ダンジョンに強すぎる冒険者がいるのは間違っているだろうか   作:マイペースライター

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読者の皆様こんばん…おはようございます?
こんな時間の投稿になってしまいましたね。
寝てる時間だとは思いますが、夢の中で読んでください〜

あ、それと探索階層の出現モンスターなど間違ってたところがあったので少し修正しました!
物語の進行には影響はないのですが、一応報告です!

あと、遅くなりましたが20000UA突破ありがとうございます!


開花

 

アフロディーテとエルが無事に神殿へと帰り、その寝室でステイタスの更新の準備をしていた時、アフロディーテから話を聞きたいと言われていたことに対してエルは、意を決して話すことにしていた。

 

エルは深呼吸を一つしてから、アフロディーテにダンジョンでの出来事を語り始めた。

 

「カヌゥという冒険者と仲間達にパーティに誘われて、昨日と、今日一緒に探索していたんです。けれど、今日の探索で…彼らがモンスターから自分の身を守るためにリリルカさんを盾にして…彼女が怪我をしてしまったんです。」

 

エルの表情には悔しさが滲んでいた。

アフロディーテは少し険しい表情で、

 

「酷い冒険者がいたものね」

 

と呟く。

エルも彼女の言葉に頷き、続けた。

 

「僕は、気絶したリリルカを守りながら戦っていたんです。その時に…突然、オッタルが現れて、戦闘を挑まれました。最初は歯が立たなかったんです…」

 

そこでエルは一瞬言葉を詰まらせた。アフロディーテはエルの様子を見つめながら、安心させるように微笑む。

 

「でも、あなたが無事に帰ってきて、本当に良かったわ」

 

エルも微笑み返しつつ、話を続ける。

 

「でも…途中で、僕の身体が急に軽くなって、オッタルと互角…とは言わないまでも、それに近い形で渡り合えるようになったんです」

 

アフロディーテは静かに頷き、

 

「そう…ついに開花したのね」

 

と言う。

 

「開花…ですか?」

 

エルは聞き慣れないアフロディーテが発した言葉に対して不思議そうに尋ねる。

 

「ええ、あなたのスキルの一つに以前詳細を話さなかった物があるでしょう?」

 

「…そういえば、ありましたね」

 

「そのスキルは、所有者が窮地に陥った時、一度だけ心の奥底で強く求めた力をスキルの能力として上書きする効果を持っているの。だから、先に教えるかどうか悩んでいたのよ」

 

エルは思わず息を飲んだ。

 

「じゃあ…あのときの力は、スキルの効果だったんですね」

 

「ええ、オッタルに瀕死に追い込まれたこと、そしてあの子を守りたいと強く願ったことが、スキルを発動させた理由だと思うわ」

 

エルはアフロディーテの言葉をかみしめ、静かにうなずいた。

その時、アフロディーテはナイフを取り、自らの指先を少し切り裂く。

そして、その指先から滴る血が、エルの背中に刻まれた神聖文字へと落ちると、彼の背中が、強烈な光を放った。

エルの成長を物語るように、各ステイタスの数値が次々と上がっていく。

 

アフロディーテは、ステイタスの更新が終わり光が収まった後、エルの背中に向けて優しい笑みを向け、

 

「これがあなたの手にした力なのね、エル」

 

と囁く。

 

エルも深く息を整え、アフロディーテから渡された紙に目を落とした。

そこには、己のステイタスが限界まで上昇し、さらに新たな力が付与されたことが記されていた。

特に、オッタルとの戦闘で自分が急激に強化された理由も、そこに示されたスキルの説明によって明らかとなっていた。

 

 

---

 

エル・フィリウス

 

Lv.1

 

«基本アビリティ»

力:M3000

耐久:M2172 →M3000

器用:M2527→M3000

敏捷:M2436→M3000

魔力:M3000

 

«発展アビリティ»

剣術:M

格闘:M

魔導:M

魔防:M

精癒:M

治癒:M

耐異常:M

 

【魔法】

 

«煉獄炎(ゲヘナ)»

