も追いついてきた、きた、けど……!
「あれじゃ微妙に間に合わない……!」
「完全にファーストホイーラー用としてチューニングされたマシンね……してやられたわ」
「貰ったよ!」
「……失敗、でも、此処から」
『第一コーナーを取ったのはレア・アルバ!僅かな差で先行を手にしたぞ!』
……僅か数センチ、されど数センチ。
爆発的な加速で優位を手にしたレアに、レインは先行を奪われた。
「私のターン、ドロー!」
とはいえ先行を取られたのは寧ろよかったのかもしれない。剣闘獣はバトルフェイズに真価を発揮するモンスター達。バトルフェイズができない先行でやれる事はちょっとした制圧。それに手札がある限り魔法罠を無効にできるヘラクレイノスは何回でも使えるとはいえライディングデュエル序盤でリソースを酷使してまで立てる意味はそこまで……いけ「私は手札の「
【獣族/効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:手札のこのカードと手札の「剣闘獣」モンスター1体を相手に見せて発動できる。その2体を特殊召喚する。②:このカードが「剣闘獣」モンスターの効果で特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「グラディアル」魔法・罠カード1枚を手札に加える。③:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、このカードをデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣ギステル」以外の「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
【獣戦士族/効果】
①:相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その相手モンスターの攻撃対象をこのカードに移し替えてダメージ計算を行う。このカードはその戦闘では破壊されない。②:このカードが「剣闘獣」モンスターの効果で特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「剣闘獣」モンスター1体を墓地へ送る。③:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣ノクシウス」以外の「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
「チェーン、ない」
「ならそのまま特殊召喚だ!おいでギステル、ノクシウス!」
いきなり召喚権も使わずに現れる鞭を持った狼と鋭い鉤爪の豹の獣戦士。いきなり予選で使ってこなかったカード、というか……
「……ごめん、ゆきのん」
「衣玖?」
「僕……あのギステルってカード、知らない……」
【衣玖も知らないの!?】
「うん、って事はこの世界産……ってのはあの性能的にありえないし……」
(……お前が知る時代より先のカード。と見た方がいいな)
「……さいっあくだ。僕のインチキが1つ通用しなくなった」
レインだけならまだ分かるけどついに他のデュエリストまで僕の知らない未来のカードを使い始めた。クロスオーバー・ブレイカーズが最後の知識な今ほぼほぼあり得ないこととして見てきたけど……もしかしてすっごい甘い考えだった?
「特殊召喚した2体の効果をノクシウス、ギステルの順に発動!」
「……それも、ない」
「ならギステルの効果でまずデッキから「猛進する
……いいやこんな時だからだ、こんな時だからこそ落ち着いて考えろ僕。今見えたカードからドミティアノスがあるのはほぼ確定。レインにはしっかりと可能性を伝えているからいいタイミングで誘発を撃ってくれる筈……!
「まだまだ序の口、続いて「
続いて現れたのは緑の鳥の戦士、元制限カードことベストロウリィ……どういうつもりだ?今ガイザレスを出しても特に意味はないはずだし。
「……ベストロウリィと、剣闘獣モンスター」
「流石に何をするかはわかっちゃうよね、さあ行こう!私はフィールドの「
冥禪や霊獣たちと違い、普通に融合のエフェクトが現れ2体のモンスターが混ざっていく。もしかして正規非正規にかかわらず融合って基本こうなの?
「闘器纏いし鳥の戦士よ、天高く舞い勝利を謳え!」
混ざり合った光から現れたのは予想通りベストロウリィを屈強にしたような見た目の剣闘獣の代名詞的モンスター。
「融合召喚!おいで、「
その昔はベストロウリィが規制されたことで実質制限カードになった凶悪カード、ガイザレス。
【鳥獣族/融合/効果】
「剣闘獣ベストロウリィ」+「剣闘獣」モンスター
自分フィールドの上記カードをデッキに戻した場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。①:このカードが特殊召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊する。②:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のEXデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣ベストロウリィ」以外の「剣闘獣」モンスター2体を特殊召喚する。
『いきなり登場、剣闘獣のエース「
「不思議かい?こういうこと!自分フィールドにデッキ・EXデッキから特殊召喚された「剣闘獣」モンスターが存在する場合に手札のこのカードは特殊召喚できる!おいで「スレイブベアー」!」
スレイブベアー
【獣族/効果】
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:デッキ・EXデッキから特殊召喚された「剣闘獣」モンスターが自分フィールドに存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:このカードをリリースし、自分の手札・フィールド(表側表示)から「剣闘獣」モンスター1体をデッキ・EXデッキに戻して発動できる。「剣闘獣」モンスターを2体まで、「剣闘獣」モンスターの効果による特殊召喚扱いでデッキから特殊召喚する。
スレイブタイ……べ、ベアー……?
