メガニケ四周年。良かった。
色々と情緒は滅茶苦茶になったけど……うん、普通に感動した。
マリアと指揮官……7号は、いつか幸せになって欲しいな。
……ん? このソシャゲのメインヒロインは私の筈だって?
おいおい、何を寝惚けた事を言ってんだよラピ、そんなのマリアンに決まっ───(タァーンッ
───カツーン───カツーン───
───カツーン───カツーン───。
その日、オラリオの街は宴で彩られていた。
モンスターによって覆われていた絶望は多くの冒険者達の手によって払拭され、空を覆う邪竜とそれを祓う黄金の龍の出現はオラリオの人々に新たな英雄の誕生の瞬間として記憶に深く刻まれた。
酒を片手にオラリオ万歳を叫ぶ者、冒険者達の強さに興奮する者。幼き者は新たな英雄──ベジットみたいになりたいと語り、多くの人々が神々と一緒になって夢中になって騒いでいた。
「わー! 凄い賑やか! ねぇねぇアイズ、凄いよ! オラリオ中がお祭り騒ぎだよ!」
「う、うん。凄いね」
「つい先日オラリオ崩壊の危機だったのに、良くやるわねぇ……」
ロキ・ファミリアの女幹部、アイズ達もまたそんなオラリオ街に繰り出す一人だった。
基本的にオラリオで開催される祭りの催しは三つ、ガネーシャ・ファミリアが主催となっている怪物祭と、秋に行われる女神祭と
特に秋の二大祭りと称される豊穣を祝う女神祭と、亡くなった冒険者達を追悼・慰霊を目的とした挽歌祭はオラリオ全土を巻き込んだ一大イベントとなっており、今はその二つの祭をすぐそこまで控えている時期。
それなのにこれ程の大規模な催しの開催に、ティオネは感心と呆れ、そして二大祭りへの影響は大丈夫なのかという視点で若干不安に思っていた。
「なんか、その辺りはデメテル様が何とかするって話みたいだよ? 何でも非常用の食糧庫を開いてでも開催して見せるって、かなり気合い入ってたみたいだよ」
「マジか。まぁ、自分の眷族が無事に帰ってきたなら、気合いも入るか……」
女神デメテルは、先の邪神ディオニュソスによって被害を被った者の一柱。彼女が愛する
攫われた眷族の中には、あの忌々しい人喰花によって犠牲となった子もいるという。そんな子ども達への手向けという意味でも、今回の祭りにはかなり入れ込んでいるという話を、ティオナはフィン達の会話からチョロっと耳にしていたという。
帰ってきた眷族達、帰ってこれなかった眷族達、そんな自分の眷族に対する悲しみと慈しみの意味を込めて開かれた祭り。
手にした串焼きの肉、これも女神デメテルの施しなのだと理解したティオネは、昔ベジットから習った倣わし、全ての食材に対する感謝の“いただきます”を口にしてから頬張り、じっくりと味わった。
「にしても、ベジットさんも凄いよねぇ。なに超サイヤ人3って? サイヤ人って何回変身出来るのかな?」
「……あと一回位ありそう」
「そもそも、変身できる種族ってなによ」
三人とも人造迷宮での戦いを最後までやりきっていた為、噂のベジットの新形態とやらを目撃してはいない。
しかし、街中で話題に上がるベジットの勇姿を目の当たりにしたオラリオの住民は、今も興奮覚めやらぬ様子で語っている。
髪は鬣のように長く、煌めいて纏う焔はこの下界を照らす希望の光そのもののよう。神とは異なる隔絶した冒険者の実力に人々は否応なしにベジットをこう呼ぶようになった。
英雄と。
「あー悔しい! 私もベジットさんの活躍見たかったぁ!! 黄金の龍って何なの!? それも気で出来ることなの!? 気になるぅぅー!」
「もう、いい加減騒ぐの止めなさい。みっとももないわよ」
隣で騒ぐ妹を無視し、ティオネはもう一人連れてきたエルフの少女を見る。
人造迷宮での決戦からこっち、どこか心此処に非ずと言った様子のエルフの少女───即ち、レフィーヤ・ウィリディス。
