Surviver of the Saiyan 作:ゆっくりblue1
俺は気を失ったヴォミの喉元を掴んで持ち上げているターレスという野郎を見ると、気を怒りで膨れ上がらせながら睨む。
どいつも此奴も戦わねえ奴を人質にしやがって…
「ゴーヤさ、ん…」
か細い声でヴォミがそう呟いた。
「おいテメェ!ヴォミを離せ!!!」
怒気を込めて怒鳴りかかるが冷酷にターレスという野郎は言葉を返した。
「おっと、静かにしろ、俺がちょいとでも力を込めればこの女の首は捩じ切れる」
「くっ…!」
ターレスの手の中で苦しそうな表情を浮かべるヴォミを見て、俺はギリリと歯を噛み締めた。
此奴、孫悟空に似てやがるが、やる事は真逆のサイヤ人だ。しかも、気はベジータを遥かに凌いでやがる。真正面からやり合うのはキツイか。
「カカロットではないが、お前にも会いたかったぜ。ゴーヤ。やはりお前の父親に顔が似ているんだな…」
!俺の親のことを知ってるって事は俺の両親の知り合いか…
「俺とお前たちはわずかなサイヤ人の生き残り…。俺たちサイヤ人を絶滅寸前に追い込んだヤロウに、復讐をするつもりはないか?」
「…復讐だと?」
ターレスから発せられたサイヤ人という言葉を聞いて、俺は衝撃を受けるとともに動揺する。それにしても俺や孫悟空、ベジータ達以外にまだ生き延びたサイヤ人が居たとはな。
「まさか、自分がサイヤ人である事すら忘れている訳ではないだろう?自分の生い立ちを話してみろ」
「ゴーヤ…惑星レタにアタックボールで降り立ち、そこで戦闘しながら育った。結局フリーザ軍の野郎どもに襲撃を受けて地球にきた」
俺の言葉にターレスという野郎は興味深そうに言った。
「フリーザ軍の襲撃…なるほど、惑星レタというのは戦争中の比較的に宇宙の中で技術が進んだ惑星か、お前はそこに飛ばされた飛ばし児か」
「だからなんだ…!」
「まあ焦るな。俺たちサイヤ人は環境の良い星の人間どもを殲滅し、その星を他の金持ちの異星人たちに高く売りつける地上げ屋の仕事をしていたのさ。しかしある時、俺たちをこき使ってやがったヤロウが急に裏切ってサイヤ人をほぼ絶滅させた!生き残ってヤロウの傘下に残ったのは俺を含めて数人だが、お前のようにはぐれ者のサイヤ人がこの宇宙のどこかに散らばっているかもしれない」
話を終えるとターレスは掴んでいたヴォミを、俺へ向けて放り投げた。それを上手くキャッチし、安全を確かめた。どうやら傷っぽい傷はない。
「う…」
「大丈夫か?」
「ええ…大丈夫です…」
「そこでだ、ゴーヤ。もしもそのヤロウを放っておけば、いつかこの全宇宙がその手に落ちる。いずれはこの地球も毒牙にかけられる。俺は…そのヤロウ、フリーザをぶっ殺すのに一人でも強い戦士が必要だ。戦闘力1万2500…お前のような勇猛な戦士が欲しい。もちろんカカロットにも声を掛けるつもりだ」
ターレスがスカウターでゴーヤの戦闘力を測定すると、1万2500を示していた。
ふざけんな…俺は俺の手でフリーザ軍をぶっ潰してやるんだ。生き延びたサイヤ人とはいえフリーザ軍と手を組んでいる可能性がある奴と馴れ合ってたまるか…!
「…フリーザ軍は俺もぶっ潰してえと思ってる。だがてめえのようなフリーザ軍の回し者の可能性がある奴と手を組むつもりはねえ、失せろ!」
「まあそう邪険にするなよ…俺とお前は数少ないサイヤ人の仲間…仲よくしようや!」
そう言うと、ターレスは一発のエネルギー弾を俺へ向けて放った。それを難なく避け、俺はヴォミを病院にいる孫悟空達の方へ降ろすと俺は岩場に行く。
ターレスはにやりと笑うと腕を組みながらゆっくりと俺を追いかける。部下の野郎どもも全員追いかけてくる。
ヴォミを人質にするつもりはないみてえだな……なら遠慮なく動き回れる!
