IS×MGS - Another Solid -   作:No.20_Blaz

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第一話です。
一夏のISはプロローグで語った通りサニー達が造ると言う無茶振りとなっています(笑)
今回は日本とセーフハウス到着。そして、その後日と日常パートとなっています。

作中に出てきたアレについてはあとがきに書きますので、ご安心を。

誤字脱字と駄文はご愛嬌。
それでも言いという方は、
第一話、お楽しみください。



Act.1 Another SUN
No.01 「帰還」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

= 翌日 日本・ナリタ新国際空港 =

 

 

「君達は国連関係者として空港には話を通している。ナリタには翌日に到着するはずだ。先ずは空港から一直線に君達のセーフハウスに向ってくれ。移動方については現地に支援者が居る筈だ。それと、セーフハウスには色々と用意を施しているが、詳しい事は着けば分かる筈だ」

 

 

 

 

ナリタ新国際空港に到着したノーマッド。

其処から外出用の服装に着替えたスネーク達が降り立ち、入国ゲートに向うのだ。

まるで田舎者の様に興味本能を隠し切れないオタコンは周りを見回し、マドカは思った事を直ぐに口にしたのだ。

 

「ココが日本か」

 

「あんまり変わらないね」

 

「ココからだとそうかもね。それに僕も日本には着た事は余りないから・・・」

 

そう言って後ろの方を振り返るオタコンの目には広い青空を唯眺める一夏が立っており、その近くにスネークが歩み寄って、隣で彼同様に空を見上げたのだった。

 

「・・・」

 

「どうだ。日本は」

 

「不思議と何も言う事が無いって言うか・・・変わりないって言うか・・・」

 

「そうか」

 

「もうちっと味のある感想でも期待していたのか?」

 

「・・・いや。そう言うわけではない」

 

「・・・」

 

 

「行くぞ。」

 

「おう」

 

 

 

 

ゲートでの審査は彼らが思っていた以上にアッサリとパスできた。

恐らくキャンベルが裏で手を回してくれたからだろう。

但し、金属探知は絶対であったので特に問題の無い彼らは、探知機のゲートを通過するのだった。

 

「流石日本が誇る国際空港。検知器も軍用のを採用しているとはね」

 

「ココは要人などが良く利用する空港だからな。警備も半端じゃない」

 

「後、禁煙の場所も多いね」

 

「・・・・・・」

 

「タバコ、止めたんだから別に気にする事でもないでしょ?」

 

「・・・いや、反射的に反応してな・・・」

 

ヘビースモーカーだったスネークにとって喫煙場所が少ないのは地獄だったのかもしれない。しかし、それは今までの話。今となっては彼も禁煙し、タバコはポケットの中には入れていなかったのだ。

しかし、矢張りヘビースモーカー時代のが抜け切ってないというのは確かだろう。

 

 

荷物を受け取り、彼らはキャンベルが呼んだ支援者の車に乗って家に向う事になっていた。

場所はゲート付近の駐車場。

指定された場所の紙を一夏とオタコンが確認しつつ歩いていると、其処には見たことのある男性が一人立っていたのだ。

 

 

 

 

 

「久しぶりだな。」

 

「お前・・・確かメリルの所に居た」

 

黒人の男性。メリルが隊長を務めていたラットパトロールの隊員の一人、エドが居たのだ。

どうやら彼がキャンベルの言った支援者らしい。

 

「元気そうだな」

 

「アンタもな。荷物の大半は既に向こうだ。コッチには後ろに入れてくれ」

 

「メリルは元気か?」

 

「ん・・・隊長は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「連絡が無い?」

 

「ああ。ココの所はすっぱりとな」

 

メリルの話をしつつ、一行はエドの用意したグランドチェロキーに乗りセーフハウスに向って移動をしていた。

エドの話にスネークとオタコン、そして一夏は驚きを隠せず、スネークは確かめるようにエドに尋ねるが、答えは変わらなかった。

 

「何時からなんだい?」

 

「ココ数週間だ。俺もジョナサンも心配しているんだがな、たい・・・彼女が心配するなって連絡を最後に音信不通になってな」

 

