Surviver of the Saiyan   作:ゆっくりblue1

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第六話です。ヒロインは投票の結果ドラゴンボールキャラに決まりました!


決着!天下分け目の大決戦!!

「……」

 

俺はピッコロ達の遺体を一箇所に集め横に並べる。餃子は自爆した為、遺体やその一部さえも残っていない。現状遺体があるのは三人だけ。

 

「…ピッコロ」

 

俺はピッコロは自らの命を賭してまで悟飯を庇った瞬間を思い返した。彼奴は大魔王なんかじゃない。俺と悟飯が尊敬する師匠で気高い戦士のピッコロだ。

 

「絶対に仇をとってくれるさ…」

 

その後、しばらくその場で待機していると孫悟空とベジータが闘っている場所から地響きがしてくる。この気の高まり具合、闘いが佳境に入っている。

 

「なんて気だ…ここまで肌にビリビリ伝わってくる」

 

ベジータのとてつもない気だ。そして少しして孫悟空の気も上がる。 この気の膨れ上がりはおそらく界王拳を使っているのだろう。それも最初に見た時よりも比べものにならない気の上昇だ。

 

「畜生…やっぱりこんなところでじっとなんてできねえ。地球の命運がかかってるんだ見届けずにいられるか!」

 

俺はその場から飛び上がり気の高まりの元へ向かう。ある程度近づいたら気を抑え足で移動する。

 

「っ!孫悟空の気が更に膨れ上がって!まさか…界王拳の2倍以上を⁉︎」

 

孫悟空の気が尋常じゃない程更に増えていってる。界王拳を二倍以上使っているような気がした。仮に使っていたとしたら孫悟空自身の身体は持つのか?

 

ある程度近づき気を抑えながら更にゆっくり近づく。そこには上半身裸になって息を荒げている孫悟空と、その前にいるベジータは腹を抑え蹲っていた。

 

あの様子だとベジータに確実にダメージを与えているようだ。ただ、致命傷だとは思えない。すると孫悟空の身体が崩れかける。

 

「うぐっ!」

 

孫悟空は体を痛めて今にも倒れそうな程苦しげだ。界王拳の無理なギア上げに身体が耐えられなかったのだろう。おそらくすぐに決着をつけなければ孫悟空の方が先に力尽きる。

 

「ゆ、許さん…絶対に許さんぞおぉーーーっ!!もうこんな星なんぞいるものかっ!!地球諸共粉々に打ち砕いてくれるわーーっ!!」

 

「なっ⁉︎」

 

「なんだと⁉︎」

 

ベジータはプライドが傷つけられた事で逆上して更に高く飛び上がりその場で構えて気を高めはじめる。まずい、地球にあんな気をぶつけるってのか!

 

「避けられるものなら避けてみろ!!キサマは助かっても地球は粉々だ!!」

 

「考えたなチクショウ!!」

 

ベジータの膨大な気の集中に、俺は悪態を吐く。くそが…!なりふり構わなくなってやがる!!そんなことをすればてめえだって無事じゃ済まねえってのに!

 

「賭けるしかねぇ!!三倍界王拳!!!」

 

そして孫悟空は地球の破壊を防ぐために赤いオーラを放出し、ベジータの全力を迎え打つつもりだ。

 

「の!!かめはめ波だぁ!!」

 

エネルギー波の押し合いに勝って決着を着けるつもりか…!俺は咄嗟に防御体勢に移った。

 

「か…め…は…め…」

 

すると辺りの岩が二人の膨大な気により崩壊し、大地が震える。岩の破片が衝撃で浮き上がる…何つー気だ!!

 

「オレのギャリック砲は絶対に食い止められんぞっ…!!地球もろとも宇宙のチリになれーーーーーっ!!!!」

 

「波ァァァーーーーーッ!!!!」

 

 

2人は限界まで溜めた気を同時に放つ。互いのエネルギー波が衝突し、その余波で岩山が粉々になり衝撃波が発生する。

 

「ぐっ!な、なんて威力だ…気を抜いたら吹っ飛ばされそうだ!」

 

あれが地球に炸裂すれば、地球もタダじゃすまねえ!下手すりゃ、地球が滅びる!

