ソードアート・オンライン ~Done Dope Dreamer~ 作:逸喪 非渡理
ソードアート・オンラインのプレイヤー達は例外無くアインクラッド第一層、その最南端に位置する⦅はじまりの街⦆からゲームを開始することとなる。
攻略を目指すプレイヤーは、街を抜けて北に向かって足を進めると、初めに草原フィールドに行き着くことになる。更に西寄りに進めば深い森のエリア、東向きに進めば湖沼地帯が見えてくる。その道中に大小様々な町や村があり、ダンジョン攻略中の活動拠点として、また物資の補給地点として利用するのがプレイヤー共通の立ち回りと言えるだろう。
どんなルートであれ、そうして北へ向かうプレイヤー達の行き着く先が、第二層への転移門とその前に立ちはだかるボスが待つ、第一層迷宮区である。
ソウジもまた、多くのプレイヤーと同様に迷宮区を目指すその第一歩として、⦅はじまりの街⦆の北端にある巨大な門を潜り抜け、フィールドに足を踏み入れた。
草原フィールド、とその名が示す通り、目の前には見渡す限りの草原が広がっていた。多くの人間がそこを踏締めて進んだであろうことが窺える、草が禿げて地面が剥き出しとなった一本道を除いて辺り一面、背の低い草がどこまでも広がっていた。
空いた土地を建造物で埋めることに執心する都心部―郊外ではあるが―で育ったソウジには鮮烈な体験となった。
「おお……」と壮観な景色に小さく声を漏らす。
髪や服を微かに揺らす、吹き抜けた風が心地良い。土や草の青臭さも、幼い頃に遊んだ大きな自然公園での記憶が蘇るようだ。
ソウジは表情には出さないものの、景色を楽しみながら、小道をゆっくりと歩き出した。踏み出す足は今日一番の軽やかさであった。
・・・・・・
ソウジはフィールドを歩きながら、思いの外道すがら出会うプレイヤーの数が少ないな、と感じた。
ソードアート・オンラインの初回ユーザーは述べ1万人。全員が漏れなくログインしているとは考えにくいため、現在アインクラッドにいるのは9千と数百人、と言ったところか。上層階が解放されていない現在、全てのプレイヤーは第一層に集う。であれば、フィールドは人でごった返していても良さそうなものだが。
ソウジは歩きながら考える。ありそうな理由としては、
「⦅はじまりの街⦆周辺で探索をしたいがために残っているプレイヤーも多い」
「殆どのプレイヤーが攻略を目指して既に遥か先に進んでいる」
こんなところだろうか。
前者については、まだまだ街に残って活動しているプレイヤーが多い故の憶測、後者は
ソードアート・オンラインは発売前から多くのゲームユーザーに注目されていたため、大勢の人間があの手この手でソフトを入手しようとしたという。現在アインクラッドで活動するプレイヤーは
「超ラッキーマンか、ゲーム中毒者のどっちかだナ!」
との事である。それ程に熱心なプレイヤー達であれば、攻略に精を出し、道中の景色など楽しむ余裕もなく先へ先へと進むのも有り得るかもしれない。ソウジはこの辺りが妥当だなと結論づける。
現在の時刻は16時30分。ゲーム開始から既に3時間が経過している。レベル上げやスキル熟練度の上昇、装備の更新や金稼ぎなど、やらなければならないことは枚挙に暇がないが、ベテランプレイヤー達は最短ルートを模索し、道すがらどうにかやりくりするのだろう。βテスターという既に一度この世界を経験済みの者達もいる。彼らは尚のこと、順調に攻略に勤しめるというのもある。
バイタリティというものが物心着く頃には既に欠落していたソウジには、前を向いて走り続けられる理由と、熱を抱いたプレイヤー達が少し眩しく感じられた。
しかしこの世界で劣等感を感じるのは街中での一件で十分だ。自分は自分、マイペースに行こうとソウジは決心する。