「特定は出来なかったんスか?」

 

「ああ。何をしているか心配だが・・・あの人だ。其処まで心配する様な人でもないってな。肝心なのは・・・」

 

「アキバか」

 

「ああ。アイツどうやら尻にしかれっきりだったらしいからな。前にあった時に愚痴っていたよ」

 

「カカア天下って奴ッスね・・・」

 

アキバのヘタレな性格を思い出し、男一同は納得の顔をする。

唯でさえ女天下のこの時世で、しかも元特殊部隊隊員となると最早彼に上に立つと言う事は絶対に出来ない事だ。

正にアキバは尻に敷かれる夫の典型例だと言う事だ。

 

「ジョナサンはどうしているんだい?」

 

「ジョナサンは今アメリカに残っている。俺達元チーム01のメンバーは今はキャンベル元大佐の所で働かせてもらっているからな。アイツは向こうの手伝いだ」

 

彼の相棒であるジョナサン。今では元01チームのメンバーは一時解散となり、キャンベルの許で再結成された。キャンベルが彼らを私兵部隊の様に扱いたかったと言う訳ではない。

娘の事が心配であり、同時に気兼ねなく発揮できる職場を作りたかったからだ。

現在はエドとジョナサンが何処に居るのか分からない二人に代わり、二人で事を請け負っていると言う事だ。

 

 

 

彼らがそんな話をしていると、後部座席に居たサニーとマドカが目を光らせて窓の外を眺めていた。

其処には日本の大都会が現れていたのだからだ。

 

「うわあ・・・」

 

「ビルがいっぱい・・・」

 

「今じゃ日本の大手企業の半数以上がココに本拠地を置いているからな。あそこにあるビルの大半はそう言う企業の本社ビルだ」

 

「他にも海外の大手企業の支社もココに拠点を置いている。日本の技術目当てでね」

 

技術大国日本の名は伊達ではない。

戦争経済などの火の粉を被らなかったこの国(日本)は、それを機に一気に強者へとのし上がる。今やIS技術の先進国である欧州と肩を並べられる程のIS技術を裏に持つ国であり、技術そのものだとアメリカに僅かに劣る程度だ。

 

戦争を放棄したからこそ、戦争経済の火の粉が少なく、整った環境があるという事だ。

 

「ま、都心部はこんな感じだけど、放れていけば山と道路だけだしな。後はまばらに町や村がある程度・・・」

 

「戦争経済であろうと無かろうと、この国が抱える少子高齢化は止まらないからね」

 

「へー・・・」

 

「それに、都心部はかなり設備が充実しているけど、過疎化した場所や他の都市部ではまだ不十分な所もある。見栄っ張りのところもあるって事さ」

 

「おいおい。着いたばっかりでイキナリ期待を消失させるなよ。二人が少し困っているだろ。」

 

「っと、ごめんな二人共」

 

「う、ううん」

 

「大丈夫ー」

 

 

何か根に持っている事でもあるのか?

一夏の日本への言葉にそんな感情が乗っていると感じたスネーク。

だが、今は聞くべきではないと思い、そこは止めたのだった。

少なからず、オタコンもそう思っていたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車で首都圏を移動すること数十分。

途中に一夏の簡単な街などの説明を聞きつつ、一行はセーフハウスに向っていたのだ。

 

そして、一行がセーフハウスに到着したときには既に昼時を回っていた。

 

 

「あー・・・腰痛てぇ・・・」

 

「全くだ・・・」

 

「イチカまでおじいさんになってるよ」

 

「サニーたちは寝てたんだし、仕方ねぇだろコッチはずっと起きっぱなしなんだからさ」

 

「ハハハ・・・」

 

 

車を降りた一夏はスネークと一緒に腰を動かし、凝りを解していた。

その姿を見てオタコンは苦笑しつつ車から降り立ってエドに連れられ、住む家を見ている。

大きさは三階一戸建てで、外見は白い壁と黒い屋根のポピュラーなもので、更には庭も広く、車庫付きと言う豪華っぷりである。

大方キャンベルが用意したのだろうと思い、先に彼とエドが入っていく。

 