 

吹き飛ばされないようなんとか粘りながら二人のエネルギー波のぶつかり合いを見守る。威力はほぼ互角。

 

だが、ここに来て徐々にベジータが押し始めた。

 

「ぐっぐぐぐぐぐ……っ!!!!」

 

「うっおっおおおおお…っ!!!!」

 

ベジータの全力と気迫の籠ったエネルギー波にダメージが蓄積している孫悟空のエネルギー波が徐々に押され始めている。加勢するしかないと気を解放した瞬間。孫悟空の気がぐんと上がった。

 

「界王拳……4倍だーーーっ!!!」

 

四倍だと…!?まだ気が上がるのか…!

 

界王拳を四倍に上げた孫悟空はそのまま勢いよく押し返し、エネルギー波に呑み込まれたベジータは空の彼方へ押し飛ばされた。

 

「す、すげえ…あのベジータの全力を押し返しやがった…!!」

 

俺はただ感嘆の言葉しか出なかった。しかし孫悟空は膝をつき両肩をあげながら息を荒げていた。

 

界王拳の反動か…!孫悟空の身体は闘いとそのダメージで傷だらけだった。とりあえず休ませてやんねえと…

 

「孫ーーーっ!やったじゃねぇかよ、このやろーーーっ!」

 

「…やりやがったな。大した野郎だ」

 

俺はすぐに孫悟空の元に駆け寄り、それと同時に1人の見慣れない男が近づいて行った。感じからして孫悟空と知り合いなのだろう。

 

「ヤ、ヤジロベー!それとゴーヤ……な、なんでおめえらがここに?グギャァァ⁉︎」

 

「お、おい…!?」

 

そしてヤジロベーと呼ばれた奴が孫悟空に抱きつく。すると、孫悟空は痛みに悲鳴を上げる。…やはり相当無茶をしたのか。

 

「な、なんだよ、どうかしたか?」

 

「か、体に無理な技をつかっちまってな…」

 

「…平気か?」

 

「ああ、なんとか平気だ。それと…オメェなんで来ちまったんだ?オラは悟飯達と亀仙人のじっちゃんのところに帰れって言ったはずだ」

 

「……サイヤ人として、闘いから眼を背ける訳にはいかねえんだよ」

 

「……そっか」

 

少し呆れながらも納得した。そして孫悟空は界王拳の反動か、気が殆どなくなっていた。

 

しかし、遥か上空から嫌な気が感じられて、孫悟空に声をかけた。

 

「おい……」

 

「…ああ、わかってる。ヤジロベー、お、おめえ、逃げた方がいい。ゴーヤは念の為に気を抑えてからここから少し離れてろ」

 

「な、なんでだよ?ま、まさか…」

 

「…ヤツはまだ生きている!」

 

「そ、そうか。じゃ、じゃあな!が、頑張れよ!」

 

「あ、ああ」

 

ヤジロベーは孫悟空から逃げるように離れていった。薄情な野郎だが、孫悟空の言う通りだろう。しかもあの強烈なかめはめ波を受けても気はそんなに減ってねえなんて…!

 

「相変わらずしぶてえ野郎だ…ナッパと言い、ベジータと言い…孫悟空、無理なら交代してやる」

 

「ああ、ワリィけど…そん時は頼むな」

 

ぼろぼろな状態でも戦おうとする姿に俺は意志を汲んで孫悟空に気を分けてから離れる。そして少ししてからベジータが降りてきた。何やらキレてやがる。

 

「月を消しておいてしてやったり!ってとこだろうがそうはいかんぞぉ!!」

 

「月?何のことだ!」

 

ベジータは大猿になれる条件を丁寧に説明する。月からはブルーツ波というものが発せられており、ブルーツ波が1700万ゼノを超える満月を見ると、尻尾に反応して大猿に変身できる。

 

だが満月はピッコロが消している筈…!…まさか…!!

 

すると孫悟空もベジータの説明に動揺した反応を見せる。孫悟空も昔、尻尾があった時に満月を見て大猿に変身したことがあったのだろう。

 

 

「…しかし、限られたサイヤ人にだけ人工的に造り出すことが出来るのだ!!星の酸素とこのパワーボールを混ぜ合わせることでなっ!!」

 

ベジータはパワーボールを形成し、空に投げ飛ばすように放った。

 

「な、なんだ⁉︎」

 

「はじけてまざれっ!!」

 

 

 

そして擬似的な月を作り出したことでベジータに変化が起こる。

ドクン…ドクン…と見てるだけでもわかるくらいベジータの鼓動が激しくなる。

そして次第にベジータが物凄くでっかい猿になってしまった。

 

「ま、まじかよ…」

 

今までと比べ物にならない、物凄い気だ。それにでかい…!これほどに気が

上がるとは…!

