青木家お品書き
父親…青木 彼方 (かなた)
母親…(故人)…青木 花苗 (かなえ)
長女…青木 此方 (こなた)
長男…青木 遥 (はるか)
今は3人家族。ちなみに、長女の此方さんは、遥の1つ上。虹夏ちゃんたちと同級生。パパは41歳。ママは39歳。作品には関係ない裏設定。
「どうかしたのか遥、深刻そうな面して」
ここはライブ終わりのSTARRY。もはや閉店を待つだけのこの場所に、4つの人影があった。その1人、店長である、伊地知星歌さんから、俺は問い掛けられたので、素直に明日からしばらく、休暇を頂きたい旨の話をする。
「すんません。お話が。店長。少しの間、暇をいただきたいのです」
「…あ?どゆこと?」
もちろんこんな反応になるだろう。当たり前だ。いきなり、明日もシフト入ってる、従業員からこんな事言われたら、俺だってこんなリアクションになる。
「…順を追ってお話します。…今日、俺のお姉さんと名乗る人物が、俺を訪ねてきました」
んくっと。店長は、明らかに思った時じゃないタイミングで、飲み物を飲み込み。姉御は怪訝そうな顔。PAさんは、はっと顔を上げていた。
「…お前。姉貴居たのか」
「いえ。分からないです。会ったこともない。ホントに姉かどうかの確証もないんですけど。…なんとなく、似てる気がするんですよ。俺の母親に。仕草や表情。ちょっと抜けてて、強引なところとか。それで、その姉さんが、俺の父親はアメリカにいる。会いに行こう。って言うんです」
「…なにぃ?」
「…」
「青木くんの…お父さん…」
沈黙が姉御。俺の言葉を反芻したのがPAさん。…ほんで、初めてこの話を聞いた時の俺みたいに、疑問8割といった反応が、店長だ。
「確かに、根拠の薄い話かもしれないすけど、どうにもこんなに、凝った手段を使ってまで、俺を騙す利点が思いつかなくて。…ほら。俺、天涯孤独じゃないですか。あんまりパーソナルデータなんて出回ってないと思うんですよ、…でも、向こうは俺の名前を知ってた」
「…全部信じる論拠にゃ、薄い気がするが…。確かになぁ。…行く気なのか。お前」
俺の目を見据えて、店長が問う。…そんな他意はないかもだが、覚悟を試されてる、そんな気がした。
「…俺の親父は、俺に会いたくないみたいっす。今のこの状況も、姉貴が親父に黙って出て来て、アメリカにいることを教えてくれて。…この機を逃したら、また親父側は雲隠れしちまうんじゃねえかと思って。…そしてなにより。俺は親父がどんな男なのか見てみたい。…なので、自称姉貴の口車に、乗ってみようと思います」
俺の言葉を聞き届けた後、店長は髪をかき上げ、無造作にガシガシとやって、深い呼吸を1つ。
「分かった。…ただ、タイミングがなぁ〜。その話、虹夏たちには?」
「言ってないです。…出来れば、言わないでおいていただけると、助かります。今彼女たちは、レコーディングの真っ最中。…ノイズにはなりたくない」
その言葉を聞いた後、店長は再び頭をガシガシ掻きむしって。
「だよな〜。お前ならそう言うよな〜。…分かったよ。お前がいない間のSTARRYはこっちでどうにかする。…そんかわし、1つ約束しろ。親父さんの件。向こうでどうなろうとも。必ず帰って来て報告しろ。それが条件だ」
「…!はい!ありがとうございます!!」
俺からの返事を、うむ。と大きく頷く店長。すんません。明日シフトに穴開けることになって。などと思っていると、ぽん。と肩に手を置かれる。
「まさかこんなに早く、チャンスが巡ってくるなんてね。頑張ってね遥くん。あなたのお父さんもきっと、あなたに会いたいと思っているよ」
「PAさん、ありがとうございます。一発ぶん殴ってきます」
「え、ええ〜。そ、そこは穏やかにしてあげたほうがいいんじゃあ…」
「殴る権利くらいはあるでしょう。唐突すぎるんですよ大体。もともと、会ったら、ぶん殴るってのは、心に決めてたんで」
「…青木くんのお父さん…。ご愁傷さま…」