明るい山吹色の髪を揺らしながら、黙々とじゃが丸くんを囓る彼女、祭りの空気とは正反対な静かな彼女にティオネは心配に思い声を掛ける。
「ちょっとレフィーヤ、大丈夫?」
「……ふぇ!? あ、す、すみません! 何か言いましたか?」
自分が呼ばれていることに数秒遅れて気付き、あからさまに動揺しているレフィーヤ。
「大丈夫レフィーヤ? やっぱり“じゃが丸くん抹茶グレープ味”は冒険し過ぎたかな?」
「多分違うわよ。ていうか、なんつーもん食べてんのよ」
噂では暗黒期より以前より販売されていたというオラリオのファーストフード。最近はテコ入れと称して様々なバリエーションを増やしているとされているが、流石にソレは無いんじゃないかとティオネは思った。
「……まぁ、今アンタが何を思って悩んでいるのか大体分かっているつもりだけど」
「もしかして、例の灰の仮面のエルフの事?」
「うん、元ディオニュソス・ファミリアのエルフで、名前はフィルヴィス・シャリア」
「確かその人、昔【下層決戦】でベジットさんと一緒に戦ったって人なんだよね?」
レフィーヤの頭を閉めているモノ、それは自身が親友と想い、慕っているフィルヴィス・シャリアの事だった。
人造迷宮での決戦を終え、他の冒険者達と同様に治療に回されていた彼女。それ以降は顔を合わせること無く、言葉一つ交わしていない事にレフィーヤは少しばかりナイーブになっていた。
「……フィルヴィスさん、これからどうなるんでしょうか?」
「そうね。事情や功績を考えれば、普通にオラリオの冒険者として、今後も受け入れされそうなモノだけど」
フィルヴィス・シャリアの功績は、一度は女神デメテルとその眷族の危機に駆け付け、嘗ての主神に反抗しながらも、オラリオの未来に戦った事。
特に、同じく穢れた精霊によって怪人となったアウラ・モーリエルを浄化の業で救い上げた事は、千年続くオラリオの歴史を紐解いても前代未聞。
その功績は正に英雄の様で、怪人として苦しんでいた時期も心を折らずに七年もの間、懸命に戦い続けたという事実は事情を知ったティオネ達も凄い奴だと認める程だ。
そんな彼女はベジットの手によって怪人から元のエルフに戻り、アウラもまたその時得たフィルヴィスの新たな魔法によって浄化、穢れた精霊の呪縛から解放されている。
と言うのが、一般的に知られるフィルヴィス・シャリアの顛末である。半精霊化? 言える訳がない。
「ホント、凄い人だよね。七年も一人で戦い続けるなんて、私だったら出来ないかも」
「団長への想いがあれば余裕……って言いたいけれど、怪人となった時の悪影響は聞くからにヤバそうだし、簡単には言えないわね」
「……うん。そうだね」
自分が尊敬している冒険者であるアイズ達が、揃ってフィルヴィスを凄い奴だと認めている。それが、何となくレフィーヤも嬉しく思えた時。
「栄えあるロキ・ファミリアの幹部達に其処まで言われると、流石に照れるな」
「っ!」
その声にレフィーヤが振り返る。
「ふぃ、フィルヴィスさん!?」
其処には白い装備服を身に纏う、【
「済まない。盗み聞きをするつもりはなかったんだ。ただ、君と話がしたくてな」
「わ、私とですか!?」
自分が気になっていた人物からの誘い。けれど今はアイズ達と行動を共にしている為、どうすれば良いのか分からない。
助けを求めるレフィーヤの視線にティオネ達は顔を見合わせて頷き。
「行きなさいレフィーヤ」
「ティオネさん……」
「友達と、ちゃんとお話してきなよ」
「ティオナさん」
「何時ものところで待ってるね」
「アイズさん……三人とも、ありがとうございます」
「済まない。折角の祭りに水を差すような事をして……」
「良いのよ。ホラ、さっさと行きなさい」
