ダンジョンに強すぎる冒険者がいるのは間違っているだろうか   作:マイペースライター

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読者の皆様こんばんは〜
またまた深夜の投稿になりますが、良い子な読者様はいつもながら寝ながらお読みくださいませ()


最強と最強

 

リリルカを背にかばい、エルは都市最強の冒険者と称される、駆け出しの自分にとっては強大な相手であるオッタルと向き合っていた。

背中に走る冷たい汗と、鼓動の速まりが全身を包む。

しかし、後ろに怯えた表情で倒れているリリルカの存在が、彼の中に消せない炎を灯し続けていた。

ここで引くわけにはいかない。

彼女を守り、無事に地上に戻るため、エルは決意を固める。

 

「さて、お前がどこまで耐えられるか…試させてもらうぞ」

 

低く抑えた声で、オッタルが挑発めいた言葉を口にする。

エルが素手でいることを確認すると、オッタルは背中に背負う剣があるにも関わらず、それには手を触れず、素手のまま待ち構えた。

 

「こちらも素手でいこう。お前の力、見せてみろ」

 

彼の言葉に促されるまま、エルは拳を強く握りしめ、全力で駆け出した。

渾身の一撃を叩き込むつもりで、その拳をオッタルに向かって突き出す。

拳が唸りを上げて彼にに迫るが、オッタルはわずかに手を動かすだけでそれを受け止め、エルの拳から発生した衝撃は瞬く間に消え去り、驚くほど軽々と受け流された。

 

「なっ…!」

 

エルの目が驚愕に見開かれる。

エルの拳による攻撃は、過去に戦ったモンスターのそのどれもを一撃で粉々に吹き飛ばすほどの力だったはずだ。

それを、オッタルにはただの素手で、それも片手で、まるで赤子の拳を相手しているように受け止められた。

 

「この力はLv2…いや、Lv3の冒険者程か。なぜLv1でこれほどの力が出せるのか分からないが、面白い」

 

オッタルの興味深そうな声が静かに響く。

彼の手から感じる圧倒的な力に、エルは一瞬戦慄を覚えた。

この都市最強の冒険者が持つ『本物』の力が、眼前で肌に突き刺さってくるようだった。

Lv1の中で最強などと煽てられ嬉しくなっていた自分が恥ずかしくなるくらいの圧倒的力の差。

 

だが、怯んでいる場合ではない。

エルは再び己の拳を振り上げ、次は死角を取るつもりで別の角度からオッタルに迫る。

しかし、その拳もまた容易く弾かれ、神速とも言える彼の身のこなしにより、あっという間に距離を詰められ、一撃で体ごと吹き飛ばされる。

 

「ぐあっ…!」

 

鈍い衝撃が体に走り、エルは重たく壁に叩きつけられた。

背中から痛みが広がり、思わず呻き声を漏らす。

だが、オッタルはすでに次の攻撃の準備をしており、今度は力の限りを込めてエルを圧倒しようとしていた。

 

だが、オッタルは、その拳をエルに当たる寸前に止め、呆れたような表情でエルに言葉を投げかける。

 

「やはり素手では物足りん。これを使ってみろ」

 

そう言って、オッタルは背負っていた2本の剣の内の一本を背中から引き抜き、片手で軽々と放り投げ、それはエルの前に突き刺さる。

エルは一瞬戸惑うものの、オッタルに一矢報いることができるならば使えるものは使うべきだと、オッタルから投げ渡されたその重量感ある剣を手に取り、構え直した。

 

一方で、オッタルももう一本の剣を手に取って構えを取り、エルと視線を交わす。

 

「来い」

 

その一言と共に、エルは剣を構え直し、勢いよくオッタルへと突進した。

剣術の発展アビリティの効果なのか、エルの身体は先程よりも自然に、そして速く、彼の動きはさらに鋭さを増していく。

 

しかし、それでもオッタルの力は圧倒的だった。

エルの一撃は先程素手で戦っていた時よりも一段と鋭く、剣は確かな切れ味を持っていたが、オッタルは手に持つ剣によりその一撃を簡単に弾き返し、余裕すら感じられる。

剣が重なり合う音が響く中、エルの攻撃は徐々に圧倒されていった。

 

「この程度か?」

 

オッタルは涼しげに言い放ち、片手での斬撃一つでエルの剣を打ち砕く勢いで迫ってきた。

エルは防御に徹しようとするが、オッタルの一撃一撃が防具を貫き、所々に傷を刻み込んでいく。

 

「ぐっ…」

 

全身を伝う苦痛に耐えながらも、エルは視線をリリルカに向け、彼女のためにも、まだここで引けないと思い直した。

そして力を振り絞って再び突撃するが、オッタルの剣撃は相変わらず容赦がなく、次々と彼の体に深い傷を刻みつけていく。

 

エルは痛みに苦しみつつも、オッタルに果敢に立ち向かう。

そしてオッタルの一撃来る、それをこの短いくも長い戦いのうちに刻み込んだ戦闘経験から予測したエルは、彼の剣をギリギリのところで回避する。

すると一瞬、オッタルの表情に変化があったように見え、ここしかない、そうエルは直感的に感じ取り、手に持つ剣をオッタルに向け、全身全霊をかけ自身の最速、最大威力の攻撃を叩き込む。

が、それも都市最強の冒険者、猛者、オッタルには通用しない攻撃だった。

 

「甘いな」

 

オッタルは冷淡な声でそう告げると、一瞬でその攻撃を弾き返し、距離を詰め、力強い一撃を放った。

その剣撃はエルを吹き飛ばし、彼の体は再び壁に叩きつけられる。

 

「がはっ…!」

 

エルの意識が揺らぎ、体が重く動かない。

視界がかすみ、全身が激しい痛みに包まれる。

そして、そんな苦痛の中でもどうにか意識を保ち、なんとか立ち上がろうとするが足が震えていうことを聞かない。

 

オッタルは冷淡な視線でエルを見下ろし、まるで何事もなかったかのように言葉を放つ。

 

「こんなものか。多少は強いようだが、怠けすぎだ。フレイヤ様に期待されている者にしてはまだまだ弱すぎる」

 

彼の言葉が、エルの心に突き刺さる。

意識が朦朧とする中、それでも無理やりにエルは意識をつなぎ止め、自身を奮い立たせ、再び立ち上がろうとする意志を見せた。

その様子に、オッタルはわずかに興味を示すような視線を向けていた。




ようやく初投稿から考えていた所までたどり着きました。
ここからどうなるやら。
エルきゅん頑張れ!
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