Surviver of the Saiyan   作:ゆっくりblue1

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第14話。そして遂に…


宇宙をかけた限界を超えた決戦!覚醒せよ、超戦士達!

少し時が経ち、ギニューによって身体を入れ替えられてジースを倒したベジータの攻撃でぼろぼろになった身体の治療を終えて全快になった孫悟空。

 

同時に俺は巨大な気が集まる中にいるピッコロのところに向かう。

 

ギニュー特戦隊の気も感じないし、もはや残ったのはフリーザだけか。

 

随分とフリーザの気や見た目も変わってやがる。これほどのパワーを隠し持っていたとはな。

 

ピッコロがいる……なるほどな。ナメック星のドラゴンボールを使えたのか。ピッコロが居れば、神様も復活、地球のドラゴンボールも復活して、ヤムチャ、天津飯、餃子も甦らせる事が出来るってわけだ。

 

……死んじまったターレス達も、地球に帰ったらドラゴンボールで…いや、でも彼奴等はフリーザが居なくなれば、また暴れ回るかもしれんし。一応、保留にしておくか…

 

それにフリーザの前に立っているピッコロ達も大きくパワーを上げている。全員以前とは比べ物にならない程で、特にベジータはクリリンは無論ピッコロ、悟飯と比較してもずっとパワーアップしている。

 

そんなベジータであってもフリーザにボコボコにされていた。ベジータのパワーはさっきまで一緒に闘っていたターレスに匹敵するというのに。

 

「どうやら間に合ったか…」

 

「あ、ああ(あの孫とゴーヤか!?地球にいた時よりもパワーが桁違いに上がっている!)」

 

「君達は……誰だ?」

 

「カカロット…とゴーヤ…やっと来やがったか…!」

 

「カカロットとゴーヤ…!?その名前はサイヤ人か!だが、あの顔ぶれ…どこかで見た覚えが…はっ(あ、あいつだ!惑星ベジータを滅ぼした時に最後まで抵抗をしたあのサイヤ人にそっくりなんだ…!それにあのガキのサイヤ人は…!)」

 

フリーザは苛立たしげに表情を歪めると人差し指からビームを放つ。

 

「…!」

 

「…」

 

俺も孫悟空も片手でビームを弾き飛ばす。そんな片手間で殺せると思うなよ…!

 

自身の気弾を受け流され、俺達を警戒するフリーザだが、ベジータの言葉に振り返る。

 

「やっぱ不思議なでかい気の正体はピッコロだったのか。ここのドラゴンボールでやって来れたんだな。皆、遅くなってすまなかった。おかげでダメージも回復出来た。後はオラが何とかする」

 

「お、お父さん?」

 

「ご…悟空…ほ…本当に悟空か?い…今までのお前の気とは感じが違う…それにゴーヤも同じ感じだ」

 

クリリンや悟飯、ベジータにも今までとは質が異なった気を発している孫悟空に驚いていた。孫悟空はフリーザの前に立とうとしたので俺が待ったをかけた。

 

「…おい」

 

「悪い、ゴーヤ…おめえもフリーザと闘いてえのはわかる。だが先ずはオラからやらせてくれ」

 

孫悟空の視線は本当にあの暢気さからは掛け離れた真剣味がある。だが俺もターレス達の想いを背負っている。

 

「…オラが完全にやられそうになったら交代だ」

 

「……いいだろう」

 

その言葉に俺は身を引いて孫悟空は単身でフリーザと向かい合うと口を開いた。

 

「貴様がフリーザか…思ってたよりずっとガキっぽいな…」

 

「(さ…さっきまでのカカロットじゃない……そして地球で戦ったサイヤ人のガキも…やはり二人も超えやがったか…サイヤ人の限界の壁を……!)」

 

ぼろぼろの腹に穴の空いた戦闘服を着ているベジータは思っているはずだ、今の彼奴は自分以上の領域にいることを…

 

「サイヤ人は1匹たりとも生かしてはおかないよ…馬鹿だね、大人しく震えてりゃ良かったのに…」

 

「かもな…」

 

挑発らしき言葉にも全く動じない。突然にフリーザが孫悟空に向かって尻尾による攻撃を仕掛けた。

 

「ふっ!」

 