本来であれば他派閥同士のよる過度な接触は好ましくないが、フィルヴィスの人となりを伝え聞きしている三人は問題ないと判断。
友人同士、たまには話をさせるのも悪くはないとレフィーヤの事をフィルヴィスに任せ、三人は人垣の向こうへ消えていった。
「……気を使わせてしまったな」
「それで、フィルヴィスさん。話って?」
「立ち話も何だ。近くでエルフ御用達の喫茶店がある。其処でお前に伝えたい事がある」
一体、何を話すつもりなのだろう。喉を鳴らして唾を呑み込むレフィーヤに。
「私は、オラリオから出ていくつもりだ」
フィルヴィスは一言、そう告げた。
◇
オラリオの喧騒が少し和らいだ。
店内の装いと空気、静謐で何処か自分達の故郷と似通った店内で、レフィーヤはフィルヴィスと向き合っていた。
「……ここの珈琲は旨いな。レフィーヤは何時も此処で?」
「あ、はい。このお店は遠縁の親族が営んでいるので……」
店内の奥へ視線を向ければ、珈琲豆を淹れているエルフの店長と目が合った。
穏やかで、何処か気品のある眼鏡を掛けた青年。そんな彼と目が合うと、青年は微笑んで会釈をし、フィルヴィスもまた軽く頭を垂れた。
「それで、フィルヴィスさん……オラリオから出ていくっていうのは……」
彼女の口から出てきた言葉、オラリオから出ていくという台詞の意図を聞き出すために、レフィーヤは自分の行いをはしたないと思いつつも口にした。
そんなレフィーヤをフィルヴィスはせっかちとは思わなかった。フィルヴィス・シャリアにとって、レフィーヤは大事な友人の一人。
闇に潜み、灰被れになろうとも美しいと言ってくれた優しい友。そんな彼女には嘘は吐けないと、真っ直ぐ見つめてくるレフィーヤにフィルヴィスもまた応えた。
「……アウラの沙汰が決まった。被害を被った派閥、邪神ディオニュソスの所業も合わさり、神々の判決により、アウラ・モーリエルはオラリオからの永久追放が確定した」
「………」
やはり、とレフィーヤは思った。
ディオニュソス・ファミリアの眷族、アウラ・モーリエルは主神であるディオニュソスの命令に従い、これ迄数多くの罪を重ねてきた。
多くの人間を殺し、神を傷付け、闇派閥と結託し、オラリオに大きな損害をもたらした。
その中には女神デメテルの眷族を誘拐した事もあり、更に本人の口からその眷族達を女神デメテルへの見せしめとして人喰花へ餌として運んだ事もあったと言う。
本来であれば処刑もあり得た所業。しかし神々は、アウラのこれ迄の経緯も踏まえて厳正な審査を下すことを決めた。これは他でもない女神デメテルの進言によるものだった。
穢れた精霊にその身も魂も穢された少女。その時受けた心の傷を思えば、情状酌量の余地はあるのだと、デメテル本人がそう口にした時は、流石の神々も言葉を失った。
「『貴方の……自分自身の全てを掛けて救った彼女を、
既にここに来る前に女神デメテルとは話を済ませたのだろう。罪悪感で表情を僅かに曇らせながら、それでも何処か晴れ晴れとしたフィルヴィスの顔にレフィーヤは何も言えなくなっていた。
「神々と人による厳正な審査の結果、アウラ・モーリエルはオラリオの永久追放を命じられる事になり、私もそれに同行する事になった」
「な、なんで……?」
「私がそう願ったからだ」
元を辿れば、フィルヴィス・シャリアもまた神ディオニュソスの眷族の一人。
本来であれば邪神を諌めるのも眷族であるフィルヴィスの務め、それを放棄した罪という事でフィルヴィスもまたオラリオの追放を確定したという。
嘘だと、レフィーヤは思った。神の眷族であるフィルヴィスには確かにその役割というのもあるのだろう。だが、相手は神酒を使い、同じ神すら狂わせる狂気の邪神。
基本的に自身の主神を慕う眷族が、そんな邪神の思惑を止めることなんて果たして出来るだろうか?