「ま、また僕の知らないカードが……」
「……今回に限っては衣玖をアテにできないわね」
「言い方酷くない!?」
(事実だからな)
「こういう時こそ僕の味方をしろよ冥禪!」
酷い、なんか今日は踏んだり蹴ったりだ。
「そのまま特殊召喚したスレイブベアーをリリースし、更に手札の「
うっそだろオイ。
「剣闘獣融合モンスターの分離効果をメインフェイズに……!?」
「随分と手札にモンスターが多いわね、ファーストホイーラーだからわざとスピードスペルを少なめにしているのかしら」
「あー……それは僕も思った。剣闘獣は短期決戦が多いデッキだし」
「今日の衣玖は大人しく慌てふためくのが仕事よ?」
「いやだよそんな仕事!」
最初にやらかしたからってなんかゆきのんの僕に対する当たりが強い。なんでさ。
「おいで「
【獣戦士族/効果】
①:このカードが「剣闘獣」モンスターの効果で特殊召喚に成功した場合、デッキ・EXデッキから「剣闘獣アトリクス」以外の「剣闘獣」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。エンドフェイズまで、このカードは墓地へ送ったモンスターと同じレベルになり、同名カードとして扱う。②:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣アトリクス」以外の「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
【獣戦士族/効果】
①:このカードが「剣闘獣」モンスターの効果で特殊召喚に成功した時、自分の墓地の「剣闘獣」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは持ち主のデッキに戻る。②:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣ダリウス」以外の「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
スレイブベアーが光となって消失し、代わりに猫と馬、2体の剣闘獣が意気揚々と現れる。レインが誘発を此処に撃たなかったってことはテキストを確認しわすれたか握れてないか……明確なマスカンを探しているのか。
「特殊召喚されたアトリクスの効果をデッキから「
「それもチェーン、ない」
「……ふーん、じゃあ効果処理。ダリウスの効果で墓地のヴェスパシアスを特殊召喚、アトリクスは自身の効果でその名とレベルをアウグストルにする!」
4→8
ダリウスの咆哮とともに竜のような剣闘士が追加で参戦し、アトリクスの姿は巨大な鷲のような形に……あっ!?
「そういうこと!?」
「また急に喧しくなったわね」
「そりゃ喧しくもなるよ!レアがやってるの……」
「ねえレインちゃん……君、「エフェクト・ヴェーラー」持ってるんでしょ?そうじゃなかったらここまで回されて平気な顔してない」
「……ポーカーフェイス」
「ふふ、つれないなぁ……だからこうするよ!私はフィールドの「
「「誘発ケア」だよ!」
……判断ミスった。いくら剣闘獣が後手よりのデッキだからってドミティアノスとヘラクレイノスが両方揃ったら流石にきつい……!
「闘器纏いし竜の戦士よ、荒海制し剣を掲げよ!」
3体融合、当然出てくるのは……
「融合召喚!おいで「
【海竜族/融合/効果】
「剣闘獣ウェスパシアス」+「剣闘獣」モンスター×2
自分フィールドの上記カードをデッキに戻した場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。①:1ターンに1度、相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手モンスターの攻撃対象は自分が選択する。③:このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のEXデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
竜の剣闘士、ウェスパシアスをこれまた強靭にしたようなモンスター、剣闘獣の制圧札その1ドミティアノス。
『な、な、なんと!?これは初めて目にする剣闘獣だ!恐るべしノルウェー校、ここまでラストホイーラーだけではなくファーストホイーラーのエースすら温存していた!』
「言いたい放題いっちゃって……まあ事実だけどね。ドミティアノスは1ターンに1度モンスターの効果を無効にできる。これでエフェクト・ヴェーラーは怖くない」
「……」
「思う存分やらせてもらうよ!更に「
「ああまずいまずいレインがあっち握ってなきゃやばいよこれ……」
「落ち着きなさい、もう少し他人を信用しろってお兄様に言われたばっかりじゃないの貴方」
「それはそうだけど……」
それでも不安なのは不安なんだって。
「闘士率いし戦の支配者よ!その鞭振るいて戦場示せ!」
「融合召喚!おいで、「
【獣戦士族/融合/効果】
レベル5以上の「剣闘獣」モンスター×2
自分フィールドの上記カードをデッキに戻した場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。このカードは融合素材にできない。①:1ターンに1度、発動できる。EXデッキから「剣闘獣総監エーディトル」以外の「剣闘獣」融合モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。②:自分の「剣闘獣」モンスターが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にそのモンスター1体を持ち主のデッキ・EXデッキに戻して発動できる。デッキから「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
……ここでエーディトルを出してきたってことはやっぱりヘラクレイノスを踏み倒すつもりだ。頼むぞレイン……!
「エーディトルの効果発動!1ターンに1度、EXデッキからエーディトル以外の「剣闘獣」融合モンスター1体を「此処」……え?」
「トラップ発動、無限泡影。エーディトル、効果無効」
「エフェクト・ヴェーラーじゃ……ない……!?」
『なんとネオドミノ校も此処で隠し玉!前代未聞の手札から無条件で発動するトラップだぁ!』
「……肩の荷が、降りた」
「だから一々騒ぎすぎなの衣玖は。WRGPAはチーム戦、一人で戦ってる時間なんて1秒もないのよ?」
「分かってる、だからレインには僕の知ってる限りの剣闘獣の知識を共有したし、マスカンだって教えた……まあ、知識に関してはもう怪しいけど」
「頼りになるのかならないのかはっきりしてほしいわ」
「否定できないのが辛い……」
いくら僕でも更に未来のカードがあるとか予想できないって。
「……もしかして私が先にドミティアノスを出すと読んで?そうじゃないと説明付かないなぁ……」
「ヘラクレイノスは、面倒」
「正解ってことでいいみたいだね……あーあ、してやられちゃった……まあ君がこの2体を超えられるかは別問題だけどね!私はカードを1枚伏せてターンエンド!」
ひとまず最悪の事態は回避した……勝負はここから。
「私のターン、ドロー」
DUELIST | LP | SPC |
|---|---|---|
Lein | 4000 | 1 |
Rhea | 4000 | 1 |
「召喚、「
そっちが初見殺しならこっちだって初見殺しだ。
アメリカ校組、誰が1番強そうだった?
-
ランスロー
-
デイビット
-
アラン