しかし、孫悟空はそれ以上に素早い動きでフリーザのそれが当たる前に顔面に蹴り返した。

 

「なっ⁉︎」

 

「(い、今の動きが見えていたのか⁉︎)」

 

俺以外の全員が孫悟空の動きに驚く。頬に孫悟空の蹴りの一撃が入り、一回転して何事もなかったように立ち、フリーザはニヤリと笑いながら指を向けた。

 

「やばいっ!避けろ悟空ーーーっ!!」

 

射線上から悟飯を抱えて逃げるクリリンとピッコロ。俺は倒れ伏したベジータの前に立つ。そして孫悟空は片手で全て弾いてみせた。

 

「まさか…全部弾き飛ばした…片手だけで…」

 

「まさか…ここまで…」

 

「す、すごい…」

 

ベジータの感嘆とピッコロ達の驚愕に俺も内心笑っていた。フリーザに挑むんだこれくらいの事はしてもらわないと順番を譲った甲斐がねえ。

 

「貴様ら、この場から離れるんだ!俺達は邪魔だっ!!」

 

汗を滲ませながら叫んだピッコロの言葉に、クリリンは悟飯を抱き上げながら、俺は複雑な表情を浮かべるベジータに肩をかしてこの場から離脱する。

 

大人しく肩を貸されるベジータに驚きつつ、余程フリーザにコテンパンにやられたのだろうと察した。よく見ると泣き跡がある。あのベジータが…泣いたってのか。

 

「…ちっ、カカロットと同じく、ゴーヤ…貴様の肩を借りなければならないとはな。我ながら情け無いぜ」

 

「…俺もあんたに肩を貸すだなんて思わなかったぜ」

 

出来るだけ遠く離れると、衝撃の音が聞こえる。始まった孫悟空とフリーザの闘いは凄まじい。

 

ベジータがダメージからある程度回復し、俺の隣に立つ。俺は孫悟空達の戦いを見守る。

 

もはやベジータではついていけないほどにハイレベルなものだったが、ベジータ自身の持つ天才的な戦闘センスで戦闘状況を瞬時に分析して把握できるのだ。

 

孫悟空もフリーザも本気ではなく、準備運動みたいな物なのだろう。孫悟空はスロースターターであり、徐々に力を上げていく戦闘スタイルだ。孫悟空の甘いところというか、悪癖というか。全宇宙がかかった勝負でも闘いを堪能するというのはサイヤ人らしいと言えばらしい。

 

フリーザの蹴りを受けて海に沈んだが、孫悟空の気はまだまだ健在。少しの間を置いて気弾状のかめはめ波が海から飛び出し、2発目の後、同時に海を飛び出して孫悟空はフリーザの背後を取って蹴りを浴びせて地面に叩き付けた。

 

「奴の注意を逸らし、超スピードで奴の背後を取ったか」

 

「フリーザは俺たちのように気を感知することが出来ない…そこがフリーザの一番の隙だ」

 

口で説明すると簡単だが、大きく強くなっているベジータですらこの芸当は不可能だろう。後はフリーザは気のコントロールはできるが、他人の気の感知が出来ないと言うのも大きな理由だろう。孫悟空の動きにフリーザは目で追っていた。

 

フリーザが超能力を駆使して岩を飛ばしていく。ベジータ達には一切使わなかった技だが、孫悟空は余裕で岩をかわす。フリーザは先程の意趣返しとばかりに背後を取って金縛りをかけると、避けきれなかった孫悟空を小島に吹き飛ばすと大爆発が起きる。

 

俺たちは顔を腕で庇いながら、爆心地を見遣り、ピッコロ達も吹き飛ばされそうになるが、何とか耐えていた。悟飯はその光景を見て心配そうに呟く。

 

「お父さんは…」

 

「死んでねえよ。あそこを見てみろ…」

 

俺は孫悟空の動きが全て見えていたので指を指す。

 

「俺にも見切れなかったが、恐らく爆発の瞬間から超スピードで抜け出したんだ…全く頭に来やがるぜ…最下級戦士に超エリートの俺様が抜かされるなど…」

 

「ベジータ…」

 

プライドの高いベジータの胸中は複雑だろう。最下級、落ちこぼれと蔑んでいた存在が自分よりも上のステージに立っているのだから。

 

