Surviver of the Saiyan   作:ゆっくりblue1

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第四話です。


荒野での修行、各々の変化。

両手に気を集中させて、黄色のエネルギーを生成する。この技は威力を重視した物だ。そして気をそのまま集中させて行く。

 

「波ぁあッッ!」

 

黄色い放射線上の光線が両手から放たれ、波が大きく揺れる。岩場にあるデカい岩壁を破壊する。

 

しかし、思った以上の威力は出ず、予想以上にピッコロに付けられた重力十倍の重りが枷になっているという事だ。

 

ちっ、この程度じゃあ、まだまだサイヤ人達に太刀打ち出来る訳はない。

 

サバイバル生活をはじめて、数ヶ月、自分自身の強さの伸びに、舌を打った。修行の効果は直ぐには出ないな。だが、重りの重さには割と慣れて、重りをつける前と動きは変わらない程度までにはなった。

 

ピッコロとの組み手は俺の負けだ。むかつくが、戦闘力の強さでは上回っていたが、気の扱いではピッコロに遥かに劣っているからだ。

 

ピッコロにはこう指摘された。

 

『貴様の戦い方はパワーの使い方が常にムラがある。そして直線的で分かりやすい。俺が貴様より気の大きさが小さいにも関わらず、ガードや避ける事が出来るのはそれが甘い所為だ!もっと使い所を見極め、局所的に気を一点に振り絞って力を解放しろ!』

 

そうボロボロに倒れ伏した俺を見て俺に気をもっと上手く扱う修行を課したピッコロは俺を置いて自分自身の修行に入った。

 

腕立て伏せやスクワット、組み手だけではなく、気の扱いを上手くする必要があった。

 

今もこうして瞑想をしながら、パワーをコントロールして、適切な大きさの岩を適切な大きさの気で壊す修行やより小さな気の物を感知して、繊細な動きで気を操る練習をしているが、いまいち性に合わない。俺はムズムズする感覚に苛立ちつつも岩をバキィッと砕いた。

 

「ちぃ…コソコソと加減するのはイライラするぜ。だが、修行の成果も確実に出始めてはいるし、後はどう実戦で生かすかだな…」

 

修行の成果は地味だが、とりあえず気の扱いは随分と身体に叩き込めた。今後の実戦にどう生かすか考える。強くなっても、実戦で上手く扱えないとゴミ同然になるからな。

 

「はー……スゥ……」

 

俺は修行の疲れをとるために、川岸に寝っ転がり深呼吸をする。今日は満月の筈か…

 

「……あのガキ、今頃どうしてんだかな」

 

ふと、あのはなったれの孫悟空の息子が思い浮かんだ。あの様子で半年間をサバイバルするのは厳しいだろう。

 

「だが、彼奴も腐ってもサイヤ人の血を引いた餓鬼だ。潜在能力は俺を遥かに凌いでる、そんな餓鬼が地球の荒野程度では死なねえか……」

 

そう自分に言い聞かせて、少し休憩した後…俺はまた修行を再開した。

 

俺は従来の修行と気の扱う修行を両立して、更に負荷を上げていく。

 

おかげで慣れない加減に苛立つ事も減り、精神が落ち着いてきた。

 

その心境の変化を自覚していく中で気の扱いは上手くなって、力を解放して行動して、水面を荒立てて揺らさない修行をしていると、波の揺れも落ち着いて気の開放に伴って一定の周期で揺れ、不意に荒立つムラが無くなり始めた。

 

「……はぁっ!!」

 

気を一点に集中させて自分自身で指定した目標の岩壁を完全に破壊出来た。

 

それからどれくらいの時間が経ったのだろう。もう日にちを考えるのをやめ、ガムシャラに修行の日々に明け暮れていた。

 

「ふん、前より気の扱いはマシになったようだな」

 

「……お前に負かされてから相当修行したからな。効果が出てなきゃ困る」

 

気配を消したピッコロにそう皮肉を返すとピッコロも相当気を上げている事が分かった。

 

けっ…今の俺で圧倒出来ると思ったが、そういう訳でもねえなこりゃあ…

 

「……それで、俺に用がある訳じゃねえんだろ?」

 

「ああ、それにしてもこの6カ月で何をやっていたかは知らんが、前より幾分マシになったように見える。サイヤ人達の戦いに向けてあのガキと一緒で貴様は重要戦力だ。これくらいは熟せないようでは困る」

 

鋭い視線を向けるピッコロ…ふん、随分と安い挑発だぜ。だが、言われなくても敵は未知数、気合いを入れ直すか。

 

「俺よりも、お前が重要だと言った餓鬼がもっと課題が多そうだがな、修行中に満月が出て大猿になった時は目を疑ったぞ」

 

