Surviver of the Saiyan   作:ゆっくりblue1

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第五話です。早くナメック星〜フリーザ編行きたいな。


死闘没発!恐るべき敵のサイヤパワー!!

「でりゃあ!!」

 

「たあぁぁっ!!」

 

ピッコロと悟飯と共に修行を続けて更に月日が流れる。俺達は着実に力をつけている。

 

そしてここまでで悟飯は気のコントロールや感知能力や舞空術を習得した。気功波に関してはサバイバル生活の間に独自で出来るようになっていたらしい。

 

後は俺と悟飯はボロボロになった道着をピッコロに新しくしてもらった。俺はそのまま黒色の道着だが悟飯はピッコロにより紫道着で白のハチマキが付いていた。俺とピッコロは重りもそのまま有りでもっと厳しい修行を続けている。

 

そして今、俺と悟飯は互いに組み手をしており、ピッコロは岩柱の上で浮きながら瞑想をしていた。

 

「魔閃光!!」

 

「クラッシュレイ!」

 

新たに覚えた技で互いの気功波が衝突し爆発が起きる。その爆発に紛れて高速で間合いを詰める。

 

「隙だらけだ!」

 

「うわぁっ⁉︎」

 

俺は気を限りなくゼロにし一瞬だけ解放して悟飯に接近し、蹴りをくらわせると、悟飯は岩壁に激突した。

 

「へ、また俺の勝ちだ。悟飯」

 

「いててて、ゴーヤさん容赦なさすぎじゃない?」

 

「当たり前だ。このくらいやんなきゃ修行にならねえ。この地球の命運がかかってるんだ。お前は甘い、ハッキリ言ってやる、癪だが潜在パワーはお前が最強なんだ。その力を使いこなせたら間違いなくサイヤ人に勝てる」

 

「……そんなこと言われても」

 

今の所、悟飯との組み手は全勝している。戦闘経験の差や環境の差を抜きにしても引っかかる。

 

悟飯は優しく、元々戦いは好きじゃない性格故、あまり攻撃に害意を感じない。それは地球の環境由来だろう。しかし、俺に言わせれば甘っちょろい。

 

悟飯が潜在的な力を発揮する時は怒りを感じて我を忘れる時だ。悟飯はそれを上手く使いこなせない。かといって、無理に怒らせ、力が暴走なんてしたら話にならねえ。

 

どうしたものか…正直なところ悟飯が潜在能力を持て余している様が同じサイヤ人としてはもどかしくて仕方ないんだがな。

 

「まあ、実践に使えねえものは仕方ねえ。とっとと続きをやるぞ」

 

「う、うん」

 

考えたことを頭の隅に追いやり、再び俺は構えて、悟飯と組手を再開する。

 

ピッコロも潜在能力に関しては手を出してないからな…俺もいい手が今のところ思いついてない。

 

そして、ピッコロから指導される事、自分の独自の修行に明け暮れること更に数ヶ月、サイヤ人がやってくる1日前、突然、空が暗くなった。

 

「ひ、昼間なのに、急に暗くなっちゃった」

 

「もしかして、これが噂に聞くドラゴンボールの…」

 

「そうだろう。いよいよだな、ゴーヤ、おまえはその重りの服を軽くしてやる。そこに立て」

 

「とうとうか…」

 

俺はピッコロの前に手を翳されると服が光る。特に服の変化はないが身体がとても軽くなった。

 

「……っ!とんでもねえ、身体がさっきまでとは段違いに軽い…っ!!」

 

俺は自分の身体の軽さとパワーの込めやすさと抑えられていた気に自分で驚いた。これほど強くなってるとはな。

 

これならサイヤ人達に充分通じる。ピッコロも眼を一瞬見開く程だった。

 

「サイヤ人が来るまでその状態で身体を慣らしておけ。それが最後の仕上げだ。わかったな?」

 

「言われなくても分かってんよ!」

 

俺たちは気を引き締めてこの状態を慣らすため仕上げにかかる。

 

ドラゴンボールが使われて翌日、サイヤ人が襲来する日。2つの物凄い気が現れた。

 

「「!!」」

 

「!!…と、とうとう来やがったな」

 

「ものすごい気だ…しかも片方は更に…」

 

すると遠方から巨大なきのこ雲が発生し、その衝撃が今いる場所に伝わってくる。しかも今ので相当多くの気が消失した。おそらくサイヤ人が地球人の命を奪ったのだろう。関係ねえ奴を巻き込みやがって…俺は自然と両拳に力が入る。

 

一つは俺でもパワーを出し切れれば今の状態なら勝てる。だが、もう片方はフリーザ軍の幹部クラスだ。正面切っても正直なところ勝てねえ。

 

……どう戦術を立てるかだな。ピッコロの粘りと俺の戦闘力、悟飯の潜在能力を全て活かせばどうにか、か。

 

そして、二つの気が移動し始めた。かなり速い。しかも向かっている先は…!ピッコロが言う。

 

「来る!やつらはここに来るつもりだ。気を引き締めろ!」

 

「はい!」

 

「分かってる!格上との闘いなんざ嫌ってほど経験してきたからな!!」

 

「恐れることはない。俺達は1年前とは比べ物にならんほど強くなった」

 

ピッコロはそう意気込むともう一つ何かが近づいてくるのを感じた。

 

「!!他にもまだこっちにやってくるやつが...!」

 

「サイヤ人!?」

 

「いや、この気は…」

 

この気、前に来たサイヤ人やガーリックjrよりデカい。だが邪悪さはねえな。気の扱いを死ぬほど修行してきたんだ、間違えるはずがない…数分するとこちらに向かい誰かが降りてきた。

 

「やぁ!久し振りだなピッコロ」

 

気の正体は地球人だ。スキンヘッドに山吹色の胴着を着た男だった。ピッコロは皮肉を言いながらも心強そうに言った。

 

「なんだ貴様か…ここにいったい何のようだ?邪魔者にでもなりに来たのか?」

 

「そう言うなよ。これでも少しは腕をあげたんだからさあ」

 

「思い出した!亀仙人様のところにいた人」

 

どうやらピッコロや悟飯は知っているらしい。地球人にしてはかなりの使い手だ。

 

「ああ!クリリンだ。お前、ずいぶんたくましくなったな!」

 

「お久しぶりですクリリンさん!クリリンさんも一緒に闘ってもらえるんですね!」

 

そう喜ぶ悟飯に、クリリンも照れた様に笑った。そして俺を見た。

 

「…お前、死に際に悟空が話していた味方のサイヤ人だろ。サイヤ人がこっちにもいるのは心強いぜ」

 

「…アンタも地球人にしては腕が立つみてえだな」

 

「おしゃべりはそこまでだ。来たぞ!」

 

ピッコロが会話を区切ると空に2人のサイヤ人が現れる。1人はガタイの大きいハゲのサイヤ人だが、もう1人は隣のやつなんかよりも比べ物にならないくらい強い気だ。

 

小さい方が、気がデカい方か。この戦闘力、どう相手取るか…

 

「なるほど、お待ちかねだったようだな」

 

「そういうことだ。念のために聞くが貴様ら 、ここに一体何しに来やがった!」

 

ピッコロが二人を睨め付けて聴くと、小さい方が何かに気付く。

 

「その声…そうか、ラディッツを倒したのは貴様だな?」

 

「声…?」

 

「ラディッツが言わなかったか?こいつは通信機にもなっているんだ。」

 

正確な場所がわかるところをみるに、スカウターで俺たちの気を捉えていると推測する。なるほど気は使えねえのか…!

