アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!? 作:文字の忍者-遅筆
前回執筆担当とデュエル担当がそれぞれ人名間違いとカード名ミスをしました。
ケジメは付けさせたので次回からは新しい担当が熱いデュエルを書いてくれることでしょう。
巨骸竜フェルグラント
【アンデット族/シンクロ/効果】
アンデット族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが特殊召喚に成功した場合、相手のフィールド・墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。②:このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、墓地からモンスターが特殊召喚された場合、このカード以外のフィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
何故ゴドウィン長官がこれを持っていたのか、とか。何か気持ち悪い感覚がするとか、考えたいことは山ほどあるけど……今はこのカードが僕の力になってくれているという事実だけを、意識することにしよう。
「このモンスターは……!?」
『此処で1回戦ではお目にかかれなかった新たなシンクロモンスター「巨骸竜フェルグラント」の登場だ!お互いのエースであるドラゴンが向かいあう!』
正確にはアンデット族なんだけど……訂正するのもめんどくさいしまあいいや。
「「巨骸竜フェルグラント」は特殊召喚した時……相手のフィールドか墓地のモンスター1体を除外できる効果がある。「ブラックローズ・ドラゴン」を対象として発動」
「何……!?」
「貪り喰らえフェルグラント、ソウルイーター……!」
再び雄叫びをあげたフェルグラントはブラックローズに組み付いたかと思えば胸部に噛みつき、何かを喰われたブラックローズはそのまま朽ちていった。
「っ……!?」
フェルグラントの効果発動と共にまた気持ち悪い感覚がやってくる。シグナーのように痣が出る訳でもなく、ただただ気持ち悪い……サイコ・デュエルの影響でもないだろうし、なんだ、これは?
「……これでブラックローズドラゴンは消えた……バトル、フェルグラントでダイレクトアタック、ソウルクラッシャー……!」
この手札では追加の打点は見込めない、今は……少しでもライフを削ることを優先する。
「……リバースカードは、ない」
「2800ポイントのダメージだ……!」
『ここで鞍馬衣玖一転攻勢!ブラックローズ・ドラゴンを除外したばかりか、そのまま十六夜アキのライフを大幅に削ったぁ!』
「カードを2枚伏せて、ターンエンド……」
……気持ち悪さと体の痛みが合わさって、正直立っているのすら辛い。けど、それは目の前のデュエルを諦める理由にはならないし……何より僕は続けたい。いつもの勝つための詰めデュエルじゃなくて、こんな運命のドローに身を任せる戦いを……続けたい……!
「私のターン、ドロー……一つ、聞かせて」
「……何、かな」
至って冷静な様子のアキから唐突に質問を投げかけられた。そこまで変な事したかな……?
「何故諦めない?貴方の身体はとてもじゃないけどデュエルが続行できる状態にないはず。早く楽になった方が身のためよ」
「……何故って、言われてもね……」
……口に出すことになるとは、思わなかった。
「……楽しいから、ね。この勝負が……」
「楽しい……?」
「そう、いつものデュエルは「勝てる」勝負……言ってしまえば、ただの作業だったから……」
……
「……でも、これで2回目なんだ……「勝つため」の布石を、ひっくり返してくるような相手は」
僕には理由が欲しかった、
「だから僕は……「勝てるか分からない」この勝負を、諦める訳にはいかない……こんなにも良い対戦相手と、巡り合えたんだから……!」
「良い、対戦相手……私が……?」
「そうさ……だから僕は立ち続ける……立ち続けて……君に、「勝ちたい」……!」
「……!」
きっとこの力は……
「……そう。ならせめて貴方に敬意を持って……完膚なきまでに叩きのめす」
「やってみなよ……!」
なんとか力を振り絞って啖呵を切って見せれば、彼女はかなり動揺した様子だった。一体何を……いや、多分自分との勝負を楽しいなんて言ってくれる僕に対してだろうな。
「リバースカードオープン、「次元回帰」」
次元回帰(アニメオリジナル)
ゲームから除外されているモンスターを全て各々のデッキに戻す。
「この効果によりお互いは除外されている全てのモンスターをデッキに戻す。「ブラックローズ・ドラゴン」をEXデッキに」
「「不知火の武部」をデッキに……」
……除外メタ罠、何故逢魔ノ妖刀の効果の時に……いや、そうか。
僕はさっきの試合で「炎神-不知火」を見せていた、恐らくは破壊効果を躱しつつ炎神を対処するために温存していたのだろう……やっぱり、こういう読み合いをするのが一番楽しい。
「チューナーモンスター「
【戦士族/チューナー/効果】
①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚する。②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手は植物族モンスターを攻撃対象に選択できない。
「「夜薔薇の騎士」のモンスター効果発動。手札の「ロードポイズン」を特殊召喚する」
ロードポイズン
【植物族/効果】
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する「ロードポイズン」以外の植物族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。
合計レベルは……7……!