・無詠唱魔法。

・集中攻撃魔法。

・広範囲攻撃魔法。

 

【スキル】

 

«原初神寵愛 (アマデウス)»

・早熟する。

・昇華緩和。

・限界突破。

・神の恩恵獲得、昇華時、初期能力値に超高補正。

 

«原初神加護(プリシディアム・プリムス・デウス)»

・発展アビリティ『剣術』、『格闘』、『魔導』、『魔防』、『精癒』、『治癒』、『耐異常』獲得。各補正値は本人の能力に依存する。

 

«神器解放(リベーラ・レガリア)»

・発動時、全能力値を倍にする。

・発動中は常に少量の精神力を消費し続け、精神力が尽きるまで効果は持続する。

・瀕死時、発動、未発動に関わらず強制的に効果を発動し、体力と精神力を僅かに回復させる。

精神力の消費力が増える代わりに能力値の増幅効果を通常発動時のさらに倍にする。

 

---

 

「これって…」

 

「あなたのスキル、『神器解放』よ。はっきり言って、化け物じみたスキルね」

 

「そう…ですよね。あの人と渡り合うことができた理由が、よく分かりました」

 

アフロディーテは、エルの動揺を察して優しく告げる。

 

「いい、エル?力を存分に使って強くなるのは構わないわ。でも、その力に飲まれてはダメよ。自分がその力を扱っていることを、しっかりと意識して制御するの」

 

エルは真剣な表情でうなずき、

 

「はい」

 

とと一言答えた。

 

するとアフロディーテが微笑み、

 

「さあ、もう今日は寝ましょうか」と声をかける。

 

「はい!アフロディーテ様」

 

エルはその言葉に従い、部屋から出ようとするが、ふと彼女が呼び止める。

 

「エル?どこに行くのよ」

 

「…え?寝るために外に…」

 

「どうして?隣で寝たらいいじゃない」

 

エルは一瞬戸惑うが、アフロディーテが拗ねた表情を浮かべて言う。

 

「私、もう怒っていないわよ?それとも、私の隣で寝るのが嫌なのかしら?」

 

「い、いえ!寝ます!ぜひ隣で寝させてください!」

 

「それでいいのよ」

 

アフロディーテは悪戯っぽく微笑み、

そう呟いた。

 

---

 

翌朝、エルは今日も迷宮探索へ行こうと支度を整え、神殿の居間でくつろいでいるアフロディーテに挨拶をした。

 

「おはようございます、アフロディーテ様!今日もダンジョンに行ってきます!」

 

アフロディーテは微笑みながら返す。

 

「おはよう、エル。頑張ってきなさい」

 

そして、ふと何かを思い出したかのように、彼女は近くの棚から一振の短剣を取り出し、エルに手渡した。

 

「そうだわ。これを持っていきなさい」

 

驚いて短剣を見つめるエル。

 

「神様、これは…?」

 

「安いものだけど、昨日武器が壊れたって言ってたから、買っておいたわよ」

 

エルは感謝の気持ちを込めて深く礼をする。

 

「アフロディーテ様…ありがとうございます!」

 

そうして短剣を腰に差し、エルは神殿を後にしてダンジョンへ向かった。

 

---

 

ダンジョンにたどり着いたエルは、階層を下へ下へと降りていき、昨日オッタルに敗北を喫した10階層に足を踏み入れる。

豚頭人身のトロールや、インプ、闇を滑空するバッドバットが待ち構えている。

エルはそれぞれの特徴を見極めつつ、アフロディーテからもらった短剣と魔法を駆使して次々に撃破していった。

 

トロールが地面から大木を引き抜き変化して出来た棍棒を振り上げて襲いかかる。

エルはそれをひらりとかわし、懐に飛び込みながら短剣を突き刺す。

トロールの鈍重な動きではエルの素早さについていけない。

エルは立て続けに攻撃を浴びせ、トロールがよろめくと同時に煉獄炎(ゲヘナ)を放った。

瞬時に炎が広がり、トロールはその炎に包まれて沈黙する。

 