「ココからじゃ分からないと思うが、色々とセキュリティも張ってある。全て独立したシステムで、個々に直接手動で命令を送らないと停止も何も無理だ」

 

「のようだね。ほかにも何か?」

 

「後は、車庫には車を一台入れてあると聞いている。車種はランドクルーザー(プラド)の150系。既に所々イジってあるって話だ」

 

「キャンベル、この任務をかなり重要視しているのか。それでここまでの用意を・・・」

 

「他にもあるって話だが、俺はここまでだ」

 

「ああ。すまない。助かったよ」

 

 

二人の会話が終わると、外からマドカの手を繋いで歩く一夏とサニーを背負って来るスネークが居た。

その姿はまるで父親と兄が妹二人を連れて帰っているその物だ。

その二人も中の様子を見て圧巻の様子でスネークも軽く笑って呆れていた。

 

「流石に、キャンベルもやり過ぎだと思うがな」

 

「そういうなよ。彼なりの僕らへの配慮さ。それに、これぐらいあっても足りないのかもしれないし」

 

「まぁこういうのは多いに越した事はないか」

 

 

 

 

 

 

さて。エドが別件が入って直ぐにアメリカに戻る事となり、一行は彼に礼と挨拶をして彼と別れた。

そして、一人一つのセーフハウスの鍵をエドから貰っていたオタコンはそれを起きている男二人に渡し、残る二人の鍵は二人が起きるまで持っておく事にした。

オタコンが鍵を使い、玄関のドアを開けると、其処から新築のいい香りが彼らの前に漂った。

 

「かなり真新しいな。出来たのは一週間程の間か」

 

「かもな。あ、みんな靴は脱げよ。日本のマナーだから」

 

「ああ・・・そういえば」

 

今までの海外での生活と少し違う点があったのに戸惑ったオタコン。

外人の典型例だなと思っていた一夏は、この先の文化の違いにどうなるのかと先行きが少々不安な所であった。

もしそんな所がアレば自分が何とかフォローせねばと密かに決意したのだった。

 

 

「にしても、結構広いな・・・」

 

「そうなのかい?」

 

「ああ。ずっとコッチに居なかったから多少は感覚麻痺しているけど、日本の住宅ってアメリカと違って結構狭いんだ。向こうとは一戸建ての敷地が違うからな」

 

「そういえば・・・そうだね。ココに来るまでの家も他の国より半分くらいの大きさの家もあったし・・・」

 

「後、プールとかは無いからな」

 

「・・・それ、僕を馬鹿にしてる?」

 

「・・・いや。一応な」

 

 

 

二人の会話を他所に、スネークはサニーとマドカをリビングを探して連れて行き、真っ先に見つけたソファの上に二人を寝かせた。

身体に堪えたのか肩を叩いたりしていたが、ふとソファの傍のテーブルに一枚の紙と日本銀行の通帳を見つけ、通帳は分からない彼は取り合えず紙の中身を確認した。

 

そして、其処に書かれていた文章を読み、なんとも言えない声と気持ちになった。

 

「・・・・・・。」

 

「スネーク、どうかしたの?」

 

「・・・オタコン。この家の間取りがあった。お前の部屋はココに書いている」

 

「え?ああ・・・」

 

「・・・スネーク。何が書いてたんだ?」

 

「・・・大佐の奴・・・流石にやり過ぎだ・・・」

 

「は?」

 

スネークは無言で一夏に読み終えた紙を渡し、一夏は何が書いていたのかと疑問に持ちつつ中身をオタコンが横目で見ている中確認した。

そして、「うっ・・・」と声を漏らし、其処に書かれていた事に呆れたのだった。

 

 

「自宅地下にスパコン搭載って・・・家のセキュリティといい、ココ要塞かよ・・・」

 

「流石にやり過ぎだよ・・・」

 

「だろ?」

 

 

「ああ・・・あ。後はイチカの登校日が書かれているよ」

 

「本当だ。えっと・・・手続きの書類は向こうで出したから後は、制服だけど・・・もうコッチに?しかも俺の部屋にって・・・」

 