 

こんな気、たとえ全開の孫悟空が無理して五倍まで界王拳を引き上げても敵わねえ!

 

「そ、そんな!」

 

「ぐははは、どうだカカロット!!これで貴様はもう終わりだ!!最後にいいことを教えてやろうか…大猿になったサイヤ人は戦闘力が10倍になるのだ!!」

 

「……!」

 

「っ!」

 

孫悟空が一瞬だけこちらに視線を向け『まだ来るんじゃねぇ!!』と言われているような気がした。

 

まだ俺がいる事は気を感知することの出来ないベジータにはバレていない。なので何かしらチャンスを伺っているのだろう。

 

ベジータは攻撃を始め、孫悟空は逃げ回る。が、あの図体でものすごく素早く、すぐに追いつかれてしまっていた。攻撃をするも大したダメージもなく、界王拳の無理なギア上げに体も悲鳴をあげているため、もはややられるのも時間の問題だが…

 

「太陽拳!!」

 

目くらましで隙を作り、何かをしようとしている。孫悟空は距離を取り岩場の上に立つと両手を上にかざした。

 

「な、なんだ?孫悟空が掲げた両手の元に色んな気が集まって…一つになってる?」

 

しかも、とてつもない気の量だ。もしかして…あれでベジータを倒すつもりか。

 

しかし視力が回復したベジータに見つかってしまい、口からエネルギー砲を飛ばすと足場を崩される。

 

「はーーっはっは!さあどうする!?」

 

孫悟空はふらふらの身体で必死に逃げようとするが、手で打ち落とされる。だめだ、戦闘力差が圧倒的過ぎる…!

 

すると、向こうから何かがやってくる。悟飯とクリリンか…!おそらく大猿になったベジータの気に気付いて引き返してきたか。

 

するとついに体力が限界にきて叩き落とされた孫悟空はベジータの巨大な足で踏みつけられる。

 

「うあぁぁぁぁぁ!!!」

 

孫悟空…!駆けつけようとしてもあまりの威圧感と戦闘力差に脚が竦む。

 

くそっ…!何で俺はここでビビってんだ!動けよっ、俺の身体!!

 

「おっと!悪い悪い!うっかり踏んじまって足をつぶしちまったようだな!」

 

「く……ぐっぐぎぎ!!」

 

「では次は、うっかり心臓を潰してやろう…!」

 

もう…もう限界だ!!ベジータが孫悟空の心臓を人差し指で貫こうとするが、反撃の気功波で孫悟空が片目を攻撃した。

 

「うぁぎゃーーーーーっ!!」

 

最後の最後に力を振り絞った気功波で片目を潰されたベジータは眼を庇いながらも孫悟空に憎悪を向ける。

 

だめだ…あの程度じゃ奴は倒せねえ…!それどころか更に奴を怒らせるだけになっちまった!

 

「お、おのれ~~~!!カカロットォ!!貴様!こ、この俺の顔に傷を!」

 

そして、ベジータは怒りのまま死に体の孫悟空を握りつぶそうとする。体中の骨という骨から音が鳴り孫悟空は悲鳴をあげる。

 

「うぁぎゃぁ……ぁ!!」

 

「ッ……!」

 

その声を聞いた途端、プツン……と何かが切れる音が聞こえた気がした。

 

『逃げ、ろ…ゴーヤぁ…!』

 

惑星レタで俺を庇って血反吐を吐いて倒れ伏した親父が頭の中をよぎる。

 

「うあぁぁぁ!!!!やめろおおおお……っ!!!」

 

髪がゾワリと逆立ち、白い気を放出した俺の周りの岩が崩落し地面にクレーターが発生する。

 

「っ⁈な、なんだ!!」

 

「ご……ゴーヤ…何で…」

 

俺は気を消してベジータの元に向かい、そのまま顔面をおもいっきり蹴り飛ばす。

 

「だりゃぁっ!!」

 

「グオッ⁉︎」

 

大猿のベジータはそのまま吹っ飛び、地面に倒れる。その際孫悟空から手を離し、空中から落ちる孫悟空を俺は受け止める。

 

「…孫悟空!」

 

「あがっ!ぐぅ…!!」

 

「っ…」

 

