IS×MGS - Another Solid - 作:No.20_Blaz
最近ISよりのストーリーなのでどうにかMGS組みの要素を取り戻したいと思っている今日この頃です。
さて。今回は一夏の(ある意味)危機。果たしてどうなるのでしょうかねぇ?(ゲス顔)
では、誤字脱字はご愛嬌。
それでも良いという方は
第二十五話、お楽しみ下さい。
一瞬の事だ。
僅かに背筋から脳へと直感が流れ、彼に警告を発した。
後ろに誰かが居る。それも、安全な気配ではないと。
この場、いやこの学園では恐らく殆どといって感じることが無いだろう気配。
意識と無意識の中間の感覚に身を任せ、彼は後ろへと振り向いた
「ッ!!!」
「わっ・・・」
「・・・!お前・・・」
「あっ・・・ゴメン・・・」
そこには、見慣れた顔の少女が驚いた様子で数歩後ずさりしていた。
突然後ろを振り向かれたので驚いたのだろう。その顔と様子を見て、一夏は軽く息を吐くと警戒と緊張を解き、冷静な態度で後ろに立っていた人物に尋ねた。
「・・・何の用だ、シャルル」
「ゴメン・・・ボクもちょっと用事があってココに来たんだけど、先に君が居たから・・・」
「気になって作業を見ていた?」
「・・・ゴメンなさい・・・」
「・・・・・・いや、いい。だが見ててもあんまり面白くもないと思うが?」
「ううん。ボクはこういうのが好きだから」
「代表候補なのに技術開発希望なのか」
「あ、いやそういう事じゃ・・・」
弾まない会話にシャルルは気まずい雰囲気を感じる。一夏と話せたはいいが、肝心の会話がまともに進まなくてはココに来た意味が無い。
どうにかして会話を伸ばさなくてはと思い、再びなにか話しの種を口にしようとした時。
「あら。別に技術開発希望の代表候補生も少なくはないわよ?」
「・・・。」
「・・・!」
「どーもー♪」
どこからともなく楯無が姿を現し、会話に割って入ってきた。
一体どこでどうやって会話を盗み聞きしていたのかというのに一夏は大体の予想を考えるもその予想の頭の隅に置き、ため息を吐いた。
「・・・最近良く現れますね」
「いやぁ、近い内にお婿さんになる人の周りがやけに慌しく変わっているから、それに負けまいと・・・ね?」
「だったらその婿候補を一人紹介しましょうか?
『ッ!?』←ステルス迷彩中
「いやん、イケメンにはちょっと興味あるけどオタクはちょっと遠慮させてもらうわ」
『・・・・・・。』
「で。さっきの話の続きなんだけど・・・」
「代表候補にも技術開発希望が居る・・・でしたっけ」
「ええ。この時勢、別にISのテストパイロットだなんだが全てじゃない。技術開発に関わる事も重要よ。だから、この学園に来る前には予め入学前の進路希望を調査する」
「事前調査ですか」
「そ。で、二年生から進路別に選択授業が入るの。勿論、途中からコース変更も可能よ」
「・・・一応入学前にそれについては聞きました。けど、学園の生徒が現場で活躍しているなんて聞いたこと・・・」
「そりゃそうよ。素性は隠すだろうし言う気もない。第一、学園の生徒が一発で有名所に入れるってことは先ず無い」
当たり前の話だ。天性の才能でもない限り、そんな夢のような人生を歩めるはずが無い。
それに、幾ら能力が高かろうが、学園での実績が良かろうが一歩外に出ればそんなものは紙くず同然。学園内で積み上げたものも白紙となる。
自分達が学生という身分の中で自分達が振るってきた物。それは、社会という一つの世界に出れば、戦場という差別のない場所に入れば、その全ては無となる。
特に戦場は肩書きなど殆ど無に等しい。
戦場で打ち立てられた名ならまだしも、戦場の外で手に入れた名や地位は戦場には通用しない。
女尊男卑もそうだ。戦場では男も女も皆平等に死への可能性と隣り合わせになる。
女が絶対に生き残るという保障など微塵もないのだ。
「・・・・・・。」
