Surviver of the Saiyan 作:ゆっくりblue1
ナメック星に向けて宇宙船で航行していたターレス達とゴーヤ、ヴォミ。
しかし宇宙船の燃料が心もとない状態だったために、燃料補給と宇宙船の微調整に中継の星に不時着するのだが。
俺はメディカルマシンから出て、ヴォミに洗濯してもらった青いインナーと黒色胴着を着てターレスのいる宇宙船の中央モニター室に向かう。
既にターレス達とヴォミは集合している中、俺が来るのを観るとターレスが話し始める。
「船の燃料補給として、ナメック星から外れない位置にある文明が栄えたこの星を選んだ。此処は元はフリーザ軍が現地民を制圧して補給用基地として使っていた星だが、今は人員配置が少ない。さっさと補給を済ませてナメック星に行きたいが…」
ターレスの神妙な口ぶりと少し厳しい表情を見せて星を見る。不時着する星の気温は零度からマイナスを示している。
その上、宇宙船で不時着する前から、星と大気圏外の宇宙船の距離もあるのにも関わらず、感じ取れる強く邪悪な気が複数…こりゃあ、さっさと補給して出発出来る気がしねえな。
そう思っている間にも宇宙船は星の大気圏内に通過して一面が冷気の漂う青白い景色の広がる地面に着陸した。
モニター室と位置座標探知機から見て少し東と南に補給が出来そうな街が見える。
着陸をする前にターレス達と俺は敵がいる場合に備えて気を探知されない程度に気を落としておいて、船がヴォミの整備で追加されたステルス迷彩機能でカムフラージュしていた。そして船から出る前に俺はターレスに言う。
「俺は南方面にある三つの強い気の方に向かう。丁度街もあるし戦闘はなるべく避ける」
その申し出にターレスが頷くと、ニヤリと笑って忠告してきた。
「あぁ、分かった。精々気をつけろよ。無駄にやり合った挙句にメディカルマシンで治癒できない程のダメージを負われたらフリーザ達との戦いも控えているんだ。そんな本末転倒のヘマはごめんだからな。俺は船の護衛として付く。部下共は東の方に向かわせる」
護衛って…最もらしいことを盾に俺達を顎で使いやがって、サボり魔が。内心悪態を吐きつつ、断冷機能性のあるシャツを着ていると、ダイーズ達が言ってきた。
「俺達がトレーニングに付き合ってやったんだ。そう簡単にくたばられちゃあ困る。油断すんなよ」
「は!言われなくても分ってらぁ…そっちこそ、東方面にはてめえらの様に五人いるみてえだが、連携してた修行の時みてえにはいかねえだろうし、くたばんなよ。修行相手が居ねえと張り合いもねえしな」
お互いに軽口を叩き合うと宇宙船が開かれて星に踏み入れたところで、ヴォミが宇宙船を出て南方面の街に向かって飛び立とうとする俺に対して心配そうに言った。
「無茶しないで下さいね!ゴーヤさん。戦闘では足手纏いですが、それ以外なら貴方の役に立てると思うので、無事に帰ってきたら美味しいご飯を作って待ってますから!」
純粋な青い瞳に何処か見送られることへむず痒い感情を感じつつ、俺は頷くとヴォミの上手い飯も頭の中に入れておくと補給用の燃料代の入ったホイポイカプセルを懐にしまって飛び立った。
断冷機能のシャツを着たおかげで気温の低さと風の冷たさや寒冷による降る雪の冷たさを何とか凌ぎながら街に向かって気を抑えて飛んでいく。
気を抑えて飛んでいるので、速度が遅くて街までなかなかつかない。ちっ、ちんたらしてる場合じゃねえ、ナメック星に行くために少しはリスクも必要だな。
