ダンジョンに強すぎる冒険者がいるのは間違っているだろうか   作:マイペースライター

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読者の皆様こんばんは〜
少し時間がかかってこんな時間の投稿になりました。
原作に追いついたことで、噛み合いとかも考えなきゃで考えることが多いですね。お待たせしました。
それとお気に入り300ありがとうございます!


ヘスティアファミリア

 

エルは食料の買い出しを終えて、ファミリアのホームである神殿へと帰宅した。

そして出かけた時と変わらず居間で寛いでいるアフロディーテに、ヘスティアと再会したことを報告する。

 

「アフロディーテ様。実は今日、ジャガ丸くんの屋台で店員をしていたヘスティア様という女神と再会しまして。それで、夜にファミリアのホームでジャガ丸くんパーティをするからぜひ来て欲しいと招待されたんですが…」

 

アフロディーテは少し驚いたように目を丸くしたが、すぐに考え込むような顔を見せた。

そして、しばらくしてから小さく頷く。

 

「そう。ヘスティアのところなら構わないわ。久しぶりに会うのも悪くないし、楽しみね」

 

その言葉を聞いて、エルは少し安心した。けれど、同時に申し訳ない気持ちも湧き上がる。

 

「でも、自分たちだけ振る舞われるのはなんだか気が引けてしまいますね」

 

アフロディーテはその言葉に微笑むと、少し冗談めかして言った。

 

「ふふ、あなたもそういうことを気にするのね。優しい子だわ。なら、お土産でも持っていくのはどう?」

 

「あっ!確かにそうですね。じゃあ、ちょっとまた出かけて何かお土産に良さそうなものを買ってきますね!」

 

アフロディーテの快諾を得て、エルはさっそく街へ向かった。

 

---

 

夕暮れが近づくオラリオの街は、活気を増していた。

人々が行き交い、あちらこちらから話し声が聞こえる。

エルは何をお土産として持って行こうか悩みながら、露店を見て回る。

 

「甘いものがいいのかな……いや、軽くて食べやすいものが無難かもしれない」

 

そんなことを考えていると、突然、何処かから気になる話し声が聞こえてきて、辺りを見回す。

 

「ねぇちゃん、アンタエルフかよ!可愛いなぁ!俺と遊ぼうぜ!」

 

声のする方に目を向けると、こんな時間から酔っ払っているのだろう、顔を赤く染めた男がふらつきながら、薄緑色の少し短い髪をした女性に絡んでいるのが見えた。

 

「結構です。そのような目的なら歓楽街へ行けばいいでしょう」

 

毅然とした態度で断る女性だが、男はまったく引き下がる気配を見せない。

 

「俺はねぇちゃんみたいなべっぴんさんと遊びてぇんだ!なぁいいだろう?」

 

「結構ですと言っているでしょう。去りなさい」

 

男に何度も言い寄られるも、態度は変わらないエルフ。

それでも男性は引き下がらず、何処かへ行こうとするエルフを追いかける。

 

「そう言うなよ、エルフのねぇちゃん!」

 

そして彼女を引き留めようと腕を掴もうとした瞬間、エルは迷わず声をかけ男の腕を掴んだ。

 

「」

 

「あの、彼女困っているみたいですし、もう辞めませんか?」

 

男は振り向き、エルを睨みつける。

 

「あぁ?なんだよガキ!俺はこのねぇちゃんと話してんだよ!」

 

「でも、明らかに嫌がってるみたいですし……」

 

エルは軽く笑みを浮かべながら、男の腕を掴む。酔っている男に対しては、下手に力を誇示するよりも冷静な対応が効果的だ。

 

「ほら、相当酔ってるみたいですし、水でも飲みに行きませんか?」

 

エルの提案を無視しようとした男だが、腕を振り払おうとするたびに、エルの力がそれを押さえ込む。

 

「ぐっ、くそ!このガキ!」

 

男は怒りのあまり殴りかかろうとしたが、エルは冷静にその腕も掴み、男の腕のとある部分を押さえた。

 

「うーん…ごめんなさい、少しだけ…我慢してくださいね…」

 

「ぐああああ!」

 

男は突然の激痛に叫び声を上げ、勢いよく地面に倒れ込む。

その様子を見たエルは慌てて手を離し、男を覗き込む。

エルが押したのはエルの祖母直伝の全身に激痛を巡らせて痛覚を刺激するツボだった。

 

「だ、大丈夫ですか?痛かったですよね……すみません」

 

「こ、この!!覚えてろよー!!」

 

男は怯えた表情を浮かべ、足早にその場を去っていった。

 

「助かりました」

 

「いえいえ。そんな大したことは」

 

「いえ、私ではやりすぎてしまうので、貴方に撃退して頂けて良かった」

 

エルフの女性は静かに礼を述べると、優雅に一礼した。

 

「や、やりすぎてしまう…?」

 