「それに、技術開発も学園を卒業したからって大手企業とかに即就職なんて出来る筈が無いわ。必ずといって皆大学を通るの」
「技術をより多く学ぶ為に、ですか」
「そう言うこと。テストパイロットにしたってもそうよ。大学に入るか、訓練学校に入るか。士官学校でボコられるか」
「束の間、
「・・・そう言うことね」
だから、あの言葉に繋がる。千冬が入学初日に生徒達に言った言葉にだ。
『今は平和を謳歌するがいい』。つまり、どの道ISを選んだ者には地獄しか待っていないと言う事だ。
戦争の道具と成り果てたISに、もはや女たちが地位を優位にする者ではなくなった。
戦争に浸っていた者達に、その力を性能を見られ、戦場に駆り出された。終わることの無い、果て無き闘争の渦巻く戦場へと。
「・・・。」
「ところで。ダーリンはなにをしていたのかな?」
「・・・機体の調整ですが」
「なら、私も是非手伝わせて」
「お断りします」
「なんでよ~」
「先輩の腕は疑ってませんが、それ故に何をするのか分からないので」
「アラ、ばれてた?」
「・・・・・・。」
「・・・仕方ない。こうなったら秘儀を出すしか・・・」
しかし、その直後楯無の頭を強く叩き、彼女を気絶させた虚が姿を見せた。
色々と訳アリの人物なようで一夏も虚が楯無を叩く直前までは気配を察知できなかった。更に、楯無を一撃で気絶させたということで格闘技術もかなりのものだ。よく格闘ものの漫画だったりバトルものだったりでは良く見かける光景だが、実際にするとなれば高い技術と力が要求される。
尤も、鈍器で殴ったら一撃で気絶も出来るだろう。
「変な秘儀を出さなくて結構」
「虚さん、ご苦労様です」
「ああ。会長がまた仕事をサボったからな。回収に来た」
「あの、そんなことして大丈夫なんですか?」
「ん。見かけん顔だが・・・転入生か」
「はい、シャルル・デュノアと言います」
「・・・・・・そうか。まぁこの人については心配するな。妹様以上に頑丈・・・いや、向こうがまともで。こっちが異常なだけか」
「異常って・・・」
虚はそう言って倒れた楯無を抱きかかえ、整備室を後にしようとする。が、なにかを思い出したのか、楯無を背負いながら一夏たちの所に再び顔を振り向かせた。
「そうだ。一年の山田教諭から伝言を預かっている」
「山田先生からですか」
「ああ。なんでも大浴場が解放されたそうだ。詳しくは職員室に来てくれと」
「・・・風呂・・・ですか」
「嫌か?」
「・・・いえ。別に」
◇
風呂が嫌いと言う訳ではない。逆に好みだ。
寧ろ風呂を嫌う人間こそ少ないだろう。身体の芯まで温める風呂場に入るそ一時は正に憩いの時とも言える。
二年間、殆どがシャワーだけだった彼にとって風呂がどれだけ有難いものなのか。
それもまた改めて知ったのだ。
が。
「・・・先んじて女子生徒達が入ったと」
「ええ・・・」
作為もあったのだろう。山田本人も事態を重く感じていたのか深くため息を吐いた。
大浴場が解禁されたと聞き、誰が言ったのか女子生徒達が我先にと入り、現在は女の風呂場となっていたようだ。
可能性として他意のない女子生徒が嬉しさのあまりに詳細を聞かずに噂を広げたのか。
もしくはその反対で小さな嫌がらせということで振りまいたのか。
いずれにしても噂の拡散範囲は広く、もう殆どの女子生徒に行き渡っていたようだ。
「山田先生が気にやむ事ではありません。女子生徒達には私のほうから言っておきます」
「はい・・・」
「と言う事だ。すまんな、二人共。だが、まだ大浴場も点検部分があったから実質今日解禁というわけではない。早くて明日には全点検も終わるだろう」
「じゃあその間、僕等は・・・」
「今日はシャワーで我慢してくれということだ」
「・・・・・・。」
「・・・エメリッヒ君、悔しいんですか?」
「・・・いえ」
この時、どこかで『悔しくなんか無い!!』と季節風が告げたような気がするが、それはまた数年後の話である。