そう思って気を上げて飛ぶ速度を加速させようとした時、前方から感じていた三つのデカい気が近付いてくる。
この距離、多分相手は俺の事に気付いてやがる。隠れてもその辺りをうろちょろされるかもしれねえし、戦うしかないか。
そして俺の前に現れたのは見覚えのある戦闘プロテクタースーツを着る三人。右肩だけスーツから出た青い肌と金髪のオールバックの長身の男と、両生類と爬虫類の中間のような見た目の褐色肌の長身痩躯の男、緑の肌と黒長髪でヘルメットを被った筋肉質な男。全員がスカウターをつけている。
「この星の制圧が完了したと思いきや、その成りと顔つき…貴様、この星の住民じゃあるまい」
空中に静止した青い肌のオールバックの野郎がそう俺を睨んでくる。褐色肌の奴と緑肌の奴が囲い込むように陣形を作る。
俺はその様子を確認しつつ、構えを取った。そして気になった事を聞く。
「そういうてめえらは見覚えのある戦闘服を着てやがるな。フリーザの命令で飛んできたか?向こうの方にもお仲間を連れてきてご大層なこった」
探り目的でそう口にすると褐色肌の奴がおかしそうに笑った。
「フリーザ様だと?フリーザ様の事に触れるってことはどっかの星の下っ端か?だがあいにくだが、俺達はフリーザ軍の戦闘員じゃない」
フリーザ軍の戦闘員じゃないだと?褐色肌の奴の否定に俺は睨むが青い肌の奴が嗜める。
「おいネイズ、無駄口は叩くな。どの道この星に居る奴らは全員抹殺対象だ。お喋りなど無駄なだけだ」
「相変わらずサウザーは仕事に真面目だな。だがこの餓鬼、戦闘力ではギニューの野郎を上回ってやがるぞ。久々に殺し甲斐のある奴が来たぜ、へへっ…!」
緑肌の奴の言葉に全員が構える。そして戦闘の隙を伺うピリついた殺気が空間を支配し始める。
此奴等、一人一人で地球に来た実を食う前のターレスに相当する強さだな……このままじゃあいくらか技術的に隙を付けても戦闘力の差と人数差で負ける。
「…死ねぇ!」
三人が一斉に間合いを詰めてくる。青い肌の奴が最速で俺の顔面に拳を叩き込もうとする。
それを顔を逸らして避けると次に褐色肌の奴が横から蹴りを入れてくるのを更に上に浮上して避ける。しかしその上から現れた緑肌の奴がダブルスレッジハンマーで叩きつけようとしてくる。
「おらぁ!」
「っ!!」
頭上に迫る攻撃を咄嗟に気を高めて腕を交差してガードしたが、威力の大きさで地面に向かって落ちる。ちぃ、馬鹿力が、腕が痺れる。
「逃がさん!」
追撃で青い肌の奴と褐色肌の奴がエネルギー波を放ってきたので、俺は迫るエネルギー波を全力の拳と蹴りで弾く。
そのまま弾かれたエネルギー波は強烈な爆発を起こすが、街に被害は無さそうだ。
しかし、エネルギー波を弾き飛ばしたのも束の間、敵は陣形を作って俺にラッシュを仕掛ける。三人の連携はダイーズ共の連携並で流すのが精一杯だ。
「このまま砕けちまえ!」
青い肌の奴の拳を腕で叩いて流すと緑の肌の奴が蹴りを入れてくるので受け止める。パワーで押し負けそうになるのを踏ん張って耐えていると褐色肌の奴の肘を喰らう。
「がぁ!?」
「くひひ、俺達の連携は宇宙一だ。誰でも崩せる奴はいない!!」
強烈な一撃に血を吐いた俺を見て嗤う褐色肌の奴の言葉に俺はニヤリと嗤う。修行途中で、完成度はまだまだだが、俺も本気でやってやるよ…!