「用意周到と言うレベルをすっ飛ばしているな」

 

「登校日は二日後か。其れまでの用意は・・・ああ。これくらいなら一日で大丈夫だな。後、当日に親も来てくれってさ」

 

「・・・本当にか・・・」

 

「書いている」

 

 

恨むぞキャンベル、と内心でキャンベルを恨んでいたスネーク。

何時の間にやら家系設定も決められていたのでどうしたものかと思って居たが、ココまで用意周到だと流石に彼もキャンベルの手際の良さに恨みを持つようになる。

ちなみに、正装で行くようにと何故かきつく注意書きが書かれていたのは彼は知っていた。

そこまで馬鹿ではないと彼もその一文を見てため息を吐いていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

色々と驚く事ばかりだった到着初日。

その日の夜、彼らは自分の部屋に入り、中の確認などをして、スネークは先に眠りに付き、オタコンは遅くまで何かの調整を行い、一夏もスネーク同様にベッドに入っていたが、中々寝付けなかった。

どうやら時差ボケがまだあるらしい。

 

「・・・」

 

一夏の部屋にはシンプルなベッドと勉強机、それにクローゼットなどといった最低限の物しか最初は置かれていなかった。

だが、ノーマッドなどから運ばれた物が既に部屋に置かれていたのでその整理で一日は終わってしまったのだ。

といっても彼の所有物は銃ないし、暇つぶしの雑誌やゲーム機ぐらいだ。

携帯は持っておらず、連絡方法は今までずっと無線通信がその役割を果たしていたので、連絡法には困らなかった。

その彼の部屋の中で一つだけ、既に置かれていた物がある。

 

いや、物と言うよりも服。IS学園の制服だ。

 

白を基調とし、赤いラインが入っている制服。

男のIS操縦者などは考えもしていなかったので急遽作られたオーダーメイドの一品だ。

しかも、どうやらこれにも色々と仕掛けがあるらしい。

 

「備えあればなんとやらって言うけど・・・」

 

 

実感が無かった。その制服を見て、彼が過去に過ごしていた日常に戻ったのだという感覚が。

 

《あの日》の出来事から、彼の日常は一変した。

平和であった彼の周りには、今では酷いノイズと爆音。銃声。戦車や航空機の音。月光(IRVING)の鳴き声。そして、死んでいく人の声が何時までも響く様になっていた。

 

それが彼の新たな日常となってしまった。

始めは元の日常に戻りたいと何度も願っていた。が。いつの間にかその願いは無くなり、戦いの場に身をおくことに拒否感を覚えなくなっていた。

 

それが真実なのだから。それが世界の現実なのだから。

 

厳しい現実を目の当たりにし、何時しかそれを受け入れ、その真実を追い求めるようになっていた。

 

 

だが。そんな日常とは一度分かれることになった。

あれだけ求めていたかつての平和が今ココにある。

だが、正直実感は全く無い。そして、喜びも無かった。

 

 

「・・・・・・何か・・・空しいな・・・」

 

自分が感じている事に、感じても居ない感想を口にする一夏。

そんなぽっかりと穴が開いたような感覚で、彼は一夜を過ごす筈だった。

 

 

 

 

 

《ガチャッ》

 

 

 

「ん?」

 

其処に、彼の部屋へと一人の来訪者が現れる。

私服と兼任している寝巻きの服を着たマドカが、何か乞いしそうな顔をしながら入ってきたのだ。

一夏は毛布に包まってはいたが、まだ寝る前だったので入ってきたマドカを上半身だけを起こして見る事ができた。

 

「起きてる?」

 

「マドカ。どうしたんだ?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・?」

 

 

「一緒に・・・寝させて?」

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の小さな願い。それを嫌とは言わず喜んで受け入れた一夏は、そのまだ幼い身体を必死に自分に当てるマドカを傍に置き、腕を枕代わりに天井を眺めていたのだった。

ふと彼女を見て、彼女との出会いを思い出したのだ。

 

「もうそろそろ二年か・・・」

 

 

