【完結】 ギター爪弾きのバラッド   作:はま0821

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日向さんの描写が難しい!!何参考にすればいいんだこれ!?こんな言語でしゃべる子おらん!!なにしゅきぴって!?なにてゃって!!仮面舞踏会!!?


57 ギタリストとベーシストの卵

 

 

大山猫々

 

 

身長かなり小さい。茶髪のショートカットで快活な性格。中学時代バスケをしていたため、ノリは体育会系。声がデカい。

 

日向恵恋奈

 

見た目は黒髪ロングな清楚系。身長が高く、スタイル抜群だが、話し方が大クセ。ああいう言語があるのか?誰か教えてほしい。ここSTARRY以外でも働いているらしい。曰く、通信制高校なので時間は無限にあるそうだ。

 

…うむ。こうまとめてみると、なかなか癖がある新人だな2人共。

 

「2人はなんか楽器とか弾くの?」

 

初手はこ〜んな感じかな?受け取りやすく、返しやすいパスを出すこと。これが先輩のムーブ…!真似していいぞダメ先輩共。

 

「当方!!ギター弾けるようになりたいです!!そしてゆくゆくはバンド結成したいです!!メンバー!!募集中!!」

 

うるせえ。声がでけえ。が。まあ、素晴らしいじゃない大山さん。ギターを弾きたい。つまりギターキッズだな。素晴らしいラプソディを奏でられるよう、協力を惜しまないよ…!

 

「えれは〜、一応ベース持ってますけど〜ほかのオタクさんたちと一線引くためのファンアイテムというか〜、有り体に言うと!弾けません!」

 

ふむう。ベースがファンアイテム??ほんで一人称がえれ、なのね。このわずかなやり取りで2つ疑問が生まれちまったよ。なに?最近の陽キャってこんな感じなの?と思い、喜多さんを見ると。あ、だめだ。喜多さんも頭の上にハテナを乱舞させている。だがだ。俺はこの子を知ってる。これだけでほかの先輩共より1馬身前に出れるぜ。

 

「君アレでしょ?天使なキューティクル?の地下アイドルの子でしょ?」

 

「あっそうです〜!天使"の"キューティクル!ですけど〜。惜しいですね〜先輩〜!」

 

んああ!ちくしょう間違えた!でもやっぱそうか!あの池袋の地獄闇鍋ライブを一緒に戦い抜いた仲じゃん!仲間意識が芽生えるぜ。

 

「あああの!東武ー西武ー、池袋ー!の!」

 

思い出したみたいだな喜多さん。

 

「それは先輩が勝手にアレンジした掛け声です!正しくは!シャンプー!リンス!ヘアオイルー!です〜!」

 

エレちゃんに間違いを正される喜多さん。そういえばアレはアレンジだったな…。ハマってたから忘れてた。するとリョウ先輩も引っ掛かったようで。

 

「ああ思い出した!なんかトンチキな歌歌ってた地下アイドル!ガブリエルとかミカエルとか!?」

 

「そうです!わたしはラファエルでしたけどね〜」

 

はえ〜。と、リョウ先輩がエレちゃんのことをしげしげと見る。

 

「す、凄いね恵恋奈ちゃん。アイドルだったんだ…!」

 

大山さんがエレちゃんに問い掛けると。

 

「元だけどね〜。今は辞めちゃった〜!天使のキューティクル解散しちゃってさ〜!今はただのバンドヲタ〜!」

 

「あっ、や、辞めちゃったんだ…。でも凄いよ!音楽のことに関しては先輩だね!」

 

ふむ。そういうことになるのかな?まあ、曲がりなりにもステージを経験してるわけだしね。大山さんの純粋さが眩しいな。

 

「…そんなに真剣に音楽と向き合ってたわけじゃないから…なんか照れるな〜」

 

えれちゃんが頬を赤らめ頭を掻く。

 

「大山さんバンド組みたいのよね?日向さんと組んでみたらいいんじゃないかしら?」

 

きたーんと。思わぬキラーパスが飛んでくる。喜多さん。ついこないだ知り合った人といきなりバンドはハードル高いんじゃないすかね?