 

「あいつ、ナメック星人だぞ」

 

デカブツの方がそう呟くのでナメック星人?その会話を聞いたピッコロを含めた俺達が怪訝な表情をする。

 

ナメック星…惑星レタで親父から聞いたことがある。ピッコロはそこの出身だったのか。

 

「らしいな…ドラゴンボールとかいうやつをつくったのは貴様だろ!」

 

「ド、ドラゴンボールのことまで知っているのか…⁉︎」

 

「そのドラゴンボールが一番の目的だ。とっとと俺たちによこすんだな!いくらナメック星人だってよ…1匹やそこらじゃ俺達にはハエみてえなもんだぜ」

 

「ハエみたいなもんかどうかは、試してみやがれ!」

 

「いいだろう。力ずくでも言わせてやる」

 

「!この気は」

 

そしてさらにこっちに向かっている気を感じた。他にも誰かやってくる。おそらく地球人の戦士だろう。

 

「…バカめ!その程度の戦闘力で俺達にはむかうつもりか?」

 

「ナッパよ、スカウターを外せ。こいつ等は闘いにおいて戦闘力を変化させるんだ。こんな数字は当てにはならん」

 

「そういやそうだったぜ。弱虫ラディッツの馬鹿はスカウターの数字に油断してやられやがったようなもんだったからな」

 

そう言って2人ともスカウターを外す。それに今なんて言った?あのサイヤ人が弱虫だって…

 

当時の孫悟空やピッコロが未熟とは言え、圧倒した存在であるサイヤ人を?

 

「よ、よわむしラディッツだと…」

 

「ラ、ラディッツって…悟空とおまえの二人がかりでやっと倒したっていうサイヤ人だろ…?」

 

「そうだ。ちょっとこいつ等のお手並みを拝見させてもらうか。おいナッパ、栽培マンがあと7粒程あっただろ。出してやれ」

 

「へへっ、お遊びが好きだなベジータ」

 

ナッパがビンを取り出し、その中に入ってる種みたいなものを土に植えた。すると、土から緑色の化け物が出てきた。

 

「ひえ~!き、気味の悪いやつらだな…」

 

気持ち悪いのは確かだが、気の大きさで解る。フリーザ軍の一般兵士レベルはある。そんな野郎が七体だ。油断はできない。そして、三人はやって来た。

 

「よう!遅くなったな」

 

長い黒髪で顔に傷のあるクリリンと同じ胴着を着た男と三つ目のスキンヘッドの上裸で緑のズボンを履いた男に白い肌に黒い帽子と白いインナーにズボンを履いた小さな男が来た。

 

小さな男は兎も角、残り二人はクリリンと同じくらいの実力はありそうだ。この人数で連携して闘えば、小さい方のサイヤ人も勝機はある!

 

「おやおや、そっちもたくさんお出ましだな。7匹か…ちょうど栽培マンと同じ数」

 

そして、1人ずつ順に闘うことになった。ちぃ、まどろっこしい。俺達を格下と思って油断してやがる。

 

「こっちのやつからいけ。思い切りやるんだ。いいな?」

 

まずは三つ目のスキンヘッド…クリリンが言った天津飯が闘い、栽培マンを倒した。サイヤ人は少し驚いていた。

 

栽培マンは起き上がろうとするが、ベジータによって一瞬で殺された。

 

あの野郎…自分達で生み出した道具とはいえ仲間を殺しやがった。俺はその光景に密かに怒りを抱いた。

 

「べ、ベジータ…なぜ!?」

 

「これ以上やっても時間のムダだ。やつには勝てんだろう。おまけに、あの栽培マンははじめにやつを舐めてかかった… オレは言ったはずだ。思いきりやれとな…」

 

そして次にヤムチャが闘い、かめはめ波で栽培マンを倒した。この調子だと栽培マンは余裕で倒せるだろう。

 

「お前達が思っているほど、この化物たちは強くなかったようだな。残りの5匹も、この俺1人で片づけてやるぜ…」

 

確かに栽培マン程度ならヤムチャなら充分倒せるだろう、だが何故か嫌な予感がしてならない…

 

栽培マンから怪しい黒いオーラが見えた。気が全然減ってない…!

 

「今度は、甘く見たのはお前たちのようだな…」

 

「なに!?」

 

「!?ヤムチャ、栽培マンから離れろーっ!!」

 

嫌な気を感じた俺は咄嗟にヤムチャにそう言う。が、ヤムチャが動き出すより速く、倒したと思っていた栽培マンは動き出し、ヤムチャに抱きつく。そして、突如体が光り出し、気が膨張すると爆発した…

 

「そう…それでいいんだ」

 

いきなりのことだったので反応できなかった。ヤムチャは油断したのか何もできず爆発をモロに食らった。クレーターを作るほどの爆発…じ、自爆出来るのか!?

 

「なんてやつだ…自爆しやがった…」

 

「や、ヤムチャさん!!」

 

俺とクリリンが急いでヤムチャに駆け寄るが、ヤムチャの気は全く感じず既に死んでしまっていた。

 

「死んでやがる…くそっ、こんなにあっさりと」

 

するとクリリンが血管が頭から浮き出る程の怒りと気を膨れ上がらせて構える。

 

「くそったれ!みんな離れてろーーっ!修業の成果を見せてやる!」

 

「は、はい!」

 

クリリンは威力が高いが、速度が遅い気功波を放つ。何をする気だ。と俺達は飛び退いた。

 

サイヤ人と栽培マンに当たる直前に、わざと上に晒し、腕を振り下ろすと気弾が拡散してエネルギーの雨が降り注ぎ、3匹の栽培マンを倒す。

 

サイヤ人にも当たったが、倒れているとは思えない。だが、俺達を侮っているからか、動きはない。

 

「す、すごいや!」

 

と悟飯が言っていると、残りの栽培マンは拡散エネルギー波の爆発に紛れて俺と悟飯めがけて攻撃してきた。

 

「ギキャ!」

 

「不意打ちなんざ読めてんだよ!」

 

俺は拳に一瞬だけ気を大きくさせ、栽培マンの頭部を砕いて倒す。油断しなければ今の俺には大した相手ではないし、気のコントロールを極めれば体力の消耗も格段に軽減できる。

 

俺は倒したが、油断していた悟飯はピッコロに助けてもらっていた。ち、悟飯の野郎、この程度でビビってんじゃねえ!