闘いの舞台は地上に移り、孫悟空が猛攻を仕掛ける、互角だ。しかし孫悟空の猛攻にフリーザはカウンターをお見舞いした。

 

そして距離を取り、そこから再び睨み合う両者。

 

孫悟空もまだまだ力を残してはいるが、フリーザにはそれ以上に余裕がある。

 

恐らく俺と大して変わらない実力の孫悟空が負けるなら、俺がやり合ってもフリーザは倒せないだろう。

 

仮にまた無茶に無茶を重ねて30倍闘争拳を発動してもフリーザのタフさなら倒し切る前にやられるだろう。

 

「フッ…」

 

フリーザの目が怪しく光って、黒いオーラが漂い始めると沈黙が破れ、孫悟空はフリーザの一撃を受けて吹き飛ばされた。

 

「くっ!」

 

10倍界王拳を引き出して闘うものの、動きの強さと速さが増したフリーザの攻撃を防ぐのに精一杯の様子だ。

 

そして黒い気をフリーザも見せ始めると戦況が変わり始める。

 

徐々にフリーザはパワーを上げていき、孫悟空が防戦一方となっていく。

 

「貴様がやられたら俺達に後はない…!何とかしやがれ、カカロット…!」

 

ベジータの表情にも焦りが見え始め、フリーザは次の腕を振るった瞬間、大地を斬り裂いた。

 

「な…なんだ、今、何が起こったんだ…」

 

「な、何て技だ…気円斬とかそんなレベルじゃない…星そのものを切り裂きやがった…!」

 

あまりの斬撃の威力に俺やベジータも、少し離れた場所で闘いを見ていたピッコロ達も汗を流して驚いている。

 

フリーザの攻撃で孫悟空は海に叩き落とされ、そのままフリーザは孫悟空の頭を掴み、海から上げないよう押さえつける。

 

「ま、まずい…!」

 

「くそっ…!これまでか…」

 

ベジータ達が諦めかけ、俺が加勢にいこうとした瞬間、突如海が水柱を上げ、気をこれほどまでになく高めて孫悟空が水中から出てくる。

 

あの孫悟空の表情…賭けに出たな…!10倍で通じないなら…!!

 

「悟飯、チチや地球、ナメック星のみんなの未来!オラ…絶対に負けられねぇ!!うおああああっ…!!」

 

赤いオーラを纏い、10倍界王拳を発動し、徐々に気をあげていく孫悟空にベジータ達は圧倒される。

 

「な、なんだこの気の膨れ上がりは…さらに上がっていくだと⁉︎」

 

「……この感じ……18…20………いや、もっとあがって…!!」

 

界王拳を真似て造った闘争拳を使える身だからこそわかる…本当にこの技が最後までくらいつける希望なんだ。

 

「たとえこの身に掛けても…オラは負けられねぇ!!おめぇの言葉がハッタリだろうとそうでなかろうと……

 

 

 

 

 

 

 

 

30倍の界王拳に掛けるしかねぇ!!」

 

 

俺は確かに聞こえた…孫悟空は今30倍の界王拳を発動している…限界を超えた全てを出し切るつもりだ…

 

30倍の倍率の界王拳の気の制御は身体の負担が大き過ぎる。仮に気の制御が出来ても身体は自滅必至の諸刃の剣だ。

 

「うおおおおおっ…!!!ダァー!!」

 

 

「ぐうっ…⁉︎」

 

 

急激な戦闘力の上昇にフリーザは気の圧力に一瞬怯んだ瞬間、孫悟空は急加速で接近し、対応出来ずに殴り飛ばされる。

 

 

「かー!めー!はー!めー!!」

 

 

孫悟空はフリーザを追撃し、そのまま上に殴り飛ばし…両手にかめはめ波を溜め…

 

 

 

 

「波ぁああああああああああああああッッッ!!!!!!!」

 

 

 

ズォオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!

