七つの大罪の他にすり抜けも大罪の一つに加えるべきだと自分は思うんだ。
呼び符単発の虹回転からの目玉クラスからの果心居士はいっそ犯罪的なのよ。
お陰でウチの果心居士、宝具レベル5になったよ。
そんな訳で初投稿です。
その日、いつも通りベル・クラネルは主神であるヘスティアにダンジョンへ探索する旨を伝え、いつも通りに迷宮探索に勤しんでいた。
ただ、いつもと違いこの日はファミリアの誰かと一緒ではなく、ヘファイストス・ファミリアの眷族の一人。ベルが気に入った
「いやー、悪いなベル。俺の我儘に付き合わせちまって」
「気にしないでよ。僕もヴェルフの装備気になるし、これで次の装備に繋がるのならお安い御用だよ」
まだヘファイストス・ファミリアに入って一年と其処ら、とある理由から派閥内で浮いていたヴェルフはふとした切っ掛けでベルと出会い、ベルが
未だ鍛冶のアビリティを持っていないヴェルフは、ベルと専属鍛冶師になる事を条件に鍛冶のアビリティを手に入れる事を目的としてダンジョンの探索に同行する事となった。
「しっかし、お前さん本当にオラリオに来て1ヶ月なのか? やけに戦い慣れてるな」
「アハハ、まぁウチの派閥の場合鍛えてくれる人がいるからね」
連日、ダンジョンから帰ってきたベルが待っているのは自分より遥か格上の冒険者達による鍛練が待ち構えており、この1ヶ月の間ベルは文字通り地獄を見てきた。
骨が折れるのは日常茶飯事で、長であるベジットが造り出したという不思議な豆を食べれば忽ち体力気力共に全回復。回復した? じゃあ御代わりね♪ そう素敵な笑顔と共に突き付けられる現実に、ベルは何度心がへし折れた事だろう。
けれど、その甲斐あってベルはLv.1の身でありながら気を習得し、【界王拳】なんて奥の手も運良く手に入れる事が出来た。
お陰でステイタスも良い具合に成長し、このまま行けば近い内に昇格も見えてくるかも知れない。ただ嬉しいと思う反面、何だか大事なモノを失っている気がして……。
「ハハハ、まぁ、僕も僕なりに命懸けで頑張ってるつもりだからね。このくらいは………ハハハ」
「お、おう。なんか悪かったな変なことを聞いて」
おっと、どうやら自分の悪い所が出てしまったらしい。にこやかに微笑むつもりが、ヴェルフの引いた反応を見て反省したベルは咳払いをして無理矢理にでも空気を変える。
「それよりも、これからどうしよっか? もう少し潜るなら付き合うけど?」
「そうだなー、ドロップアイテムもそこそこ拾ったし、手応えも悪くない。俺は地上に戻ってもいいが……ベルがもう少し潜りたいなら付き合うぞ」
「いいの? じゃあ、お言葉に甘えようかな」
ここで引き返すべきだった。自分の
8階層。本来ならあるべきモンスターや冒険者の気配がない、この時点で自分達は地上に引き返すべきだった。
「───何だか、ちと空気が違わねぇか?」
「…………なんだ、これ?」
「ベル?」
八階層のとある空間、広くて何処か
大きく、荒々しい気配。これが団長達の言う気というものなのだろうか? 困惑するのも束の間、動揺する自分達の前に人と牛を併せ持った怪物が現れた。
ミノタウロス。ベルがダンジョン探索初日に遭遇した………本来この階層には現れない筈の怪物。
あの時はロキ・ファミリアが逃がした個体だった。では今目の前にいるあのミノタウロスは、一体何処から現れたのか。
