「じょんなぁ〜〜!!!」
朝から泣きじゃくっているのは、ミクその人である。理由は勿論、前日にあれだけ頑張ってテルテル坊主を作ったにもかかわらず、予報通り雨が降ったためだ、そして尚且つ
「パッドくん、今日の天気はもしかして」
「ええ、このまま明日の朝までこの雨は続くらしいですよ、奏介」
このざまである。
「どぼじでぇぇえぇ!!」
「うるさい!!初音少女!」
「行ぎだい!!」
そうとうショックだったようで、どこぞのキャラのように泣きじゃくっている。
「本当、雨の日は洗濯物に困るなぁ」
そう、洗濯物が入った籠を持ちながら、歌苗は悪態をつく
「そういや、歌苗は泊まりじゃなかったけか?」
奏介が歌苗に聞く、確かにこの日は友達の家で泊まると話していたはず
「いやこの雨じゃ、さすがに行けないでしょ」
「ええ、歌苗さんの言う通りで、今日は1日土砂降りですからね」
歌苗の答えにパッドくんも声をあげる
「あっ」
不意にミクから声が聞こえた、
「ミクちゃんどうかした?」
歌苗が心配すると、ミクは急に立ち上がった。
「泣きすぎて頭痛くなってきた」
「大丈夫なの!?」
「ごめん、昼になったら教えて」
ミクはそう言い残し、自分の部屋へと去っていった。
「相当、ショックなようですね」
「まあ、1週間ぐらい前からずっと楽しみにしてたし」
「ん~ん」
「どしたの?奏介」
歌苗が何に悩んでいるか、奏介に尋ねる。
「いや、どうやったら、ミクさんいつもの調子に戻るかな」
「確かに、あれは恐らくかなり重症ですよ」
「ん~ん、どうしようか」
3人が悩んでいると、そこへ
「おはよーう!」
元気な声が聞こえたので、声の方向を見るとモツが立っていた。
「あれ、モツさん、起きるの遅いですねいつもより」
「昨日、ちょっと面白そうなものを拾ってね、夜更かししちゃったよww」
笑いながら、いつもの調子で話している。いつも、元気そうで羨ましいねえ
「拾った?」
「うん!」
モツは、自分の部屋に戻り、ある物を持って来た。
「あれ、モツさんそれって」
「一応、捨てられてたけど、まだちゃんと使えるよ」
「でもこれならミクちゃんを元気づけられるかもしれない」
歌苗はそう言うと、洗濯物を運びに行った。すぐに戻って来て、準備を始めた
ミクside
最悪だ、本当に、こんな土砂降りじゃ絶対に展望台の開放は行われない、
「なんで、今日の日に限って」
自分でもここまで、ショックになるとは流石に思わなかったけど、未だに私にぽっかり空いた穴は未だに埋め方も見つからない
「私をネットで調べれば何か分かると思ったんだけどな」
私は昨日、自分のことについて調べた、パッドくんがベトやモツは昔にいた作曲家と言っていたけど、もしかしたら私も昔そういう作曲家か何かだと思ってたけど違ってた。私は初音ミク、ボーカロイドだった。それぐらいしか今のところは分からなかったけど、
「私は人間ですらない、か」
人間じゃない、機械にすぎないことしか分からない、歌苗にあのとき偉そうなこと言ったけど
「私が1番、自分の想いを見つけられてないな」
私は痛い頭を抑えながら、それを枕に押し付ける
「そういえば、あの時恭吾マスターは何て言ったんだっけ」
私がまだ、ここに来る前、ベトとモツとマスターと生活してた時、私はマスターの部屋でクラシカロイドのムジークについての資料を見てしまった時があった。マスターから少し怒られたけど、これを見て、何かを言われた気がする
、それは全く思い出せない
「私にも、ムジークってあるのかな」
私は自分の胸にそっと手を置く。
「マスターは、何で私を作ったんだろ」
そう思いながら、私は携帯を開き、もう一度天気予報を見た、
「雨は明日の朝まで続く、か」
私は携帯を見るのをやめると、意識を落とした。
ミクside終了
「あれ、今何時だろ」
ミクが起きた頃には部屋の窓の外もすっかり暗くなっており、時計が部屋にないためミクは携帯を取り出す
「え!?もう10時!?」
気づけばもう、夜の10時になっていた。
「みんな寝ちゃったのかな?起こしてくれないなんて酷いねぇ」
少し笑いながら、ミクは自分の部屋を出て、ホールに向かう。すると、
「何これ?」
ミクの目の前には『押して?』書かれた紙の下に水色のボタンが置いてあった。ボタンは少し大きなドームの形をしており、その中央にボタンがあるという感じだ
「いやいや、明らかに怪しいよ、このボタン」
そのとおり、こんなあからさまなボタン、流石に押す奴は
「えいっ」ポチッ