 

 

 

30倍の界王拳のパワーを全て込められているかめはめ波を解き放った。それは今までの孫悟空が放ったかめはめ波の次元を遥かに上回っている。まさに特大必殺のかめはめ波だった。

 

フリーザに渾身のかめはめ波が放たれたが、フリーザはそれを両手で防いでしまった。

 

限界を超えた界王拳の反動によって孫悟空の気が大幅に減ってしまう。

 

「さ、30倍の界王拳でも駄目なのか…」

 

「カカロットの戦闘力がガクンと…くそったれ……俺達の考えは相当に甘かったらしいな…」

 

フリーザの強さはこれほどのパワーアップを持ってしてもどうにか出来るものではなかったのだ。

 

最早抵抗らしい抵抗も出来ずに攻撃を受け続けるだけだ。

 

「くそ…!順番が回ってきたか…!」

 

「待て!何だあれは?」

 

我慢出来ずに俺は飛び出そうとすると、ベジータは何かに気付いたのか声を上げた。

 

「…?」

 

ベジータは空を見上げており、俺もベジータの視線を追って見るとそこには大きなエネルギーの塊が集まっていた。

 

「あ…あれは!!」

 

この気の集まり方、俺は地球で見たことがある!悟飯とクリリンも気付く。

 

「カカロットの奴は何をするつもりだ…?それに、空にあるあのエネルギーの玉はいったい…」

 

「元気玉だ!」

 

「元気玉?なんだそれは?」

 

「元気玉は人間や動物や植物…自然にある全てのエネルギーを集めて球体にして放つ技…地球でベジータが喰らったあの青い玉がアレだ」

 

それを聞いたベジータの表情に苛立ちと苦いものが混じる。おそらく元気玉の威力を身をもって体験しているからか、そりゃあベジータにとっては嫌な思い出だろうな。

 

「チッ…あの時のあれか、嫌なことを思い出させるぜ全く…」

 

「でも、もうこの星には殆どのナメック星人が殺されている。ナメック星人達が生きていれば…」

 

だが、正直フリーザを倒せるのはもう元気玉しかないだろう。すると元気玉は少しずつだが大きさが増していく。

 

「地球の時とはサイズが随分と違うな…オレが見たのは形成した際のパワーボールよりも少し大きいくらいの物だったはず…」

 

「この気の流れからして、ナメック星の近くにある他の星からも気を分けてもらってる筈だ。もっと大きくして強くしないとフリーザを倒せない…」

 

フリーザの底無しの強さを心身に刻まれた孫悟空の考えを理解する。だが、フリーザを倒すには、元気玉の完成には時間がかかる…!!

 

「カカロットめ…何時までもたついてやがる…早く元気玉とやらを完成させやがれ…!」

 

「ベジータ、まだ動けるか?」

 

「なに?貴様、なにを言って…」

 

「フリーザを倒す程の元気玉を作り終えるまで今の俺達で時間を稼ぐ。フリーザを殴り飛ばしてやんだよ!」

 

次の瞬間、フリーザに孫悟空が蹴り飛ばされ、立ち上がるものの、ふらふらでフリーザの気合砲で吹き飛ばされて海に落ちる。そしてフリーザが海に近付き、反射により元気玉に気付かれてしまった。

 

「まずい、気付かれた…!」

 

「チッ!」

 

ベジータが一瞬焦るが、俺達はすぐに覚悟を決め、同時にフリーザに突撃し、とどめを刺そうとしているフリーザを蹴り飛ばし。

 

「くらいやがれ!!」

 

俺は追撃する為、少しでもダメージを与えようと片腕にエネルギー弾を形成し、そのまま投げ飛ばすように放ってフリーザに直撃させ、海に落下させた。

 

「お、おめえ達…」

 

「ここまで来てフリーザにやられるつもりじゃねえだろ…?」

 

「あ、ああ……それにしてもま、まさかおめえにまで助けられるなんてな…サンキューなベジータ」

 

「ふん、礼などいらん。貴様を助けるなど反吐が出そうだぜ!フリーザを殺すためにやっただけだ!さっさと元気玉とやらを完成させるんだな!!」

 

「俺とベジータでなんとか時間を稼ぐ!!早く完成させろ!」

 

「ああ!すまねえ…2人とも!」

 

俺の言葉に促された孫悟空は立ち上がり、元気玉の元気集めを再開すると回復を終えたピッコロもこちらに現れた。奥で悟飯の表情が明るさを取り戻している。

 

「ピッコロ!」

 

「遅くなったな…微力ながら俺も加勢するぞ」

 

ピッコロの気が少し大きくなっている。おそらく悟飯とクリリンから気をもらったのだろう。

 