 

「あ、ありがとうピッコロさん」

 

「勘違いするんじゃない、誰が貴様なんぞ助けるか。ゴーヤは対処していたぞ」

 

と言いながらも助けてやがるあたり、すっかり悟飯に情が移ってやがる…師匠が板ついたか。

 

すると、ナッパとベジータ王子が煙の中から出てくる。全くダメージをあたえていない…少し埃を被った程度だった。

 

「ではそろそろお前たちの望み通り、お遊びは終わるとするか…」

 

「バ、バカな、まるでこたえていない…!」

 

するとナッパが1人前に出てきて戦闘態勢に入る。

 

「……!」

 

そして栽培マンと同じように黒いオーラと邪悪な気が感じられた。

 

この気…ガーリックjrと言い、さっきの栽培マンといい、いやにめちゃくちゃな気だ。

 

だがさっきまでは荒々しくても普通だった。何で急に…?

 

「俺にやらせてくれ。一瞬で6人まとめて片づけてみせるぜ」

 

眼を妖しく光らせてナッパは気を高めはじめる。すると、大地が震えはじめ、とても恐ろしい気だ…

 

このデカブツ…!?気がさっきより明らかにデカくなりやがった!

 

その気の大きさに嫌な予感がして咄嗟に俺も構える。

 

「さあて…どいつから片づけてやるかな」

 

「来るぞっ!!!」

 

「…!天津飯っ!避けろ!!」

 

まず狙われたのは天津飯だった。ナッパに攻撃されてしまって反応できず片腕をやられてしまった。

 

「う、腕がぁーっ!!」

 

「くっく、脆い奴だ…」

 

目では追えるが攻撃力が想定を上回っていた。そして、地面に大穴が開く。

 

「やらせねえ!!」

 

構えていた俺は咄嗟に気を全開にしてナッパに間合いを詰める。

 

「ガキが、突っ込んできやがって、そんなに死にてえか!!」

 

天津飯に追撃しようとしたナッパを不意打ちで殴り飛ばす。

 

が、殴り飛ばしても直ぐに立て直して超高速で前蹴りを放ってくる。

 

「ちぃ!」

 

咄嗟に腕を交差させて受けるが、あまりの力に吹っ飛んだ。

 

そのまま俺を叩き込もうと剛腕を右手で振るうのを避けて、こっちもラッシュと蹴りで応戦する。

 

「ほぉ…あの餓鬼、ナッパを相手に喰らい付くか。それにあの見た目、サイヤ人か…?」

 

ベジータの呟きが、超高速で動いているラッシュの拳と蹴りのゴーヤとナッパの姿に対して消えていく。

 

「だぁら!!」

 

「鬱陶しいんだよ、この餓鬼ぃ!」

 

俺の拳や蹴りは全力の気とパワーを込めて放っていて、デカブツの攻撃は受け流しと回避に専念して避けているが、デカブツの野郎はてんで答えてねえ…

 

戦闘力以上のタフさを持ってやがる…!今のままじゃあ何発やってもダメージになんねえ。

 

ビシュン!ビシュン!と高速で空中戦を繰り広げてデカブツのタフさに戦慄していると、デカブツの大ぶりな蹴りを躱して一旦距離を置く。俺は息切れを整えて次の手段を考える。

 

「はぁ…はぁっ…くそったれ、恐ろしいほどタフな野郎だ」

 

俺は息切れする程、パワーと気を振り絞って戦ってんのにデカブツの方は傷が有っても息は切らしてやがらねえ…

 

「餓鬼にしちゃあ良いパワーだが、その程度エリート門出の俺様にゃあ通じねえ!」

 

そしてデカブツが飛び込んでくるのを気弾で迎え討とうとして餃子がデカブツの背後から気を消して近づいてきているのに気付く。

 

「あの野郎、何をする気だ…!?」

 

するとピッコロ達も餃子の姿を見つけたのか、天津飯が驚愕している。

 

そして餃子は死角からデカブツの背後にしがみつく。デカブツが引き剥がそうと動くが、身長差の所為か、手が届かない。

 

「チャ、餃子…一体何をする気だ…っ!?逃げろぉー!」

 

「さよなら天さん、どうか…死なないで…!」

 

圧倒的な力の差がある中、餃子が取る策を察した俺は慌てて言った。

 

「馬鹿野郎っ!速く離れろー!てめえまで死ぬ気かーー!!」

 

キュィイイン…と餃子は光り始め、そして。

 

ドッカアアアアァアァーーーーンっ!!!

 

餃子がナッパの背中で自爆してしまった。餃子も死んでしまった…しかし、ナッパは生きていた。

 

急いで地上に降りてピッコロ達と構える。くそ、ヤムチャも餃子も…あっけなくやられちまった。餃子は命まで張ったってんのにあのデカブツはピンピンしてやがる…!

 

「皆殺しにしてやる…!」

 

デカブツはコケにされたと思ったのか、怒りに顔を歪ませる。するとピッコロがコソッと言った。

 

「お前ら、よく聞け…」

 

ピッコロから作戦を言われる。そして俺とクリリンは無言で頷き行動に移す。

 

「今だ!!」

 

天津飯に攻撃を仕掛けようとしているナッパの横からピッコロが肘打ちで殴る。

 

そして吹っ飛ばされるナッパに、今度はクリリンが現れ、スレッジハンマーで攻撃する。その隙を逃さず、俺も間合いを詰める。

 

「ぜぁっ!」

 

「グハッ⁉︎」

 

俺が、デカブツの背中に二発の拳と蹴りをくらわせた。そしてピッコロが叫ぶ。

 

「悟飯今だ!!撃てーーっ!」

 

吹き飛ばされた方向には悟飯がいる。しかし…

 

「こ、怖いよぉ…!」

 

「ご、悟飯!」

 

「クソガキめぇーーー!」

 

悟飯はデカブツの実力に怯えていて、撃つことができなかった。あの餓鬼…!ここにきて怯え腰か!!

 

「くっ、ピッコロ!」

 

「くそったれがぁ!!」

 

「ちぃ!」

 

遅れて三人がかりで気功波を撃つが、タイミングが遅かった為、上に飛んで避けられた。

 

「やってくれたじゃねえかてめえら、さらに寿命を縮めたな!殺してやる順番を変えることにしたぜ。覚悟しな!」

 

「餃子…俺も行く。お前にだけ寂しい思いはさせん…!」

 

「これが、最期のッ、気功砲だぁああッ!!」

 

時間が稼がれた天津飯は、ありったけの気を注ぎ込み全てをかけた気功砲を放つ。

 

バゴオォオオオンン!!地鳴りが起こり、強烈な爆発が起こるが、ナッパのタフさによって砂埃が身体に有りつつも耐えられる。

 

「ふぅ…驚かせやがって…」

 

「む…無念…」

 

そして、その言葉を最後に天津飯は力尽きてしまった。天津飯ッ…!てめえまで…!

