大魔導士が嫁探しをするのは間違っているだろうか   作:今更止められねぇよ!性癖スイッチオンだ!

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二人目

「ごめんなさいでしたぁっ!!」

 

 目の前で仰向けに手足を広げて腹を見せる少女に、スクルドは戸惑っていた。

 数日前、魂の輝きを頼りに滅んだ集落で見つけたのは、黒髪の狼人(ウェアウルフ)の少女だった。どうやら元々、ここには恩恵を受けていないのにもかかわらず、下級の眷属程度なら倒してしまえる武闘派民族が暮らしていたそうなのだが、『竜の谷』から逃げてきたモンスターによって壊滅しており、彼女はその生き残りらしい。

 一悶着あったものの、つい昨日、その少女はスクルドの義父兼師匠であるノルナゲスト――今はグリムと名乗っている彼の『勇士の刻印』を受け入れ、3人目の刻印を持つ者になった。スクルドの見立てでも輝かしい魂を持つその少女は強くなるだろうことが確信できた。

 なのだが、そんな彼女にいきなり謝罪をされている。確か、腹を見せて地に倒れるのは狼人の最上級の謝罪表現だったはずだ。

 スクルドは困ったように、グリムへと助けを求めて視線を彷徨わせる。それに気づいたグリムは、まだ年相応に語彙の少ない少女、ルーナ・ローガの代わりに事情を説明する。

 

「スクルドの過去を知って、昨日の夜、自分の気持ちなんてわからないと言ったことを悔やんでいるらしい」

 

 余計わからなくなった。他人の気持ちがわからないのは当たり前だし、スクルドは実際ルーナの気持ちなど分かっていないのだから、あれは正論だろうと思い手を放したのだ。心配だったから後を追いかけたら死にかけていたから助けたが。

 

「あと、男の子だと思っててごめんなさいでしたぁっ!!」

 

 ルーナの鼻は、濃い血の臭いと自分に染み付いた吐瀉物やらの臭いで、しばらくの間麻痺していた。そのために、体をマントで隠していたスクルドのことを少年だと思っていたのだが、今再びそのにおいを嗅いでみれば歴然だ。

 そのむせ返るような女性の色香。少年どころか大人のオンナである。これが噂に聞いていた小人族というやつなのだろう。子供とほとんど変わらない姿で大人になり、狡猾で、油断してはいけない相手だと族長である父からも教わっていた。

 

「お、おふたりは(つがい)なんですか……!?」

 

「おい、やめてやれ。そんなナリでもスクルドは男だ」

 

 ルーナの思考がストップする。自分の鼻は女だと確信している。しかし、新たな群れの長はその女性を男だという。

 そこで思い出した。口の悪い兄から「お前はバカだから考えるな、感じろ」と何度も言われてきた。確かに自分は賢くないのだ。

 ルーナは思考を停止させた。

 

「わかりました!!」

 

 ルーナは深く考えない女だった。

 

 『勇士の刻印』を刻まれ、ルーナの身体能力は爆発的に上昇した。これは恩恵でも散見される事象で、恩恵や刻印を刻まれる以前から深く鍛錬しているものは、既に魂の成長がなされており、基本ステイタスが上がる土台ができている。

 その影響か、基本ステイタスがより上がりやすく、かつそれはいつまでも続くというものだ。オラリオで言えば、リューやベートがそれに当たる。

 グリムが用意したモンスターを蹴り殺しながら、ルーナは感心したように息を吐いた。

 

「はー、すごいですね、『神の恩恵』って……」

 

「違う。それは『勇士の刻印』と言って、恩恵とはまた違ったものだ」

 

「へ? そうなんですか?」

 

「そもそも、私は神じゃない。見ての通りエルフだ」

 

「へー……恩恵ってエルフでも刻めるんですね」

 

「……あれだな。教養が必要だ」

 

 その日からルーナの猛勉強が始まり、悲鳴が響くのであった。

 