「ふん、わざわざ雑魚が何しに来やがった?せっかく生き返ったのにまた死にに来たか?」

 

「言ってくれるぜ…ゴーヤは兎も角、貴様だけでは時間稼ぎも出来そうにないから来てやったのによ」

 

「喧嘩している暇があるなら構えろ!!そろそろフリーザがくる!」

 

フリーザは海から飛び出して地面に着地すると俺達を睨んだ。

 

「やれやれ、慌てなくてもそいつを始末したら君達も始末してあげたのに……そんなに死に急ぎたいか!良いだろう、それならお望み通りにしてやる!!」

 

「死ぬのはてめえだあ!!はああ!!」

 

「やれるものならやってみやがれ!!」

 

「サイヤ人の…底力を舐めるなよフリーザーーーっ!!」

 

俺も闘争拳を発動し、ピッコロとベジータも全力を解放する。

 

「「はーーーっ!!」」

 

こちらに突撃してくるフリーザに3人が気功波を放った。

 

気功波が直撃したにも関わらずフリーザには大したダメージはない。だがすぐに俺たちはフリーザに突撃する。

 

「はあああ!!」

 

「でやあああ!!」

 

「ちぇりゃああ!!」

 

「邪魔だあ!」

 

3人でフリーザにラッシュを仕掛けるが、戦闘力が大きく劣るピッコロとベジータの攻撃を捌いて気合で吹き飛ばすと俺を尻尾で弾き、ベジータの腹に拳を叩き込み、ピッコロを蹴り飛ばす。俺以外は倒れ伏すが、それでも地面に手を突いて起き上がるピッコロとベジータ。

 

「ぐぐっ…!」

 

「どれだけ小細工を使おうが貴様らがこのフリーザ様に勝つことなど無理なんだ!!」

 

「黙れ!!」

 

「っ⁉︎」

 

俺は闘争拳の倍率を上げながらも立ち上がる。

 

「勝つことができないだと…?そんな謳い文句を過信して俺達に追い詰められているのは誰だ」

 

「ふん!所詮はゴミどもの戯言、俺は宇宙の帝王…フリーザだ!負けることなど万が一もない!サイヤ人はここで1匹残らず、ここでオレが滅ぼしてやる!!それが貴様らの運命だ!!」

 

「サイヤ人の運命も、他の運命を決めるのはてめえじゃねえ…俺の運命は…俺自身が決める!!」

 

誰がどう見てもイラついているのがわかり、顔に青筋を浮かべながら片手に気弾を作り出し、俺を消し飛ばそうとするフリーザ。

 

「滅びるものか…!」

 

「っ!ベジータ!」

 

膝を着きながらも立ち上がりフリーザを睨むベジータ…その強い意志が宿った瞳に俺も右手にありったけのエネルギーを溜める。

 

「俺たちサイヤ人は滅びん!!サイヤ人に不可能など…限界なんぞ…!」

 

「これで…」

 

俺は気を放出させ、ベジータも技を放つため、持てる全ての気を集中させる。

 

「「最後だあああああ!!!(あるものかーーーっ!!)」」

 

フリーザに力を振り絞った渾身の気弾と気功波を直撃させる。

 

 

 

髪色と気が“金色”に一瞬だけ変化したことに気づくことはなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フリーザ に直撃し、噴煙が舞うと煙を腕の一振りで吹き飛ばし、空中に飛び上がり、ぼろぼろになった身体だがそれでもパワーは随分残っている上に怒りに染まった表情で俺たちを見下ろしている。

 

「はあ……はぁ…か、カカロット!元気玉とやらはまだ完成せんのか!?」

 

「いや、まだ足りねえ…もう少し…もう少しだけ耐えてくれ!」

 

「はぁ…はぁ…たくっ、世話がかかる技だぜ…」

 

「フリーザの野郎、完全にキレてやがる…」

 

次の瞬間、2発の気功波がフリーザに直撃する。気功波が飛んできた方角を見遣ると、クリリンと悟飯が構えていた。

 

「あいつら…残り少ない気で無理しやがって…」

 

「だが充分だ…!後は……!!」

 

「あんな所にも……ふふふ…まったく人をイライラさせるのがうまいやつらだ。もうここまでだ!この星諸とも、貴様らをゴミにしてやるーーーっ!!」

 