 

「…でもえれ。さっきも言ったけど、ベースはファンアイテムとして持ってるだけで弾けないし…」

 

「わたしも弾けなかったわよ!結束バンド入った時!先生がいればなんとかなるものよ!わたしの場合はひとりちゃん!」

 

「せ…先生ですか…」

 

喜多さんがえれちゃんに話す。そういえば喜多さんはバンドに入った当初は弾けなかったんだよな。なのにここまで弾けるようになってるんだから、結局はやる気と練習の問題か。隣のゴッチをちらりと見やると、浮かれた顔してテレテレと嬉しがってる。

 

「うん!恵恋奈ちゃん!きっと練習次第で弾けるようになるよ!だから、わたしとバンド組んで!」

 

眩しい。目的に向かって一直線に突き進んでいく人というのは、年齢性別関係なく魅力的だ。ついつい目で追ってしまう。

 

「…うん。分かった。わたしで、よければ〜」

 

凄い。この一瞬でバンドメンバーゲットしちゃったよ。まさに行動力の化身…!…すると、ここまで事態を静観していた店長から号令がかかる。

 

「おし、いい感じに話はまとまったな。そろそろ仕事すんぞ!喜多とぼっちちゃんは大山についてドリンク教えてやって!リョウと遥は、日向について、受け付け教えてやれ!」

 

「はい!」

 

「了解」

 

「オス!」

 

「よ、よろしくお願いします!」

 

さて、日向さんはここ以外の職場も接客業らしいから、この仕事もすぐ慣れるだろう。…躓くとしたら、人間関係かなぁ…。俺は潤滑油。ギスリそうになったらフォロー入れていくのも任務。…喜多さん!そっちは任せたぞ!

 

任されたわ青木くん!でも、大山さんは元気な子だし、割と機転も利きそう。何処になにがあるか教えてあげれば、後は普通にできちゃいそうね。ほっといたら全く喋らなそうだから、ひとりちゃんに基本的な部分は頑張って教えてもらって、わたしはフォローって感じでいいかしら!

 

「ヒッピー先輩ありがとうございます!大体わかりました!」

 

「ちょちょちょちょ待って。誰なのヒッピー先輩って!?」

 

「あっなんかわたしのことみたいで…ヒッピーみたいなカッコして学校行ったの見られてたみたいで…」

 

「未だにそんな事してるのひとりちゃん!?なんで去年より悪化してるのよ!?ヒッピーってよくわからないけどかなり昔の流行りでしょ!?まだバンド女子コーデのほうがマシよ!」

 

「あぐふぅ!?三歩進んで二歩下がる悲しいぼっちの習性です…!」

 

ひとりちゃんからヒッピー事情聴取をしていると、大山さんが写真を見せてくれる。

 

「ヒッピー先輩学校ではちょっとした有名人ですよ!ほら!写真待ち受けにしてると幸せになれるって!」

 

「あうう…!呪術の材料にまで…!黒歴史の上塗り…!」

 

「都市伝説みたいねぇ。わたしも登録してみようかしら。まあそれはさておき、まじめに仕事していきましょう!大山さん!ひとりちゃん!少しずつ進んでいけば、弾けなかったギター弾けるようになったり、ヒッピーからカリスマロックギタリストにだってなれるわよ!」

 

「はい!分かりました映え先輩!!」

 

「「映え先輩!?」」

 

 

 

 

 

「…とまあ。チケット代とは別にドリンク代五百円頂いて、奥のドリンクバーで交換してもらう感じ。受け付けはこんだけ。後は愛想よく。かなあ…?」

 

「うむ。問題無いと思うぞ?遥」

 

「なんであなたあんま仕事してねえんすか…?」

 

「御二人ともありがとうございます〜!大体わかりました〜」

 

ふむ。後は実戦あるのみか。接客業の経験あると強いよなぁ。この子は即戦力だな。…あぁ。そういえば。

 

「えれちゃん?でいいか?大山さんとバンド組むことにしたんだね。ベース弾けないのになんでだい?」

 

少し気になっていた。最初えれちゃんはバンド活動に興味がなさそうだった。それがなぜ、大山さんの誘いを受けてみる気になったのか。

 

「えれちゃんでいいですよ〜。…そうですね。わたし。地下アイドル辞めてから、どうしたらいいのかなって。路頭に迷ってた時期があったんですよ〜。そんな時にみなさんの、結束バンドさんの未確認ライオットの演奏を見て。…カッコいいなって。バンドしてる女の子が、カッコよく見えちゃって。…見てるだけで、良かったんですけど〜。…あんなに真剣に誘われたら断れないです〜。自分でも、演奏してみたくなっちゃって〜」

 

素晴らしい。バンド女子イズムというものは受け継がれていくな。結束バンドから、大山さんに。えれちゃんに。

 