分からない。未だ駆け出しなベルには何故ミノタウロスがここにいるのか等、見当も付かない。ただ確かなのは………このまま呆けていれば自分達は死ぬと言うこと。
「み、ミノタウロス!? ふざけろ、なんで中層のモンスターが上層に来てんだよ!?」
「ヴェルフ、下がって!!」
「■■■■■■ッ!!!」
有り得ない場所で、有り得る筈の無いモンスターの登場にヴェルフが困惑の声を挙げた時、赤いミノタウロスは雄叫びを挙げる。
これを直撃したヴェルフは身体を竦ませる。根源的恐怖を刺激され、膝が震えるヴェルフにミノタウロスが迫る。
「ヴェルフ、逃げて!」
「あ、う………」
ガチガチと歯のぶつかる音が聞こえる。恐怖に呑まれ、身動きが出来なくなったヴェルフ。
「ヴェルフゴメン!!」
オラリオに来て初めて出来た友人、そんな彼を生かす為に申し訳なく思いながらベルはゴメンと叫びヴェルフを蹴り飛ばす。
刹那、ヴェルフのいた場所にミノタウロスの拳が振り下ろされ………爆散。
ダンジョンの地面が爆散し、衝撃波によってベルとヴェルフは吹き飛ばされる。直撃は無かった、あの時確かにヴェルフはベルによって助けられ、直撃は避けられた筈。
「あっ、が、アァァァッ!」
なのに折れて、ひしゃげてしまっているヴェルフの片足を見てベルは目を見開く。
明らかにベルの知るミノタウロスとは違う膂力。その力に目を剥くベルは次の瞬間更に驚く事になる。
「────なん、で?」
赤い身体を覆う白い炎。それはベルがこのオラリオで知り、会得したモノと同じ現象。
即ち“気”。理知もなく、理性もない筈のモンスターが自分達と同じ気を纏っている。有り得ない光景に困惑していると………。
ミノタウロスの矛先は、依然としてヴェルフに向けられる。このままではヴェルフが殺される、そう判断したベルは気を解放させる。
「待て!!」
「…………?」
「べ、ベル……よせ……」
短剣を抜き、ミノタウロスを見据える。そしてミノタウロスもまたベルを見据える。
「お前の相手は、この僕だ!!」
掠れた声でヴェルフが逃げろと言ってくる。けど、逃げられる訳がない。ここで自分が闘わなければ間違いなくヴェルフは殺される。
そんな未来はゴメンだと、目の前の怪物を前にベルは勇気を振り絞るのだった。
◇
「■■■■■■ッ!!」
「クッ!!」
地を踏み砕き、迫り来るミノタウロス。ベルとの間にあった物理的な距離を瞬きの内に潰してくる怪物を前にベルは瞬時に理解する。
目の前の怪物は自分よりも格上、振り抜いてくる拳を前に加減も出し惜しみもする場合で無いことを思い知ったベルは、界王拳を解放し迫り来る凶拳を右へ避ける。
「■■■ッ!?」
残像を残し、すり抜けるベルに困惑するミノタウロス。そんな怪物の隙を見逃さずベルの回し蹴りがミノタウロスの脇腹へめり込んでいく。
蹴り飛ばされ、吹き飛んでいくミノタウロス。ここで勝負を決めようとベルはポーチにしまっておいた仙豆擬きを取り出し、口へと運ぶ。
「ハァァァッ!!」
界王拳で傷付いた肉体が回復した次の瞬間、再びベルは界王拳を解放し紅蓮の如き紅い炎を纏ってミノタウロスへ飛び掛かる。
このミノタウロスは強い。咄嗟に脇腹へ不意打ち出来たのは殆ど運の様なもの、時間を掛ければそれだけ勝ち目は薄くなると判断し、生き残りダンジョンから脱出する為にもベルはミノタウロスに打ち勝つ為に勝負に出た。
(ここでやらなきゃ負ける! このミノタウロスはここで倒す!!)