星を壊そうと気を指先に集めたフリーザ。フリーザもいよいよ本気でこの星を破壊するつもりらしい。けっ!なりふり構わなくなってやがる。それほど追い詰められている証拠だ。

 

「…っ!よし!出来たぞ!」

 

俺はそうはさせまいと闘争拳でのありったけのパワーを発動して迎え討とうとしたと同時に孫悟空の元気玉が出来上がる。俺達は魂を込めて叫ぶ。

 

「今だ!!」

 

『やれーーーっ!!』

 

「はああああっ!!!!」

 

孫悟空の両腕が、下に向かって大きく振り下ろされた。元気玉は孫悟空の腕の動きに従うように、フリーザに迫る。

 

「しっ……しまった!!」

 

フリーザは怒りで周りが見えておらず、

元気玉の事を忘れており、回避しようがない距離まで特大の元気玉が迫っていた。

 

「伏せろーーーっ!!」

 

ピッコロの言葉に俺たちは伏せる。後は元気玉に全てを託すしかない…!

 

「こんなもの……!!こ……ここ…こんな…もの…!こっ…こんな……うあああーーーっ!!!!」

 

 

フリーザは元気玉を受け止めようとしたもののあまりのパワーにフリーザを押し潰し、元気玉の衝撃が辺りに広がった。

 

元気玉の破壊力は想像を絶するもので、孫悟空含む俺とベジータは海に落ちたものの何とか生き延びていた。

 

「お父さん!ピッコロさん!」

 

「悟空!ピッコロ!」

 

「はぁ…はぁ…へへ、オラは、なんとか…無事だ」

 

悟飯とクリリンは合流したが、ゴーヤとベジータの姿が見えない。慌てて周りを見渡す二人。

 

「ま、まさか…ゴーヤ達…元気玉の爆発に巻き込まれて」

 

「いや、きっと生きてるさ…あいつらはそう簡単に死ぬ奴らじゃない」

 

「………」

 

不安そうに周囲を見渡す悟飯の前に1つの大きな水飛沫が上がる。

 

「ベジータ…それにゴーヤも!」

 

ベジータが俺の腕を掴んでおり、深呼吸すると、俺を地面に手放した。俺はピッコロを助けていたので、連鎖的に助けられた。

 

「はぁ…はぁ、チッ…世話のかかる野郎共だぜ」

 

「ごほっ!ごほっ!…た、助かった」

 

俺は思い切り水を飲んでしまい、吐き出す…危うく溺死するところだった。

 

「ゴーヤ!」

 

「ベジータ、サンキューな」

 

悟飯が咳き込む俺の背を擦り、助けてくれたベジータに孫悟空は礼を言う。

 

「あ、ありがとう…ゴーヤさんを助けてくれて…」

 

「ふん、たまたまコイツが近くにいただけだ」

 

悟飯も礼を言うが、その礼にベジータが素っ気ない態度を取る。だが雰囲気は悪くないとこを見るに照れ隠しだろうな…プライドの高い野郎だ。

 

「さあ、地球に帰るか。オラの乗ってきた宇宙船なら5日か6日で地球に帰れるぜ…ベジータ、おめえはどうすんだ?」

 

「ふん、オレには自分が乗ってきた宇宙船がある。これ以上貴様らといる理由はない。フリーザも死んだことだ。装備を整え…いずれ地球に行き、貴様らを木っ端微塵にしてやる…楽しみにしていろ」

 

「ああ…けどその時はオラももっともっと強くなっておめえに勝ってみせるさ…」

 

「ふっ、強がっていられるのも今のうちだ」

 

「俺との勝負が先って事を忘れんなよベジータ」

 

「貴様ももちろんベジータ様がぶっ潰してやる…」

 

ここにいる全員が疲弊しており、流石の純粋なサイヤ人も闘いたいとは思わないみたいだ。

 

「あっ!」

 

「な、何だ!?クリリン!」

 

突然声を上げたクリリンに全員の視線が集中する。

 

「すっかり忘れてた!ブ、ブルマさんのこと…!」

 

「驚かすなよ…またフリーザが出てきたかと思ったじゃねえか」

 

「あ…ある意味じゃブルマさん、フリーザより怖いよ…」

 

「はは…」

 