孫悟空の身体は界王拳の反動と闘いのダメージでもうボロボロ……まともに動かすこともだろう。

 

ここに来て俺はまた何もできないのか…畜生…!ちくしょぉ…!地面に拳を叩きつけると目頭が熱くなる。

 

「……おめぇは悪くねえ……だから……泣くんじゃ……ねぇ……」

 

孫悟空は震える手で俺の頭に触れる。無力な俺は悔しくて思わず泣いちまっていた

 

「……っ」

 

すると今でも相当辛い筈なのに身体を動かす孫悟空…しかし孫悟空の手はあの時のように安心できるくらい暖かかった。

 

俺は孫悟空をゆっくりと寝かすとベジータがこちらにやってくる。

 

「き、貴様……よくも俺の顔に蹴りをいてくれたな……!これは高くつくぞ!!」

 

「こい!!俺が相手になってやる!!てめえは俺が絶対に倒す!」

 

「ご、ゴーヤっ…に、逃げろ!い、今の……おめぇじゃ、ベジータに勝て「黙りやがれ!」っ⁉︎」

 

「ぼろぼろになったてめえが言うな!それに…例えどんな相手だろうが…俺は戦う!!悟飯、クリリン……それに死んでいった仲間達、俺の大切な仲間を傷つけようとするなら相手が誰であろうとぶっ飛ばす!!俺はサイヤ人で、ピッコロの弟子の…ゴーヤだ!」

 

今よりもっとチビの時に惑星レタで親父があまりに大勢の力のない奴を守っていたので、何でそうまでして守るのかを聞いた。すると親父は薄く笑った。

 

『ゴーヤ、よく憶えとけ。粘り強く、根性がある奴ももちろん強えが…一番強えのは…』

 

『ビビりながらも、大切なモンを守り通そうとする奴だ…!!』

 

ここまで啖呵切ったのは初めてかもしれない。かつての親父が何かのために戦う決意…わかった気がする。

 

「てめえがどれほど強かろうが、ここで諦める訳にはいかねえんだよ…!!」

 

「はっはっはっ!大口の遺言はそれだけか?ならば裏切り者のサイヤ人共々踏み潰されるがいい!!」

 

そしてベジータが嘲笑うと俺と孫悟空を踏み潰そうと足を上げる。俺は気を高め構えると……

 

「気円斬!!」

 

「っ!!」

 

「あっ!」

 

すると、横から円状のエネルギー刃が横切り、ベジータの表情が変わる。よく見る地面には尻尾が落ちていた。

 

先ほどのエネルギー刃を放った人物が俺に言った。

 

「ゴーヤ…お前の覚悟…確かに届いたぜ。お前のお陰でチャンスを物に出来た!!」

 

「く、クリリン!!」

 

「お父さん!ゴーヤさん!!」

 

「てめえら、来てたのか…!」

 

悟飯が俺たちの元に駆け寄り、少し離れた場所からクリリンの姿があった。あの様子から様子を伺ってチャンスを待っていたのだろう。ベジータはスカウターがないと気を感知することが出来ないから、2人が接近していることに気づかなかったのだろう。

 

「き、キサマァ…お、俺のシッポをーーー!!」

 

ベジータは尻尾が切られたことにより元の姿に戻る。気も減っている!仕留めるなら今しかねえ!

 

「き、貴様らぁ!俺を怒らせやがって!そんなに死にたいか...だったら望み通りぶっ殺してやるぞーーっ!!ゴミどもめーーーっ!!」

 

そう言って、ベジータは逆上して俺たちの所まで来る。そうはさせまいと俺と悟飯が立ち塞がる。

 

「ちぃっ、悟飯、てめえも動けるな?」

 

「う、うん。もちろんいけるよ」

 

「ベジータは孫悟空との戦いと大猿の変身で相当ガタがきてやがる。…俺がメインでてめえは動き回れ!2人がかりで仕留めるぞ!」

 

「わ、わかった。よぉし」

 

「よし、いくぞ!!」

 

俺と悟飯は同時に気を解放し、ベジータに仕掛ける。

 

「クラッシュブラスター!!」

 

「魔閃光!」

 

しかし相手はベジータ。この距離でも攻撃が当たることはなく、飛び上がることで簡単に避けられる。しぶてえ上にパワーもまだまだ残ってやがる…!