 

命を捨てんじゃねえよ…!!俺は悔しさの余りに歯を噛んだ。

 

「フン、馬鹿め…自ら命を無駄にしたか」

 

天津飯まで、信じがたい事実にたった一人の強大な敵に命を散らせた。クリリンが思わず力の限り叫んだ。

 

「悟空ーーー!!早く来てくれーーーっ!!」

 

「ゴクウ? ナッパっ!待ていっ!!」

 

ナッパは攻撃を仕掛けようとするが、ベジータに止められて急ブレーキをし、その場に留まる。予想外の急制止に俺達も驚く。

 

「な、なんだよベジータ!なんでやらせない!?」

 

「そいつ等に聞きたいことがある。お前達が言うソンゴクウというのは、カカロットのことだな?」 

 

「そうだ、だからなんだ!」

 

ベジータの問いに警戒しながらもクリリンが答える。孫悟空……惑星ベジータの名前はカカロットっていうのか。

 

「よかろう、やつが来るまで待ってやる。ただし、3時間だけだ」

 

そして、勝負は一時中断となった。だがナッパは待つまで我慢できないのか、何処かに飛び立ってしまった。

 

地球を破壊しようとしてんじゃねえだろうな…?と言っても小さい方に怯えていたからそこまですることはねえか。

 

「ご、ごめんなさい。ぼ、僕怖くてつい…」

 

「きえろ…!貴様のような臆病者に用はない。貴様に期待した俺の方が情けないぜ」

 

「む、無理ないさ、初めての実践がこれじゃ、よく頑張った方だぜ…く、くそ、いったい何してるんだよ悟空!」

 

「……それにあの小さい方の相手もあるんだ。孫悟空が合流するまで俺達が保つかどうか分からねえ、どっちみち敗ければ終わっちまう。タイムリミットは孫悟空が来るまでの三時間だ」

 

その間にあのデカブツを片付けられる作戦を考えねえと、俺はまだしもクリリンや悟飯は死ぬかも知れねえ…

 

ピッコロが死んだ時、ドラゴンボールが失われたらもう二度と死んじまったヤムチャ、餃子、天津飯は生き返れねえんだ。

 

「お父さん…」

 

既にこの戦いで三人の犠牲が出た中、俺達はただ孫悟空が三時間以内に来ることを願うことしかできなかった。

 

孫悟空が来るまで体力を温存しながら待っていたが3時間が過ぎてしまった。気も未だ感じない。ちっ…!何ちんたらやってんだよ、あの呑気野郎!!

 

「時間だ。どうやら待っても無駄だったようだな」

 

ついに、ベジータが死闘の再会を言った。デカブツも待ちに待ったように合流して休めていた身体を動かす。

 

孫悟空は当てになんねえが、合流が間に合うまでもう少し耐えるしかねえのか。

 

「く、くそー……何で来ないんだよ!いよいよ俺も死んじゃうかもな…せめて、一回くらいは結婚したかったぜ」

 

「クリリンさん…」

 

悟飯がクリリンに対して呟く。そんなことはお構いなしに、ナッパは準備万端のようだった。

 

「さーて、じっくりと痛めつけてやるか…カカロットに見せてやれないのは残念だったがな…」

 

すると、ピッコロがある作戦を思いついたのか、冷や汗を流しつつも冷静に小声で俺達に話しかける。

 

「……勝てる可能性がたった一つだけある。勿論、上手くいけば、の話だがな。いいか、まずクリリンだったな?お前がやつの注意を目一杯ひくようにしかける。そしてオレが隙を見つけてサイヤ人の弱点であるシッポを掴む。」

 

「そ、そうか!」

 

「待て!あいつらも馬鹿じゃねえ…ラディッツって野郎の時と違って、その弱点も克服している筈だろうが…」

 

サイヤ人の一番の弱点は尻尾とされている。尻尾の有るサイヤ人が満月を観ると戦闘力が十倍にも跳ね上がる尻尾。

 

握られると力が抜けてしまうが、そんな弱点をそのままにしておくはずがない。

 

俺も惑星レタで闘いながら過ごしている時に尻尾を握られてピンチに陥っちまったから、二度目はもう握られても力が抜けねえように訓練して克服した。

 

「あ、そ…その可能性もあるのか、悟空も尻尾があった時はその弱点を克服していた」

 

「…一か八かだ。やってみるしかなかろう。いいか!俺が尻尾を掴んだら、ゴーヤと悟飯が目一杯力を振り絞って突っ込め!」

 

「う、うん!今度こそ…!」

 

「……ちっ、まともな戦術を立ててもあのタフなデカブツに通じるか分かんねえし、そいつに賭けるしかねえか…!」

 

そう言って、作戦の通りにやろうと、俺とクリリンはデカブツの注意を引き、ピッコロも向かっていった。ピッコロは上手く尻尾を掴めた。が、恐れていた作戦の穴が見事突かれた。

 

やはり、デカブツも弱点の尻尾を既に克服してやがったか!

 

「バカめ!!」

 

ナッパは作戦を嘲笑うかのように、ピッコロに肘打ちをした。脳天に直撃してピッコロは大ダメージを受けてしまった。

 

「はっはっは!とんだ計算違いだったな。俺達がそんな弱点をいつまでも鍛えずに放っておくと思ったのか」

 

「ぴ、ピッコロさん!」

 

「くっ、やっぱり…!そうなるとあのベジータってやつも」

 

「も、もう駄目だ…!」

 

その時、懐かしい気を感じた。前に感じた気よりもずっと強く、大きくなった逞しい気だ。

 

孫悟空か!間違いなくこっちに向かってくる。俺以外はまだ気づいていないみたいだが、後はあの野郎が来るまで粘れば、孫悟空のこの気の大きさならデカブツには勝てる!

 

随分と待たせてくれやがったが、漸く反撃に転じれる!そう思っているとベジータが言う。

 

「まずは、カカロットの息子からだ。お前もサイヤ人の血をひいているんだ。少しはこの俺を楽しませてくれるんだろうな」

 

「あがっ…!」

 

ピッコロを地面へ落としたナッパは、そのまま歩いて悟飯に近づく。俺は怯える悟飯に叫ぶ。

 

「馬鹿野郎!避けろッ!!」

 

俺の叫び虚しく、デカブツは無防備な悟飯を蹴飛ばした。そして浮いた悟飯にそのまま平手打ちをして吹っ飛ばす。

 

「て、てめぇえっ!」

 

「さて、次は貴様の番だ」

 

そう言って、怪しくオーラを漏らして俺に攻撃を仕掛けてきた。

 

デカブツの猛攻を避けながら、俺は拳や蹴りのラッシュを繰り出すが、急所は避けられたりもして今一決定打にならない。

 

「く…!…ふふふ、お前が仲間の中で一番強えようだが…フンッ!!」

 

「っ!」

 

俺はナッパの一撃をなんとか防御するが、空中から地面に叩きつけられながら体勢を立て直してエネルギー波を放つが、飛んで躱されてしまう。

 

「くっ…!(なんて威力だ…今ので腕が痺れて)」

 

俺は内心悪態を吐いて痛む腕をさすり、悟飯の方はなんとか立ったようだ。こんの馬鹿力が…!