 

 

 剣製都市ゾーリンゲン。多くの鍛冶師たちが集い、そして彼らが売った装備を求め多くの戦士たちが集う土地。

 男は、巷では比較的有名な存在だった。

 

「おう、『試し屋(テスター)』! 今日も届いてるぜ!」

 

「まーったく、やんなるねぇ……こんなおじさんに武器なんて振らせちゃってぇ」

 

 男の名はスタルガド・ガムリ。かつてオラリオで冒険者を生業とし、引退までLv1のままで終えた敗残兵であった。

 

 伸ばしっぱなしの黒髪を後ろで(くく)り、口髭だけを剃って顎の無精髭はそのままという変なこだわりを持つ男。タレ目な割に三白眼、ヒューマン寄りの血が濃く現れたハーフドワーフであり、ドワーフの血が入っている割にヒョロっとしていて背が高い。

 言動もヘラヘラとしており、対人評価は高くなりにくいのだが、40まで冒険者を続けていた老兵(ロートル)だけあって、武器の扱いには長けていた。

 

 猫背気味に歩いてきたスタルガドは樽に入った剣を一本抜くと、その場で何度か素振りをする。そして、雰囲気を一転させ、眼の前に獲物がいると幻視させるほどの鋭さでもって、剣を何度か振り抜いてみせる。

 しばらくの沈黙の後、目を開けたときには既に雰囲気は霧散し、いつもの頼りない中年の雰囲気が戻ってきていた。

 

「刃の作りにこだわり過ぎて重心が滅茶苦茶だね。駆け出しの作?」

 

「ガハハ!! 流石『試し屋』!! 分かるもんは分かるか!! 最近うちの工房に来た若いのの作だよ!!」

 

「自分の色を出すのは基本ができてからだと伝えておいてよ。さて、お次は……」

 

 それから、スタルガドは槍、斧、また剣、ナイフと、一通り打たれた武器を試していっては、簡単な評価をつけていく。これが、値を付けて売り出す時の評価の参考になるのだ。

 すべての武器を試し終わり、依頼人から代金を貰ってその足で酒場へと向かう。通りを走る子供を横目に自分と比べ、「我ながらダメな大人だ」などと自嘲しながら、心中で「こんな大人になるなよ」と声をかけた。

 

 酒場に入り、安いつまみとエールを頼んで待つ間、ふと聞こえてきた若者たちの声に耳を傾ける。同じ村の顔馴染みで組んでいるのか来やすい様子の若者たちは、コップを傾け酒を煽りながら、オラリオへの野心を口にしている。

 ロキ・ファミリアに入る。第一級に。Lv7。威勢のいい声が聞こえてくる。あぁ、自分にもこんな青い頃があったなと思い返せば、いい思い出だと飲み下すには少し苦い記憶が蘇ってきた。

 

 幼馴染の少女を置いて、故郷である貧しい炭鉱街を飛び出してきたのがちょうど30年前。スタルガドがまだ15の青二才だった頃か。

 その頃はまだ「オラリオで一旗揚げてやる」なんて野心を抱いたものだ。

 

 そんな気持ちは、同じファミリアに入った同期が3日で死んで萎んでしまったが。

 

 それ以来、スタルガドは『冒険』をしなくなった。迷宮へ潜る時はその階層のことを調べ尽くし、モンスターの習性や行動、弱点をすべて頭に入れ、何度も読み返した地図でも持ち歩き、常にポーションをいつでも出せるようにホルダーに入れた。

 あらゆる武器に慣れ、使えるものはゴブリンの持っている棍棒でも使い、体力が六分残っているうちに帰還する。『オラリオでもっとも冒険しない冒険者』なんて呼ばれても、そんな戦い方を続けた。