「レベル4の「ロードポイズン」にレベル3「夜薔薇の騎士」をチューニング」
「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!」
「シンクロ召喚、再び現れよ、ブラックローズ・ドラゴン!」
……先ほど処理したはずのブラックローズ・ドラゴンがいとも簡単に再び顕現する。骨折り損のくたびれ儲け……いや、単純にあっちが読み勝っただけか。
「ブラックローズ・ドラゴンの効果発動」
……でも。
「このカードを特殊召喚した時、フィールド上の全てのカードを破壊する。ブラックローズ……」
「それは1回戦で……見た。リバースカードオープン「死霊の盾」!」
「……」
死霊の盾
①:相手モンスターの攻撃宣言時に1度、自分の墓地から悪魔族・アンデット族モンスター1体を除外して発動できる。その攻撃を無効にする。②:1ターンに1度、カードを破壊する効果を相手が発動した時、自分の墓地から悪魔族・アンデット族モンスター1体を除外して発動できる。その発動を無効にする。③:自分・相手のエンドフェイズに、悪魔族・アンデット族モンスターが自分フィールドに存在しない場合に発動する。このカードを墓地へ送る。
「僕は墓地の「不知火の宮司」を除外し、ブラックローズ・ドラゴンの効果を無効にする……!」
ブラックローズ・ドラゴンの引き起こす暴風を薄いソリッドビジョンで現れた宮司が鎮める。通せば相手の盤面も空になるが、もし蘇生魔法なんて持っていたらジエンドだ、だから此処で止める……!
『おおおぉぉぉぉぉ!!!!鞍馬衣玖、なんとブラックローズ・ドラゴンの効果を止めてしまった!一度見た効果は通用しないと言った所か!?』
「それだけじゃない、除外された「不知火の宮司」の効果……ブラックローズドラゴンを、破壊する!」
宮司はそのままブラックローズを封じ込め、破壊する……けど……
「……何のためにさっきあなたがブラックローズ・ドラゴンを除外したのかは分かっているし、無論正解。罠カード「リビングデッドの呼び声」を発動」
……判断を、間違えた。今宮司を除外する訳には、行かなかった。
リビングデッドの呼び声
①:自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れる時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊される時にこのカードは破壊される。
「甦れ、ブラックローズ・ドラゴン!」
どうにかして封じ込めたブラックローズが再び現れる。でも、このターンじゃ終わらせない……!
