【完結】 ギター爪弾きのバラッド   作:はま0821

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大槻ヨヨコ!描いてて楽しいです。も少し出番を増やしたい…。主人公とは、小学生のおわりの3カ月だけ一緒にいました。中学入ってからは別々の道です。


24 遥か遠き未確認の灯

 

 

えっなんて!?店長。

 

「だから。お前も出ろよそれ。その何とかライオット。バンド組んで」

 

「ムチャ振りが過ぎませんかね?そんなツテも人脈も、俺にはありませんよ」

 

「か〜、もったいない。お前の腕はわたしは認めてんのに。お前か結束バンド。どっちかが100万取って帰ってきたらしばらくはこのSTARRYって箱も安心なのになぁ〜」

 

最後のが本音だろコラ。…ただまあ。興味がないわけでもない。

 

「ちょっと見せて?」

 

「あ、うん」

 

虹夏先輩に許可を取り、フライヤーを眺める。ルールの確認だ。…ふむふむ。人数は何人でも。音源は使用可。1人だけならオーバーエイジ枠として20代の参戦あり…!ほう。なるほどな。イケるかも…。

 

「な、なになに!?あ、青木くんも出るつもり!?未確認ライオット!」

 

「なに!?遥。こんなに早くリベンジのチャンスが巡ってこようとは…!」

 

先輩方が色めき立つ。

 

「…リベンジってことは、前の文化祭は負けを認めるわけですね?」

 

「…言葉の綾よ。ふん!粋がったところでお前と組むバンドマンなぞいない!大人しく結束バンドの軍門に下ってリズムギター弾いとけい!」

 

「実は…1人だけ心当たりが」

 

「だにぃ!?」

 

「でもあの人な〜忙しそうなんだよな〜。…まあ今度、直接訪ねてみよう」

 

 

 

 

 

 

同時刻〜新宿FOLT〜

 

「だあー!ダメだ!!全くいいフレーズが浮かばない!!」

 

廣井きくりはスランプだった。幸い今受けてる仕事はないとはいえ、そろそろ新曲に向けて動き出そうと言う時にリーダーの不調。いい兆しではないのは間違いなかった。

 

「…今まで根つめて働きすぎたか。仕方ない。リーダーもこんな調子だ。少し、活動を休止するか」

 

ロックバンドシクハック。その副リーダー、岩下志麻はそう提案する。

 

「ふむ。しかたナイネー。わたしたちなんやかんやできくりのインスピレーション待ち!見たいなとこアルシー」

 

シクハックのギター担当。清水イライザもその意見に賛同する。

 

「廣井。いったん音楽休んでさ。山にでも行こう。紅葉見よう!綺麗だぞ〜!イライザも!」

 

「Oh!イイですね!ジャパニーズ紅葉!実は楽しみにしてたもののひとつデース!」

 

仲間の2人の思わぬ提案に、廣井きくり。一瞬の逡巡。

 

「…お酒は出る?」

 

そこかよ。と一瞬ツッコミかけるが、岩下志麻は満面の笑みで答える!

 

「もちろんだよ、高尾山でも登ってさ!降りてきた麓のそば屋で、ビールでも日本酒でもイっちゃえばいいさ!ほんで温泉つかって…疲れとってるうちに、いいアイデアのひとつやふたつ浮かぶって!」

 

思いがけない相方の優しさに、ああ気を使わせてしまったんだときくりは思い至る。

 

「うう…なんか今日志麻が優しい…」

 

自分の思い通り、珍しく疲れてそうな相方に対して、精一杯に優しく。

 

「お前今珍しくしょげてるからさ。一旦休むのも手だ。1ヶ月くらい軽く休んで、インスピレーション復活させようぜ?」

 

いつもは厳しい志麻の、思いがけない心配り。廣井きくりは少し迷った後、提案に乗ることにした。

 

「…うん。わかった。頑張って、休む!」

 

かくしてロックバンドシクハックは、つかの間の休息にはいった。…おい。青木遥。チャンスだぞ?

 

 

 

 

 

 

明くる日

 

…さてと。行くとしますか。ここはSTARRY。目的のためにそろそろ動かねば。

 

「あ、青木くん…。ど、何処か行くの?」

 

「おう、ゴッチ。バンドメンバーをスカウトしにな」

 

「あ、アテはあるの?」

 

「いちおうな。あの人がダメだと俺は多分、未確認ライオットには出れない。その場合は結束バンドを全力で応援するさ。もし出られたら、…また敵同士だ」

 

「…あう。こ、こんなに早くまたの機会が…」

 

「俺は楽しみだぜ。…じゃあな。ゴッチ」

 

「ど、何処へ行くの?」

 

「…新宿」

 

それだけ言い残し。彼は行ってしまった。新宿…?新宿。お姉さん。シクハック…?