クリリンの言葉に俺もヴォミの存在を思い出す。ヴォミも連れて行かなきゃな…

 

ターレス達の宇宙船はある意味形見だ。ヴォミに頼んで地球に帰ったら、なるべくメンテナンスをしてもらわないと。

 

「はっはははは…わ、笑わすなよ。か…体中が痛えんだから!」

 

「俺はヴォミを連れて行かねえと…随分と待たせちまってるし」

 

「チッ…紛らわしいやつめ」

 

 

ベジータが舌打ちをし、クリリンの言葉にみんな笑った。ダメージの大きい孫悟空は笑うだけで体が悲鳴を上げるが、やはり笑ってしまうものは笑ってしまう。

 

ピッコロは空を見上げながら呟いた。

 

「ナメック星も酷い事になってしまった……だが、これで最長老様や、死んで行った皆も安らかに眠ることが出来るだろうな…」

 

「…?何でお前が最長老の事を知ってんだ……?」

 

ピタリと言葉が止まる。俺も嫌な気を感じて震える。

 

「あ…ああ、あ」

 

「クリリンさん?」

 

「どうしたんだクリリン?」

 

どうかしたかと孫悟空達がクリリンの顔を見る。クリリンの表情は完全に固まって青ざめていた。

 

「そ、そんな……そんな…フリーザだーーーー!!」

 

「な、なにっ!?」

 

クリリンの言葉にベジータが振り返った瞬間、ベジータの心臓をフリーザの気弾が貫いた。

 

「べ、ベジータアァ!!」

 

「か、かっはぁ…!!」

 

どさっと音を立てて、血を流して倒れ伏すベジータ。胸を撃ち抜かれて致命傷だ。

 

更に岩場の丘に立つぼろぼろのフリーザの横の上空にフリーザに似た奴が居た。しかしフリーザよりも更に強い…!!

 

「はぁ…はぁ……今のは危なかった。こ、このフリーザ様が死にかけたんだぞ……!!」

 

「情け無い弟だ。数人がかりとは言え、たかがサイヤ人のサル数匹とナメック星人、地球人に遅れをとるとはな…腕が落ちたんじゃないか?フリーザ」

 

その声にフリーザは振り向くと驚きと忌々しさで顔を顰めた。フリーザより一回り大きく、紫の肌と赤いアイラインに紺の装飾が頭部や腕、脚の中心を占める異星人。

 

「くぅ…こそこそと嗅ぎ回っているとは気づいていたが、今になって何のようだ!クウラ!!」

 

「ふん、貴様のぼろぼろの姿を見ているのにもそろそろ飽きたのでな。サウザー達を始末したサイヤ人をこの手で相手してやろうと思っただけの事だ」

 

その言葉に俺が反応する。サウザー達、あの青い奴は俺が取り逃した。だが青い奴の名前も呼んでいるって事は…ダイーズ達が倒して相打ちになったのか…

 

「ちっ、部下共を失ってとうとう来やがったって訳かよ…!」

 

俺は消耗具合は比較的少ないので孫悟空達の前に立つと言う。

 

「逃げろてめえ等!孫悟空や俺が最初にやって来た所のすぐ近くにそれぞれ宇宙船がある!ブルマとヴォミを連れてこの星を離れろ!」

 

「ゴーヤ…おめえ…」

 

孫悟空は目を見開き、俺の考えを理解したが、あろうことか、孫悟空も起き上がる。

 

「クリリン、悟飯、ピッコロ…おめえ達は行け!オラとゴーヤで何とか食い止める!さっさと行くんだ!!」

 

「でも、ご、悟空…ゴーヤ…お前たちは…」

 

問答をしている場合ではない。フリーザが動き、クウラも俺を睨みつける。

 

「ガタガタ抜かすな!早く行け!皆揃って死にてえか!!」

 

俺の一喝にピッコロ達が漸く決意して宇宙船の場所まで逃げようとする。

 

「貴様らを許すと思うか?1匹残らず生かしては返さんぞ…」

 

フリーザは人差し指を向けると赤い小さな球体状をクリリンに放つ。

 

「我が弟ながら、くだらない事をするものだ…」

 

「フフフ…」

 

と不気味に笑うフリーザ 、すると手を上空に向けるとクリリンもそれに合わせて上空に上昇する。嫌な予感がする…!!