 

「こんにゃろーっ!!」

 

クリリンが不意打ちでナッパの顎を蹴り上げ、そのまま追撃のパンチを見舞う。そして突撃する。

 

ナッパはそれにパンチを仕掛けるが、ギリギリで避けてクリリンは距離を置く。それにベジータも感心した。

 

「ほう、あのガキと違って動きだけだが、中々のものだ」

 

「くそガキーッ!ちょこまかと!」

 

するとクリリンは片腕をあげて、手のひらに円状のエネルギーを形成する。それにあの形状…切断や斬撃に特化した気功波か?

 

「気円斬!」

 

クリリンは気円斬と呼ばれた技を放つ。気が凄まじい、速さも悪くない!

 

「ふん!そんな物、かわすまでもないわ!」

 

ナッパは小技と油断して余裕そうに、その技を受け止めようと構える。だがベジータが技の構造を見抜いたのか、ここで初めて真剣な声で叫んだ。

 

「ナッパ、避けろーっ!」

 

ベジータの忠告に反応してナッパにギリギリのところで避けられてしまう。

 

奥にあった岩が真っ二つになる…なんて切れ味のある気弾だ。修行の時に見た魔貫光殺砲の貫通技と同じで、格上にも通じる技だ。

 

気の扱いに関してはクリリンが俺達の中で頭一つ抜けている。

 

あれを自在に操作出来たら、格上とも互角以上までやり合えるが、気の消費も凄まじいのか、クリリンは肩で息をしていた。

 

「バカめ!どういう技か見切れんのか」

 

「お、おのれー!この俺にキズをつけやがったなあ!消えてなくなれーっ!!」

 

ナッパは自らの顔に切り傷つけられたことに対し本気で怒り、クリリンにエネルギー弾で目くらましをし、とどめを刺そうとする。

 

「させるかぁ!!ハァッ!」

 

俺は片手でエネルギー波を放ち、躱したところで丁度意識を取り戻したピッコロもナッパの背中に気弾を撃つ。

 

「や、やろー!!」

 

確かなダメージを受けたナッパの姿を見ても、ベジータの余裕は消えない。やはり、ベジータは桁違いに強えようだ。デカブツ野郎と違って余裕そうだが頭も回る。その時…

 

「な、なんだこの気は!?と、とんでもない気が遠くから近づいてくる!」

 

「ほ、本当だ。す、すごいけど、懐かしい気だ!」

 

「やつしかいない、孫悟空だ!」

 

気を感知出来る者は感じたようだ。やはり孫悟空のこの気…ラディッツの時よりも計り知れないくらい気が大きくなっている。俺よりも実力は上だ。癪だが、確実に強い!

 

「ベジータ!こいつ等の言っていることはホントか?」

 

「…戦闘力5000程のやつが……!ナッパ!今すぐ全員殺せっ!5匹揃って手を組まれると厄介なことになりそうだ!そしてカカロットへの見せしめのためにもだ!」

 

「なにっ!?ド、ドラゴンボールのことは!?」

 

「構わん!俺に考えがある。そのナメック星人の故郷 ナメック星に行けば、もっと強力なドラゴンボールがきっとある!」

 

ナメック星?それにピッコロの故郷?それにもっと強力なドラゴンボールだと?そんなものが…いや、それよりも!

 

「悟飯!わかってるな!」

 

「うん!ピッコロさん逃げてーーーっ!!お父さんが来るまでなんとか僕達でくい止めるよ!」

 

気が弱まり始めたピッコロを危惧してそういう悟飯にナッパの気に障ったようだ。

 

「くい止めるだと、このオレを?笑わせやがってこのガキどもがーっ!」

 

「いかんっ!!」

 

悟飯に大して間合いを詰めるデカブツ。慌ててピッコロが駆けつけようとする。その時、悟飯の気が膨れ上がった。

 

「だりゃぁーっ!」

 

悟飯はナッパを蹴り飛ばす。やはり悟飯はやる時はやる奴だ。俺も負けてられない!

 

「波ァァ!」

 

俺は追撃するように両手で連続エネルギー波を撃った。隙を与えないように吹っ飛んだデカブツに更に追撃する。

 

「ダダダダダダダダッ!!!」

 

次々とエネルギー波が爆発すると岩場を破壊して更に後ろの岩場まで巻き込んだ。

 

「カカロットのガキもそうだが、もう一人のサイヤ人のガキも底力を見せるか…!」

 

かなり打ち込んでナッパは岩に叩き込まれるが、少し間を置いて崩れた岩から出てくる。

 

最初より気は減ってるが、それでも俺達の消耗の方が速い。くそったれ…俺が戦った中で親父すら超えるタフさだ…!

 

「…ガキィー!まずはお前からだ!!死ねぇーっ!!」

 

ナッパは広範囲と思われるエネルギー波を放ってくる。こ、これはマズイ!野郎、まとめて消し飛ばすつもりか!

 

「ご、ゴーヤぁ!逃げろ!逃げるんだ!!」

 

クリリンがそう叫ぶが、回避は間に合わねぇ…!なら一か八かしかねえ!!

 

「はぁぁああああああ…!!」

 

俺は気を限界まで高め、右掌に気を溜める。孫悟空がこの戦いを覆すと信じる。

 

だから、この一撃に全てを賭けるッ!!

 

「!あのガキ…戦闘力が4500以上に⁉︎」

 

俺はナッパのエネルギー波を自分のエネルギー波にぶつけた。凄まじいエネルギーの奔流で押し合う。

 

「ぬぉおおおおおおおお…死ねぇええええ、クソガキぃいいいい!!!」

 

「くたばんのは……てめぇだあああああああああああああああああ!!!!」

 

グゥオ!と俺のパワーを一瞬のうちにフルパワーにしてナッパにエネルギー波を押し返すが、直前で躱された。

 

荒野を抉ったエネルギー波は地上の果てまで飛んでいくと、やがて凄まじい爆発を広範囲に起こした。

 

「ぐっ、かわしやがった……」

 

「このガキ…まさか俺のこの技を押し返しやがるとは!」

 

骨にまで無理をさせちまった…正直、今にもぶっ倒れそうだ……だが、ここで死ぬわけにはいかねぇんだ……!

 

フリーザ軍をぶっ潰す為に!!ここで、まけるかぁああ!!!