 

「だりゃりゃりゃぁ!!」

 

「はぁー!」

 

俺も飛び上がり、打撃を与えていく。悟飯は撹乱して気弾を撃ち、ベジータの意識を削ぐ。

 

「悟空!大丈夫か!」

 

「く、クリリン。いいタイミングで来てくれたな。い……今のうちに…ク…クリリンにわた…す…」

 

「わ、渡す?い、いったい何をオレに渡そうってんだ?」

 

「オ…オラが地球中からあ…つめた…元気玉を…!オ…オラの手を握ってくれ…は、早く…!」

 

「わ、わかった。手を握ればいいんだな?」

 

クリリン達が何かやっているが…今は後回しだ。孫悟空と互角以上にやり合ってた相手だ。ぼろぼろでも強さは健在だった。

 

「ぐあっ…⁉︎こ、このゴミどもがぁ!!」

 

ベジータは片目が潰れているため、死角を狙いながら徐々にダメージを与えていく。俺をメインに二人で攻撃を仕掛けることによってなんとかダメージを与えられていた。これならいける!

 

しかしベジータも意地があるのか攻撃をくらいながらも悟飯が腕を掴まれ投げ飛ばされ岩壁に叩きつけられる。

 

「うわぁぁぁ!!あぐぁ……!」

 

「ちっ!いい加減、くたばりやがれ…!」

 

「ぐはぁっ!?」

 

俺はベジータを殴り飛ばすとすぐに悟飯の元に駆けつける。

 

すると背後から大きな気を宿した青い球体が勢いよく接近してくる。

 

「あたれーーーー!!」

 

当たる直前…ベジータは何かに勘付いたのか、後ろを向きそれを避けてしまった。ま、まずい…俺の方に!

 

『跳ね返せ、ゴーヤっ!』

 

頭の中に孫悟空の声が響く。

 

『その元気玉は味方だ!!悪の気がないものなら跳ね返せるはずだ!!』

 

「……跳ね返す」

 

俺はその場から動かず、両手を前に突き出し、元気玉と呼ばれた気弾に触れると、少し衝撃はあったものの簡単に跳ね返すことが出来た。

 

そしてそれは悪意のある気の元に引き寄せられるようにベジータに当たる。

 

「ぐわああぁ~~~っ!!!」

 

着弾すると猛烈なスパークを発生させ、ベジータは全身が焼かれるように苦しむ。

 

元気玉はそのまま上へと打ち上がり、断末魔と共に空の彼方へと消えて行くと光の大爆発が見えた。

 

何つー技だ…あの技をくらえば一溜まりもねえ…!

 

「なんて威力だ…あんな奥の手を隠してやがったのか」

 

「は、ははっ…」

 

「やったぁーーーっ!!」

 

クリリン達が歓喜して倒れ伏す孫悟空に向かって駆け出す。俺もベジータの気が殆どなくなっている事にホッと息を吐く。

 

「とうとうやったな、お前たち!」

 

「はは、もう何回もダメかと思ったぜ…」

 

「さっきの…元気玉って言ったか。周りから気をもらって溜めて放つ技か」

 

気が殆どない孫悟空が大猿になったベジータを倒せる程の気を溜めるには地球から気をもらって放つしかねえからな。

 

「へへっ…ゴーヤは気づいてた…みてぇ…だな。あの技は…威力はすげぇ…けど、気を溜めるのに時間がかかる上、隙だらけになっちまうんだ」

 

そう言いながら元気玉の説明をしてくれる。恐らくあの技は一人向きじゃねえ。何人かいて足止めをしないと隙だらけになり、やられてしまったら全て水の泡となってしまう最後の切り札だ。

 

すると、ベジータが落ちてくる。俺とクリリンがベジータの元に近づく。

 

「…こいつは仲間達を殺した最低なやつだけど、せめて…墓くらいは作ってやるか」

 

「貴様らの墓をか?」

 

「なっ⁉︎」

 

「あ、うああああっ!」

 

「うわあああっ!?」

 

「あ、ああ…」

 

突如黒いオーラを放出したベジータが目を覚ました!?あれだけの攻撃を受けて生きてられるなんて…俺たちはまさかの状況に驚愕する他なかった。

 

「随分、ひどい目にあわせてくれたな…い、いまのはオレでも死ぬかと思ったぜ。だが貴様等ゴミを片づけるぐらいの力は残っているぞ?」

 

クリリンが弾き飛ばされるのを見て俺はすぐに距離を取る。そして、こっちに向かってくる。

 

「いい加減にして……くたばっちまえ!!」

 

「うわあああっ⁉︎」

 

その場から気による爆破を発生させ、俺たちは弾き飛ばされる。その時、孫悟空を庇って俺は岩場に激突する。

 

「は……はやく、こいつらを片づけないと……」

 

吹っ飛ばされた衝撃と岩場にぶつけちまった事で腕は骨折はしていて足は骨にヒビが入ってしまっている。歩くには問題はないが…気が上手く入らねえ、くそ、油断した!