俺の不敵な笑みが気になったのか、追撃を緩める青い肌の奴の隙を突いて、俺は体内に流れる気を高めて融合させるように同調制御する。
青白いオーラが出始め、周りの空気が揺れていく。森がざわめき、風が強くなるのを感じ取ったのか敵の様子が余裕から変わった。
「此奴…!一体何をする気だ…!?」
「おい、サウザー!此奴の戦闘力が上がっていきやがるぞ…!!……17万……18万……19万……20万…!」
「…………25万………27万………30万…!?此奴、俺達の戦闘力を遥かに超えてるってのか!?」
敵全員の動揺が見える中、俺は気のコントロールを安定させる。ふぅ…まだまだ慣れてないが、とりあえず成功したか。
すると東方面に向かったダイーズ達とそこにいた五人組の気がぶつかり合っているのを感じた。彼奴等も結局戦闘に入ったのか。
俺が青白いオーラを吹き上げながら強化した身体の調子を確認する。この技は孫悟空が使っていた“界王拳”の原理を俺なりに改良したものだが、気のコントロールが難しく、気の消費と体力消費を抑える代わりに気のコントロールを失敗すると界王拳よりも酷え自滅を起こしてしまう。宇宙船のダイーズ達との修行では調整と修行で使えない技だった。
この正念場で出来るかどうかは賭けだったが、なんとかなったみてえだ。敵が俺の上昇した戦闘力に慄いているので俺は隙を突いて、まず緑の肌の奴を拳で殴り飛ばす。
「ぬおおおっ!?」
「へ、界王拳のパクリじゃあ味気ねえし、“闘争拳”とでも名付けるか!」
殴り飛ばした緑の肌の奴を、青い肌の奴と褐色肌の奴が目で追うより速く、そのまま高速で背後に回り込んで緑肌の奴の背を蹴り上げて、空にあげるとそのまま強力な気弾を二発両手で放った。
「ぐああああっ!!?」
「ドーレェ!ちくしょう、野郎調子に乗ってんじゃねえ!」
褐色肌の奴が仲間をやられたことで逆上してエネルギー波を放ってくる。俺は難なく弾き飛ばす。
しかし今のは陽動で背後に回り込んできて羽交締めにしてきた褐色肌の奴。
「油断したな!サウザー!!いまだぁ!やれぇ!」
俺の動きを止めた褐色肌の奴が青い肌の奴にそう言うと青い肌の奴は紫の気を手に集中させると気の刃を作った手刀で切り掛かってくる。
「我が刃の切れ味、その身で思い知れ!!」
「そいつは遠慮させてもらうぜ。はぁあっ!!!」
高速で間合いを詰めて切り掛かってくる青い肌の奴を見て、俺は直ぐに羽交締めにして来た褐色肌の奴と諸共気の爆発波で吹き飛ばす。
「でやぁああああ!!!」
「ぐふっ!?げはぁ!!ごへぇっ!!?」
そのまま気を高めて、爆発波で吹き飛んで身動きの取れない褐色肌の奴に拳と蹴りをラッシュで浴びせて、踵落としで意識を刈り取った。
「ちくしょう、ネイズとドーレが簡単にやられた…!これは“クウラ”様に伝えなくては…!!!」
「逃がすかぁ!!」
気になる事を言った最後に残った青い肌の奴に気を吹き上げて接近するが、相手は咄嗟に気功波で目眩しをしてきた。
一瞬目が眩んだが構わず起こった土煙の中に突っ込んだ。しかし相手の気が消えており、その場から影も形もなくなっていた。
「…ち、逃げられちまった。引くのがうめえ奴だ。戦闘慣れしてやがる…」
土煙を吹き飛ばして呟く。辺りを探っても気が見つからない…ち、誤算だった。スカウターで相手の位置を探ってやがるが、自分の気のコントロールは出来る奴か。
雪が降る中、決着をつけられなかった事に悔しさを感じながらも、俺は相手が言っていた事を考えながらそのまま元々の燃料を買いに街に向かう。
フリーザ軍じゃない口ぶりの敵だったが、ギニュー特戦隊を上回る気……それに統率の取れた連携と言い、その辺の荒くれ者じゃないのは確実だ。
考えている間にダイーズ達とぶつかり合ってた五人組の気が消えている。ダイーズ達の気は小さくなっているが生きている。
勝ったのか…修行前じゃ恐らく五人組の一人にだけに全員で連携しても勝ち目がなかったくらいの強さの五人組の戦闘力をダイーズ達は勝てるくらいには強くなっていると考えると修行の成果は出ているな。
「やるじゃねえか、修行相手になるならこのくらいはやってくれないとな!」
俺はダイーズ達の勝利に密かに笑うと街に出向いて宇宙船の燃料を買った後そのまま宇宙船に戻った。
「おかえりなさい!ゴーヤさん。無事で良かった!」
ヴォミの出迎えと言葉に頷き返して宇宙船の燃料が入った部品を渡すとヴォミは宇宙船を整備し始める。