一夏とマドカのふとした出会いから二年。その二年前の事を一夏は忘れられなかった。

それが、今の一夏を形成したといっても過言ではない、激動の出来事だったからだ。

 

 

 

世界に、秩序に、時代に決起した男と、それを止める為に戦った男達の戦い。

一部の者達からはこう呼ばれている。

 

 

 

 

「ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」事件と。

 

 

 

その事件の前に一夏は戦場を知り、そして事件の少し前にマドカと出会った。

それが彼とマドカとの出会い。同時に、自分の義妹が出来た時でもある。

驚く事ばかりだった。だが、同時に多くの物を得られた。

良い事も悪い事も。善も悪も。

人という者達を。

 

 

 

「ふみゅ・・・ふへへへ・・・」

 

その小さな顔に笑みを浮かべ、マドカは眠っていた。

いい夢でも見ているのだろうか、と一夏は本当の兄の様に彼女を慕っている。

様々な理由があるが、それでも彼女は確かに自分の義妹である。そういう事実があるのだから。

 

 

「・・・」

 

 

二年と言う長くも短い間に彼は多くのことを経験した。

多くを得て、多くを失った。

今の彼にとって、ココに戻ったというのは、幸運なのか、はたまた不幸なのか。

それを知る者は今は誰も居ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

= 翌日 =

 

翌日になり、朝の眩しい日差しが家内に差し込んでくる。

何処の世界でも平和な朝を迎えると何処か気持ちのいい。

正に平和の国に来た。寝起きのスネークは改めてそれを実感したのだった。

 

「・・・」

 

今まではおちおち寝ている事も出来なかった事が多々あったが、今ではこうしてゆっくりと眠られる。お陰で昨日よりも少し身体の調子が良い感じだと、スネークは肩をゆっくりと回したのだ。

 

 

 

 

 

その頃。一階のキッチンでは彼よりも先に起きていた一夏とサニーが朝食の用意をしていた。

一夏はトーストなどを用意し、サニーは得意の卵焼きを作る。

その卵の元である鶏の『ソリッド』・『リキッド』・『ソリダス』は今も一緒に居ており、裏手の方に置いている。

 

「サニー。あのニワトリ。ちゃんと対策はしたのか?」

 

「え?どういう事?」

 

「野良猫。喰わないと思うけど、一応な」

 

「ね、猫?野良猫が居るの?」

 

「多分な。都内だと捨て猫が野生化するってのは珍しい話でもないし」

 

「・・・分かった。後でやっとく」

 

「頼むぞ。あいつ等意外と家計支えてんだから」

 

「・・・」

 

 

 

サニーがそこが重要かと目線を下げて不機嫌な表情をしていると、其処に起きたばかりのオタコンがマドカを連れてやって来る。どうやら朝食の匂いに誘われてきたらしい。

 

「あ、おはようハル兄さん」

 

「おはようサニー」

 

「おは・・・」

 

「オタコン。昨日遅くまで起きてたのか?」

 

「え、どうして?」

 

「目の下。少しクマが出来てるぞ」

 

「え・・・」

 

「・・・・・・」

 

「すまない。ちょっとコッチに来て直ぐに完成させたい物があったからねそれを済ませて寝たから・・・」

 

欠伸をするオタコンにサニーと一夏は苦笑し、マドカはようやく頭が起動する。

マドカも大きな欠伸をして眠気を覚まし、目を覚ますと、オタコンのズボンの後ろポケットに何か入っているのに気がついた。

 

「・・・オタコン。それ何?」

 

「あ、コレ?これは彼のだよ」

 

「俺の?」

 

「そう。昨日完成させようと思っていたのはコレのことさ」

 

 

オタコンがそう言うと一夏にポケットに入れていた物を手渡す。

渡されたのは端末の様な物でカメラの様なボールと太めのアンテナが特徴の物だ。

 

「これは?」

 

「《iDROID》。前に父の残したデータファイルを洗っていたら見つけた物でね。設計図を元に僕なりのアレンジを加えて作った携帯情報端末だ」

 

「オタコンの親父さんって・・・40年くらい前の人がか?」

 