 

「あっ…ああ…あああ」

 

「クリリン!」

 

「うあぁぁぁぁ!」

 

「クリリンさん!」

 

「貴様、何を⁉︎」

 

どんどん上昇していくクリリン。強烈な悪寒がして今すぐ止めようと俺がフリーザに突撃する進路にクウラが立ちはだかる。するとフリーザは不気味に笑い続ける。

 

「…フフフフフフ」

 

「やっ…ヤメロォー!フリーザ‼︎」

 

そしてフリーザは孫悟空の言葉を聞く耳を持たず、拳を握りしめる…。

 

「悟空ーーーーーー‼︎」

 

クリリンは孫悟空の名を呼びながら上空で爆発を起こした。

 

「ぁ…ああ…!!」

 

呆然とクリリンの爆発を見上げるしか無かった。野郎…!ベジータだけでなく、クリリンまでも…!!

 

「ふっ、醜い最期だったな…」

 

そのクウラの一言が、俺に、そして爆発させた張本人のフリーザに対しては孫悟空が反応する。

 

「き、貴様等…!!!」

 

「ゆ…ゆ…許さん……よくも……よくも……っ!!」

 

か、簡単に人の命を弄び殺しやがって…!!そして何より、罪のねえ、クリリンまで…!!

 

惑星レタの奴等の様に…!もう、もう赦さんぞ…!!

 

俺達の気が異常なほど上昇し始め、すると空から突然雷が落ち、大地が、空気が揺れるような、地面は抉れるかのように石が浮かびはじめる。

 

「よくも……よくも!」

 

すると俺達の髪が逆立ち、その異変に動揺を隠せないフリーザ。クウラも例外ではなく表情を崩して、組んだ腕を下ろした。その瞬間、髪の色が金色になり始め、それは徐々に激しく変化し始める、そして…。

 

 

 

 

 

『ああああああぁぁ……ダァァぁぁぁぁぁ‼︎』

 

 

 

「なっ…なに⁉︎」

 

「な、何が起こったと言うのだ…!!」

 

フリーザとクウラ、そして悟飯とピッコロ全員が俺達の変化に狼狽える。

 

俺と孫悟空の瞳が黒から碧に、黒髪や眉が金色となって怒りに呼応するかのように髪が逆立つ。

 

金色のオーラが身体を纏い、溢れ出るパワーと怒りを持って俺と孫悟空は仇敵を睨む。

 

「そ、孫…ゴーヤ…!?」

 

「お…お…お父…さん…!?」

 

あまりのことに状況の理解が出来ないフリーザ、クウラを含めた者達。

 

「なっ、何だあいつの変化は…!サイヤ人は大猿にしか変わらんはず…どういうことだ…!?」

 

「あの変わりようは…!まさか…!!」

 

狼狽えるクウラの前に一瞬で迫った俺は怒りとパワーをありったけ込めて無防備な鳩尾に拳を叩き込んだ。

 

「がっ!?ぐふぉお…!!?」

 

「な、く、クウラ…!?」

 

あまりのパワーにクウラがうずくまるのをフリーザは呆然として眼を見開く。俺はそれを怒りのままに冷たく見下ろした。

 

「な、なんだ…ぐっ…こ、このパワーは…!」

 

ふらつきながら起き上がるクウラを俺は凄まじい圧力で睨め付けると、クウラが冷や汗を流して後退りする。

 

孫悟空がピッコロ達に僅かに残った理性でベジータが生きている事を説明して、宇宙船の場所に有無を言わせず向かわせる。ベジータの気は弱々しいが、まだ微かに気を感じたからな。

 

「もう…貴様等は絶対に、絶対に赦さん…サイヤ人達やナメック星人、他の星の奴等…罪も無い者達も多く手にかけた貴様等を…!!」

 

「まさか…貴様等は…!?」

 

狼狽え続けるクウラ、飛び立つ悟飯と死にかけのベジータを肩に急いで飛ぶピッコロを狙撃しようとしたフリーザを孫悟空が腕を握り潰すようにして阻止する。

 

『俺は怒ったぞおぉおおおおお!!!フリーザアァアアアア(クウラァアアアアア)!!!』

 

そうして戦いは俺達が仇敵の宇宙最強を謳っていた一族を殴り飛ばして始まる。

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