 

下北から電車にわずかな時間揺られる。こんな近いなら歩きゃ良かったか。迷路のような駅を抜け出し、前来た記憶を頼りに歩く。あったあったここだ。新宿FOLTに通ずる階段。階段を降り、入り口に入る。

 

「たのもう!」

 

「ああ!?」

 

おお、中々の強面。だが、強面具合なら俺も負けんぞ?

 

「すいません。アポなぞ取ってないのですが、シクハックのみなさんって今日います?」

 

「…一応聞くわ。貴方、名前は?」

 

長髪の黒髪を後ろにまとめ上げたイカツメの男性が問い掛ける。

 

「青木遥。と、申します」

 

「!貴方が…!失礼したわ。わたしはここの店長やってる、吉田銀次郎と言います。以後お見知り置きを…シクハックならいるわよ。ウラのスタジオに。貴方がきたら取り敢えず通しなさいって言われてるわ。…大分気に入られたわね、貴方」

 

「汚物処理しただけっすよ…」遠い目。

 

「あはは…その様子だと、また廣井ね?全く困った子ね」

 

店長さんが、雑談しながらシクハックのもとへと案内してくれる。場所さえ教えてくれれば…。忙しそうだし。いい人だな。

 

「さあどうぞ。こちらよ。シクハック!青木遥くんが訪ねてきたわよ!」

 

とたんにスタジオの中が賑やかになる。どたどたどた!ガチャリ!

 

「君か!待たせてすまない。さあどうぞ中に!」

 

いや仰々しいな。前のことは水に流せといったのに!出てきた岩下さんを見てそんな感想を受ける。

 

「おおっ!少年じゃん!元気してた?」

 

「遥くん!イキナリどーしタノ?」

 

シクハックの残りのお二人さん。…なんか、特に姉御の肌艶がいいな…。

 

「…何かしました?みなさん。やけに姉御のコンディションが良さそうなのですが」

 

「みんなでね〜休暇とって高尾山行ってきたんだー!紅葉見て温泉入ってお酒飲んで…!」

 

嬉々として姉御が答えてくれる。なるほど、リフレッシュか。大事ですよね。…いいな。紅葉。

 

「今シクハックは休止中。でもま、見た通り廣井のコンディションも回復したんで、近い内に復活できると思う」

 

岩下さんがこう教えてくれる。あれ…、休止中?チャンスか?コレ?…聞くだけ、聞いてみるか。

 

「イライザさん。前アニソンコピーバンドやりたいとかって、言ってませんでした?」

 

「!うん!やってみタイ!」

 

「アニソンコピーバンドでいいんで、俺とコンビ組んでくれませんか!?イライザさんは歌うだけでいいんで!ギターは俺が演りますんで」

 

そう言って、未確認ライオットのフライヤーを見せる!

 

「懐かしいな!未確認ライオットか!」

 

おう?岩下さんご存知なんで?

 

「ふっふ〜ん。少年。未確認ライオットの、初代の優勝者。言える?」

 

姉御からそう問われる。ええ〜と。しまった調べてない…。

 

「すいません分からんです…」

 

「ふふふのふ!ナント!初代はわたしたち!シクハックが優勝デース!」

 

イライザさんが得意げに宣言する!な!なんですと!?やべぇ全然知らなかった!

 

「初代優勝のメンバーを引っ張っていこうとは、なかなか少年見る目あるじゃん。しかも、折がいいことにシクハックは今休止中…。イライザ!好きにしなよ!少年に手を貸すもよし!貸さぬもよし!」

 

おお!姉御!

 

「他のやつの頼みならいざ知らず。他ならぬ青木くんの頼みじゃな…。イライザ!判断は任せるよ!」

 

ありがとうございます!岩下さん!