「ああ。僕も正直驚いたよ。どうやらビッグボスの部隊の技術力は桁違いの様だったからね。当時だと絶対にオーバーテクノロジー物だよ」

 

「スゲェな・・・」

 

「操作方法については後で教えるよ。今は・・・」

 

「ん?」

 

「あ・・・」

 

「焦げた」

 

 

 

彼らの言葉にようやく気づいた時には、トーストは真っ黒に焦げていたという・・・

 

 

 

 

 

 

 

「さて。iDROIDはさっきも言ったとおり、携帯情報端末だ。携帯の様な連絡方法が可能で、他にも様々な機能を備えている」

 

「例えば?」

 

「空中投影式のホログラムレンズが紙媒体の文章を読み取ったり、地形情報を表示してくれたりする。他にもサニーとマドカが作っているMk.Ⅳの操作だったり。後は、専用のバイザーサングラスと併用して暗視モードにしたり。兎も角色々さ」

 

「ソリッドアイの技術も入れているという事か」

 

「ああ。ソリッドアイの三つの機能もそのまま入れてある。と言っても、兵士の情報についてはSOPが無くなったから分からないけど、代わりに兵士の位置を割り出せる様にしたのさ。」

 

「へー・・・」

 

「後は色々と試して見るといい。他にも色々と機能があるからね」

 

iDROIDの操作方法や機能などを聞いていた一夏は、その操作を自分でやりつつオタコンの話を聞いていた。

操作方法は上部にある三つのボタンと側面の上下ステック。更にはステックと同じ側にあるオレンジのスイッチでホログラム映像を空中投影させる事が出来る。

これを1970年代に開発したといわれると、その組織の技術力の高さが窺えると同時に組織の強さと言うのも実感できる。

 

「後、連絡方法は専用の小型マイクを使った会話で、コレが起動していれは連絡くらいはとれる。アドレスは僕等四人とキャンベルだ」

 

「あの人、これの事を?」

 

「いや。コッチから脅かそうってね」

 

「・・・」

 

「今はまだソイツだけだけど、後でみんなのも作るつもりさ」

 

「俺は別に連絡方法は困らんぞ。体内のナノマシンで骨から振動を伝えて会話させるから、盗聴の危険もない筈だ」

 

「そうだけど、いざって時にね。ソリッドアイは壊れてしまったし、修理に時間がかかる。それならいっそ新しい連絡方法にしようって事にしてね」

 

「・・・・・・。」

 

「それに、これがあれば色々と便利な筈さ。持って置いて損はさせないよ」

 

「・・・そうか。なら、今回はお言葉に甘えるとしよう」

 

 

 

 

「他に何か機能はあるの?」

 

「んー・・・人体のスキャニングも出来るって事とか・・・」

 

 

若者達三人は新たな物に興味津々で色々と機能を試していた。

その姿を見て二人は微笑ましそうに眺めており、同時にオタコンは小さな願いを持って彼らを見ていた。

 

願わくば、若者達が戦争などと言う火種に関わらない為に。と。




オマケ。

iDROIDについて。

ご存知MGSVで追加された端末のiDROID。
これはオタコンがビッグボスについて調べていた時に、偶然自分の(ヒューイ)が関係者だと言う事を知り、父のファイルを調べていた時に見つけたのが始まり。

原作劇中でも完成したのはGZの少し前なので話に筋が通ると思い、今回追加する事にしました。
ソリッドアイやソリトンレーダーなどの機能を凝縮した物と言えば分かりやすいもので、後は本編でオタコンが語った機能なども搭載してあるという設定。
言うなればヒューイがPWで言った
『ピューパのコンセプトはシャゴホットを参考にしたが、技術はオリジナル』
と言うような物となっています。



メタルギア・Mk.Ⅳについて。

プロローグでサニーが作っていたMk.Ⅳ。これは劇中の台詞通りで、Mk.ⅡとⅢの予備パーツと新規に用意してもらった資材を作って製作した物。
外見はMk.Ⅱと同色の黒に戻ったが、色々と機能が追加されているらしい。
詳しい事は作中で発表します。
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