「演奏カッコいいですってよ。良かったじゃないすか。リョウ先輩」

 

「うむ、恵恋奈。苦しゅうない。ベースのイロハなら教えてあげられるよ。ワンステップにつき、御飯1奢りで」

 

「後輩にタカるなよ先輩」

 

「ホントですかリョウ先輩〜!わたし〜!結束バンドの中でもリョウ先輩一押しなんですよ〜!担です!もはや担です〜!」

 

「「担??」」

 

 

 

 

 

 

 

「でも大山さん。なんでバンド、というよりギターをしてみようと思ったの?」

 

単純に疑問に思ったことを聞いてみる。きっかけを知ることで、相手の懐に入りやすくなる。人付き合いの常套手段よ!

 

「あっそれは簡単です!ヒッピー…もとい、後藤先輩の影響です!」

 

「えっわた、わたし!?」

 

ひとりちゃんが驚いている。でも、わたしも同じ気持ち。ヒッピー先輩なんて呼ばれているから、あまり評価されていないのかと。

 

「わたし!自分で言うのもなんですけど目立ちたがりやなんすよ!中学の頃はバスケしてたんですけど、こんな身長だから、あんまり活躍できなくて!そんで高校はなにしよう?って迷っていたら、先輩方が未確認ライオットに出るって言うんで、見に行ったんですよ!」

 

「へー!大山さん見ててくれたんだ!」

 

「はい!映え先輩もカッコよかったっすけど、わたしには後藤先輩がすごくカッコよく見えて!後藤先輩を見て思いました!わたしもギター弾けるようになって、みんなに見上げられたいって!あの時の後藤先輩!ホントに大きく見えてカッコよかったです!だから、ヒッピーのカッコの先輩を待ち受けにしてるんですよ!尊敬してるんで!」

 

「でへへへへ…!そ、そんな、かっこいいだなんて〜!て、照れるなあ〜!」

 

ひとりちゃんがよそ様に見せられないようなだらしない顔してる!ダメよそんな顔したら!折角カッコいいって言ってくれてるのに!

 

「お願いします!後藤先輩!ギター教えてください!ていうか、なんでそんな上手なんですか!?」

 

「えっ中学時代、1日6時間弾いてたから…?」

 

「パねえっすね!?6時間!?」

 

ふふふのふ。ひとりちゃんは普段奇行ばかりだから正当に評価されにくいけど、ギターに関してはほんとカッコいいんだから!大山さん!見る目あるわよ!

 

 

 

 

 

思いの外、新人2人は優秀だ。持ち前の明るさや、愛想のよさで、仕事を次々捌いていく。ゴッチが少し自信を喪失したような顔してる。こりゃあ、先輩の威厳はギターで取り戻すしかないな。客足もはけ、少し落ち着いてきた頃、店長から声がかかる。

 

「おしっ。新人達。今日はお疲れ。折角だし、今日出演のバンドも観てけ」

 

「えっ!?いいんですか〜?わたし!このバンドも凄く好きで!」

 

とはえれちゃん。ほ〜。ちゃんと真面目にバンドの活動も見ているんだな〜。

 

「ホントか。多分本人達も喜ぶよ。是非見て感想とか言ってやれよ」

 

「はい!すっごく好きです!主に顔が!!」

 

「「顔!!」」

 

店長とハモる。…!やはり最近の若者…!我々には想像しにくい世界に生きていますね…!

 

「バンドを顔で判断…」

 

ほらみろ、リョウ先輩が眉間にシワを寄せて理解不能な顔してる。折角さっき気に入られかけてたのに…!まあ、何処を好きになるか?なんてのも含めて、それも個性か。

 

そう思っていた。俺は侮っていたのだ。オタク女子というものを。いや、日向恵恋奈という女を。

 

「ぎゃあああ〜!!すきぴ〜!!顔がいい無理〜!」

 

「ちょっうるさ…!」

 

「え、恵恋奈ちゃん落ち着いて!」

 

突如頭を振り乱し発狂する。傍目に見てたらホラーでしかない。いやこえーよ振り切りすぎだろ、悪魔憑きにしか見えないよ?