「モンスターが墓地から特殊召喚された時、巨骸竜フェルグラントの効果発動、ソウルバインド!」
フェルグラントが吠え、ブラックローズ・ドラゴンが威圧される。
「これは……!?」
「フェルグラントは墓地からモンスターが特殊召喚された時、フィールドのモンスター1体の効果を無効にする」
これで死霊の盾が破壊されたとしてもこのターンは生き残る、問題は……次のターン。
「バトル、ブラックローズ・ドラゴンで不知火の武士を攻撃。ブラックローズ・フレア!」
「死霊の盾の効果は……発動しない」
今此処で武士を守ったとしても妖刀2枚が墓地にある以上利にはならない……ごめんよ。
「カードを1枚伏せ、ターンエンド」
「僕のターン、ドロー……!」
引いたのは罠カード、「不知火流 才華の陣」……けど、このターンで決めなければ確実に負ける。
……賭けに、出よう。
「「妖刀-不知火」の効果を「刀神-不知火」を対象として発動……シンクロ召喚を行う!」
「僕はレベル6、刀神-不知火にレベル2、妖刀-不知火をチューニング……!」
「妖封じし猛き将よ、その魂、刀に宿りて今転生せよ!」
「シンクロ召喚……来たれ、「戦神-不知火」!」
不知火の切り札、戦神。万が一伏せが攻撃力変動系だった時の……保険。
「「戦神-不知火」の効果を「不知火の武士」を除外し発動、更に除外された「刀神-不知火」の効果をブラックローズ・ドラゴンを対象に発動!不知火双刃!」
戦神の妖刀2つが激しく燃え盛る。
「……相手フィールドのモンスターの攻撃力が変動した時トラップ発動、「カース・オブ・ローズ」、「戦神-不知火」の変動した攻撃力……1800ダメージを与える」
カース・オブ・ローズ(アニメオリジナル)
相手フィールド上に存在するモンスターの攻撃力が変化した場合に発動する事ができる。そのモンスターの元々の攻撃力と変化した数値の差分のダメージを相手プレイヤーに与える。
「な……あぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ブラックローズ・ドラゴンから伸びた蔦が体中に絡みつく……正直、もう立っているのがやっと。でも、後、少しなんだ……!
「除外された……不知火の武士の効果……墓地の「逢魔ノ妖刀-不知火」を手札に加え、そのまま召喚。リリースし、効果発動……!」
チェーンは……ない。つまりあれは……次元回帰じゃ、ない。
「除外されている「不知火の宮司」と「妖刀-不知火」を守備表示で特殊召喚……そして……」
「レベル8「巨骸竜フェルグラント」にレベル2「妖刀-不知火」をチューニング……!」
「妖封じし猛き将よ……その魂、輪廻を巡りて今出陣せよ!」
「シンクロ召喚……出でよ、「炎神-不知火」!」
『出たあぁぁァァァァァァ!鞍馬衣玖の切り札、「炎神-不知火」だぁ!』
嘶きと共に現れる炎神。これさえ通れば……勝てる。
「炎神-不知火の効果を発動、妖魔滅刃……!」
「……チェーンはないわ」
……通った。
「フェルグラントと刀神をデッキに戻し、リビングデッドの呼び声と最後のセットカードを破壊する……!」
炎神の燃え盛る炎が、アキのフィールドを更地にする。これで……
「……確かに貴方は強い。けど、慎重すぎる……それが敗因になった」
「……え?」
「破壊されたカードは……罠カード「不運の爆弾」」
不運の爆弾
「不運の爆弾」は1ターンに1枚しか発動できない。①:相手フィールドの表側モンスター1体を対象として発動できる。自分はその表側表示モンスターの攻撃力の半分のダメージを受ける。その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。②:フィールドのこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた場合に発動する。相手に1000ダメージを与える。
「攻撃力変動系の罠を警戒して戦神の効果を使い、念を入れて炎神でカードを破壊した。だから貴方は負ける……素直にフェルグラントで攻撃していれば、こうはならなかった」
「……っ」
……不確定要素を潰していったのが……仇に、なったか。
「……終わりよ」
「あ……」
爆弾の衝撃が、直に伝わる。
……また、負けた。
『け……決着!鞍馬衣玖を下し、決勝に駒を進めたのは……黒薔薇の魔女、十六夜、アキィィィィィ!!!!』
……朧げに聞こえるMCの実況をBGM代わりに、なんとか身体を起き上がらせる。酷い有様だ、体は傷だらけだし、制服も所々破けたり焦げたりしている。
「……動かない方が良い、大人しく救護班を」
「いや……一つだけ……伝えたいことが……あって」
「伝えたいこと……?」
もう、まともに立ってすらいられない。けど、これだけは、伝えておきたかった。
「……対戦、ありがとう、ござい、ました……」
「……!」
戦ってくれたことへの、感謝。「勝てる」試合であっても、ほぼ欠かしたことのない言葉。
少しでも……
彼女に……届けば……
……ダメだ……
げん、かい……
「……」
……喜びと、悔しさが混じった奇妙な感情を、抱えて。
僕のフォーチュンカップでの記憶は、そこで途切れている。
主人公にはどういう活躍を期待している?
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蹂躙、無双
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いい感じの熱いデュエル
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ギリギリを演じる2枚目