それからは、小高い丘が見えれば頂上まで登りつめ、眺望きく山頂から空中に浮かぶ島々を見渡してみたり、色彩豊かな花が生い茂る花畑を見つければ踏み潰さないよう慎重に中を掻き分け進んでみた。
仮想世界での在り方、過ごし方として果たしてこれが正解かは分からなかったものの、ソウジは自分なりの形でフィールドワークを堪能した。
その姿は幼い子供の様にも、未知の土地を踏破せんとする探索者の様にも見えた。
知らぬは当人ばかり、とはよく言ったもので、偶にソウジの横を通り過ぎるプレイヤーからは、「エンジョイプレイヤーとして最高の遊び方をしている」と囁かれていた。
・・・・・・
北へ北へと進む途中に、東西へ分岐した道があり、ソウジはどちらの道を選んで進むのか選択を迫られた。予め情報収集をしたプレイヤーであれば、モンスターの強さ、獲得可能アイテムの善し悪しなどから利益の多い道を選択するところだが、ソウジは遠くの景色が目に楽しいという雑な理由で北西を選び歩を進めていた。
攻略というよりは散策をしながら歩くソウジから、10メートルほど離れた地点で青色のポリゴンががキラキラと舞い始める。
何事かと立ち止まるソウジの目の前で、燐光を放つポリゴンは次第に形を成し、最後には一匹の獣の姿をとっていた。
それは猪だった。全身が灰色の体毛で覆われ、前に伸びる鼻と両端にある巨大な牙が特徴的な、1匹のモンスターである。
ソウジが相対することとなったモンスターは、イノシシ型モンスター、名を〈フレンジーボア〉。レベル1の雑魚モンスターであり、攻撃手段は溜めが非常に長い直線方向への突進のみ。攻撃中であってもダメージを負えば行動を中断、ターゲットを変更して攻撃を再度実行し直すなど、非常に単純な戦闘プログラムを有しており、2人以上のパーティで攻撃役をローテーションして戦えば負ける方が難しいとされる。後に黒の剣士と呼ばれる男に言わせれば「他のゲームだとスライム相当だけどな」との事である。
無論VRMMORPG初心者のソウジであっても、
ソウジは歩みを止めない。徐々にフレンジーボアとの距離が近づく。虹彩のない赤い瞳が、敵意を剥き出しにしてソウジをロックオンする。ソウジは歩く速さそのままに更に前へと進んでいく。獲物を見定めた獣は、今にも狩らんと鼻息荒く前脚を沈め、僅かに前傾姿勢となった。
遂にソウジの剣の間合いとなる。ソードアート・オンラインを開始してから1時間半と少し。遂に会敵したモンスターを前に、ソウジは背中の剣を――抜かなかった。
「おお。こっちに来てから
そう小さく呟きながら、ソウジはイノシシの横をそっと通り過ぎ、一瞥することも無く遥か先に続く道を歩いてゆく。
ソウジがあろう事か敵の前を素通りして十数秒。歩数にして20歩程度の距離。再び開いた数メートルの間隔を、方向転換したフレンジーボアは一瞬にして詰めてきた。
ガツガツと土を蹴る重低音が響く。ソウジはゲームを開始してから初めて耳にする異音に対して、咄嗟に足を止めて振り返り、こちらに向かって突進してくるイノシシを認めた。すぐさま腰を落とし、横飛びで攻撃を躱せるよう身構える。フィジカルが物を言うトラブルが生じた際、こうした動きを即座に実行出来るかが生命を分けるということを、ソウジは経験則から学んでいた。
この判断は決して間違いでは無い。現実世界で実行できたのならば紛うことなき英断であり、被害を最小限に留められたであろう。
されど。ここはリアルではなくバーチャルの世界、ソードアート・オンライン。ゲームであっても遊びでは無かった。
フレンジーボアの迫るその速さは、ソウジの想定する猪のそれを、随分と凌駕していた。容赦ない突進による勢いそのままに、ソウジの両脇腹に牙が突き刺さる。安全上の観点から痛覚は再現されていないものの、強い衝撃が全身を伝う。
「―は、」
肺から空気が押し出されたような感覚と共に、声にならない声を発したソウジの体は空中に吹き飛ばされた。視界が目まぐるしく回転し、目の焦点が合ったのは、地面に叩きつけられて完全に倒れ伏した後だった。