岩場に着くと不意打ちで猛スピードで上空へと舞い上がり、ターレスに激突した。後方へ吹っ飛ぶターレス。
「くらいやがれ!」
そして続け様にエネルギー波を全力で放つと、ターレスは躱すことなく直撃した。爆発して煙が周りを包み込む。
しかし、煙が晴れた後、何ともないように態勢を立て直してくる。ちぃ…奴の方が戦闘力が高いとはいえ全力で不意打ちしたんだぞ。
「馬鹿な奴だ。サイヤ人としての自覚があるのなら、惑星レタでフリーザ軍に煮湯を飲まされた貴様なら、悔しくないのか!?」
「てめえはてめえ、俺は俺だ!俺は俺のやり方でフリーザ軍をぶっ潰して生きるだけだぜ」
誰かの命令で生きる生き方なんぞクソ喰らえだ。たとえそれが誰だったとしても変わらねえ!
「ますます気に入ったぞ、ゴーヤ。だがお前の強さではフリーザはおろか、幹部どもにも敵わないぞ」
「うるせえ、俺が修行してフリーザの強さを超えてあの野郎をぶっ殺すだけだ」
強いのが分かっているなら、俺はその強さを上回る!ターレスは俺の言葉を否定する。
「今のお前にフリーザは倒せない。下級戦士でありながらそれほどの戦闘力を持っていたとしてもだ」
そう言ってターレスは気を解放する。ベジータ達が気を解放した時より遥かに強い気と周りの揺れで、岩場が崩壊していく。空の雲が消え去る。
…!!こいつ、フリーザ軍の幹部のドドリアやザーボン何処の話じゃねえ!ギニュー特戦隊とかいうフリーザの精鋭共すら超えている!!
「いいだろうゴーヤ!どうしてもお前を戦力にしたい!いくらお前をズタボロにしてもこっちにはメディカルマシンがあるからな!!」
メディカルマシンという言葉に俺は動きを止める。
メディカルマシンという回復出来る装置がある…なら話は変わってくるな。
このターレスがフリーザの野郎と手を組んでいるならスカウターもあるのにこうも目立つ動きはできないはずだ。
…ち、気に入らねえが、此奴を利用した方がフリーザの野郎の喉元に届きやすそうだ。俺は構えを解く。するとターレスが怪訝な表情で言った。
「なんだ?構えを解いたって事は俺に協力する気になったのか?」
「…俺はてめえを許しちゃいねぇ。…だがフリーザの野郎をぶっ潰すには一筋縄ではいかねえのは知っている。俺は俺の意思でフリーザを潰すためにてめえの案を利用することを決めた」
その言葉にターレスの野郎の部下が突っかかろうとしていたが、ターレスは薄笑いを浮かべて制する。
「…ふっ、サイヤ人なら格上でもそれくらいの啖呵を切れなきゃ困る。いいだろう。お前に利用されてやる」
同族のサイヤ人に会えた事に上機嫌なのかターレスが言うと部下どもは驚きながら言う。
「ターレス様!?良いんですかい!?こんな餓鬼に…」
アモンドの疑念にターレスがこう返す。
「仕掛けたのはこっちだ。それにガキでも1万越えの戦闘力を持ったサイヤ人、強力な戦力になる。協力する気なら尻尾はないが、ある程度の要望は聞いてやる」
「それにてめえらはあの女を人質にして一杯食わされた。てめえらが文句を言えると思うか?」
ターレスの睥睨に部下達は怯んだ。俺はその動きを見て気になっていた事を確認する。
「それにさっきから気になっていたが、何故孫悟空とお前はそっくりなんだ?まさかサイヤ人はてめえらみてえに同じ顔をしているわけではないだろ?」
俺は孫悟空の面を思い浮かべてターレスにそう疑問をぶつけた。
「俺とカカロットは下級戦士の生まれだ。別に親子でも兄弟でも、直接的な血縁が有る訳でもない。ちなみにお前の父親と俺も、よく似ていると言われた。何故だか分かるか?下級戦士は弱くてすぐ死ぬから、生き残った少数は大量の子供を残すんだ。だから結果的に顔が似通ってばかりになる」
「…聞きたくなかったぜ、そんなこと。なぁ、もっとサイヤ人とそのフリーザについて教えてくれよ」
「いいだろう、宇宙の帝王フリーザの軍も強力だがフリーザの野郎自身もとんでもなく強い…。俺達サイヤ人は、もともとは惑星サダラという星に住む民族だった。しかし仲間割れと争いでサダラは消滅し、サイヤ人は宇宙を流離うことになる。そこでプラントという惑星を乗っ取り、そこをサイヤ人の新たな根城としたはいいが、また同族での争いで星が消えることを危惧したサイヤ人は宇宙進出を考えた。他の異星人に戦闘提供することで同族での争いを減らそうとしたんだ。そこで俺達に目を付けたのがフリーザさ」
サイヤ人の経歴を聞いたゴーヤは少し考え込む。
「フリーザは俺達サイヤ人の戦闘力と好戦性をえらく気に入り、奴隷のようにこき使った。それを長年不満に思っていたサイヤ人の王、ベジータ王は仲間と共にフリーザに反旗を翻すもあっけなく敗死…。これが決め手となり、フリーザは団結して強くなっていくサイヤ人を怖れ、プラント改め惑星ベジータごとサイヤ人を絶滅させたのさ」
「その生き残りが俺や孫悟空、ベジータ達にお前って訳か」
「その通り。生き残ったのは俺と、丁度その時他の星に攻め入っていて助かったヤツだ。不満が溜まっていた連中はベジータ王の反逆に参加して殺されたが、それでもフリーザを心酔しよく使って下さると感謝するサイヤ人もいた。まぁソイツらは全員フリーザに星ごと消されたがな」
「俺も親父達が惑星レタに送ったことで助かったという事か…」
ターレスの頷きを見て、俺は更にフリーザへの復讐心を増大させる。強者のくせに弱者を痛ぶって利用するだけ利用した挙句、使い捨てに滅ぼす…!