 

「遥!リョウ!押さえつけろ!」

 

店長からの指示!リョウ先輩と協力して抑えにかかるが、一瞬連携が遅れて、リョウ先輩が吹っ飛ばされる。だが。まあ、しょせん女子の力。キン肉マンである俺に敵うはずもなし。ガッチリ羽交い締めにして、何とか事なきを得る。…いや怖ぁ。急に発狂するな。

 

「す、すみません〜!ライブとなると何も見えなくなっちゃうタチで〜!」

 

「つ、次はないからね!お疲れ!」

 

さすがに店長も少しビビっている。店長もオタク女子は専門外か…。

 

「日向恵恋奈…。いや厄介オタク女子…!やはり危険な存在…!」

 

吹っ飛ばされた先で喜多さんに看病されてるリョウ先輩はそう呟いていた。あ〜あ。警戒されちゃったよ。

 

「でも、リョウ先輩!未確認ライオット見てくれた人は結構いるんですね!負けちゃったけど、真剣にやった意味はやっぱりあったなって!そう思います!」

 

「!郁代。…そうだね。たとえ少しよく分からないジャンルの人達でも、見てくれる人がいるのはいいこと」

 

「り、リョウ先輩。大山さん、わたしがギター弾いてる姿、カッコいいって言ってくれました…!こ、怖くても、逃げ出さずにギターに向き合ってきて良かったなと…そう思えました!」

 

「うん。ぼっち。ぼっちがギター弾いてる姿はカッコいいよ。わたしが保証したげる」

 

「!あっ!ありがとうございます!リョウ先輩!」

 

「いつかあの後輩2人がステージに立ってる姿も見たいものだよね…。でもな〜いかんせん性格がな〜。推し活?なるものも、よく分からんし…」

 

「わ、わたしも体育会系のノリにはついていける気がしません…」

 

「大丈夫よひとりちゃん!リョウ先輩!たとえジャンルは違えども、似たような熱量を持ってやっていれば!通じ合うところはきっと出てきます!そう!あの池袋闇鍋ライブのように!」

 

そんなもんかね?まあ、確かに俺もあの闇鍋ライブを一緒に乗り越えたメンバーのみんなには勝手に仲間意識を抱いてる。地下アイドルだろうと、デスメタルだろうと、昭和のシンガーソングライターだろうと、音楽にかける熱というのは変わらないはずだ。

 

かくして。STARRYに、2人の癖が強い新人が入ってきた。厄介オタクでも前世体育会系でも、おんなじ音楽というものに惹かれてSTARRYに集まった似た者同士だ。垣根を越えて、きっと仲良くできるはずである。…うん。きっと!!

 

 

「ああ…!慣れないことすると肩が凝る…!ぼっち。郁代。今日スタ練ね。虹夏いないけど」

 

「はい!できる所まで合わせていきましょーう!」

 

「わ、わたしも今日は疲れました…!やはりわたしは先輩なんて柄じゃない…!」

 

結束バンドの3人はこの後自主練か。頑張っているよなあ。演奏力は上げておいて、やりすぎるってことはないだろう。だがだ。仕事はすべてペイしているはずの、後輩2人が帰らない。…何故?

 

 

「えっと…?大山…猫々?猫々だっけ。帰らないの…?」

 

少しおっかなびっくり、リョウ先輩が質問。それに対する答えが。

 

「まさか、先輩方!これから自主トレですか!やっぱ凄いです!先輩方が頑張っていらっしゃるのに、後輩であるわたしが帰るわけにはいきません!みなさんを応援します!!」

 

でた!!体育会系の暑苦しいノリ!!リョウ先輩がもっっっっとも苦手にしそうなやつ!!!!

 

「推しバンドの練習風景…!!好き…!!!!見たすぎ…!!!」

 

こっちはこっちで練習を見学したそうだ。ゴッチとリョウ先輩はげんなりしている。喜多さんだけが、みんなでやったほうが楽しいかも〜!!と。後輩2人のテンションに対抗できていた。流石の陽キャぶり。

 

「ぼっち…」

 

「り、リョウ先輩…!」

 

「「やっぱり、厄介オタク女子は…。体育会系女子は…」」

 

「「苦手だ…!!」」

 

お疲れ。先輩になった結束バンドたち。その2人は結構話せば分かる系だと思うから。相手のことを受け入れつつ、自分のことをあまり隠さず…。まあ、頑張れ。大丈夫だから。多分。

 

 

 

 

 






やっぱ喜多さんがいるといないじゃ雲泥の差だね!虹夏ちゃんがいないから、絡ませるの難しくなるかな?なんて思ってたけど、喜多さんいれば問題なかった!…。なぜか俺が書くと、山田さんがあまり刺々しい態度を取らない。少し面倒くさい後輩、程度の動きになる…。大人なのか。山田よ…?
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