最初の日に泣きべそ掻いていた孫悟飯が満月を見て大猿になった時、急いで観に行ったが、同じく駆けつけたピッコロが大猿になった孫悟飯に苦戦した末に満月を破壊して事を終えたのは鮮明に覚えている。

 

「ふん…月は消した。貴様も大猿になる事も、サイヤ人達が大猿に変身することもない。着いて来い。その餓鬼のところに向かうぞ」

 

ピッコロがそう言いながら飛び立つので俺も共に空を飛び悟飯の元に向かう。道中、何も言わなかったが、お互いに強くなっているのを認める事が出来た気がする。

 

そして、悟飯のいる場所に着いた。俺は思わずほぉ…と感嘆の呟きが漏れた。最初の頃とは随分と見違えたじゃねえか。気と雰囲気も随分と強くなったように思える。

 

俺達が降り立つと悟飯は真っ直ぐに力が付いた笑みを浮かべてきた。

 

「お前、随分雰囲気が変わったな…まだまだガキとは言え、やるようになったじゃねえか。気で解る」

 

「うん!ゴーヤさん?も最初に会った時より雰囲気の荒々しさが減ってると思う」

 

「そうか?……まあ気の扱いは身につけられたぞ」

 

俺自身は劇的な変化がある訳ではないが悟飯は主に精神面がかなり強くなっているのだろう。あの弱気な性格があまり感じられない。もう泣きだす弱々しさはなさそうだな。

 

ふっ、サイヤ人らしい面構えも出来るようになったじゃねえか。

 

「ふん。では、本格的にしごいてやるとするか」

 

そんなこともつかの間。ピッコロとの修業が始まる。ただし俺は重りをつけたままらしい、

 

「ゴーヤ、まずは貴様からだ」

 

最初は、俺からするようだ。俺は待ってたようにニヤリと笑った。ちょうどいい…一泡吹かせてやるチャンスだ。

 

「肩慣らしに丁度いいぜ…」

 

「ふんっ、殺す気でくるんだな。オレも手加減はしないぞ」

 

「なら、遠慮なく行かせてもらおうか!」

 

クラウチングスタートで勢いをつけピッコロにパンチをする。

 

「(っ!あの動きは、それに最初の手合わせよりも速い!!)」

 

「ずえりゃぁ!」

 

剛速で間合いを詰めて、気を込めた俺の拳は受け止められる。そして反撃するピッコロの拳と蹴りを紙一重で躱し、距離を取る。

 

悟飯はその様子を驚きながら見つめていた。アホヅラ晒してやがる…てめえも出来なきゃ困んだよ!

 

「ほう、なかなかの動きは出来るようだな。ならこれはどうだ!」

 

ピッコロは上空に上がり、複数の気弾を放つ。気弾の大きさは最初の頃と変わらないが、中に込められた気の量は格段にパワーアップしている。

 

組み手だと思ったが気弾を使うところを見ると実践さながらだ。悟飯に教える為か。

 

「ゼェア!!」

 

俺は両手を迫る気弾に向けて連続で全て弾き飛ばすと弾かれて飛んでいった気弾は爆発した。

 

その隙にピッコロが背後に瞬間的な速度で回り込んで気を込めた左拳を繰り出してきたので、俺も振り向いて軽く受け止めた。

 

随分速くなってんな…重りを付けながらこのスピードと正確さ、流石だ。ピッコロの強さを肌で感じているとピッコロも距離を置いて舌を打つ。

 

「ちぃ…俺も最初とは比べ物にならないくらい強くなったが…貴様もやはり相当だな」

 

「へへっ…てめえより強くなるためにはもっと修行しなけりゃダメだがな」

 

「ふんっ!大きく出たな。だが、まだまだだ!!」

 

「へっ、まだまだこの程度でじゃないぜ!はぁあ!!」

 

俺は気を解放して、超スピードで消えては現れを繰り返す撹乱の移動をして不意にピッコロの真横から現れて気弾を放つ。

 

「波ァ!!」

 

「撹乱しながら真横から速い気弾の攻撃かっ!」

 

ピッコロは手を横にかざして受け止める。だがそれが狙いで敢えて威力を抑え、その隙に俺は気を消して迫って回し蹴りを繰り出す。

 

「でやぁ!!」

 

「甘い!」

 

だが、それも受け止められる。そして、俺は足を掴まれそのまま上空に投げ飛ばされ、目の前に気弾が迫り、回避するが…っ、後ろか!