すみません、いました。ミクがボタンを押すと、ボタンの下にあったドームが光り始める。
「えっ!?何これ!?眩し!」
ミクがあまりの眩しさに、尻もちをつくと、反射的に天井が見えた、天井には
「これって、プラネタリウム!?」
ミクが押したのは家庭用のプラネタリウムのスイッチだった。すると、奥から
「歌苗!ベトにモツ、それと奏介くんも!」
「ごめんね、実はモツさんが家庭用のプラネタリウムを拾ってきて」
「昨日、今日が雨ってわかってから、ミクちゃん頑張ってたし、まさか拾ってきたのがここで役に立つとはおもわなかったけど」
モツは、笑いながらそうミクに言った。
「綺麗」
ミクはプラネタリウムで映し出された星々を見る、そして
「あっ!」
その時、ミクの頭の中のある記憶がフラッシュバックした。
回想
「ミクはこれを見て、ムジークというのをしたいと思うかい?」
「少しは興味あるけど」
「まあ、君はベトたちとは少し違ってね、君が望めばムジークは出せるよ」
「そう?」
ミクは手を前に出して、「う~ん」と唸っている。
「出せないよ?」
「それはそうだ、ミク、君が本当の想いを見つけられれば、きっと出せるよ」
「想い?私に見つかる?」
「ああ、きっと見つかるよ」
そう、音羽恭吾が言うとミクに微笑みかけた。
「じゃあ、必ずマスターに聞かせてあげる!」
回想終了
「そうだ、私の想いは」
ミクは自分の手を上に掲げる。
「ミクちゃん?どうかしたの?」
「”このセカイの人達の心が想いで溢れますように”」
その声と同時に、ミクを水色のリボンが包み込む、
「これって、もしかしてムジーク!?」
奏介が興奮してミクに尋ねる。
「皆にお礼の曲をプレゼントしちゃうよ!!」
ミクの服が、灰色のノースリーブの服に変化する、襟は黒く濃いピンク色の線が描かれている。ミクの手にはエメラルドグリーンのギターが握られている。
「私の音楽の始まりだ!!」
〈星を繋ぐ〉
ミクがギターを弾くと、音羽館のホールは夜の草原へと変化した。
「この曲って」
「40meterPさんと一二三さんが作詞作曲を手掛けた、『星を繋ぐ』ですね、これまでの感謝とこれからの覚悟を胸に進み続ける、そんな想いが込められているようです。」
「歌苗!見てみて!」
「え」
星を見て、はしゃいでいたモツが指さしている方を見ると、凄い量の流れ星が流れていた。
「綺麗」
「だね〜」
「これがミクさんのムジーク」
ベトは何も喋らないが、満足そうに眺めている。そして、ベトはギターを弾きながら歌っているミクの下へ行った。
「初音少女!貴様に我がムジークの際に小娘にした質問をしよう」
「え?何?」
ミクが聞き返すと
「貴様の想いとやらは見つかったのか?」
それはファイナルアンサーをベトはミクに聞いていた、それにミクは
「ベトやモツ、みんなのお陰で思い出せたよ、私がマスターに誓った約束、全部思い出せたからね」
「そうか」
満面の笑みで答えたミクに同じようにベトは笑う
「最後に一つ貴様の音楽とは何だ?」
「そんなもん!自由にやるよ!色んな人にたくさんの私の音楽を聞かせて、その人達の心に響かせる!それが私の第一目標!!」
天に指を掲げてそう、ミクは宣言した。
〈ムジーク終了〉
3日後
「この前は凄かったね〜」
「マジっすよね!!」
そう、机の上に置いてあったポテチを勝手に食べているモツと奏介、すると5分後
「あーー!!私のポテチ!」
ポテチの持ち主であるミクがホールに戻って来た。
「歌苗と食べようとしてたのに何で食べちゃうのさ!!!」
「まあまあ、いいじゃん」
「む〜〜〜!」
ミクはそのまま自分の部屋に走って行った。
「怒らせちゃいましたかね?」
「まあ、大丈夫じゃない?少ししたら戻ってくるよ」
そう言うと、1時間後パッドくんから通知音がなる。
「奏介、歌い手の熱波クミさんがまた歌ってみたを投稿したみたいですよ」
「マジで!!!」
「熱波クミ?誰それ?」
モツが聞くと、パッドくんが答えた。
「最近有名になってきた歌い手ですね、少し前まではオリジナルの曲を作っていましたが、最近は歌ってみたに力を入れているそうです」
「へ〜」
奏介がはしゃいでいるのをモツは少し面倒くさそうに見ていた。その頃ミクの部屋では
「よし!今日も歌ってみた投稿完了!!イライラしたときは歌うに限るよね!」
ミクはマイクを片手にそう笑顔で言った。
AttaCca
質問や感想などお待ちしております。
これの展望台や、雨で行けなくなるなどはプロジェクトセカイのとあるストーリーを参考にさせてもらいました、