 

「ワタシは歌うダケでいいンダ?ギターは任せてイイんダネ!?」

 

「露払いは全てお任せを。イライザさんは全力で歌ってくれればいい」

 

「露払い!カッコいい日本語デスね〜。どのような意味デスか?」

 

「お偉方のため、道を整える的な意味です。よし!ここに、新たなロックデュオの誕生だ!」

 

おお〜。とシクハックのお二人が拍手を贈ってくれる。

 

「名前は?デュオの名前は考えてあるのですか?」

 

イライザさんの言葉に2人がこちらに注目する。

 

「ふふふ…もちろん。俺は将来ギバちゃんと呼ばれたい…」

 

「柳葉◯郎?」

 

「違います。いやそれもあるか…。ええと、ギターバラッドをぎゅっと縮めてかわいげを足してギバちゃんです。そしてイライザさん。このユニットなんで、2人の名前を少しずつ取っていい感じに並べ替えて…!TEAMイバラギ!ってのはどうですか!」

 

「ええ〜。県の名前じゃん県の」

 

姉御。そんなに露骨にテンション下がらないでくださいよ…。

 

「…うん!カワイイ!!」

 

「「ええええええ!?」」

 

フッ通った…!なんかイライザさんには好評のようだ!

 

「ちょっとイライザ!よく考えてよただの県名だよ?」

 

「そうだぞイライザ。物事は一瞬置いとくことでいい方に思考が転がる事もある。あ、焦ることはないんじゃないかな…?」

 

なんだなんだ全く。シクハックの残りの2人の反応は悪いな!可愛げが足りないのか!

 

「可愛げを足してTEAMイバラギちゃんにしますか!」

 

「そこじゃないよ遥くん!確かにアナグラムは上手いこと考えられてるけどその結果がただの県名じゃ世話ないよ!」

 

「いや〜!なんかでも確かに個性的でいいような気も…!?あ〜どうなんだこれ!?」

 

う〜ん。な〜んかシクハックのお2人にはハマってないらしいな…。

 

「カワイイよ〜!TEAMイバラギ!素敵じゃな〜い?」

 

「独特だ…独特の感性をお持ちだ…。まあ、2人がそれで、いいならいいか」

 

「まあな…このデュオに至っちゃワタシら、部外者だし」

 

だがしかしイライザさんには好感触。シクハックのお2人は渋々、といった感じで引き下がる。よし!問題はすべてクリア!オールグリーン!といったところだな!

 

「…でもな〜。確かこの未確認ライオット。ケッコースパンが長かった気がするよ?」

 

「うちとしてもそんな長くイライザは貸しては置けないな。いくら青木くんの頼みでも」

 

うっ!そうか、その問題が…。

 

「ま、まあでも。審査受かるかどうかも分からないし、取り敢えずデモ撮って送ってみて…後のことは追々…。ということで…」

 

「エエ〜!きくり〜。志麻〜。ワタシこれやって見タイヨ〜!オネガイ!シクハックの練習もちゃんと出るカラ!」

 

「…ふむ。まあ、追々だな。長丁場だ。もし受かったら…2人共…頑張れよ!」

 

「まずは目指せ1回戦突破だね!遥くんのギターの腕と、イライザのスター性なら結構いいとこまで行くんじゃないかな!頑張れ〜!」

 

「わ〜い!アリガトウきくり!志麻!」

 

…そうだ。まずは1回戦。…?1次審査を通らねば。イライザさんを引っ提げておいて、1次落ちなんてダサい真似はできない。イライザさんの実力は折り紙付き。ギターバラッド!お前にかかっているぞ!!

 

 

所変わって下北沢〜STARRY〜

 

わたしは悔しかった。こんなに何かを悔しいと思ったことなんて、きっと人生で初めてだ。心のなかでメラメラと、闘志の炎が燃え上がっている…絶対認めさせてみせる…!わたしの!仲間のこと!

 

「…さて!この、未確認ライオット!に出るにあたって、なんと1次審査の締切が来年4月なわけ!」

 

虹夏ちゃんが今後の段取りを説明していく!

 

「結構な長丁場になりますね!」

 

「そういうことだよ喜多ちゃん!その間ボサッとしてる訳にもいかない。路上ライブとかでバンドとして、経験値積んでいこう!」

 

「賛成。いくつかの審査はライブ形式だったはず。慣れておくのはやぶさかではない」

 

うう!リョウ先輩もみんなも!気合が凄い。わ、わたしも負けないようにしないと…!

 

「あっはい…。と、溶けないようにがんばりましゅ…」

 

「ぼっちちゃん頑張って!」

 

うう…虹夏ちゃんに応援されてしまった…。なんとかもっともっとライブ慣れしてギタリストとしての実力を上げてかなきゃ…!もう後戻りはできない!バレちゃったんだから!なんたってわたしは…!ギターヒーローなんだから…!