次の標的はエルの周りを駆け回る複数のインプだ。インプはその小さな身体と仲間との連携で攻撃を放ってくるが、それを冷静に回避しながらエルは魔法を集中して放ち、インプ達に直撃させると、炎に包まれて一瞬で灰となった。

 

こうして戦いを続けるうち、エルは自分の身体が昨日よりも軽く、魔法の威力が増していることを実感する。

上昇したステイタスの恩恵が如実に感じられ、エルはさらなる階層へ挑む決意を固めた。

 

---

 

もう少し少し深く潜ってみようと先へ進み、11階層にたどり着く。

かつて椿と探索した際に見たアルマジロ型モンスター、ハードアーマードや、大猿型モンスター、シルバーバックが現れる。

エルは構えを整え、まずはハードアーマードに立ち向かう。

 

ハードアーマードの硬い外殻が短剣を弾くが、エルは一瞬の隙を突いて接近し、急所を狙って短剣を突き立てた。

ガリッという音と共に、ハードアーマードが崩れ落ちる。

 

次にシルバーバックが両腕を振り上げ、エルに突進してくる。

エルは瞬時に魔法を放ち、シルバーバックの動きを封じつつ接近戦に持ち込む。

エルは冷静に短剣を振るい、シルバーバックを次々と切り刻み、最後に一撃を与えて倒した。

 

すべてのモンスターを討伐し、満足げに息を整えるエルだったが、その時、遠くから騒がしい音が聞こえた。

振り向くと、こちらに走ってくる冒険者たちが目に入る。

すれ違いざま、彼らの内の一人が叫んだ。

 

「おいアンタ!危ないから早く逃げろ!」

 

「何かあったんですか?」

 

その冒険者が足を止め、息を切らしながら答えた。

 

「インファントドラゴンが出たんだ!」

 

エイナから聞いた事がある。

11階層で稀に出現する希少種、インファントドラゴンが現れたようだ。

エルは一瞬躊躇したが、意を決し、逃げ去る冒険者たちを尻目にインファントドラゴンのいる場所へと駆け出した。

 

---

 

やがて、インファントドラゴンの姿を見つけた。

巨大な体躯とオレンジの鱗、鋭い牙が威圧感を放っている。

エルは短剣を構え、まずは今の状態でどこまでできるか、今まで通りの方法で戦うことにした。

インファントドラゴンが大きな爪を振りかざしてくる。

エルはギリギリでその攻撃をかわし、側面に回り込むと、短剣で斬りつけた。

 

インファントドラゴンの皮膚は非常に硬く、エルの高い力の能力値による短剣での攻撃でも容易には傷つかない。

それでも何度も挑み続け、彼の攻撃が少しずつ相手の動きを鈍らせていく。

 

「…そろそろ試してみようかな」

 

「よし…神器解放(リベーラ・レガリア)!」

 

エルは意を決し、昨日のオッタルとの戦い以来のスキルを発動した。

瞬間、彼の体が虹色のオーラに包まれ、身体が限界を超えて軽くなる。

圧倒的な力が満ち溢れ、まるで自分が全能の存在になったかのような感覚に包まれる。

 

「やっぱりこれ…すごいな」

 

アフロディーテからもらった短剣は腰に差し、エルは素手でインファントドラゴンに挑んだ。

拳を振り上げ、全力で叩き込むと、インファントドラゴンの鱗が弾けるように割れ、痛みに呻く。

エルは次々と攻撃を加え、数発の打撃だけでインファントドラゴンを圧倒していく。

 

「あの人と戦った時よりは力は出てないけど、それでもこのモンスター相手なら!」

 

最終的に、エルの拳がインファントドラゴンの胸を貫き、ドラゴンはその場に倒れ伏した。

灰になり、床に魔石を残して消えるインファントドラゴン。

その魔石を見つめながら、エルは自らの新たな力に圧倒され、呆然と立ち尽くしていた。

 

「これが…スキルの力…」

 

 

 




ついに謎だったスキルのチート能力が明らかになりましたね…
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