陰実短編集   作:ただの厨二病A

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先天的な才能のみが見られ、評価される世界に恨みを抱いたオリ主の話

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オリ主、アンチ・ヘイト


世界を恨んで!

魔力を持たない一般家庭に生まれた俺は学力は低く、器用さもない。

運動をやってもすぐにバテてるほど体力も無い。

 

友人には馬鹿にされ、あまつさえ家族からも冷たく見られた。

そんな日々が続く中、俺は悪魔憑きを発症し、実家を追放された。

 

だが、聖教に馬車で移送される途中、俺は覚醒した。

ふと自分が魔力を扱えることに気づいた。

すると、悪魔憑きから自力で回復する事に成功し、それを見て殺そうとしてきた聖教の連中を剣で皆殺しにした。

 

剣術は習った事なかったが、これまで見てきた魔剣士の見様見真似でなんとかなった。

「まさか、魔力も持たない平民の生まれなのに魔剣士に才能があったなんて、、、」

 

「この才能があれば家族や友人達を見返せる!とも思ったが、」

「いくらなんでも遅過ぎだ。もうとっくに俺は全てを失った。これから何ができるってんだ。」

「せめて、先天的な才能だけでなく、後天的な才能にも意識を向けるような社会であったなら、、、」

 

・・・

 

「望む社会があるならば自ら実現すれば良い。」

「?!」

 

「何も正義の道を歩み必要なんてない。正義は必ず勝つなんてまやかしだという事は既に証明された。」

「むしろ、この今の世界がお前に損を被らせた。やられたままで良いのか?何もやらなければ世界は変わらなく、恨みは恨みのまま蓄積される。」

「変えるって言ったって、どうやって?」

 

「簡単な話だ。壊して作り直せば良い。世界に混沌をもたらすだけで世界は壊せる。0から作り直せば、簡単だろう?」

「そんな事が、本当にできるの?」

 

「あぁ。かつて俺はそれをやり遂げた。そしてその俺が見るに、お前の才能と感情をもってすれば十分に可能だ。」

「今からでもできるって事?」

 

「勿論だとも。俺が5年で鍛えてやろう。お前はそれほどまでに見込みがある。」

「でも、世界を壊すなんてそんなの、、、」

 

「世界を壊す事の何が悪い。世界はお前を認めず、世界から抹消しようとしている。なぜ黙ってやられるんだ。自分の身は自分で守らなければ、死がやってくる。死んで良いのか?」

「そもそも人々は皆、自分の為に動いている。本質的に人助けの善も偽善も変わらない。自分が満足したいからやっている。他人の為なんて建前でしかない。人間は皆、利己的な存在だ。ならば、自分の為に。世界を作り直す為に。恨みを晴らす為に世界を壊したって、その何が問題だ?何も悪くない。」

 

「正義という概念すら、民衆が自分の身を守るのに都合が良いから担ぎ上げられているに過ぎない。」

なるほど。なるほどなるほど。確かにそうだ。

 

「さぁ、俺の手を取れ。その才能を生かす為にも、恨みを晴らす為にも。」

世界は俺を冷遇したが、彼は俺の才能を認めてくれているんだ。

悩む必要なんて、、、どこにある?

 

 

 

〜5年後、ブシン祭編にて〜

 

 

 

俺は師匠、ハンランによって鍛えられ、才能と努力とあらゆる手段を用いて完璧になった。

師匠は人を追って世界を渡り歩いている途中だったらしく、鍛え終わるとどこかへと去っていった。

追っている途中なのにわざわざ俺を鍛える為に時間を費やしてくれてたなんて、感謝しかない。

 

さて、切り替えてと。

 

世界に混沌をもたらす手始めとして、『天才の剣』アイリス・ミドガル。死んでもらおうか。

 

「アイリス・ミドガル対ウラミ・ハーラス。試合開始!」

 

最初の一撃。お互いにまずは一気に間合いを詰め、剣を振るって(つば)迫り合いになる。

 