 真正面から戦わない。迷宮では効果の薄い罠も研究し、できるだけ相手の動きを限定して、不意打ちを基本として襲いかかる。冒険者ではなく狩人のような戦い方だ。

 そうして戦っていれば少しずつでも基本アビリティは上がっていく。オラリオに来てからの年月が、オラリオに来るまで炭鉱街で過ごした年月を超えたあたりで、スタルガドの基本アビリティはすべてカンストした。

 そうなってしまえば、上層ではもはや敵はいない。それでもスタルガドは一切の油断をしなかった。中層へは行かず、誰よりも異常事態(イレギュラー)を警戒する。当然そんな戦い方を続ければ『冒険』や『偉業』からは程遠く。

 後からやってくる若者が死んでいき、あるいは自分を追い抜かして英雄になり、それを幾度となく見送り続けて、40歳のある日。ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアの壊滅を知ったその日に、彼は恩恵を返上し、オラリオを出た。

 

 思わず笑ってしまうような、山も谷もない人生。案外、あの炭鉱街に残っていた方がドラマがあったかもしれないと思ってしまうくらいには。

 

「結局、身の程ってもんがあっただけの話か」

 

 スタルガドはやってきたつまみをロクに味わわず酒で流し込み、ピッタリの金を置いて店を出た。

 

 スタルガドが借家への家路を歩いていると、不意に嫌な予感がして横道の路地へ目を向けた。冒険者時代何度も助けられた勘だ。

 その勘に従い、スタルガドは路地へと足を進めた。滅多に入ることはない路地裏を進んでいるとそれを見つけた。

 

 8歳くらいの少年が、野犬に襲われそうになっている。それを視認した瞬間、スタルガドは一も二もなく駆け出した。

手近にあった石を拾い、野犬に向けて投擲する。それが当たったかも確認せず、さらにいくつか拾って財布代わりの革袋へ詰め込んでいく。即席の棍棒、ブラックジャックである。

 見ると、野犬はこちらに気づいたのか警戒している様子だ。恩恵は既に失った身。身体能力は野犬の方が遥かに上。しかし、それでも負ける気はまったくしない。

 

「坊主、離れてろ」

 

 今のうちにと少年をその場から逃がす。最悪野犬を倒せなくても、少年をこの場から逃がして自身も逃げてしまえばそれでこちらの勝利条件は満たせる。

 少年はスタルガドの意図が通じたのか、野犬から離れてスタルガドとは反対側へ逃げていく。スタルガドを警戒している野犬は少年を追おうとすればスタルガドに背中を向けることになるため動けない。

 

 少年が無事逃げおおせたのを見送り、スタルガドは適当に野犬を相手しにかかる。獲物を逃されて苛立っているのか、野犬はスタルガドを見て唸っている。

 飛びかかってきた野犬を躱し、野犬とスタルガドの位置とが入れ替わる。少年が去っていった方を背にしたスタルガドは、これであとは野犬をこちらに通さなければいいと、再びブラックジャックを構えた。

 その気迫に怯んだのか、野犬は悔しそうに反転しその場を後にした。スタルガドはしばらくその場で警戒していたが、野犬が本当に去ったのを確認して家路に戻る。こちらは恩恵のない身、倒せなくとも追い返せれば上々だろう。

 

 

 

 次の日のことである。いつものように『試し屋』の仕事で現場につくと、見慣れない男が交ざっているのに気づいた。

 作り物めいた美しい顔に長い耳、エルフだろうその男は、土地柄ドワーフも多くいる剣製都市にはあまり似つかわしくないように思えた。

 試し振りが一通り終わり人もはけた辺りで、男はスタルガドに話しかけてきた。

 

「どうも。私からも試して欲しい武器があるのだがよいだろうか。無論、料金は支払おう」

 

「おう、金さえ貰えりゃおじさんは構わないよ。どの武器だい?」

 

「これさ」

 

 そう言うと、男は素早く指を動かすと空中へ文字を書いていく。スタルガドの一瞬の思考の空白。それが魔法だと気づいた頃にはもう遅く、文字はスタルガドの中へと入っていく。