ソウジはうつ伏せに地面に投げ出された体を180度回転させて仰向けになる。
空が青い。流れる雲は何者の想いも反映させず、ただ設計されたプログラムのままに風に乗る。
しばし空を仰ぎ見る。恐怖も、焦りも無い。ただひとつの感情だけがソウジの全てを支配していた。
目だけを動かし攻撃を終えた敵を見据える。フレンジーボアはぶるぶると頭を振った後、ソウジに照準を合わせ、前身を地に触れる寸前まで沈めて再び突進する構えを見せた。その様子を見届けたソウジは、ゆらりと立ち上がる。背中のブロンズソードを片手で勢いよく引き抜く。ゲームの仕様上、両手剣は片手で持てないため、重力に引かれるようにズン、と重い音を響かせて地面に突き刺さった。
「これは化け物と殺り合うゲームじゃないのか……?原っぱ駆けづる畜生に泥引っ掛けられるとは思わなかったな……」
―ソウジが致命的に取り違えていた事実が一つある。
〈更科総司〉が知り得る、ゲーム〈ソードアート・オンライン〉についての情報は、あの寒い夜に中華料理屋で見たCMが全てである。そのため、ソウジの思う『モンスター』とは、テレビ画面の中で剣士と戦っていた剣を握る二足歩行の怪物や、人間の上背を遥かに越えた巨躯を持つ化け物といった、まさしく『異形の存在』だった。
そのような形態のモンスターは上層に出現するものであり、第一層では、イノシシやオオカミ、羽虫といった現実の生き物をベースにデザインされたモンスターが大半を占めるのだが、ソウジは知る由もない。
よって、ソウジの認知は『モンスターとは化け物』『動物は動物』と一部歪んでいた。
その為に、特に刺激した訳でもない小型のイノシシが、積極的に危害を加えてくるとは夢にも思わなかったのである。
「こっち来てからというもの、訳分かんねェことばっかりでウンザリしてたんだ。良い奴に一人出会えはしたが……。
それがフィールドに出たら景色も綺麗で気持ちも晴れて、いい気分で歩いてたんだ。それをまさか、こんな形でぶち壊されるとはな……」
〈更科総司〉を知る多くの者が誤解している事実が一つ。
クール、無愛想、冷静。彼を見た多くの者が、更科総司を形容する言葉である。事実、日常的に表情を崩すことは滅多になく、それでいて行動や判断は常に的確、非常事態に惑わされることもない。反面気難しそうな容姿と裏腹に、多くのモノに対して寛容で、器量の大きい人物でもある。そのため彼の人となりを知る者からの評価は実に高い。
しかしながら。その有り様は彼の内実を正確に捉えたものでは無い。
先程と同じように腰を落として重心を低くする。敵を避ける為ではなく、次は屠る為に。
「人間相手に揉めるのは面倒だから街でのアレコレは呑み込んだが、お前相手なら気ィ遣う必要も無いよな……?そっちから絡んできたんだ。少しの間鬱憤晴らしに付き合ってくれよ……!」
もしもフレンジーボアに人心の機微が理解できたなら。
ソウジから放たれる、プログラム上定義不可能な圧―即ち“殺意”を感じられていたら。この不幸な獣は明日を生きられていただろう。しかしプレイヤーの試し切りに用いられるこのモンスターは、悲しいかな、敵と定めた人間に対して吶喊する以外に、生きる術を知らないのだった。
僅かな助走から、一瞬にしてトップスピードに躍り出たフレンジーボアは、再びソウジ目掛けて突進を開始する。
ソウジは地面に刺さった剣の柄を両手で握り引き抜く。そのまま顔の横に構え、野球バットのように振りかぶる。自分に対して真正面から突っ込んでくるモンスターに対し、歯茎を剥き出しにして、薄く嗤った。
―劣悪な家庭環境。突然の不幸。治安最低の土地柄。前時代的な厳しい教育。そんな世界で成長した人間は、相応の人格を宿して育った。
―無愛想なのではない。安易に笑顔を見せるのは弱者か嘘つきの特徴と知っているからだ。