吹き飛ぶミノタウロスへ追い付き、ナイフを握り締めた左手を振り上げる。モンスターの生命活動の源である魔石、その核のある位置に目掛けて短剣を振り下ろそうとした………その刹那。
「■■■■■■ッ!!!」
「っ!?」
突然、顔を挙げたミノタウロスはベルに向けて顎を開き、その奥から放たれる閃光にベルの左肩が打ち抜かれる。
「あ、が………!?」
「ベルっ!!」
ミノタウロスの放つ光に射たれて吹き飛び、地に倒れるベルを目の当たりにしたヴェルフが叫ぶ。だが、痛みで悶えるベルに返事を返す余裕は無かった。
痛い。オラリオに来てから経験の無い痛みにベルの意識は痛みで埋めつくされていく。身を捩るだけで痛みで悶え、見れば左肩の肉と骨がくっきりと抉られ孔が出来ている。
指は動くがそれだけで激痛が走る。回復の為の仙豆擬きを取り出そうとしても、腰に巻いていたポーチは外れ、ベルから遠い位置に落ちてしまっていた。
そして、その先にはミノタウロスがベルへと歩み寄る。一歩、また一歩とポーチを踏み潰し、ヴェルフを気にも止めずベルだけを狙って……。
「───ヒッ」
それはベルにとって初めての恐怖だった。紅い肢体に白い炎、唯でさえ手強いモンスターが気という力を駆使して襲い掛かってくるなんて、悪夢以外の何物でもない。
このまま戦えば自分は間違いなく殺される。明確に目の前に現れる死を前にベルの心は恐怖で折れかけていた………その時だ。
「ベル」
フワリと、暖かい声音がベルの耳へと届いた。
「お義母………さん?」
気付けば、自分の母の姉。自分の唯一の肉親である
「先ずはこれを呑め」
「あ………んく……」
差し出された仙豆擬きを口に含み、呑み込む。途端に痛みが引いていき、頼れる肉親が来てくれた事も合わさってベルの心はすっかりと落ち着いていた。
痛々しい程に血を流し、身体に孔を開けられた甥っ子。ベルの無事を確認したアルフィアは穏やかな笑みを浮かべてベルの頭を撫でた。
「よく頑張った。あのミノタウロスは私が始末するから、お前は少し休みなさい」
「────あ」
滅多に見せない義母の優しさ。自分の為に駆け付け、自分の為に助けようとしてくれる義母にベルは………どうしようもなく焦燥感を覚えた。
義母の優しさを煩わしく思った訳じゃない。義母の暖かさに不満がある訳じゃない。ただ、こうして当たり前のように助けて貰える自分に………酷く、嫌悪感を抱いていた。
何より、ここで甘えてしまったら永遠に彼女に追い付く事なんて………。
「───だめだ」
気付けば、義母の腕を掴んでいた。
「………ベル?」
脳裏に蘇るのは灰色の狼。彼は、遥か格上を相手にボロボロになりながらも挑み続けた。どれだけ血に、泥にまみれても彼は立ち上がり続けた。
ベル・クラネルはまだ冒険していない。自身がヘスティア・ファミリアの一員であると、胸を張って言う為には……!
「僕は、僕はもう、誰かに甘える訳には………いかないんだ!!」
「あ………」
一歩、前に出る。
「ベル……」
アルフィアが伸ばすその手は、ベルの背中に届くことなく空を切る。今、ここから始まるのは一人の冒険者による冒険。
もう、割って入ることは叶わない。何よりもベル自身がそれを望まない。アルフィアに許されるのはただ事の成り行きを見守る事、それだけだった。
◇
「───おい、おいベル! なぁアンタ、不躾で申し訳ねぇが助けてやってくれ! アイツはここで終わっていい男じゃないんだ!」
「…………」
紅い炎を身に纏い、ミノタウロスと打ち合うベル。端から見てもギリギリの攻防、見ている此方が寿命を縮めそうな光景に堪らずヴェルフはアルフィアに縋る。
ヴェルフから見てもベルは気の良い冒険者で、自分を“クロッゾの一族”ではなく、ただのヴェルフとして頼ってくれている。まだ数回しか顔を合わせていない間柄だが、ヴェルフにとってベル・クラネルは大切な友人として数えられるようになっていた。