結局、風呂がお預けとなった一夏は諦めて荷物を部屋に置き、誰かの部屋にでも遊びにいくか、外で風に当たりながらオタコンに連絡でもしようかと思っていた。
だが、彼の部屋の前には先ほど見た千冬と楯無、そして虚の三人が立っていた。
「・・・三人でなにしてんですか」
「うわーん!りっひー!!」
「貴方はのほほんさんですか、更識先輩」
「わーん!!りっひーも織斑先生もいじめるー!!」
まるで子供のようにというか本音のように泣きついてきた楯無を軽くあしらい、一夏は呆れ顔の二人にどうして集まっているのかを尋ねる。
「・・・で。なにがあったんですか」
「あった・・・というよりも、これからあるというのが正しいか」
「・・・は?」
「エメリッヒ。突然で悪いがルームシェアだ。といっても今回はお前が残るほうだ」
「・・・・・・。」
「相手は一体誰だ、という顔をしているな。安心しろ。相手はデュノアだ」
「・・・あいつと・・・ですか」
「不服か?」
「・・・いえ。別に」
「そこはもう少し粘ってよー!!」
「粘る理由もなければ変えたくも無い理由もない。諦めろ、楯無」
(・・・妙に嬉しそうな顔をしているな、織斑教諭・・・)
ざまぁみろ、と思っているのだろう。
子供染みた会話に小さく息を吐く一夏と、やれやれと肩を落とす虚。
互いに面倒な相手をもったものだなと変な親密感を湧かせた二人は、改めて深くため息を吐いたのだった。
「「・・・・・・・・・はぁ・・・」」
「ま。そういうことだ。デュノアは先に戻って来たから今は中だ。入ったら挨拶ぐらいはしておけよ」
「・・・ウッス」
「行きますよ、会長。さっさと仕事を終わらせてください」
「ひーん!!」
虚に引きずられる楯無とその隣を歩く千冬たちを見送り、一夏は一分ほとその場に棒立ちになる。とりあえず今起こっていることを頭で整理していたのだ。
「・・・・・・。」
そして、もう一度深くため息を吐いた一夏は新しい同居人が居る部屋へと入っていくのだった。
◇
肩身の疲れがいつも以上に感じられる。色々と身に溜まることがあったからだろう。
「・・・。」
だが、それだけではない。一夏は今日一日を通し、改めて自分の身のことを思い出す。
他のことを考えていたりで気づいていなかったのだろう。今までと違い、妙に緊張感があったり警戒心が今まで以上に強いときが多かった。
「・・・・・・。」
一体なにに怯え、警戒していたのか自分でさえも分からない。ただ、自分の身体と勘がそれだけのことをするような何かが今日一日感じられたというのは確かだ。
「考えても仕方ないか」
時間はまだある。先ずは身体を休めよう。
疲れのある身体を癒す事を先決に一夏は立っていたドアの前から一歩を踏み出した。
だが、その一歩を踏んだ途端。一夏の動きはまたピタリと止まってしまった。
踏み出した足をその場に二歩目の足を動かそうともせず、彼は片足だけを前に動きを止めたのだ。
「・・・・・・。」
彼が動きを止めるほど理由は違和感にあった。
その一歩を踏み出した瞬間。一夏の肌から異質な空気が触ってくる。
肌を伝って身体の芯に行き渡り、神経を奮い立たせる。興奮の感じはしない。寧ろ、先ほど考えていたこと。警戒心だ。
誰かに見られている。誰かが隠れている。
誰かが居る。
その誰かはシャルルなのではないかと考えるが、それとも違う。
なにかもっと別の。多くの人に見られているという感覚だ。
見えない人の目に曝され、見られる感覚。スナイパーでも居るのかと思うが、場所が場所だ。居る筈が無い。
「・・・相手が違うから・・・?」
独り言のように呟く。確かに、今までは自分の事情を知る楯無が相手だったので警戒する意味が無かったのだろう。彼女もあんな性格をしているが、自分へのバックアップを怠ったとも思えない。彼女の言葉の一つ一つがそれを証明したのだ。
だからだろうか。事情も知らない相手。謎の多い人物。素性が殆ど不明の人物。
だが、それだけでここまで警戒するか?