 

「ライブがんがんやってくのはもちろんとして、デモ審査には新曲を送りたいんだ。作詞作曲担当!2人共頑張って!」

 

「応」

 

「…あ、はい」

 

わわ、ちょっとプレッシャー…。り、リョウさんはどうなんだろう。…プレッシャーとか、感じるのかな…?わたしの視線に気が付いたのか、リョウさんは少しだけ表情を崩して。

 

「作詞作曲してる人に入る印税は桁違い。ぼっち。2人で頑張ってタワマン買い取ろうぜ〜」

 

「え、ええ〜まるごとですか…?」

 

「クソでか野望大いに結構!よっし頑張ろう!結束バンド!ファイヤー!!」

 

「「「ファイヤー!!!」」」

 

虹夏ちゃんの音頭で気合い入れ。よ、よし。頑張ろう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わってFOLT

 

「今日はありがとうございました色々と。お忙しいのに」

 

「いやいやこちらこそ。大してお構いもできずすまない」

 

「またねー!少年!」

 

「遥!ワタシアニソン以外にも昔のジャパニーズ歌謡歌いたい!」

 

「いいですよ、取り敢えず歌いたい曲何曲かリストアップしといてください。次会う時に擦り合わせましょう」

 

シクハックの方々と挨拶を交わす。しかし、イライザさんが拾えたのは大きいな…!もしかすると、イケるかも!などと考えていると、不意に声がする!

 

「あ、青木遥!!」

 

「その声…大槻ヨヨコ!」

 

咄嗟にファイティングポーズで構えてしまう!

 

「ガーン!呼び方の距離が開いてる!む、昔みたいにヨヨ先輩でいいのよ?」

 

「こんどもイキナリ、きえーいなんてヤラれたら堪らんからな。…なんの用だい?」

 

警戒を解かぬまま、話を聞く。

 

「…シクハックさんのスタジオから出てきたでしょ。…なにしてたの?」

 

「未確認ライオットって大会に出たいんだ。それでイライザさんに相方をお願いしに行った」

 

…素直に答えても、ここは問題なしか。

 

「…結果は?」

 

「なんとかうまくいったぜ。まずは、目指せ1次審査突破だな」

 

「むむむ…そう。ごめんなさい引き留めて」

 

「?ああ」

 

なんだありゃ?大槻さんにしちゃ歯切れが悪い。…まあいいか。俺も次、イライザさんと会うときまでに、曲リストアップしとこ。

 

「…未確認ライオット、か」

 

そう大槻ヨヨコはひとりごちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

またも場所変わりSTARRY

 

「ただいま!!」ばたーん!!

 

「うおう!青木くん!元気いっぱいだね!」

 

虹夏先輩から声をかけられる。まあね。

 

「なかなかいい相方をゲットしまして…。ふふふ。この未確認ライオット!勝つのはうちらだ結束バンド!」

 

「にゃにお〜!青木くんのくせに生意気な〜!」

 

「覚悟しとけよ青木遥!今度こそキサマに奇跡はない!」

 

先輩方がいきり立つ!特にリョウ先輩の気合が凄い!だがビビってもいられないぜ!

 

「出る以上は俺も!100%勝つ気でやりますぜ!あと、ゴッチ!改めギターヒーロー!!」

 

ゴッチに言いたいことがあったので呼びかける!

 

「は、…ひゃい!!」

 

「この間のゴッチの話!俺感動したぞ!そうだよな!悔しいよな!共に頑張ってきた仲間を蔑ろにされて!ゴッチの胸に宿ったその炎は、たとえこのフェスの結果が出ようが出まいが、絶対に無駄になる事はない!!」

 

「…うん!うん!!」

 

「思うにさ!ゴッチの暗闇は!ドッペルゲンガーはギターヒーローなんだよ!下手な自分に!至らない自分に!挑戦し続けた日々!目の前に広がる暗闇を少しでも祓いたくて指を切り続けた日々!わかりやすくネットに残ってるだろ!?」

 

「あ、あうあうう…!」

 

「なるほどそんな楽しみ方が。ギターヒーロー初期の方見てみよっと」

 

「や、やめてぇリョウさん!恥ずかしいからぁ!」

 

「練習は嘘をつかねぇ!お前が今まで培ってきた様々なテク!そして心意気!全て束ねて未確認の最強の敵に挑め!ギターヒーローはお前!そして!お前はギターヒーローだ!!」

 

それだけいい終えるが早いか、足蹴りが3つ分くらい飛んできたような…いたあ!