 

「なにを……ッ!?」

 

 素早く、というには少し不格好ながら飛び退いて男を警戒するように睨んだスタルガドは、自分と男の間に一本の武器があることに気がついた。

 それは、黒い棒である。飾り気のない一本の棒。スタルガドは、何をやったのかわからないが、その棒が男によって取り出されたものであると察した。

 

「その武器を振ってみてほしい」

 

「……説明はしてほしいんだけどね……」

 

 スタルガドは棒を手に取る。手に酷く馴染む。現役時代でも、これほど手に馴染む武器は持ったことがない。一度、二度と振る。自分の動きに棒が過不足なくついてくる。

 棒の使い方が手に取るように分かる。スタルガドは棒に魔力を捧げる。すると、棒の先端に穂先が生まれ、棒は槍へと変化する。その状態で突き、叩きなど槍の動きを一通り行うと、また魔力を注ぐ。

 穂先が変化し、薙刀(グレイヴ)へ変わる。払いを含めてまたいくつか試し、今度は槍斧(ハルバード)へと変化させて試し。(ビル)へ、大鎌(サイス)へと変えていく。長柄武器(ポールウェポン)であるなら何にでも変えられるようだ。

 その可変性は確かに便利だ。しかし、スタルガドはそれよりも、異常なほど手に馴染むことに戦慄を覚えていた。

 最後にまた、現役時代に一番使っていた武器である槍に変えて素振りしてから、スタルガドは手を止めた。

 

「……なんだいこりゃあ……」

 

「手に馴染む、だろう? そりゃあそうだ。それは君の魂から写し取った武器なんだから」

 

「ハハッ、出鱈目だね、そりゃ……鍛冶師がみんな失職しちまう」

 

「そうでもないさ。凡百に使ったところで鈍らが転がり出るだけだ。あらゆる状況に対応できる変化の武器、実に君らしいとは思わないか? 『踏み出さぬ者(ステイヤー)』」

 

「……恥ずかしい名前を知られちまってるみたいだねぇ……まったく、酷いもんだよ」

 

 スタルガドは後ろ頭を搔いて、手の中の棒を見る。戦闘に入らなければ、なんの飾り気もないただの棒。魔力を注いでやれば、いくつもの長柄武器に化ける。一見すれば使い勝手のいい武器だ。しかし。

 

「長柄武器にしかなれない。中途半端な俺らしいや」

 

「どうかな? 案外、できないと決めつけているだけかもしれんぞ?」

 

 男の言葉に、心臓が跳ねる。それは、かつて中層へ行かないのかと尋ねてきた主神に、自分には無理だと返したときに言われたのと同じ言葉。

 スタルガドはただ怖かったのだ。怯えてしまったのだ。失敗ひとつで死を迎えるあの迷宮で失敗することが。

 だが、今ここは迷宮ではない。失敗したところで、傷ひとつつかない。スタルガドは意を決して、自分の半身だというその武器に命じた。

 

「……ハハ、マジかよ」

 

 そこには、一本の長剣があった。柄は13cm前後まで縮み、槍の時に穂先だった剣身はやや長くなり余白(リカッソ)が生まれる。片手でも両手でも振れる片手半剣(バスタードソード)。スタルガドが現役時代、槍に次いで2番目に使っていた武器。

 

「さて、驚きついでにもうひとつ試してもらいたいものがあるんだ。私は見ての通り、魔導士でね。今、神に頼らぬ恩恵、人工『神の恩恵(ファルナ)』である『勇士の刻印』を試しているんだ」

 

 そう告げる男の後ろから、小さな人影が姿を現す。それは、昨日野犬に襲われていた少年だ。

 

「この子は魂を見ることができる瞳を持っていてね。君の魂はお眼鏡に適ったらしい」

 

「……そりゃ光栄だが、こんなおじさん捕まえて何言ってんのさ……」

 