「
「…………」
地に這いつくばり、額を地に付けて懇願する。アルフィアを何者か知らず、ベルの為に頭を下げるヴェルフにアルフィアは煩わしく思うのと同時に、少しだけ好ましく思えた。
「───良かったのか?」
その時、背後から現れる男───ベジットにアルフィアは振り返る事なく「あぁ」と答えた。
「………まだ、子供だと思っていた。私の庇護が無いと、自分で何かを決めることも儘ならない、妹の面影を重ねて弱いままだといつの間にか決めつけていたらしい」
白い炎を滾らせ、ベルと打ち合うミノタウロス。振るわれる短剣の刃に肉体を切り刻まれながら、それでも漲る闘志を絶やす事なく、ベルとの肉弾戦を続けていく。
ダンジョンの上層にて行われるモンスターと冒険者の死闘、それはまさに一つの冒険譚。
割って入る余地など微塵もない。ただ目の前の相手を超える為に戦う一人と一体の闘いをアルフィアは慈しみを感じさせる眼差しを向けていた。
「頑張れ、ベル……」
自分の手から離れ、冒険している義息子。ベルを見守るアルフィアの眼差しは正しく母親のソレであった。
「お、おい! アンタ等ベルの仲間じゃないのか!? 後輩が死に物狂いで戦ってんのに、何を呑気に観戦してるんだよ!?」
「………所で、この元気な赤髪の兄ちゃんは?」
「知らん」
ベルに対する優しさをほんの少しで良いから他者に見せても良いんじゃないか? ベジットは訝しんだ。
「あー、もしかしてお前がベルの言ってたヴェルフ某君かな? ウチの末っ子が世話になったみたいで……」
「あぁいえ此方こそお宅のお子さんには大変お世話になってまして………じゃねぇよ!?」
片足がひしゃげ、マトモに動かす事も出来ない筈なのに意外と余裕のありそうなヴェルフ、そんな彼にニマニマと笑いながらベジットは持ってきた仙豆擬きをヴェルフの口へと捩じ込むのだった。
◇
────強い。目の前のミノタウロスはベル・クラネルがオラリオに来て初めて相対する強敵であった。どれだけ
身体が痛い。筋肉が、骨が、神経が、内側から引き裂かれるように熱く、痛む。
(それでも!)
止まらない。目の前のミノタウロスを超える為に、ベルは気力と死力を振り絞り、ミノタウロスの厚い肉を切り刻んでいく。
ミノタウロスもまた、ベルの尋常ならざる速さに翻弄されていた。紅い光が迸る度に肉が削がれ、命が削られていく。
恐い。全身に走る鋭い痛みより着実に命を奪おうとするベルの攻撃にミノタウロスの心身は恐怖によって蝕まれ─────る、よりも、遥かに高揚していた。目の前の白兎が刃を振るう度に、白髪の少年が血に染まり、それでも負けたくないという意思の下でより朱い炎に身を包む度、ミノタウロスは理解しがたい高揚感に包まれていた。
脳裏に過るのは、此処でない何処か。神殿、或いは祭壇に似た場所で互いに刃を振るい殺し合う自分でない誰かと、目の前の白兎ではない誰か。
何故、自分は此処でこうして戦っているのか。明確な答えもなく、ただ彷徨い続けていた自分が偶々出会った。
理由は不明、目的も不明。何もかもが分からないミノタウロスであったが…………どうでも良い。
目の前の、自分を超える為に全霊を尽くす少年。彼を超える為ならば理由も目的もどうでも良い。
今はただ、自身も全霊を尽くすのみ。言葉は解らず、理屈も道理もない。互いの間にあるのは目の前の敵を超えるという、一つの願望のみである。
しかし、無限に続くと思われた戦いも、もうじき幕引き。それを報せる場面は思っていた以上に早くやってきた。
「がっ……は……」
限界。界王拳の反動がベルの肉体を襲い、痛みに呻き足が止まる。闘いの中で決して晒しては行けない隙を前に、ミノタウロスは一つの決断を下す。
即ち、決着。身を低くさせ、追い詰められたミノタウロスが繰り出す必殺の一撃。己の角を突き立てての突撃、狙いを定める必要はない。的は既に自ら死に体と化している。