 

「おおおおおおおおおおおお!!」

 

俺はすっからかんの気を一滴まで振り絞り、気弾を形成してナッパに向け放つ。ナッパに俺の必殺技が直撃する。

 

「ぐっ…流石に今のは効いたぜ…」

 

「く……くそったれが…」

 

俺はその場で膝を付いて倒れ込む。これも耐え切られちまうとは…うつ手がもう……

 

「ご、ゴーヤさあぁんーっ!」

 

悟飯の声が遠い…身体中が痛い…今にも意識が落ちかけてる。ははっ、ナッパの攻撃を押し返したのと、さっき撃った攻撃で身体中の筋肉や骨が悲鳴を上げてやがる。もう、指も動かすのも辛い…

 

「次はお前だ!!死ねええーーーーーっ!!」

 

「ご、悟飯…」

 

ナッパは俺が力尽きたのかと思ったのか、悟飯に標的を変え、エネルギー波を放つ。悟飯はその場から動けず、呆然とエネルギー波が迫るのを見つめているしかなかった。

 

すると悟飯の前にピッコロが立ち、腕を広げ、悟飯を庇い、ナッパのエネルギー波を受けてしまう。

 

「ピ、ピッコロさん……」

 

ピッコロ…ッ!俺は眼を見開いて倒れ伏すピッコロの姿を見ているしかなかった。

 

「に…逃げろ… ご…悟飯、此処から、逃げ…るんだ」

 

「ピッコロさん…ど、どうして僕を……た、助けて…」

 

「に…逃げろと…言っただろう…は…早く…しろ…」

 

「お、お願い…! 死なないでーーーっ!!」

 

「な…情けない話だぜ…ピッコロ大魔王ともあろうが…ものが…ガ…ガキをかばっちまうなんて…最低だぜ…だ…だが…悟飯と…ゴーヤ…お…俺と…ま…まともに喋ってくれたのは…お前達…だけだった…お前ら…と過ごした日々は……あ、案外……悪くなかった…ぜ。死ぬ…な…よ悟飯…ゴーヤ」

 

ピッコロは涙を流し、力尽きた。くそ…くそ!何て寝てんだ!!結局、惑星レタと、あん時逃げた時から変わってねえじゃねえか……!!

 

俺はぼろぼろな身体に無理矢理にでも力を入れて立ちあがろうとする。

 

「ぅっ、ぅぉぉ、おおおっ…!!!」

 

もう、逃げるのは、仲間が死んでいくのを観るのは、くそくらえだ!!

 

「う、うわあああーーーっ!!!」

 

悟飯は泣き叫びながらナッパを睨みつける。悟飯は額に手を交差させ気を溜め始める。

 

「戦闘力3300…!やはりこいつ等、戦闘力が激しく変化しやがる!」

 

「魔閃光ォォーーッ!!」

 

悟飯は全力のパワーで魔閃光を放つが、黒いオーラを出したナッパは雄叫びを挙げてそれを片腕で弾き飛ばした。

 

「ガキどもが…揃ってやってくれるじゃねえか…腕が痺れちまったぜ」

 

今のフルパワーの悟飯の攻撃すら弾き飛ばしやがるとは…!

 

「戦闘力がガクンと減った…今ので力を使い果たしてしまったらしいな」

 

「つ、強すぎる。あまりにも強すぎる…」

 

ナッパが悟飯に近づいている。悟飯にトドメを刺すつもりか!くそっ、体を動かしても間に合わねえ!

 

「はーっはっは!グシャグシャにつぶされた息子を見たときのカカロットの顔が楽しみだぜ!!」

 

ナッパの足が迫ってきた時…悟飯の姿が消えていた。

 

「な、なんだ…ありゃぁ…」

 

すぐ近くにはいつの間にか黄色い雲に乗っていた悟飯の姿があった。隣にある気は…漸く来やがったか…!

 

「き、筋斗雲!?」

 

「…あ、ああ…」

 

視線を空に向けるとそこには孫悟空が居た。思わず、ふっと笑みが漏れる。クリリンが感極まって言った。

 

「ご、悟空……!」

 

「ついに現れたな…!わざわざ何しに来やがった、カカロット…まさかこの俺達を倒すためなどという、下らんジョークを言いに来たんじゃないだろうな?」

 

「ヤムチャ…天津飯、ピッコロ…神様、そうか… 餃子も」

 

孫悟空はピッコロや天津飯、ヤムチャを見ていた。そしてこの場に居ない餃子の名前も呟く。

 

「お!な、なんだ!もう死ぬつもりか!こいつは挨拶代わりだっ!」

 

だが、ナッパの攻撃は当たらなかった。

 

「ゴーヤ…大丈夫か?」

 

今ので俺の側に移動して俺を優しく抱える。…動きが全く見えなかった!

 

「くっ…遅えんだよ、お陰で寝ちまうところだったぜ…!」

 

「おめえもよく地球を守ってくれた。直ぐに仙豆を食わせてやるからな。悟飯、こっちへ」

 

俺を抱え、一緒に悟飯に来るように呼び、クリリンの方にむかう。

 

隙だらけのようだが、デカブツ野郎は孫悟空の隙のなさに仕掛けて来ない。

 

「遅れてすまなかったな3人とも…よくこらえてくれた…これを、一個は半分にして食ってくれ。ゴーヤにもう一粒食わせる」

 

「せ、仙豆じゃないか…ま、まだカリン様へ持ってたのか?」

 

「ああ、残りの2粒だ」

 

そう言って、悟飯とクリリンに一個の仙豆を半分にして食べ、2人の体力は回復した。

 

「ゴーヤ、口開けろ…オラが食わせてやる」

 

「あ、ああ…」

 

俺は口を開け、仙豆と言われた豆をもらう。俺はなんとか噛み砕き、味わいながら飲み込んだ。

 

「…!!」

 

噛み砕いた豆が喉を伝って胃の中に入ると、みるみる身体の痛みが無くなり、傷も治ると身体の奥底から徐々に力が漲っていった。

 

こんな便利なもんがあるとは…!身体を動かすと前よりずっと力が入る!

 

「よし、これで大丈夫だ」

 

「さっき受けたダメージが…それに…力が漲って」

 

不思議な感覚だ。力が前より湧き上がってくるこの感覚…仙豆は食べた者の回復だけじゃなく、パワーも上げることも出来るのか?

 

そして全員の回復を終えたクリリンが話し出す。

 

「悟空、4人で敵を討ってやろう! お前も加わってくれりゃ、1人ぐらいは何とかやっつけられるかも!」

 

「いや、やつらとはオラ1人だけで闘う。オメェたちは離れてくれ。巻き添えをくわしたくはねぇ」

 

「いっ⁉︎ひ、1人でぇ⁉︎」

 

「っ…!」

 

俺は気づいた。そう言う孫悟空の表情と気は怒りに満ち溢れていた。あまりの怒りに俺は圧倒されていた。呑気で陽気な孫悟空が…

 

孫悟空は1人でナッパの所に歩み寄りはじめる。

 

「お、お父さん!」

 

「待て、悟飯!」

 

「今のお前が行ったところで足手纏いになる。それに…あんなに怒りに満ち溢れた悟空を見るのは初めてだ」

 

付き合いの長いような口ぶりのクリリンでさえあんな怒りに満ち溢れた孫悟空は見たことがないらしい。

 

今の俺ならデカブツ野郎はどうにかなるが、同じサイヤ人として手は出さねえ。そのかわり、ベジータ共々絶対倒しやがれよ!