エルは彼女の言葉に耳を疑い小声でその言葉を復唱するが、あまり気にしないようにしようと頭を左右に振る。

 

「私はリューといいます。本当にありがとうございました。ぜひお礼をさせて頂きたいのですが、私が働いているお店にまたいつか来ていただけないでしょうか」

 

彼女の言葉に、エルは少し戸惑いながら答える。

 

「あっ、エルと言います。俺は大丈夫ですよ!大したことはしてませんし……」

 

「ぜひお礼を。『豊穣の女主人』という店に来てください。何かもてなしをしたい」

 

リューの熱意に押され、エルは軽く頷いた。

 

「…わかりました。機会があれば、そのお店に伺います」

 

「はい。先程はありがとうございました。では」

 

そうしてエルフのリューという女性と別れたエルは、再びお土産探しに戻り、手頃なものを買うのだった。

 

---

 

夜になり、エルとアフロディーテはヘスティア・ファミリアのホームである廃教会に向かった。

そして到着した時、教会の前ではヘスティアが待ち構えていた。

 

「やあ!来てくれたんだね!待ってたよ!」

 

ヘスティアは嬉しそうに手を広げる。

 

「ヘスティア、久しぶりね」

 

「ヘスティア様、お土産を持ってきました。どうぞ」

 

「おお!いいのかい!ありがとう!さあ2人とも入ってくれ!」

 

そうしてヘスティアの言葉にアフロディーテも微笑みながら応じ、教会の中へと招き入れられた。

 

そして廃教会の地下に存在する居住スペースにたどり着くと、とある少年が顔を出す。

 

「神様、おかえりなさい!」

 

「ただいま!ベルくん、こちらがアフロディーテ、そしてその眷族のエルくんだよ!」

 

そんなヘスティアの紹介にエルは挨拶を返しながらも、顔は少し引きつっていた。

 

昼間に見かけた血まみれの少年を思い出す。

 

(やっぱり、この人だ……)

 

少しぎこちない笑顔を浮かべるエル。

 

「さあ!挨拶も済んだことだし、早速ジャガ丸くんパーティと洒落こもうじゃないか!」

 

そしてヘスティアの言葉と共に、その部屋のテーブルに置いてあった大量のジャガ丸くんを各自手に持ち食べ始める。

 

 

もちろんエルはジャガ丸くんをこの上なく好んでいるので、思いのままに齧り付いていたのだが、ベルと呼ばれた少年から声をかけられる度、ビクッと身体は跳ねて、引きつった笑顔で返答をしていた。

そんな様子に気づいたのか、ベルが問いかける。

 

「あの…どうかしましたか?僕…何か変ですかね…?」

 

「えっ、いえ、違うんです!ただ……昼間に、血まみれのあなたを見かけて、それで…」

 

エルの答えに、ベルは少し恥ずかしそうに事情を説明し始めた。

 

「ああ!すみません!実あれ、あの少し前にダンジョンでミノタウロスに追い詰められていて……アイズ・ヴァレンシュタインさんに助けてもらったんですけど、その時、ミノタウロスの返り血を浴びちゃって…それとヴァレンシュタインさんの剣技が凄かったのでなんだか舞い上がっちゃって…」

 

「ああ!そういうことだったんですね。僕の勘違いだったみたいで、なんだかごめんなさい!」

 

エルは笑顔を返し、誤解が解けたことで少し打ち解けた様子になる。

 

---

 

それからエルとベルは意気投合し、歳も一つ違いだということがわかって、気も許しあって喋るようになっていた。

「アイズさんはジャガ丸くんが大好物みたいで、何故かこの間会った時にジャガ丸くん仲間になったんだよ」

 

「ええ!!ジャガ丸仲間!?凄いよエル!」

 

そんな2人を見て女神たちは声をかける。

 

 

パーティの最中、ヘスティアとアフロディーテが2人を見て微笑む。

 

「あなたたち、随分仲良くなったじゃない。そういうことなら明日、一緒にダンジョンに行ってパーティを組んでみたら?」

 

「それはいいね!ベルくんも1人だと心配だし、先輩のエルくんについて行ってもらえたら僕も安心だよ!」

 

「そ、そんな!迷惑じゃないですか……?」

 

 

そんな神達の提案にベルが慌てて言うが、アフロディーテがエルの方に顔を向けて問いかける。

 

「あなたはどう?エル」

 

そしてエルはその問いかけに優しく微笑見ながら答える。

 

「僕は構いませんよ。一緒に探索に行こうよ、ベル」

 

「…だ、そうだよ!ベルくん!」

 

「じ、じゃあお言葉に甘えて…よろしくね、エル」

 

「うん!」

 

こうして、翌日、ベルと2人での迷宮探索が決まった。

そしてその後、ジャガ丸くんパーティもお開きとなり、エルとアフロディーテは満足げに帰路についた。




ベルきゅん、サイコパス認定回避出来て良かったね!
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