無理だ。レフィーヤの頭にそんな断定的な言葉が浮かぶが、同時に一つの答えも見えた。
つまり、フィルヴィス・シャリアの追放は、アウラ・モーリエルを孤独にさせまいという神々からの慈悲でもあったのだ。自身の罪悪に苛みながらも、それに押し潰されず、支えてくれる友人の存在が必要であると、神々も理解し、納得してくれたから。
「私は、一度アウラを見捨てている。たとえ私自身そのつもりはなくとも、あの日、彼女にとっての私は……裏切り者だった」
「…………」
このままでは、オラリオに危機が訪れる。主神の歪みに気付き、自分一人でも戦う事を決めたフィルヴィスは、アウラを置いてディオニュソスの下から逃げ出した。
それが、フィルヴィスの罪。
「もう、私はアウラを見捨てたくはない。逃げたくないんだ」
強く、自身をそう言い聞かせる様に語るフィルヴィスにレフィーヤは深く息を吐いた。
「そっか、なら……仕方ないですね」
彼女が強い意思と決意の下でそう決断したのなら、自分から言えることはない。
本当は、自分も一緒にいたかった。彼女と冒険したかった。美しい彼女の隣で冒険を続けていたら、自分もきっと強くなれると、そう思えたから。
でも、それじゃあ駄目なのだ。きっと、そうなってしまったら、自分は彼女に依存してしまう。彼女の重荷になってしまう。
それは、フィルヴィスもレフィーヤも望まない。だから……。
「なら、今度は土産話、期待しちゃいますね。オラリオの外も、きっと色々あるでしょうから」
レフィーヤは、目の前の友の背中を押すことにした。
「……レフィーヤ」
今度は、フィルヴィスの方が目を丸くさせる。次いで、レフィーヤの言葉の意図を汲み取り。
「あぁ。きっと、きっと、長い話になる。その時は語ろう。何時間でも、何日でも」
「はい。楽しみにしています」
席から立ち上がり、互いに手を差し出す。交わされた握手にはこれ迄と、そしてこれからの門出を祝うように。
店の外では、既に花火が打ち上がっていた。
◇
「今日はありがとう。お陰で、私の気持ちも固まった」
「いえ。私も、フィルヴィスさんには沢山お世話になりましたから」
夜の帳が降りたオラリオを、幾つもの花火が照らし出す。未だ興奮覚めやらぬオラリオ、出ている屋台のあちこちではベジットに関する話題で盛り上がっていた。
そんな喧騒を遠巻きにしながら、二人は人気の無い公園のベンチに腰をおろす。
ベジット。街の至る所で耳にするのは、レフィーヤにとっては色んな意味で忌々しい名前だが、今この瞬間だけ、そんな気持ちは露程沸かなかった。
だって、今この瞬間、この場は二人だけのモノなのだから。
「………」
「………」
二人の間に言葉はなかった。言うべき事も言いたいことも、先の喫茶店で全て出した。
出てくる言葉はない。けれど、その沈黙だけで二人は満たされていた。
きっと、フィルヴィスにはこの後、長く辛い出来事が数多く待ち構えている。闇派閥に与し、一度は人類の敵となったアウラを世界はきっと、許しはしないだろう。
後悔で涙を流すのも、一度や二度では済まない。もしかしたら、人の悪意の結晶とも呼べる場面を、フィルヴィスとアウラは今後、幾度となる直視する事になるやもしれない。
それを思うと、レフィーヤも心が痛くなる。
「………大丈夫だ。レフィーヤ、私はこれからも、頑張っていけるよ」
フィルヴィスの口から溢れた言葉。その誓いとも呼べる彼女の言葉にレフィーヤもまた「はい」とだけ返事を返した。
そうだ。信じよう。エルフは長命種、いつか訪れるその時を思い、レフィーヤもまた自ら強くなることをこの時誓った。
と、その時だ。
「おー、此処からなら花火もよく見えるな」
「そうですね。人もいないし、良い穴場じゃないですか?」
「そんじゃ、早速酒盛りを始めますかね。酒ねぇけど」
やってきたのは三人の男性。何処か聞きなれた声だと思い、二人は声のする方へ振り返ると……。
「あれ? 誰かと思えば其処にいるのは……フィルヴィスじゃねぇか」
「れ、レフィーヤさん!?」
「なんだ。先客か?」
やってきたのは、ヘスティア・ファミリアの男三人衆。赤い髪の男は……確か魔剣鍛冶師の
クロッゾの末裔である彼、何故彼が此処にいるのかと疑問に思うが、レフィーヤにとってはそんな事はどうでもいい。
問題は、他の二人。一人はレフィーヤがこれでもかとライバル視しているヘスティア・ファミリア新進気鋭の眷族、噂ではLv.4未満な少数の仲間達深層帰りを果たし、半年という異常な速度で
そして……。