そんな会話を交わしながら、シャドーボクシングをしていると、最後に姉御が口を開く。
「…遥くん。ホント〜に君のことは、心配だけど、お姉さんついていけない。だから、結束バンドのみんなと一緒に、日本で。ここで。待ってるから。…わたしからも、約束。絶対に帰ってきて」
「もちろんす。いつになるかはちと分かりませんが、向こうで決着をつけたら、必ず帰ってきます!」
「その言葉。信じるよ!念願のお父さんとの邂逅だよ!アメリカだろうが何処だろうが!いちびったら負けだかんね!男!青木遥の心意気!見せてやりな!」
バァン!と。姉御に強く背中を叩かれる。同時に、首や背中にまとわりついていた、邪念や恐れが抜けた気がした。
「本当に、皆さんには頭が上がりません、ありがとう、ございます!」
もう一度、今度は3人に向けて、腰を45度に曲げて、謝意を表す。店長は、ヒラヒラと手を振ってくれた後。
「帰ってくんのいつかわかんねーのか…まいったな…」
と小さくこぼし。
「わたしが代わりに入りましょうか!?STARRYのバイト!」
と、姉御が店長に返し、
「いや、お前はグラスとか皿とか割りそうだからいい」
と突っぱねられていた。
PAさんは、いつもの笑顔で、手を振ってくれた。
「…帰ったか」
最後にこちらに頭を下げた後も、申し訳なさそうに何度か振り返りつつ、STARRYを後にした遥を見やってから、そう呟く。
「先輩。やっぱちょっと心配だよ。このまま行かしちゃっていいの?」
言うなよ廣井。こっちだって頭痛いんだから。
「まあ。確かに約束したよな。レコーディングの間は、あいつらには知らせないって」
「お?店長。なにやら含みがありますね〜」
広角を釣り上げて、さも面白いものでも発見したように、PAが問い掛けてくる。
「あいつらのレコーディングが終わるのは、明日の夜7時。その後はまあ…。わたしの自由だわな」
ニヤリと。笑みを浮かべて、2人の顔を見やると、その意図を察したのか、2人共、悪い顔で、笑みを返してくる。
まあ。なんだ。結局、最後に選択肢を選ぶのは、子供たちであるべきなんだよな。
STARRYを後にして、明日までにやらねばならぬことに思いを巡らせる。正直、みんなの手前、帰ってくることを約束したが、保証はない。なぜなら…。先立つもの。つまり金が単純に足りないのだ。今までのバイト代やらなにやら。全部掻き集めても、残念ながら片道分にしかなるまい。姉貴が出してくれるなんて、言っていたが何処まで信用できるのか…。最悪、向こうで働かねばならぬかも。…即席のライブでもやって金を稼ぐか…。
替えの下着にギター。ありったけの金に、あとはなんだろう?必要なものを思い浮かべながら、夜の下北沢を歩いていると、やはり足が向くのは、結束バンドのみんなが戦っている、レコーディングスタジオだ。泊まり込みに近いかたちでやっているらしい。レコーディングの大変さはやったことがないので知らないが、1日中閉鎖空間で、各々の楽器を、ミスなく弾き倒し、音楽と向かい合い続ける。…ダメだ。俺も大分ギターフリークの方だと自覚してるけど、気が狂いそうだ。…彼女らも戦っている。プロの世界で。ならば、さんざん彼女らに偉そうなことを言った、俺が、自身の戦いから逃げるわけにはいかないよな。
「山田リョウさん。伊地知虹夏さん。喜多郁代さん。…そして、後藤ひとりさん。ありがとう。みんなに会えて、本当に楽しかった。…しばしの別れだ。…またもし会えたら、気兼ねなく接してくれ。…あばよ」
夜のレコーディングスタジオ。誰も応えるものがない虚空に、万感の思いを込めて、別れの言葉を投げた。
1日たち。青木遥が、アメリカに発つ日。下北沢のとあるレコーディングスタジオ。
「す!凄いね!これがわたしたちの音!?凄い!凄いよこれ!プロみたい!」
わたし、伊地知虹夏は、プロのエンジニアさんの技術にただただ感嘆していた。この音楽が、わたしたちの音楽として世に出るのか!?ヤバいな。コレ、わたしたち売れちゃうんじゃね?