―冷静なのではない。年齢不相応に人よりも多くを見て学び、慣れているだけだ。
―英断、不惑。無数の失敗と修羅場、後悔を潜り抜けた故の、只の『結果』だ。
―器が大きい?否。馬鹿や間抜け相手に時間を割きたくないのである。
然るに、本当の更科総司という男を正確に描きだすのならば以下の様になるであろう。
『
とはいえそれを表に出さず、腹の内で隠して生きることを信条とするのが、日常に起きるイレギュラーや変化を嫌う総司なのだが、昨日夜辺りから諸々の理由でストレスが溜まりに溜まっており、割と限界が来ていたのだった。
ソウジが常日頃被っている仮面を引き剥がす止めの一手を、眼前のイノシシは指してしまったのである。
以上、滔々と長々と延々と彼の人となりとを述べ上げてきたわけであるが、要するに。
―――ブチ切れたのである。
「……オオアァッ‼‼」
裂帛の気合と共に、フレンジーボアの突進に合わせて剣を振り戻す。モンスターの鼻尖とブロンズソードの剣身が激しく衝突する。ブゴォッ、と声を上げたフレンジーボアは衝撃にたたらを踏んで後退する。対してソウジは重心を落としていたことが功を奏したか、依然同じ場所に踏み留まっていた。
ここまで二度、フレンジーボアの攻撃を受けたソウジだったが、ここで攻勢に転じる。フレンジーボアは、ノックバックと攻撃キャンセルによる硬直で、未だに動けずにいる。好機を逃さず、イノシシの顔面中央から伸びている、鼻先に向かって剣を真上段から振り下ろす。フレンジーボアの横にHPバーが出現し、全体の2割ほどが削られると共に、再びモンスターは悲鳴を上げた。憐れなモンスターを前にソウジは、
「ハハ……!イノシシの鼻が弱点なのは仮想世界も同じか!これは良いことを知れた‼」
と両目に怒りを滾らせながら追撃を行う。地面に叩き伏せられたフレンジーボアの顔目掛け、今度は横薙ぎに剣を振るう。再びHPが減少し、残り7割程となった。
ソウジがソードスキルを使わないのには理由がある。正しくは、まだ使えないのだ。ソードスキルは特定の
斬る。叩きつける。振り回す。到底技とは呼べない純粋な暴力がフレンジーボアを襲う。
吹き飛ばされた初めこそ不意打ちであったために相手の強さを測りかねたが、なすがままにされるこのイノシシは、実は大した敵ではないと見当をつけていた。それならば、とソウジは思うがままに剣を振るい続けた。
フレンジーボアにとって唯一の救いは、低レベルモンスター故にHPがそれほど多くなく、絶望的な時間の終わりが比較的早く訪れたことだった。HPバーが緑色から黄色へ、そして赤色へと変化し、遂にはそれすれも失われた時、全身が青色のポリゴンとなって爆散した。戦闘時間、四分三十八秒。初のモンスターとの戦闘は、蓋を開けてみれば圧倒的なまでのプレイヤー側の順当な勝利で幕を下ろした。
『野生動物も敵』。そう学んだソウジは、道すがら出会うモンスター全てに攻撃を仕掛けていった。群れで現れたオオカミ型モンスター⦅ダイアウルフ⦆、デカい虫だとこれまではスルーしていたハチ型モンスター⦅イエロー・ワスプ⦆⦅フォレスト・ワスプ⦆。様々なモンスターと相対したが、一度の傷も負う事はなく、その姿は正に、完全勝利と呼ぶに相応しいものであった。
ソードアート・オンラインのモンスターは、例え1階層の低級モンスターであったとしても攻撃パターンを覚え、僅かな隙を狙って小さな反撃を重ねてダメージを蓄積したり、パーティを組んでスイッチしながら戦わなければ楽勝というわけにはいかない。早々負けることはない相手でも、勝つことは容易ではないデザインとなっている。故に、初見の敵相手にノーダメージキルをソロで果たしたソウジの功績は中々に褒められるべきものだったのだが、生憎戦闘中は他プレイヤーに遭遇することはなく、ソウジ本人も『虫と動物相手だ、これくらい軽くできなきゃあな』と、その出来高を低く見積もっていたためこれに気付くことは無かった。