 

「なんだあ、そのツラは…気に入らねえな。そんなにあっさりと殺してほしいのか?」

 

「許さんぞ…! 貴様らーーー!」

 

孫悟空の気が急激に上がっていく。最初に会った頃とは比べ物にならないくらいのとてつもない気だ。何て野郎だ…あそこまで強くなってやがるとは…!

 

「あわわ、な…なんて気だ」

 

「お父さん凄い…」

 

「あ、ああ…」

 

しかも全開のデカブツよりも地響きのレベルそのものが違う…あのデカブツを既に上回ってる上にまだ本気じゃないのだろう。

 

「お、おいベジータ!!カカロットの戦闘力はいくつになった!」

 

「は……8000以上だ!」

 

「は、8000以上⁉︎そりゃあなにかの間違いだぜ!故障だ!」

 

「心配するな。おめえにはまだ界王拳は使わねえ」

 

「界王拳?」

 

界王拳?呟いた言葉が気になるが今はそれどころではない。それに…今となっては。

 

「孫悟空の圧勝だな…」

 

ナッパ相手には確実に勝てると確信を持って言える。気の大きさが明らかに孫悟空の方がデカい。

 

「てめえなんかがこのナッパ様にかなう訳がないんだ!!」

 

ナッパは孫悟空襲いかかる。しかし孫悟空はナッパの攻撃を避け、一瞬で背中に蹴りをいれた。

 

「い…いつの間に、う、後ろへ!?」

 

クリリンと悟飯は見えなかったのか、鋭いな…あのタフなデカブツに簡単にダメージを与えてやがる。

 

そして孫悟空が皮肉るように煽る。

 

「いばっていたわりには大したことねえな」

 

「こっ、この俺様が大したことないだと!!」

 

「そうだ、今の攻撃で分かった。多分オメエじゃ今のゴーヤには勝てねえな」

 

「何だとぉお…!どう分かったのかじっくり教えてもらおうか!」

 

ナッパは攻撃するが、全て避けられる。それに不思議だ。前の俺だと見えなかったであろう孫悟空の動きやナッパの攻撃が今は目で追える。そして孫悟空はナッパの背後に回った。

 

「こっちだ」

 

そして孫悟空が素早く走りながらナッパに向かう。すると目の前から消え、ナッパの頭の上に乗っていた。速いが、見える。

 

「み、見えましたか?お父さんの動き…」

 

「い、いや…」

 

「一瞬で跳び上がったんだ…素早いな」

 

「え、ゴーヤ、お前あの動きが見えるのか?」

 

「…仙豆を食べてから、妙に力が上がった気がしてな。食べる前の俺だったらおそらくあの動きは見えないだろうな」

 

「ど、どう言う事だ?仙豆に体力と傷の回復以外に力を上げる効果はないはずだが…」

 

そんな事を話していると孫悟空はナッパの腹に強烈なボディーブローをいれる。

 

「今の1発は、餃子の恨みだ!」

 

「ずああっ!」

 

ナッパは反撃で蹴りをいれようとする。しかし、その隙の一瞬で孫悟空は背中を殴り飛ばす。

 

「ヤムチャの恨み!!」

 

そして殴った孫悟空にナッパはなす術もなく吹っ飛ばされて岩場に巻き込まれた。

 

「くそガキィィィーーー!!」

 

しかしナッパは流石のタフさで立て直してエネルギー弾を撃つ。

 

「こんなの避けるまでもねえ!」

 

その渾身のエネルギー弾を孫悟空はその場から動かず気合いだけで消し飛ばした。

 

「な、なにぃ⁉︎」

 

そして一瞬にして、空中に飛び上がるとナッパの頭上に移動する。

 

「こいつは天津飯の恨みだ!!」

 

両拳を握り締めるとスレッジハンマーを無防備な身体に叩きつける。

 

「ピッコロの恨み!!」

 

さらにナッパが落ちるところに、素早く回り込んで正面から回し蹴りをいれて吹っ飛ばすとナッパは岩場にぶつかる。

 

「ちっくしょおーっ!」

 

完全に孫悟空に実力を上回られて、自身のプライドを傷つけられたのか、逆上し始めるナッパ。侮ってるからだ。ざまあねえな…

 

「す、すげえ!すげえぞ悟空!!か、勝てる、勝てるぞ…!」

 

「は、はいっ!」

 

悟飯とクリリンの感心に俺は落ち着いて呟く。

 

「当たり前だ…わざわざ譲った甲斐がねえ」

 

孫悟空とナッパとの実力の差は歴然、いつ倒されるかも時間の問題だ。

 

「愚か者め!!頭を冷やせナッパ!!冷静に判断すれば、とらえられんような相手ではなかろう!落ち着くんだっ!!」

 

だがベジータの喝入れでナッパは頭が冷えたのか、ハッと我に返る。そして持ち直した。

 

「そ、そうか…ありがとよベジータ。おかげで目が覚めたぜ…覚悟はいいかカカロットよ」

 

「そうこなくっちゃな、期待してやるぜ」

 

孫悟空は尚も笑っている…しかも余裕を残している。ハッタリではない明らかな相手に負けないという自信。

 

「強がり言いやがって…」

 

ナッパは人差し指と中指を上に上げると辺りが爆発した。孫悟空は空中に飛び上り、回避する。その隙に殴ろうとするが、ナッパに避けられる。

 

少しの格闘戦が繰り広げられると、お互いに距離を置く。

 

随分と動きは良くなってはいるが、それでも孫悟空の表情の余裕は崩れない

 

「随分マシになったじゃないか!」

 

「マシになっただと…?その忌々しい減らず口をたたけなくしてやるぜ!」

 

そう言うとカパッと口を開け、不意打ちで口から強力なエネルギー波を撃つ。孫悟空はギリギリの所でかめはめ波で切り返した。

 

あの距離で切り返すとは…経験の成せる技か。俺なら回避か防御で追撃を許していたかもな。

 

「ふう、今のをまともにくらったらやばかったぞ!しかしこのままじゃきりがなさそうだ」

 

「もういい!降りてこいナッパ!貴様ではラチがあかん!俺が片づけてやる!」

 

とうとうベジータが痺れを切らしたのか交代しろとナッパに怒鳴る。

 

ついにデカブツ野郎を超えるベジータが動き出したか。プライドに差し障ったか。

 

「ちくしょう、命令だから貴様はベジータに任せる。だが、俺様もこのまま引っこんじゃすまん…」

 

ナッパは俺達の方に狙いを定めて向かってきた。ちっ、往生際の悪い野郎が…!

 

「あ、あわわ!」

 

「ああ!」

 

「…悟飯!クリリン、下がれ!」

 

俺は右手に気を溜める。今のナッパなら俺でも充分に倒せる。ナッパの攻撃を相殺してそのまま倒してやる!