奪い合いに勝者や敗者が出るのは当たり前だ。利用するのもまだ良い…だが強者が弱者を踏み躙るやり方は気に入らねえ…!
ターレスの言葉を聞いて決意は固まる。俺はターレス共を利用してナメック星に行く事に決めた。俺はターレス達に提案した。
「少し待て…孫悟空はまだ治療中で、その息子やクリリンという奴もフリーザが行く場所に当てがある」
「だがそいつらとは別で行くべきだ」
「ほう、何故だ?」
ターレスの疑問に俺はこう作戦を言った。
「フリーザが注意を払う気力の分散だ。宇宙の帝王も自分の狙うものが他の野郎が狙っているなら其奴を消しに行くだろう。不意をつくには使えるだろう」
ターレスは俺の作戦に少し考えると頷いた。
「いいだろう。つれていくのはお前だけにしておく。だがフリーザが狙っている星は何処だか調べが付いているのか」
「ナメック星。座標はSU83のXY9045にある星。ナメック星にはドラゴンボールっていう七つの珠がある。それを揃えるとなんでも願いが叶う代物だ。地球にも同じ物があったが今は想像主のナメック星人が死んじまって消えたんだ。だから本場の所まで行くのが目的だ。それをベジータ達が襲撃してきてフリーザにも連絡が入って向かってる筈だ」
その言葉にターレスは興味深そうに頷く。
「なるほど、そんな代物があるなら確かにフリーザの野郎はナメック星を狙うだろう。裏を取りに情報屋に連絡を入れて情報が確定して次第、ナメック星に飛ぶぞ」
ターレスの言葉に俺も頷くとターレスは不意に赤い何かの果実の実を取り出して俺に差し出す。二個ほど。
「興味深い情報をくれたんだ、一個は最初から渡すつもりだったがもう一個やる。食ってみろ」
「何だこの気味が悪い実は、毒の実とかじゃねえだろうな」
するとターレスが呆れた様子で突っ込んだ。
「違う。今更そんなもん食わせるわけねえだろ。これは“神精樹の実”だ。俺がある惑星の神から奪った、本来ならば神しか口にできない実の種だ。植えるとその星の滋養を全て吸い取って巨大に成長し、挙句赤茶けた乾いた星に変えてしまう。俺が地球に植えなかったことに感謝するんだな」
ターレスの言葉に怪訝に思いつつも、差し出された実を一つ齧って飲み込むとカッと一瞬目を見開き、同じく一瞬だけ体の筋肉が膨れて元に戻る。身体から力が溢れる感覚に戸惑った。
食べる前と後では明らかに気の大きさが倍に増えていることを感じた。
「す、すげぇ…これが神精樹の実の効果か…!」
「いいもんだろう?これは元々フリーザ軍の制圧した廃墟の星で育てたやつだ。だがあらかじめ説明しておくが、神精樹の実は間隔をあけずに短期間で2つも3つも食べると戦闘力が増える量が大幅に下がっていく。せいぜい3日ほど間を空けないと神精樹の真の効果は得られないんだ。俺の考えでは、今ここでひとつは食べてしまい残りはナメック星へ着いて戦いの最中に食べるといい」
その勧めに俺は少し考えた後にターレスに実を返す。
「…一個食べさせてもらって悪いが、この実は俺には合わねえ…俺は俺の手で強くなりてえんだ。実に依存した強さなんて俺には強さとは思えない」
するとターレスがその言葉に少し考えて俺の返した実を受け取るとターレスが残りの実を齧る。やはり気の大きさが倍に増えていることを感じた。
「…そう悲観するもんじゃないと思うが、要らないなら無理には勧めない。だがどうするつもりだ。今のお前なら幹部は倒せる強さになったが、フリーザには敵わないぞ」
「……アンタの宇宙船を改造させてもらってもいいか?」
「なんだと?何故だ?」
「そのナメック星でフリーザと戦うまでに俺はもっと強くならなくちゃいけねぇ…手っ取り早く修行できる環境として重力を何倍にも増やすんだ。そう言う機能を作れるブルマ達に頼んで乗せてもらう事ってできるか?」
「…くっくっく、面白い。いいだろう、頼んでみろ」
ターレスがその言葉を受け取ると快諾したので、俺はターレス達と解散して病院に戻ると待っていた孫悟空達とヴォミに事情を全て説明した。