 

「なっ⁉︎」

 

悟飯にとどめを刺そうと、移動して悟飯に攻撃しようとしたベジータは直前で動きを止めた。

 

「こ、このガキ、シッポが再生してやがる!変身でもされたら厄介だぞ!」

 

悟飯に…尻尾が?この闘いで追い詰められて生えてきたのか…!だが今は満月じゃねえ…

 

ベジータは悟飯の尻尾を切ろうと手に気を込めたその時。

 

「どりゃぁぁぁ!!」

 

「なっ⁉︎」

 

すると、刀を持った野郎が気を消して不意打ちで背中を切る。ベジータは突然の奇襲に反応出来ず一度倒れるが…すぐに立ち上がり刀を持った野郎…ヤジロベーの方へ向かい殴り飛ばす。

 

その隙を見逃さず、孫悟空が悟飯に呼びかけた。

 

『ご、悟飯ーーーっ!!空の、空にある光の玉を見るんだーーっ!!』

 

「ひ、光の……玉?」

 

「…こ、この感じは…まさか⁉︎」

 

そうすると、悟飯の気が次第に大きくなっていく。この感覚はベジータの時と同じ感覚だ。尻尾がある時に見ると身体が疼いて力が吹き上がって何もかも破壊してやりたい衝動に駆られる。

 

あの妙な光の気の球はパワーボールか…!!まだパワーボールの効果が残っていた!

 

「し、しまったあーーーっ!!」

 

ベジータの騒然とした反応をしている間にも悟飯が徐々に大猿になる。これはもう…一か八かの賭けだ。

 

『グァァァァァァッ!!』

 

大猿に変身して巨大化した悟飯はサイヤ人としての破壊衝動の本能のままに大暴れする。

 

「ご、悟飯…」

 

「悟飯……頼む!!」

 

ベジータは尻尾を切ろうとするが、大猿悟飯に殴られ叩きつけられる。しかし理性がないのか暴れ回り、大岩を持ち上げ俺たちの方に迫る。

 

だめだ、ベジータと違って大猿状態をコントロール出来ねえのか!?こ、このままじゃ俺たちが悟飯に殺される!!

 

「ご、悟飯!!」

 

『ご、悟飯…!』

 

悟空は悟飯を呼びかけると動きが一瞬鈍くなる。理性が僅かに残っているのか、父親である孫悟空の声に反応する。このまま畳み掛けるように悟飯に呼びかける。

 

「悟飯!ベジータだ!!ベジータに攻撃するんだ!!」

 

『悟飯!!』

 

「悟飯!!サイヤ人だ!!サイヤ人を攻撃しろぉ!!」

 

『……!』

 

俺たちの声が届いたのか、大猿悟飯は標的をベジータに変え、持っていた大岩をベジータに向け叩きつけた。悟飯は俺や孫悟空と同じサイヤ人の血を引く者でもあるが…半分は地球人なんだ…あいつはいざって時はやる奴だ。大猿の凶暴性になんか負けねえ。

 

そして、悟飯が有利だったがベジータは気円斬を放ち大猿悟飯の尻尾を切った。

 

「か、体が……動かな…」

 

ベジータも先ほどの気円斬で限界が来たのか、その場から一歩も動くことが出来ず。悟飯に潰される。

 

「や、やった……」

 

「ご、悟飯…」

 

悟飯は気を失っておりベジータはもう死にかけだ。そしてベジータは懐からリモコンみたいなものを操作し宇宙船を呼ぶ。

 

「こ…この…俺が…まさか…ひ…引き返すことになるとは…」

 

すると、1人乗り用のアタックボールが落ちてきた。あれは俺が乗っていたものと同じ宇宙船だ…クリリンが憎悪を抱いた声で言う。

 

「に、逃がしてたまるか!」

 

「くっ、ううっ!」

 