「ふひひ…。夢の印税生活…」
「ひとりちゃん気が早いわ!?」
「タワマン…最上階…億ション…ふふふ…」
「リョウ先輩も!?2人共帰ってきて!?」
あ、だめだ。わたしが浮かれるわけにはいかないやこれ。すでに2人、浮かれおバカちゃんになってる。…でも。凄いなやっぱプロのミクスチャーって。わたしたちの拙い演奏がまるでプロのそれだよ。
「まあみんなはまごうことなきプロなんだけどね。正確には、完成したアルバムが、1枚でも売れた、その瞬間から。君たちは、楽しい娘たちだったから、またお仕事したいよ!頑張ってそのアルバム、いっぱい売ってね!」
「は、はい!ありがとうございます!上村さん!」
今回のミニアルバムを手掛けてくれた、エンジニアの上村さんに、改めてお礼を述べる。
「やっと閉鎖空間からおさらば。…肩こるわ」
リョウがコキッコキッと首を鳴らしている。あんまりそれやるとよくないらしいよ?
「こ、今回は流石のわたしもぐったり…!つ、疲れたわ〜」
「へへ…。郁代ちゃんは歌い通しだもんね…」
みんな疲労困憊だね…。よしっ!ご飯食べて、今日は早めに解散しますか!レコーディング終わったんだし、打ち上げ代くらいは、レーベルさんが持ってくれるでしょ!
「すいません、そんな予算は組んでいません!」
…なんてこった。司馬さんにいい姿勢で断られてしまった。いかん。自腹で行こうにも、給料前だからお金が!
「お茶請け用の飴なら食べていいよ〜」
上村さんが、100%善意でそう仰ってくれるが、エネルギー不足の体にはもはや足りはしない!
「侘しい…。帰ろっか」
全員の承諾が得られたので、何故かレコーディングは成功したのに、少々惨めな気持ちで帰り支度を始める。すると、スマホが震え始めた。画面に表示されてる、相手を見ると、お姉ちゃんだ。
「どーしたのお姉ちゃん?なんだかんだいってかわいい妹のレコーディングの調子が気になるんでしょ〜」
「ん?おお。それもあるな。どうだった?首尾は」
「もうバッチリ!凄くカッコよく仕上がったよ!エンジニアさんに感謝だね!…お姉ちゃんもありがとね、リナさん紹介してくれて。アドバイス聞いて、なんか吹っ切れたっていうか」
「そうか。そいつはよかった。ただ、ごめん。聞きたいのはそっちじゃねえ。…虹夏。話がある。これからお前に喋ることは、冗談でも、デマカセでもなんでもねぇ。全部事実だ。心して、聞いてくれ」
「な、なになに!?怖いんですけど!?」
「よく聞けよ。青木遥、いるだろ?あいつが今日、アメリカに発つ。帰ってくる日は、分かんねえそうだ。…なんでも、あいつのもとに、身内が。お姉さんが現れたらしくてな。そいつが言うには、遥がずっと探していた、父親がアメリカにいるらしい」
「…うそ」
「ウソじゃねえホントだ。切り替えてくれ虹夏。ほんで、1つ聞きたくて電話した。今から羽田空港に行きゃまだ間に合うかもだ。…お前ら結束バンドは、出国前のあいつに会いたいか?」
「えっえっそっ、そんな…!?」
みんなを見回して、分かりやすいくらいに動揺してしまう。すると、リョウがわたしから、スマホを奪い、音量を最大にしてスピーカーフォンに切り替えた。