 

「青木く〜ん!毎回ズルいんだよ長い演説〜!タマにはわたしにも長演説喋らせろ!」

 

虹夏先輩!?なんか目が怖いです!

 

「わたしもそう思います!青木くんばかりズルいです!わたしもひとりちゃんに演説して泣かせたいです!」

 

「喜多さんの場合は今日の朝ごはんのレシピを少し情感込めて語るだけで、ゴッチ泣くと思いますよ?」

 

「なんで!?」

 

さあ…ただ、ゴッチは喜多さんのこと大好きですからね。

 

「コウハイノクセニナマイキダ!」

 

ヤロー。ラストの1人は便乗して蹴ったな!蹴られ損だ!などと思っていると、虹夏先輩が切り出す。

 

「そういえばさ。…2人は知ってたんだ。ぼっちちゃんが、ギターヒーローなんだって」

 

「…はい。まあ…なんか気づいちゃって。ゴッチが言いたくなさそうにしてたんで隠してましたが…。逆に。虹夏先輩も知ってたんですね。いつ気づかれたんで?」

 

素直に疑問を投げ返す。

 

「台風ライブの日。聞き覚えのあるヴィヴラートのかけ方と、細かい演奏のクセで…な〜んだ。知ってるのわたしだけ〜♪って。けっこ〜いい気分だったのにな〜。ぼっちちゃん?」

 

「はう!?もももももももも申し訳ありません隠してたわけではなくその!そこのお二人には初めて動画お見せしたときに普通にバレまして…!」

 

「まあ…今にして思えばなんで虹夏に見せられてるときに気付かなかったか不思議だよ。ジャージやらレスポールやら。完全にぼっち」

 

まあな…そこは否定できない。まんまだもんな。隠す気あんのか?

 

「はえ〜やっぱさすがだね2人共」

 

「虹夏は好きすぎて逆に灯台下現象が起きてたんじゃない?」

 

2人の会話がまとまりかけた頃、新たな火種が。

 

「わたしだけ知らなかったわ」

 

恨めしそうな顔で喜多さん。恨めし喜多さん!

 

「はわわわわ…!き、喜多ちゃんごめんなさい…!わざとではないんです…!」

 

「つーん。何かしてくれたら許すかもつーん」

 

「あああああ…!い、一体どうすれば…!」

 

すまんゴッチ。それの答えは喜多さんしか持ってない。大人しく裁かれるといい。てゆーか何かしてくれたら許すって言ってるぞ。

 

「…ふふ。じゃあ。ひとりちゃん約束」

 

「は、はい!なんなりと!!」

 

「…今度。ひとりちゃんが1人で抱えきれなそうな悩みを抱えたら、一番最初に話して。…ひとりちゃんが、わたしに直接」

 

…幽遊白書の雪村螢子?ああだからうらめし喜多さん。

 

「えっそんな…。いや…。はいっ!わかりました!喜多ちゃんに1番に、相談します!」

 

「よろしい!」

 

そしてにこーっと笑い合う2人。尊いね。

 

「ヤバい…。後輩からの相談ポジションを次々奪われてる気が…!ど、どうすれば!」

 

「虹夏よ。慌てるな。わたしたちこそ結束バンド。主がわたわたしていてはバンドも安心できない。なに。結局誰も彼も悩んだらわたしたちのもとに話を持ってくるさ。分かったらどっしり構えてなさい」

 

「た、たしかに…!こういう時だけ役に立つ…!」

 

「どういう意味じゃいコラ」

 

なんだかんだで結束バンドは仲良さそうだなと横目で見ながら思った。

 

未確認ライオットは長丁場。最初の審査ですら来年の4月である。その前に目の前に迫っている年の瀬。そして新年をどう迎えるか。考えるほうが先決かと。青木遥は考えをまとめるのだった。

 

 

 

 

 

 






なんだかんだと聞かれれば、答えてあげよう御座候。
乱れに乱れしこの業界。正し給うは天使か悪魔か。
真原とひろがるこの次元に、愛も正義も関係なし。
黒のスーツに白の着物。着こなし現るSexy&Beautyな我々は!
イライザだよ!そしてこの俺!ギバちゃんだ!2人あわせてTEAMイバラギ!!
6天魔界を駆ける我々には!!グランドクロスの福音が待ってるぜ!ナーンテネ!!

TEAMイバラギの前口上です。もちろんですが、ポケモンの彼らが元ネタです。…子供の頃、まただよ笑とか思いながら聞き流してましたが、ちゃんと聞いてみるとクソかっこいいんだよなあれ…。
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