ベジータが地面を、這いずりながら宇宙船に乗り込もうする中、クリリンは逃すまいと力を振り絞り立ち上がりなんとかベジータに迫る。

 

「クリリンか小僧!!オレの刀を使えやー!」

 

その言葉にクリリンが地面に刺さった刀を引き抜いた。

 

こんな形で決着とはな…戦闘とはいえ、何処か惜しいと思うのはサイヤ人の性か。

 

「くっ…ぐっ「まて!!」っ⁉︎」

 

クリリンはふらふらながらベジータが宇宙船に手をかけたところに追いつく。そして持っていた刀を逆手に持ち替える。

 

「ピッコロ達と…殺された大勢の地球人の…恨みだ!!」

 

「く、くそお、体が…言うことを聞かん…こ、このオレが…このベジータ様が…こんな地球のゴミどもに!!」

 

…こいつは地球だけじゃない、数多の星の住人たちの命を奪い滅ぼしてきた。当然の報いだ。だが、それとは別に悔しさがあった。

 

「うあああああっ!!」

 

クリリンが刀をそのまま振り下ろし、ベジータにトドメを指そうとしたその瞬間。

 

『ま、待ってくれーーーーーっ!!』

 

「え…?」

 

突然孫悟空の声に刀を刺す直前で止める。クリリンが本当に予想外だったのか、聞き返した。

 

「ご、悟空?」

 

『クリリン…すまねえが、そ…そいつを行かせてやってくれ…』

 

仲間を散々痛ぶられて殺されたのにも関わらずその正気を疑うであろう言葉にクリリンは叫ぶ。

 

「正気なのかよ悟空!?こいつはピッコロ達を…大勢の人を殺したやつなんだよ!?どうかしてるぜ!!それに…こいつがピッコロみたいに仲間になると思ったら大間違いだよ!」

 

『そ、それが間違ってるのは…わ、わかってるさ。た…頼む…クリリン。オラの、た…たった一度だけのわがままだ…もう一度やつと戦うチャンスをくれ!』

 

「くっ……ううっ!」

 

『頼む!』

 

クリリンが悔しそうに刀を持つ手を振るわせている。

 

クリリンの気持ちも仲間としては分かる。だが、悟空のベジータと闘いたいという願望もサイヤ人としては理解できる。俺は言った。

 

「クリリン……そいつを逃してやれ」

 

「ゴーヤまで……な、なんで?」

 

「彼奴が言ってたことは俺にも聞こえた。孫悟空は甘い奴だ。仲間を亡くしたお前達の気持ちは痛いほどわかる。……けど、今の地球があるのも、孫悟空のおかげでもあるんだ。それに…俺もサイヤ人だ、孫悟空のベジータみてえに強え野郎と闘いてえ気持ちも分かるんだ…」

 

「………っ、わかった…」

 

クリリンは俺と孫悟空の説得に折れて、握っていた刀を手放して孫悟空に言う。

 

「だけど、いいな悟空!今度ん時はちょいちょいっとぶっちぎりのパワーでやっつけちまえよ!」

 

「ああ…!」

 

「孫悟空!」

 

「…?」

 

「今回の事はてめえの言う通りにしてやらぁ。けど、今度ベジータやてめえの怪我が治ったら、てめえより先にベジータとは俺も闘わせてもらうぞ。それで手を打ってやる」

 

俺の言葉に孫悟空は何処か嬉しそうに呟いた。

 

「へへっ……ああ、もちろんだ」

 

俺は孫悟空のワガママを受け入れる事にし約束を取り付ける。俺も今以上に修行してパワーアップして来るであろうベジータを更に超えてやる。

 

ベジータを倒せねえようじゃあフリーザにも届かねえからな。そしてベジータが捨て台詞を吐く。

 

「よ……よく覚えておけよゴミども…こ…今度は、貴様等に希望はないぞ…くっくくく…せいぜい楽しんで、お…おくんだな……」

 

「へっ、そんなぼろぼろになって言う台詞じゃねえな…」

 

その言葉を最後に宇宙船が閉じ宇宙へと飛んでいった。こうしてサイヤ人達との戦いは、大きな犠牲が出た中…終結した。

 

 

 

 

しかし、次なる悪夢の壁が刻一刻と地球に迫りつつあることを、まだ誰も知らなかった…。巨大な宇宙船が地球に迫っていた。

 

「見つけたぜ」

 

「あの星が“ターレス様”のいう地球でっせい」

 

「ンダ」

 

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