「店長?虹夏が凄く動揺してる。その話、もしやわたしたちにも関係ある?」
「リョウか。お前もよく聞け。青木遥が今日10時に、アメリカに発つ。今から車で向かえば、まだ出国前のあいつに会えるかもだ。…どうする?」
「…なんだって?」
「…えっ…!?」
「あ、青木くんが!?」
「そうだ。みんなもよく聞け。今の話には、うそも冗談も、ワンセンテンスも含まれてねえ。動揺してるだろうが、…決めてくれ。決めてくれたら、後はこっちでなんとかする」
「えっえっ…?あ、後はなんとかするって…どうするの?」
「そらお前…。首都高を、頭文字Iするしかないんじゃないの?そこは任せとけよ。お前たちはただ、どうするのか。どうしたいのか。決めてくれ。…個人的には、会ったほうがいいと思う。わたしは、あいつのアメリカ行き。多分止めようと思えば止められたんだ。でも。伝えきれてない、すれ違ったままの想いがあると、その想いはそのまんま終わっちまう事もある。少なくとも、わたしはそれを、知ってるつもりだ。だから、止めなかった。そんで、それは虹夏。お前にも憶えがあるはずだ。…わたしは、せめてお前らには、…後悔するような選択をして欲しくない」
お姉ちゃんの、冗談の雰囲気が、まるで感じられない話を聞いても、わたしには未だに現実のものとして、受け入れられなかった。全てがふわふわとしているような。気持ちが悪い浮遊感。地に足がつかないような。大きな祭りのその後のような。すると。後ろから、凛とした声が響いた。
「…行きたい。わ、わたし。行きたいです!店長さん!」
ぼっちちゃん!
「わ、わたし!青木くんには、もうお世話になりっぱなしで!なんでそんな急なのか?とか、なんでなにも言ってくれなかったのか!?とか!いろいろありますけど!…このまま、何も言わないまんま、送り出してしまったら、…わたし、絶対後悔する…!そん、そんなの、嫌だ…!」
「…分かった。ぼっちちゃん。任せろ」
ぼっちちゃんの呟くような。しかし、確かな決意を含んだ声に。お姉ちゃんがハッキリと返事する。
「店長。ぼっちに同じだよ。…あのみずくさ大王に、1発ライジングアッパーをブチかましてやらにゃ、わたしの気が済まない!!」
「…ふっ。リョウ。わたしが許す。思いっ切りブチかませ」
両手の指をパキパキと鳴らし、かつてないほどの怒りを携えたリョウが、そう断言する!…わたしですら、初めて見るぐらいに怒ってるな。珍しい。…まあ。全くおんなじ気持ちだから否定しないけどね。
「…ばか。青木くん。もう!!あの、大馬鹿ヤロウ!!あいつはいい加減理解すべきだ!!未だに、自分の人生なんか、他人になんの影響も及ぼさないとか!!こんな事知らされても困るだろうとか!?そんな、みずくさい通り越してカビ臭い考え持ってやがるのか!?いい加減にしろよ!!あなたに助けられた!あなたに救ってもらった人だって、この場にいっぱいいるんだ!!このわたしのように!!店長さん!!わたしも連れてって下さい!!飛行機なんざ乗らなくても!わたしが黄金の右で直々にアメリカまでぶっ飛ばしてやりますよ!!」
ひょ、ひょえ〜。喜多ちゃん。気持ち、分かるけどそのくらいにしておいて。ぼっちちゃんが涙目だから!ぴえ〜って鳴き声が聞こえるから!