・・・・・・
モンスターを探す、見つける、倒す、また探すという一連のルーティーンを始めて一時間弱が経過した頃に、事態は起こった。
突然リンゴーン、リンゴーンという鐘のような―あるいは警報音のような大ボリュームのサウンドが、フィールド中に響いた。
ソウジは今度は何だと、毒針を握って地面に何度も叩きつけていたフォレスト・ワスプを放り出して辺りを見回す。特に異変はない。
警戒するソウジの体を鮮やかなブルーの光の柱が包む。青い光に遮られた草原の景色が徐々に薄れていく。最後に一際大きく脈打った後、青い輝きは消失した。視界が戻るとそこは、先程までの草原ではなかった。広大な石畳。街路樹と煉瓦で構築された異国情緒感じさせる街並み。そして遠くに見えるのは黒光する巨大な宮殿。いずれも見覚えがある。
つい数時間まえに後にした、ゲームスタート地点、⦅はじまりの街⦆の中央広場である。
今この瞬間にも自身の身に危険が迫るわけではなさそうだと判断し、ソウジは警戒度を僅かに下げる。街中でプレイヤーはダメージを負うことは無い。安全の確保の為周囲を見回せば、そこにはソウジと似た格好をした尋常ではない質量の人波があった。
その数実に数千……一万人近く。ソードアートオンラインをプレイする全ての人間が一か所に集中したのだろうと理解できた。数秒押し黙っていた人々は、各々囁き、言葉を交わし、徐々にボリュームを上げていく。結果、怒号の嵐となった。
何が起きているのか分からないのは皆同なんだから怒鳴っても仕方がないだろう、うるせえな、と俯瞰して周囲を観察していると、
「あっ……上を見ろ‼」と誰かが叫ぶのが聞こえた。
声につられて空を見上げる。そこには異様なモノがあった。
【Warning】【System Announcement】と読める真っ赤な単語が交互に空を覆っていく。学がなく、英語に疎いソウジでも、漠然とゲームの運営側から何かメッセージがあるのだということは類推できた。しかし、この真っ赤な文字列はどうにかならないのか。徒に人の不安を煽るだけではないのか。そんなソウジの思いを他所に、真紅の市松模様は次の動きを見せた。空の中央にある赤い文字群が、血が滴るようにどろりと垂れ下がったのだ。空中に沈殿する血溜まりのような何かは、途中でその形を変えた。
出現したのは真紅のローブをまとう、顔の見えない巨人だった。正確には顔の無い、だろうか。ローブについたフードをすっぽりと被ったそれの首元から上は薄暗い闇が広がるのみで、そこには何者の表情も無かった。
やはりそこには人々に不安を抱かせる不気味な存在感があった。
周囲の「あれ
不意に、ローブの右袖が動く。袖口からは純白の手袋が覗き、続いて左腕も同様に掲げられ、左右に白手袋を広げた何かが口を開いた―ように見えた。
それは低く、抑制された、よく通る声だった。
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
―この日から、現実だろうと、仮想だろうと。世界は始めから閉ざされていたのだと知ることになる。
最後まで読んでいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。
大変励みになりますので、よろしければお気に入り登録、高評価よろしくお願いいたします。
後書きでは超ウィットに富んだ、抱腹絶倒間違いなしの面白小噺を披露する予定だったのですが、本編完成したのが出勤15分前だったので今回は見送らせていただきます。残念でした。私に時間があれば……。クオリティでいうと、『クラスの大して仲良くないグループの奴らが話す身内ネタ』並みに面白いと思うので、次話をお楽しみに。
コードギアスR2入りました。