「べ、ベジットさん! ほ、
その眼を輝かせながら席を立ち、一目散へ駆け出すフィルヴィスの先に立つのは……現在、オラリオにて時の人となりつつある冒険者にして最新の英雄ベジット。
今まで見たこともない天真爛漫な笑顔と共にベジットへ駆けていくフィルヴィスに、レフィーヤは思考が停止した。
「イヤさぁ、それが聞いてくれよフィルの姐さん、この人、本気だした反動で疲労困憊とか言ってる癖に、祭りには参加したいって聞かねえの」
「だって、祭りには今まで表に出ないレアな食材が出てくるって話じゃねぇか。是非とも確保して、ウチの料理人に出してやらねぇと駄目だろう?」
「アハハ、確かにお祭りってそういう面白い所ありますよね」
……表向き、ベジットは超サイヤ人3に成った反動で体力を著しく消耗し満身創痍。現在はヘスティア・ファミリアの本拠地にて療養中という事になっている。
その話に説得力を持たせる為に、外出する際はワザワザ松葉杖を付いて、眷族を二人も引き連れるという徹底ぶり。
自身の憧れでもあるベジットの痛々しい姿に、フィルヴィスの顔が若干曇る。これは不味いと、何となくフィルヴィスの胸中を察したベジットは、柔らかく笑みを浮かべて、彼女の近くまで歩み寄る。
「改めて、言わせてくれ。一人で踏ん張り、よく耐えた」
「ベジットさん?」
「お前はスゲェよ。……頑張ったな」
ポンッと、フィルヴィスの頭にゴツゴツと硬く、それでいて暖かな掌が置かれる。彼女の綺麗で整った黒髪を、乱さない程度に優しく撫でる。
これ迄のフィルヴィスの努力と苦労、その全てを労い、慈しむベジットの暖かな言葉に……。
「……はい、ありがとう、ございます……!」
感極まったフィルヴィスが涙を流す。彼女の経緯と事の顛末、それをある程度聞き齧っていたヴェルフとベルはウンウンと頷きながらレフィーヤの下まで離れていく。
「いやぁ、話には聞いていたが……姐さん、随分と苦労してきたんだなぁ。他人事かもしれんが……報われて良かったよ」
「そうだね。レフィーヤさんもそう思いますよね?」
きっと、フィルヴィスもレフィーヤも今まで色々と話をしてきたのだろう。同じ冒険者として、話のキッカケという意味でレフィーヤへ話し掛けるベルだが……。
「……の……れ、……お……」
「え? えっと……レフィーヤさん?」
俯き、何かを呟いているレフィーヤ、一体なんだろうと、ベルは嫌な予感を抱きながら耳を澄ませると……。
「おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれ……ベジット!!」
「………ヒェッ」
物凄い呪詛を撒き散らしているエルフが其処にいた。
おかしいな。エルフってこんなに恐ろしい人種なんだっけ?
向こうではベジットとフィルヴィスが楽しそうに談笑している。そんな二人……というかベジットを、一方的に敵視するレフィーヤに、ベルはエルフに対する認識を改めるのだった。
そして、それから数日後オラリオの街は再び活気に包まれることになる。
地上の聖域、オリンピアからの使者到着。大きな船と共に港へやって来た彼女達は……この日、処女神ヘスティアへ謁見を求める事になる。
「ヘスティア様、どうか我々をお救い下さい」
「………うん、わかった。君達の願い、確かに聞き届けた」
「…………」
神々による決着の物語。そこへ一人の
Q.ヘスティア・ファミリアから見たフィルヴィス・シャリア。
主神ヘスティア
疲れた時は、何時でも帰ってくると良い。此処は君達の帰る家でもあるのだから。アウラと一緒に、たまには羽を休めると良い。
ベジット
一人で孤独の苦しみとも戦い続けたすごい奴。困ったことがあれば何時でも頼って欲しいと心から願っている。
なんなら、瞬間移動で何時でも会いに行ってやる。
ベート
労いも思いやる事もしないが、それでも最後までやりきったその根性は認めている。
リリルカ
七年モノ間、一人で戦い続け、誰にも認められること無くそれでもと戦い続けて最高の未来を勝ち取ったフィルヴィスを心から尊敬している。ヘスティアを敬い、ベジットを崇拝している点もヨシ。
ザルド
一目で分かる難易度激高詠唱を完成させ、自分のやるべき事を完遂させたフィルヴィスを一目置いている。
アルフィア
友の為、汚泥にまみれてもその在り方を変えなかったフィルヴィスに少しばかり感心している。
「お前のような奴なら、ヘスティア・ファミリアにいるのも悪くはない。但しそこの【疾風】、貴様は駄目だ」
「ッ!?!?」
終われ。