「喜多。お前って、マジでブチ切れると口調が悪くなるんだな。でもさ、気持ち分かるぞ。あいつは、レコーディング中のお前らには、ノイズになりたくないから、言うなって言ってた。…なら、レコーディング終わってからなら伝えても構わねえわな。…あいつも、詰め甘いよな」
電話の向こうのお姉ちゃんが、舌を出しているのを幻視する。あ、悪魔だ。悪魔がいる。こんな状態の喜多ちゃん連れてったら、青木くん八つ裂きにされちゃうよ。…まあ。止める気ないけど。むしろわたしも加わって、拾陸裂きにしちゃうかも。
「…ほんで?メンバーの意思は固まったみたいだが、虹夏。お前は?」
「行くに決まってるでしょお姉ちゃん。顔合わせた途端に暴力行為に走りそうなこの2人を止めないと。まあ!気持ちはわたしもリョウや喜多ちゃんと一緒だけどね!!急すぎるんだよ青木くん!ほんで!みずくさい!レコーディング中だろうがなんだろうが!…ちゃんと、知らせてほしかったよ…。そんな大事な事。だから!その事に対して一言言う!お姉ちゃん!わたしたちは!どうしたらいい!?」
電話越しのお姉ちゃんが、ふっと笑った。そんな気がした。
「どうやら腹は、決まったみたいだな。そのままスタジオから出てきな」
「えっ…!?お姉ちゃん、まさか…!?」
言われるがまま、スタジオを出ると。その前に車が止まっていた。わたしたち4人ぐらい、ゆうに乗り込めそうな、ワンボックスである。そしてその前に立つのは、お姉ちゃんと。廣井さんと、PAさんだ!
「さあ虹夏。お前ら。乗れ!首都高を、羽田空港に向かって、湾岸なミッドナイトを頭文字Iだ。久々に本気のわたしを見せてやるぜ…?」
「みんなは、乗ってる間にアメリカ行きの飛行機の発着口調べといて!!そこからはしらみつぶしだよ!!」
「運が良ければ空港内で探してるうちに、待ち合わせ中のあの2人に会えるかもです!ここからは時間勝負ですよ!!」
大人の皆さんが、これからわたしたちがやらなければならないことを、丁寧に解説してくれる。ちなみに、廣井さんは、見た目に分かりにくいが、酔いは抜けてるみたい。顔が赤くない。よ、よし!みんな!!乗り込め!!
「遥ぁ〜、逃げられると思うなよ〜、山田リョウ渾身のマッスルドッキングを決めてやるからなあ〜!」
「青木くんめ〜!今日のわたしの説教は長いわよ〜!覚悟なさい!ともすればそれだけで飛行機乗り逃がすくらいに!」
「あ、あわわ…!どうか皆さん冷静ににに…!!」
なんか昔のクレヨンしんちゃんの映画で、こんなシーンあったよね。しんちゃんのお父さんが、勢いで原作者殴り飛ばしちゃうやつ。たぶん今みんな、あんな感じのテンションだよね。お、お姉ちゃん。人轢いちゃだめだよ!急ぎつつ、安全運転でお願いします!
「あっ。信号だ」
ブロロ〜ン。ピタッ。
…いや当たり前なんだけどさ。こういうシーンで、信号で止まられると、なんかテンション落ちるな!!いや、止まるのが当たり前なんだけどね!なんも悪い事してないんだけど!!おねーちゃん!早く首都高乗って!!頭文字Iっぷりを見してよ!!間に合わなくなるよ!?
様々な想いを乗せながら、ワンボックスは羽田空港への道をひた走る。ひとりは、事情を話してくれなかったことへの憤りを。ひとりは、寂しさを。またひとりは、一時とはいえ、別れねばならない悲しさを。ともすれば溢れてしまいそうな想いを、それぞれの小さな胸に、目一杯に抱えながら。
多くは語りません。急げ!羽田へ!!
狂った犬の如く、疾走れ。