自分で自分の意識に問いかける一夏はそう考える。
似たような相手などこの学園にはゴマンと居る。素性も知らないし相手の情報も無い。
相手がどんな事情でココに居るのかも分からない。
そんな相手はいくらでもいる筈だ。
なのにここまで警戒する意味はあるのだろうか。
段々と一夏は思考の海へと身を落とそうとしていた。一体どうしてと・・・
『あ、もしかして・・・』
「ッ!デュノアか・・・」
思考の海へと落ちようとしたとき、一夏は辛うじてかけられた声に我を取り戻した。
何処からか聞こえるシャルルの声だ。間一髪といってもいい声に助けられ、一夏は意識を引き上げシャルルの声に答える。
どこに居るのかは不明だが、シャルルが現在部屋の中にいるというのは確かだ。
部屋同士の間にはある程度の厚みがあり、大声でもない限りは向こう側の部屋の声は聞こえはしない。
だから現在はこの部屋にいるのが確かなのだ。
『うん。今ちょっと手が離せないけど・・・』
「そうか。話は聞いているな」
『あ・・・うん、聞いてるよ』
「しばらくはよろしく頼む」
『うん。こちらこそ・・・』
気のせいだろう。
一夏はシャルルと会話をしたお陰か緊張感が解れ、さすがに考えすぎだなと考えていた事をやめにして部屋の中へと歩いていった。
深く考えすぎては混乱するだけ。一旦落ち着いてリラックスしようと自分の荷物を窓側に置き、その前にあるベッドに腰掛ける。
大きく息を吐いた一夏は、落ち着いたからか「あ。」と声を漏らす。
「デュノア。シャンプーあったか?」
『えっ・・・シャンプーはココに置いてあるのが無かったから、自前のを・・・』
「そうか。一応、換えの物を貰ってきた」
『あ、うん。どう・・・も?』
「・・・?」
『・・・えっと・・・え、エメリッヒさん。まさか・・・』
「・・・別に平気だ」
『え!?ちょっと待って!?まだ!!まだ着替えが・・・」
《 ガチャッ 》
◇
『このドスケベ!!』
『ぐぼあ!?』
「・・・・・・サニー」
「なに?」
「こういうのって何て言うんだっけ」
「えっと・・・・・・・・・ラッキースケベ?」
「・・・サニー、マドカ。何処でそんな言葉覚えた」
「ハル」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」←入ろうとしたが逃げた張本人
◇
閑話休題。
世の中、無いと思う物が実はあったりする。
居ないと思う人物が実は居たりする。
世の中とは摩訶不思議なものだ。
余計な能力を持つ人間も居るのだから。
「・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
一夏が入り、シャルルが硬直する。
シャワールームに入り、一夏の目に入ってきたのは顔を紅くして身体にタオルを巻くシャルルだった。
しかしシャルルの見た目は自身で打ち明けた性別とは全く違う。
男のようなしっかりと角ばった見た目は無く、丸みを帯びた体つきをしている。
肉付きも筋肉などが付いているとは思っていなかったが、引き締まったものであっても柔らかそうだ。
そして。なにより。
歳の割にはかなりふくよかな物を持って居た。
「・・・意外とデカイんだな」
「わああぁぁぁぁぁぁァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁああぁあああああぁぁ!?!?!?!?!?!??!?!?」
それがその場合に言う言葉か、と割り込みたいがその場には
あまりの恥ずかしさと意味不明な事態にシャルルは頭が混乱し取り合えず奇声を上げた。
その奇声に『流石にまずかったか?』と平然とした顔で一夏は耳栓を耳にさし、近距離の奇声から防御する。
だが、そんな事態に陥ってそれだけで済む訳が無い。
恥ずかしさを紛らわしたいあまり、シャルルはお約束ともいえる右ストレートを一夏に入れようとする。しかしその一撃は一夏には見えた攻撃。
紙一重というタイミングで右ストレートをかわした、のだが・・・
《 どごんッ!!! 》
「ッ!?」
「うよ!?」
「・・・陸奥?」
「火薬引火ですか」
勿論そんなわけが無い。
一瞬の地響きと轟音に生徒達は驚き、不意に顔を上げたりと反応する。
油断していた彼女達にへと不意を打つかのように響いた轟音は、生徒達の肝を潰しにかかり、中には突然の轟音に奇声を上げて驚いた生徒も居た。
そんな事態が起こった原因。それは・・・
「・・・・・・。」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
間一髪。その言葉が轟音の直後の一夏の脳に浮かび上がった言葉だ。
紙一重もこの場合だと似た意味ではあるが、状況からしてこちらの方が正しいだろう。もう起こってしまったことなのだ。
頬には小さく汗が流れ、心臓の鼓動は常時よりも速い。
あまりの衝撃に心臓と呼吸以外に身体は動かず硬直し思考が停止してしまっていた。
一夏が紙一重で避けたシャルルの拳。
その拳は一夏の頬を掠め、現在の一夏の後ろ
の壁を貫通していた。
「「・・・・・・。」」
「ちょっと、今の音なによ?!」
「あ・・・」
「一夏、なに・・・が・・・」
轟音の中心地である一夏の部屋に突入した鈴。
その原因がシャワールームにあると分かり、彼女は顔を覗かせた。そこには回避した姿と一夏とタオル一枚で壁を貫いていたシャルルの姿があった。
「・・・・・・。」
「・・・。」
「・・・・・・鈴。無言はキツイ。なにか言ってくれ」
「・・・自害しろ、ラ・・・一夏」
「誰が死ぬか」
そして夜は更けていった。
オマケ、と言う名の後書き。
ダンボールの種類に改めて奥深さを知った自分・・・
さて、どうしましょうか・・・?
ダンボール戦車、爆弾、救急、薬品用、ラブ、ソ連製、モセス、雷電使用・・・
後MGSVのとドラム缶もありましたね。
あ、アサシンストローボックスも。