必要なのは己の力。溜めに溜め、地に着けた脚と腕に力を込め、目の前の好敵手を倒すためにミノタウロスは己の気、その全てを解放する。
「ベルっ!!」
誰かが白兎の名を叫ぶ。もう遅いと全ての力を解放し、同時に溜め込んだミノタウロスによる突撃は、ベルの心臓目掛けて真っ直ぐに突き進む。
当たれば胴体は泣き別れ、相手は即死。ミノタウロスが自らの勝利を確信した………その刹那。
「■■■ッ!?」
低い。突撃するミノタウロスの更に下、技の反動で動けない筈の
困惑と驚愕で見開くミノタウロス、その視界には短剣を両手に握り締めたベルが、一瞬だけ界王拳を解放し……。
「だぁぁぁっ!!」
「■■■■ッ!?」
突き刺す。胸元にある
カウンターで入った一撃。突撃の威力込みで入ったその一撃は、確かにミノタウロスの胸元に深く突き刺さった。
だが……。
「浅いか」
「ベルッ!!」
ベジットの呟きの通り、ベルの得物である短剣では、核である魔石に紙一重で届かない。このままではミノタウロスの反撃でベルの命は尽き果てる。
そして、動き出す牛の怪物。仰け反っていた身体を脚で踏ん張り、斬られた箇所から血が噴き出しても、ミノタウロスの動きは微塵も揺るがなかった。
これで終わりだ。起き上がり、力を振り絞ったであろうベルにトドメの一撃を見舞おうと、再びミノタウロスが口を開く。
しかし、其処でミノタウロスの視界に映るのは疲労困憊で動けなくなった白兎ではなく………。
右の拳に、ありったけの
「貫けェェェッ!!」
振りかぶったその拳は胸元に突き刺さった短剣、柄に向けて振り抜かれたその一撃は、ミノタウロスの胸元を魔石ごと吹き飛ばす。
塵となって消えていくミノタウロス、彼が消えた後にはベルの短剣が地に落ちていた。
◇
「───マジ、かよ。ベルの奴、ミノタウロスに勝ちやがった」
核である魔石を貫かれ、塵となって消えていくミノタウロス。地に落ちて転がるドロップアイテムを尻目にヴェルフがベルへと駆け寄っていく。
「ベル、スゲェじゃねぇか! ミノタウロスを、それも強化種を一人で倒すだなんて! ………ベル?」
Lv.1の冒険者では決して敵わないとされるミノタウロス。それも強化種を単独で討伐という偉業を目の当たりにしたヴェルフは興奮醒めやらない様子だったが、沈黙で返すベルに首を傾げる。
見れば、拳を突き出した姿勢のまま気絶しているベル、死闘を制し、生き残ったベルをどうしようかと頭を悩ませるヴェルフに短剣を回収したベジットが歩み寄る。
「界王拳の使いすぎだな、全身の筋肉が爛れてやがる。流石にアミッドに看せないと不味いか」
「あ、アンタ………」
「兄ちゃんも来るか? 一応、脚の診察もしておきたいだろ?」
色々言いたい事があるヴェルフだが、目の前の男からは悪意といったモノは感じられない。先の黒いドレスの女との会話から、どうやら同じ派閥の仲間らしいし、一先ずヴェルフはベジットの言葉に従う事にした。
気を失ったベルを抱え、ヴェルフに自身の服に掴んでるよう促し、瞬間移動の構えを取る。その際、踵を返すアルフィアに一度だけ振り返り……。
「お前は来なくて良いのか?」
「────あぁ、私も私の事を成す。お前も、ベルを預けたら自分の仕事に向かえ」
相変わらずの淡白な台詞。こんな時位労いの言葉を掛けてやれば良いのにと、ベジットもため息を吐きそうになった時。
「ベジット」
「あん?」
「ベルの事………頼んだ」
それだけ言って、ダンジョンの奥へ姿を消す。そんなアルフィアに嬉しそうな笑みを浮かべて。
「んじゃ、行くとするか」
ベジットもまた“ピシュンッ”と音を最後にヴェルフ共々ダンジョンから姿を消すのだった。
Q.今回のベル君の活躍、美の女神は観てたの?
A.「ンホォォッ!! シュキィィィッ!!」
Q.結局、あのミノタウロスはなんだったの?
A.メインヒロイン。
次回、陸の王者(キリッ