 

ピッコロが気を消して背後に現れ、目から光線を出してきたので俺も高速で距離を置いて避ける。

 

「これも避けるか、随分動きが良くなったようだな」

 

「抜かせ。目から光線たぁ、随分手が込んでやがるな」

 

俺は濃密な実践の流れとピッコロの強さに笑う。親父とも組み手をしていたとはいえ不意打ちを多様した修行はそこまでしていない。

 

「ふん、最初より大人しいな。もう終わりか?」

 

「てめえも緩い攻撃じゃねえかよ。だぁ!」

 

俺はまた今度はピッコロに殴りにかかる。

 

「だりぁっ!!」

 

「ふんっ、それも悪手だ!」

 

俺のラッシュを受け流していく。そしてカウンターで蹴りを腹に貰った。

 

「がはっ!……ふん、そいつは本命じゃねえ!」

 

俺は腹に蹴りを貰ったが、ニヤリとピッコロに笑いかけるとその場からふっと消えた。

 

「何!?」

 

「隙有りぃ!!」

 

消えた俺に驚いたピッコロに超スピードで背後に回った俺はピッコロの顔に気を込めた左拳を打ち込んだ。

 

「ぐはぁっ!…ちぃ、蹴りを敢えて受けやがったのか」

 

ピッコロが吹っ飛んだのを舞空術で急停止して顔の傷を拭った。血を付けたか。少しは効いただろ。

 

「す、すごい…」

 

悟飯はその様子に見惚れている様子だった。

 

「ふんっ。お前はここまでだ。次は孫悟飯、貴様の番だ」

 

「え?」

 

ピッコロは構えを解き、悟飯の方に向き直る。面白いのは此処からだったってのに…仕方ねえか。

 

俺も構えを解いて地上に降りると、ピッコロ対悟飯の戦いに目を向けた

 

次は悟飯の番だ。しかし、気の扱いが全然なようで動きが読めず簡単にピッコロから攻撃を受けている。

 

「うしろだ!」

 

「ぎゃっ!」

 

俺は気が扱えるから捌けて当然の攻撃だ。精神面は強くなったかもしれないが、悟飯は俺と違い修行を始めた時期、時間も短く誰かと組み手や修行をしたことがないから当然だ。気の扱いが未熟なのもその所為だ。

 

「そ、そんなにはやいの、見えっこないよ…」

 

「見るのではない、感じるんだ。サイヤ人のゴーヤは当たり前のように出来ていたぞ。同じ種族の貴様にもできない道理はない」

 

これに関しては気の流れを感知出来ないと難しいだろう。だが悟飯なら直ぐに習得するはずだ。自身の潜在能力を、実践によって引き出すことは俺が経験してきた事だ。

 

「食事と睡眠以外は、この俺との闘いだ!覚悟しておけ。」

 

「そそ、そんな…し、死んじゃうよ…」

 

「だったら強くなれ。この俺よりも、そして6か月後にやってくるサイヤ人よりもな」

 

「……」

 

へっ、こんなにもキツいのにワクワクすらぁ。それにピッコロは俺達に悪意がある訳ではないのは直感で解る。

 

その後も交代でピッコロと実戦形式の組み手が続き、悟飯はへとへとのまま夜を迎えた。

 

俺は恐竜の尻尾と遠目のところに成っている木の実をとってピッコロと悟飯と野営していると悟飯が腫れ上がった顔で言った

 

「ねえ、ピッコロさん。昔お父さんと闘ったんでしょ?」

 

焚き火の温まってる中、ピッコロにボコボコにされ、顔を腫らした悟飯はそう聞く。俺も気になっていたことだ。

 

「まだ闘いは終わっていない。 サイヤ人を倒すことが出来たら次は貴様の父の番だ」

 

「孫悟空が簡単にやられるようには思えんが…彼奴もサイヤ人だ。あの世で想像できないくらい強くなって帰ってくるだろ…」

 

あの世に修行が出来る環境があるのは想像出来んが。だが孫悟空にも戦闘民族の血がある、強くなる気さえあれば何処でだって強くなれるだろう。

 

「それにお父さん言ってたよ。生まれ変わったピッコロさんは前みたいにむちゃくちゃ悪い人じゃないみたいだって」

 

「……」

 

悟飯の言う通り言葉遣いもキツイが今のピッコロはそこまで悪人じゃない。本当に悪人であれば今頃世界中はパニック状態に陥ってるだろうし、悪人にしてはどうも甘い。

 

「下らんことを言ってないでさっさと寝てしまえ!明日は、こんな優しいしごきじゃないぞ!!」

 

「はっ、はい!」

 

怒鳴られた悟飯は睡眠をとる。不機嫌に眼を瞑ったピッコロを見て俺は照れ隠しが…と思いつつ、もう少し瞑想しておこうと少し離れた場所で瞑想を始める。

 

不思議と、此奴等とならもっと強くなれるだろうし、充実した修行になりそうだ。もっと気合いを入れて修行に打ち込む決意をした。

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