「私に言わせればまだまだ若造さ」

 

「そりゃあエルフに言わせればそうだろうけど……あのあだ名を知ってるなら知ってるだろう、俺は敗残兵だ。25年冒険者をやって、1レベルも上がらなかったんだから」

 

「それは君が誰よりも堅実で慎重だったからだろう?」

 

「違うよ。俺はただ臆病者で卑怯者なだけさ。幼馴染の気持ちから逃げ出してオラリオに来て、怪物から逃げ出して同期を見捨て、冒険から逃げて主神を哀しませた。怯えていただけの臆病者だ」

 

「だからまた怯えているのか? 希望を与えられて、やっぱりダメでしたとなるのが怖くて。こんなところで、未練がましく武器を振るっているのに」

 

 一生を慎ましく暮らすだけの金はある。少なくとも、今まで通りの生活なら楽隠居は容易なだけの貯えが。

 それでも、こんな形で武器に関わり続けるのは……言われた通り未練なのだろう。

 

「試して欲しい、君という刃を。折れも曲がりもしなかったその槍を」

 

「……こんなおじさん口説いて何が楽しいんだか」

 

 一度だけだ、と口にして、スタルガドはそれを了承した。恩恵と違って背中を出す必要はないらしいその刻印を左手に施される。確かに、かつて背中に焼き付いていたそれと似たような感覚が戻ってくる。

 念じれば、自分の手から炎が現る。熱はない、見かけだけの炎の中に、いくつもの文字が見えた。男が話す限り、この刻印とやらは恩恵と違い、自分自身でステイタスを見て、好きな時に更新できるらしい。

 

「はは、そいつは便利なもんだな……」

 

「便利ついでに、ランクアップの方式も違っていてね。『偉業』を成さずとも、戦い続けて『経験値(エクセリア)』さえ貯まっていれば、ランクアップができるんだ」

 

 スタルガドの心臓が再び跳ねた。ランクアップこそできなかったが、スタルガドは戦い続けた。頭を回し続けた。ステイタスがカンストしてからも、毎日毎日。

 基本アビリティに追加されることなく貯まり続けた『経験値』は、階位を上げるには十分な魂の拡がりだった。

 

「勝手ながら階位を上げられるところまで上げさせてもらった。第6階位。恩恵に換算して、おおよそLv5相当だ。第3級と第2級を飛ばして、いきなり第1級おめでとう。君の『冒険』はここに認められた」

 

 スタルガドはその言葉に、震えながら棒を槍に変えて構える。振った力に持っていかれそうになった体を押さえつけ、少しずつ体を慣らしていく。

 どんどんと加速する槍捌き。現役時代でも決して辿り着けなかった領域。スタルガドの頬を、涙が伝っていた。

 無為じゃなかった。無意味じゃなかった。あの平坦な道は、それでも歩き続けた道程は、認められて然るべきものだった。

 

「君を買おう、スタルガド・ガムリ」

 

 男は言う。さも当たり前のように。何も不思議なことなどないというように。

 

「私の勇士に加わってほしい」

 

 勇士。それは、オラリオで今、頂点を張っているファミリアの幹部につけられた異名。奇妙なことに、スタルガドの幼馴染の少女だった女性が団長を務めている、強者たちのあだ名。

 そう言えば、彼女の作った料理を、もう何十年も食べていない。この男と共に行けば、いずれ食べられるのだろうか。

 彼女の隣に並べるのだろうか。

 

 スタルガドはその場に膝を突き、男に向かって頭を垂れた。

 

「元セト・ファミリア、スタルガド・ガムリ。老兵ではありますが、貴方の戦列に加えて欲しい」

 

 そうして、名誉なく消え去るはずだった老兵は再び歩み始める。

 その眼には諦めではなく、煌々と光る野心の炎が宿っていた。




 高レベルになれば40代でも冒険者を続けるのは珍しくないけど、レベル1のままだと難しいよね。
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