そして宇宙船の護衛していたターレスが薄笑いを浮かべて話しかけてきた。
「よぉ、ゴーヤ。ギニュー以上の実力のある三人組に勝って余裕で帰ってくるとは随分と強くなったもんだな」
「…てめえが居れば一人を逃さずもっと速く済んだがな。それとダイーズ達はどうした?」
俺の問いに宇宙船の中を顎で指して嬉しそうに悪どい笑みを浮かべるターレス。
「くく、俺の部下もギニュー特戦隊員並みの強さを持つ五人組に勝って帰投してきた。随分と修行の成果が出ているぜ。これでますますナメック星で動ける…ゴーヤには感謝してるぞ」
……神精樹の実に固執する越し抜け野郎と思ったが、曲がりなりにしても部下を想う気持ちはあるってことか。ターレスの言葉にふんっと返して聞きたいことを聞いた。
「それと、俺の戦った三人組、戦闘服は着ていたが、口ぶりからフリーザとは別口だったみてえだ。そして最後に青い野郎が“クウラ“って呟いてやがった。其奴に心あたりはあるか?」
するとターレスは真剣な表情で考えて首を横に振った。
「いや、フリーザ軍に居たが、そんな奴の名前は聞いたこと無えな。俺の部下共も戦った五人組は“スラッグ”様とやらの部下だったみてえだ」
クウラとスラッグ…ね。スラッグの方はともかくとして問題のクウラの部下の方は強さがギニュー特戦隊以上にも関わらず部下だった。あんな戦闘力の部下を従える親玉は、最低でもフリーザと同等、もしくはそれ以上の実力を持っている可能性がある。
「ナメック星での目の上のたんこぶはフリーザ軍だけかと思いきや、“クウラ”と“スラッグ”か。奥の手でヴォミ先生に神精樹の実のプランターを培養してもらっているが、それを含めても簡単に目的が上手くいく事は無さそうだな」
ターレスの言葉に俺も同意していた。俺の奥の手である“闘争拳”を踏まえても今の強さでフリーザ軍とクウラ、スラッグとやらを相手出来るかは分からない。
もっと厳しい修行を積まねえとな…そう決心しているとヴォミが宇宙船の整備が完了したと放送を流したので、すぐさま俺たちはナメック星へクリリン、悟飯、ブルマとの合流を目指して旅を再開した。
「ゴーヤ…敵が増えそうだからナメック星に備えて俺も部下共をしごく。重力室での泥臭い特訓とやらに参加してやる。残りの時間、修行相手になってやるから精々根を上げんなよ」
ナメック星での戦いの予想に考えを改めたのかターレスの申し出にお互いにニヤリと笑いあった。
そして宇宙船での激しい特訓は更に激化して、ヴォミの料理を貪る以外は全て修行に集中して行くことになる。
ナメック星到着まで後三日––––
キャラクター戦闘力紹介
参考
一般成人男性 5
一般成人女性 4
子供(10歳) 2
ミスター・サタン 6.66
一般的に超人と呼ばれるレベル 7~8以上
天下一武道会で悟空達と戦える超人クラス 80以上
ピッコロ大魔王 260
ラディッツ 1500
ベジータ 1万8000
アンギラ 4万(映画準拠、待機中)→4万2000(最大)
ドロダボ 3万9500(映画準拠)→4万500(最大)
メダマッチャ 4万2000(映画準拠最大)→2万1000(二体分身中)
ゼエウン 3万9000(映画準拠最大)
アモンド 9100→3万6400 (ゴーヤと同じくパワーアップ)対ドロダボ、ゼエウン
ダイーズ 1万4000→4万4000(ゴーヤと同じくパワーアップ)対アンギラ
カカオ 8400→3万3600 (ゴーヤと同じくパワーアップ)対ゼエウン、ドロダボ
レズン 8000→2万4000 (ゴーヤと同じくパワーアップ)対メダマッチャ分身
ラカセイ 7600→2万2800 (ゴーヤと同じくパワーアップ)対メダマッチャ分身
サウザー 0(気を消す)→17万(最大 ジャンプ特集記事準拠)
ドーレ 0(気を消す)→18万5000(最大 ジャンプ特集記事準拠)
ネイズ 0(気を消す)→16万3000(最大 ジャンプ特集記事準拠)
ゴーヤ 15万(三十倍〜五十倍の重力室でダイーズ達と修行してパワーアップした) →30万(界王拳の原理を真似て解発した”闘争拳“で戦闘力を二倍に伸ばす)→45万(一気に勝負を決める三倍。現状の限界)
※闘争拳について、ゴーヤのオリジナル技。界王拳の原理を理解して再現して、自分なりに改良した技。ただし気のコントロールは界王拳以上に難しく、倍率を上げるたびに難易度が上がる。失敗すると界王拳以上の痛みが身体を襲う。そのかわり、使用中の気の消費と体力消費を抑える。長期戦向き。