「幼少からこれほどの魔力を持ち、才能を発揮していたとは、さぞ皆にもてはやされたことだろう。」

「それはお褒めの言葉でしょうか?ありがたく受けt...」

「良いご身分だな!」

ありったけの魔力を込めてアイリスを蹴飛ばす。

そしてその直後に剣を地面に刺して短剣を取り出し、自分の右腕に切り傷をつける。

 

傷口から滴る血に魔力を通し、傷口から右手の先へと血の紐を形成して、右手で剣を掴み直し、その剣の柄の部分に紐を巻きつける。

そしてその場で一回転しながら遠心力を付け、アイリスの方へ投げる。

 

血の紐を経由して剣へありったけの魔力を込め、剣先をアイリスに向け真っ直ぐ飛んでいく剣をアイリスは軽々と避けるのは予想通り。

血の紐を一気に引くことで、今度は剣にモーメントをかけて回転させながらブーメランの軌道で戻ってこさせる。

「天才の剣とやらを見せてみろ!アイリス・ミドガル!」

 

アイリスが、背後から迫る剣を振り返りつつも剣を下向きに構えて何とか弾いたのを利用し、弾いた側への勢いを自分を中心とした回転に変え、再度アイリスへと回転する剣が迫る。

先ほど同様に剣を構えて弾こうとするも、込められた魔力量と剣を受けた衝撃に耐えららなかった剣は砕け、回転する剣はアイリスに深い切り傷をつけながら回転を続ける。

 

「トドメだ。」

血の紐を引き寄せながらアイリスの方へと走り、ちょうど剣が自分の周りを一周した辺りで剣を掴み、そのままの勢いでアイリスに斬りかかる。もちろん、殺す気で。

「死に晒せ!アイリス・ミドガル!」

 

だが、そこに乱入者が現れ、その剣を容易く防ぐ。

「邪魔をするのか?それなら容赦はしない。たとえどんな組織が相手だとしてもな。ジミナ・セーネン。いや、シャドウ。」

「よくぞ我が正体を見抜いた。」

ジミナがそう言うと同時に、黒いスライムがその周りを包み込み、次の瞬間にはシャドウが姿を現す。

 

「なっ」

シャドウの後ろでアイリスは驚愕しているようだが、当のシャドウ本人は笑っている。

 

「俺の目的において、お前らシャドウガーデンの事はどうでも良い。ディアボロス教団と同様にな。」

「そこを退いてもらえないか。退かないのなら適切に対応することになる。生憎と、お前らを壊滅させる方法は師匠から聞いている。」

 

「光あっての陰。光なくして陰はない。」

「退く気はないか。残念だ。ミツゴシでまた会おう。」

仕方ないので、アーティファクトのマントを翻して転移する。

邪魔者の排除が優先だ。

 

まずはアレクサンドリアを叩く。

ミツゴシはその後だ。

まぁ、それまで残っていればの話だがな。

 

教団にミツゴシがシャドウガーデンのフロント企業であるとの情報を流す。

その相手は月旦でいいか。

そして、ミツゴシが叩かれている間に俺がアレクサンドリアを落とす。

 

混沌は混乱から生まれるってね。

 

 

 

〜〜〜数ヶ月後、早めの信用崩壊編にて〜〜〜

 

 

 

「大変です!アルファ様!アレクサンドリアが襲撃を受けています!」

「何ですって?それは本当?ベータ。」

「はい。アレクサンドリアは何者かに奇襲を受け、何人かの構成員が命からがら逃げてきた模様で、防衛を担当していたイータ及びラムダ等の状況は不明です。」

 

「また、援軍を編成しようとしていますが、現在は世界各地のミツゴシに戦力を集めており、余力がありません。」

「そうね。半端な戦力では意味がないでしょうし、かと言って七陰がミツゴシを離れる訳にもいかない。こうなってしまっては、彼に頼る他ないかもしれないわね。不甲斐ないけれども。」

 