 

「界王拳!!」

 

俺が攻撃する前に孫悟空のスピードがいきなり跳ね上がり、一瞬にしてナッパの背中に突撃し、強烈な打撃を与えると俺達の元に自由落下するナッパを受け止める。

 

「へ!?」

 

「え!?」

 

「速い…!そして今までのどの攻撃より強え…!!」

 

「もう闘えないはずだ。そいつを連れてとっとと地球から消えろ!」

 

一瞬の出来事で驚く悟飯とクリリン、俺を他所に孫悟空は片手でナッパをベジータの足元に投げる。もうナッパは動けない。驚いたのはナッパの事より…

 

「お、お父さん、今の技はいったい…瞬間的に気が膨れ上がってたけど…」

 

「ああ、今のは界王拳っちゅう技だ」

 

それから、孫悟空が界王拳の説明をし始める。

 

界王拳は身体中の全ての気を瞬間的に増幅させる技で、力もスピードも破壊力も防御力も全部何倍にもできる。しかしうまく気のコントロールができないと身体がボロボロになってしまうらしい。

 

孫悟空はその技を教えてもらった人から2倍までしか使ってはいけないと注意を受けているらしい。その技の破格さに俺は驚いた。

 

格上でも喰らいつける技…これならフリーザにも…俺は。

 

「(界王拳か、凄え技だ。俺も何か編み出してみるか…?)」

 

そう思っていると虫の息のナッパが動き出した。しぶてえやろうだ…

 

「べ、ベジータ…た、助けてくれ」

 

「フッ…」

 

ナッパはベジータに助けを求めるが、ベジータはナッパの手を握り、あろう事かおもいっきり宙に上げ飛ばした。あの野郎、まさか!

 

「べ、ベジータ…なにを⁉︎」

 

「動けないサイヤ人など必要ない!!死ねぇーっ!!」

 

「べ、ベジータァーッ!!!」

 

ベジータ王子はナッパを投げ飛ばすと上空に向けて極大のエネルギー波を放ってナッパを殺した。

 

しかも仲間だった奴をだ。悟飯とクリリンは孫悟空が庇い、助けてもらっており、俺は自力でその衝撃から回避した。

 

ベジータめ、孫悟空にやられてぼろぼろだったとは言え、あんなタフな野郎を軽く葬りやがった…

 

「な、なんてやつだ…じ、自分の仲間まで殺しちまいやがった」

 

「…3人とも今すぐカメハウスに帰ってくれ」

 

「……悟空。……分かった。悟飯、ゴーヤ、はやく行こう」

 

「え!?だ、だって…」

 

「かえって悟空が気をつかって邪魔になるだけなんだ!」

 

クリリンが何かを察したように悔しげに表情を歪める。ちっ…ここにきて孫悟空に頼るだけになるとはな。

 

「すまねぇな…」

 

「は、はい」

 

「どうせなら、場所を変えて闘ってくれないか!みんなの死体までムチャクチャになっちまったら、生き返ったときに悪いからな」

 

「クリリン…ピッコロはもう死んじまって、それと一緒に神様とドラゴンボールはもう…」

 

「ク、クリリンさん、ひょっとして…さっきベジータが言っていた」

 

悟飯もさっきベジータ達が言っていた事に言及した。ナメック星か…それが鍵になるな。

 

「な、なんだ!?」

 

「悪いが詳しいことは後で話す!悟空があいつに勝つことができたら…」

 

そう話を切るクリリン。そうだ。ここでベジータに敗ければどっち道地球は終わりだ。

 

……孫悟空が敗けようが、俺がここでやられるつもりはねえが。

 

「…ああ!悟飯、父ちゃんが生きて帰ったら、また釣りにでも行こうな!」

 

「は、はい!」

 

「ゴーヤも、今度また手合わせしてくれ。強くなったおめえの強さ見てみてえ」

 

「……早えよ。ベジータに勝ってから抜かしやがれ」

 

孫悟空が悟飯の頭を撫でるとベジータを連れて違う場所に移動した。ちっ、格好つけやがって…

 

安心したぼろぼろな悟飯に、真剣そうにクリリンが言った。

 

「悟飯、ゴーヤ、俺たちも行くぞ」

 

「はい」

 

「いや、クリリン、アンタと悟飯だけ帰ってろ。俺は残る」

 

「え?お前、なにを言っているんだ?」

 

「闘いから眼を背けるのはサイヤ人として我慢ならねえんだよ……それにピッコロ達の遺体を一箇所に集めておきたい。」

 

「そ、そうか。俺達は先に武天老師様ところに行くから、あとでちゃんと来るんだぞ?」

 

俺は頷くと悟飯とクリリンは離れたようだ。俺はそのまま戦場に残った。

 

戦いから逃げるなんて惑星レタの闘いで終いなんだよ。

 

そして、2人の気の衝突が始まり闘いが始まったようだ。

 

俺はピッコロ達の遺体を一箇所に集め、孫悟空がベジータに勝つのを待つしかできなかった。

 

 

キャラクター戦闘力紹介

 

参考

 

一般成人男性 5

一般成人女性 4

子供(10歳) 2

ミスター・サタン 6.66

一般的に超人と呼ばれるレベル 7~8以上

天下一武道会で悟空達と戦える超人クラス 80以上

ピッコロ大魔王 260

ラディッツ 1500

 

クリリン 1083(気を抑える)→1770(最大)

 

ヤムチャ 1480(最大)

 

天津飯  1830(最大)→2745(最期の気功砲 不完全の気の集中により1.5倍の上昇率)【※5490(気功砲 完全)】

 

餃子   610(通常)→1830(超能力使用時と自爆)

 

栽培マン 1200(通常)→2400(自爆)

 

ナッパ戦。

 

【※ナッパ 4000(これは原作の数値)】

 

ナッパ  4000(パワーを入れてない状態)→4500(ピッコロ、ゴーヤと闘った時の数値)→7000(黒い気に引き出された戦闘力とタフネス。ピッコロを攻撃、孫悟空と戦闘時【※ベジータの指示で頭が冷えたのか?】)

 

【※ピッコロ 2500(通常最大)→3500(悟飯を庇った瞬間最大値)】

 

ピッコロ 1220(気を抑える)→3800(原作より重りを付けた状態で悟飯、ゴーヤとの修行でパワーアップ。通常最大)→4800(悟飯を庇った瞬間最大値)

 

悟飯   984(気を抑える)→2000〜3000(感情に左右される安定しないパワー)→3300(魔閃光)→3000(仙豆で回復。基礎戦闘力のパワーアップ)

 

ゴーヤ  2500(気を抑える)→4500(気の扱いによる一点集中と解放を習得、十倍重力重りを付けた状態の悟飯とピッコロとの修行でパワーアップ。通常最大)→9000(仙豆により回復パワーアップ。基礎戦闘力通常最大)

 

悟空  5000(気を抑える)→8000(界王星の修行でパワーアップ。通常最大)→12000(界王拳 倍率宣言無しは1.5倍の上昇率)

 

ベジータ 18000(通常最大)

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