「じゃあゴーヤはオラ達とは別々にナメック星に向かうんだな?」
「ああ、フリーザっていう野郎はベジータを遥かに越えて強い野郎だ。狙いがドラゴンボールでナメック星に向かう以上は俺達が組んでいると知られたら一気に叩かれかねない。悟飯達はブルマと一緒にドラゴンボールの捜索で、俺はターレス達とフリーザ軍を潰しに行く」
孫悟空の言葉にそう言うとクリリンが心配そうに聞いてきた。
「な、なあゴーヤ。そのターレスって奴等、信用して大丈夫なのか?もしもフリーザの仲間だったら…」
「…今は目的が一致しているんだ。裏切るとしたらわざわざ勧誘にこねえ。彼奴もサイヤ人だ。故郷や利用されて滅ぼされた恨みはあるだろ」
クリリンの心配に俺が言うとひとまずは納得する。そしてブルマ達に連絡してターレスの宇宙船の改造を依頼する。ブルマはサイヤ人ということに難色を示したが、ターレスに同意は取ったと言って依頼を受けてくれた。
するとヴォミが急に言った。
「…あの、ゴーヤさん。私もゴーヤさんと共にナメック星に行ってもいいですか?」
「…別に良いが、アンタじゃ危険だぞ?ブルマ達と一緒に行った方がいいんじゃないか?」
そう言う俺にヴォミは真剣そうな眼差しで言ってきた。
「必要だからとはいえ私を助けてくれた上にアタックボールのサンプルまでくださったんです。何か出来るなら貴方のお役に立ちたいんです」
あまりに真っ直ぐな視線と言葉に俺はムズムズする感覚に陥ったが、あまり気にしないようにしつつも眼を逸らして言った。
「…好きにしろ。だけどあんまりウロチョロすんなよ?命に関わるからな」
俺の言葉にヴォミは嬉しそうに微笑んだ。
日にちが経ち、クリリンと悟飯、ブルマが先に旅立った後の数日後にターレスの宇宙船の改造が終了した。
「これがスイッチ。でコイツがコントローラー。お前さんの注文通り100Gまで操作可能じゃが…いくら君らでも無茶なんじゃないかね?60キロの体重だったら6000キロになるんだよ?6トンだ6トン!死んじゃうよ」
「大丈夫、孫悟空のいた界王星よりももっと強い重力で修行しねぇと連中には勝てそうもねぇからな。…んで、後何が完成してないんだ?」
「ステレオのスピーカーの位置がなかなか決まらんのじゃ…どうせならいい音で聴きたいじゃろ?」
「それだけか?完成してないのってそれだけなのか!?」
「それだけって君…最高の音で聴くには反射とか考えると難しいんだよ?」
「もういいってじーさん!そのままでいいから!おーいターレス!!もう出来てるってよー!!」
「まあいいが…わしも計算してみたがこの宇宙船は先日飛び立った宇宙船とほとんど同じ速力だから、約6日遅れでナメック星に着くだろう」
「6日遅れか…何事も無けりゃいいがな…さっそく行くぜ」
そしてクラッシャー軍団達とゴーヤとヴォミが第二陣としてナメック星に飛び立った。
「よしよし…ゴーヤ達も加わり、俺のクラッシャー軍団の一員だ。気ままに宇宙を流離って好きな星を荒らしてぶっ壊し、美味い食い物や美味い酒に酔う…こんなたのしい生活は無いぜ。だがそれもそう続けられなくなって来た。帝王フリーザが宇宙に存在する限りな。だから今度はフリーザをぶっ壊すことにした。俺達サイヤ人はよそへ上がりこんで好き勝手暴れていくのは得意なんでな…」
ターレスの演説もあってか、皆の決意は固まった。ゴーヤたちは初めての宇宙ということもあってか、まだ見ぬ強敵に対して闘争心を湧き上がらせていた。
キャラクター戦闘力紹介
参考
一般成人男性 5
一般成人女性 4
子供(10歳) 2
ミスター・サタン 6.66
一般的に超人と呼ばれるレベル 7~8以上
天下一武道会で悟空達と戦える超人クラス 80以上
ピッコロ大魔王 260
ラディッツ 1500
ベジータ 1万8000
ゴーヤ 1万2500→2万5000(神精樹の実を一個摂取した事でパワーアップした)
ターレス 19万(最大)→38万(神精樹の実を齧ってパワーアップ)