「失礼します!664,665,666番が重症のラムダを連れていた所を発見し、保護し治療中ですが、意識のある666番達によるとアレクサンドリアが壊滅したとの事です!」

「「?!」」

 

 

 

「申し訳ございません。私が居ながら、アレクサンドリアの防衛に失敗し、イータ様を含む多くの構成員が犠牲に、、、」

「いえ、あなたの責任ではないわ。ミツゴシを守りきって、彼女をオリアナ王国の女王にさせれば代わりの本拠地は何とかなるわ。それはそうと、敵が何者だったかは分かる?」

「おそらく、ブシン祭で現れたウラミです。構成員の訓練中、突如上空から現れ、初動で遅れてしまいました。」

「空から、ですか。確かに、アレクサンドリアの防衛機能は敵が空を飛んで来ることを想定していない。」

「敵は的確にそこを突いてきたと言う訳ね。」

 

〜〜〜

 

アレクサンドリアに居た幹部は1人のみか。

まぁ良い。飛行船なる興味深いものも手に入れた。

空から爆弾の雨を降らせようじゃないか。

 

〜〜〜

 

「犯罪組織シャドウガーデンのフロント企業だと明らかになったミツゴシ商会は世界中の国々から目の敵にされて、いつ騎士団が雪崩れ込んでもおかしくない状況。でも、経済的影響力の大きすぎるミツゴシ商会には手をつけづらい。実際、一部の人はまだミツゴシ商会で買い物をしているでありんす。」

「とは言え、それも長くは続きまへん。そこが狙い所。そうでありんしょう?ジョンはん。」

「あぁ。」

 

「でも、いいのでありんすか?シャドウはんの元配下でありんしょう。」

「その名は捨てた。そして私の目的は再生。再生には破壊が必要なのでね。」

 

〜〜〜

 

「初めまして。エージェントスミス殿。俺はウラミと言う。小耳に挟んだ事によれば、どうやらミツゴシ商会にトドメを刺そうとしているそうじゃないか。ここは1つ、協力しないか?」

「ほう。詳細を聞こうか。」

「〜〜〜」

 

・・・

 

 

〜〜〜ミツゴシ商会ミドガル王都本店、騎士団の突入とジョン・スミスによって壊滅。最上階にて〜〜〜

 

 

(この間合い、技、まさかっ...!)

「エージェントスミス殿。」

「そちらの仕事は片付いたのか?」

「あぁ。協力感謝する。戻ったら約束の金を支払おう。」

 

敵の目の前だと言うのに、ジョン・スミスと突然やってきた男は固く握手を結んでいる。

本来ならアルファはそんな隙を逃さないが、そうせざるを得ないほどに衝撃の瞬間だった。

 

なぜなら、アルファはミツゴシを騎士団のタイミングと合わせて襲撃したジョン・スミスの正体がシャドウだと気づき、なおかつ握手をしている相手がアレクサンドリアを襲撃した張本人、ウラミ・ハーラスだったからだ。

 

(私は、もう、必要、ない、のね...)

 

アルファ(曇ルファ)は膝の力が一気に抜け、その場に崩れ落ちた。

彼らが立ち去った後も立ち直ることはなく、やがてやってきた騎士団によって捕らえられた。

 

〜〜〜

 

シャドウガーデンは実質的なトップを失い、盟主シャドウとの関係にも亀裂が入った。

一部の者はシャドウを信じ続けるかもしれないが、分裂は起こるだろう。

そうすれば、シャドウガーデンは機能不全となる。

 

邪魔者は消した。後は世界を壊すだけだ。

俺を(しいた)げたこの恨みは必ず晴らす。

そして、世界を作り直す。

──────────

そうしてシャドウガーデンは、

シャドウ様に認められる事を目的するシャドウ崇拝の『シャドウガーデン』

アルファ様の奪還を目的とするアルファ様へのみ忠誠のある『アルファガーデン』

の2つに分裂し、再び1つとなるのはまた別の話...かもしれない

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