IS×MGS - Another Solid -   作:No.20_Blaz

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またお久しぶりの第五十五話です。

少しずつですがモチベーションが回復し始めたので更新スピードを上げてみようと思います。まぁ…ホント少しなので(汗


今回は横須賀基地での話、なんですが…ちょっと長いです。多分これ入れて三話くらい使うかな、と思いますのでよろしくです。


それでは相も変わらず脱字とかも多いのですが…

第五十五話、お楽しみ下さい


No.55 「来航」

 

 

地球の約半分以上は水で出来ている。

海水、流水、雨。種類は様々だが一括してそれはすべて水と称される。

生命の始まり、命の源。母なる存在とも呼ばれる。

人類が地上での移動手段を発達させ、その次に発展させたのは当然ながら海や川といった水路だ。古代中国でも水軍は組織され、近代の戦争は主に海戦の為に戦艦などの軍用艦も多く姿を現した。

 

 

戦艦、空母、潜水艦、補給艦、工作艦

 

後の時代にはフリゲート艦や巡洋艦などが主流となり、近代に在籍していた駆逐艦や軽巡洋艦、重巡洋艦は少しずつ表舞台から姿を消していく。

 

しかし。その中でたった一隻の戦艦が最後の役割を果たすために、冷たい大海を渡りある戦士たちと共に戦った。

太平洋戦争で活躍したアイオワ級三番艦『ミズーリ』

戦争の終結後、日米調印のために使われたこの船は最後の役割を終えてハワイで記念艦としての余生を送るはずだった。

戦争経済の黒幕である『愛国者達』、その打倒のための決起を目論むリキッド・オセロットが海上へと行かなければ。

 

愛国者達が建造したと言われているアーセナル級潜水艦の一隻を強奪し自軍として取り込んだリキッドはそれを「アウターヘイブン」と称し『愛国者達』の中枢である「JD」の破壊を実行しようとした。中枢AIが破壊されれば当時武器管理システムを全て掌握していたリキッドが神に等しくなってしまう。

それを止めるため、オールド・スネークと呼ばれたソリッド・スネークたちは当然追撃を実施。その為に使われたのがミズーリだ。

当時、軍艦の全てにSOPシステムと呼ばれる管理システムが導入されていたためシステムがリキッドに掌握されたのも含めて使い物にならなかった。

だがたった一隻、ミズーリだけは導入されず記念艦としてそのままの状態だった。

それが理由となり、艦長である美鈴指揮の下、全てを掛けた最後の戦いに望んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首都圏から離れ、太平洋沖に面する三浦半島。そこには自衛隊の有する基地が置かれている。高校の年齢なら誰もが一度は耳にしたことがあるだろう横須賀市。

その東京湾側に俗にいう横須賀基地が置かれている。

 

 

 

 

「この基地は戦争経済の時代背景からの防衛力などの強化のため建設された基地であり、首都圏周辺の自衛隊基地の中でも規模が大きいものの一つです。

また、戦争経済が終結し除々に軍縮が始まると一部の基地閉鎖に伴い駐屯していた部隊も多くがここに異動。現在では首都圏防衛のための部隊や戦力が集中する重要拠点のひとつとなっています」

 

基地の施設の前で説明をする山田真那は生徒たちの目線を気にしながらも施設の説明を続ける。

隣では苦笑している士官が一人と、更に隣にそっぽを向いて基地の様子を見ている千冬が立っている。妙に気まずい空気であるこの状況に、流石に誰もが一体どうしたのかと疑問にもつ。別段士官が悪いわけでもなく真那が嘘をついているわけでもない。

 

強いてあげるのであれば―――――子どもっぽい嫉妬

 

そして、数日前の夜の会話の事も未だ頭の四隅に置いて引きずっている。

 

 

(あれ…これって私の責任…?)

 

そんな彼女の様子に笑顔ながら汗を滲ませる真那は、今は知らないフリを施設などについての説明を続ける。

 

 

 

 

学園の修理と補習のためしばらくは校舎が使えないという状況となった今、机に向かって板書を行うということはできなくなっている。

だがその代わりにと学園側が提案・指示したのは実際の軍事基地の見学と講習。そして洗礼とばかりの軽い訓練参加だった。

これを半日ほどかけてという事で生徒の中には不満を持つ者も居るが、ずっと籠っているよりはマシかという事で参加していると言った理由がほとんど。

だが中には見学でも出来るという事に有難さを感じている者もいるようで、そういった前向きに見る生徒も少なくない。

 

ちなみに今回のこの見学授業は一年のクラスのみの実施であり、見学のために分かれた班は各クラスバラバラになっての再編成となった。その為、一組担当である真那と千冬の預かる生徒の中には一組の一夏たちだけでなく二組の鈴や三組、四組の生徒も混ざっている。

 

 

「――――では、ここでこの基地について柳田さんに説明してもらいます」

 

「…ええ、今お話を預かりました柳田です。本来は別の地域に所属していますが、今回皆さんと一緒に同行し案内をすることとなりました。どうぞよろしくお願いします」

 

眼鏡をかけた、いかにも陰湿という見た目を持つ柳田という自衛官はそこに更に自衛隊の帽子をかぶり自身の表情があまり見えないようにしている。相手に表情から考えを読ませたくはないという事なのだろうと、生徒の中に紛れ数人は彼の姿を観察する。

 

「さて。先ほど山田さんがご説明した通り、この基地は首都圏の防衛を担う首都防衛隊の本拠ともなっています。

航空、陸上、そして海上。特に海と空はスクランブル時に迅速に出撃、首都圏の防衛を行えるため、日々厳しい訓練を行っています。

まあこの訓練の内容を簡単に言うなら「兎も角早く行って現場に着け」というものです。でなければ被害は広がるかもしれませんからね」

 

 

 

横須賀は元は海上自衛隊のみが管理する基地だったが、軍縮に伴い少なからずの航空や陸上の隊員たちもここに配属された。軍縮に伴う基地の閉鎖などで居場所を失ったというのもあるが、それを良いことに基地の防衛戦力としても組み込むというのがもう一つの目的だ。

更に、首都防衛のための部隊が駐屯しているということから自衛隊が保有するISの約半数が配備されている。主要都市四カ所に分散されている自衛隊所属機だが、半数があるのはそれを隠れ蓑にしているため。本音を言うならば絶対的な軍事兵器を手放したくないという政治家たちと、女尊男卑主義の思惑だ。

 

 

 

「また、首都圏が近いこともあって首都防衛のIS部隊には新型機や装備といったものが優先配備されます」

 

「それって第三世代機…とかですか?」

 

「いえ。現在第三世代の機体はトライアルに提出しており試験評価中です。配備されているのは第二世代機の改修された機体。いわば第2.5世代です。

ですが、そう言った新型が配備されるからといっていいこと尽くしという訳ではありません」

 

新型が配備されるという事は同時に戦闘データなどを含めた実戦のデータ収集も兼ねられている。第三世代機がそうである様に、第2.5世代機も第三世代機やその先の第四世代に必要なデータ等を集める目的があるのだ。

そのため、ロールアウトしたばかりの機体やカタログスペックだけしかない機体は明確な長所短所が分からないため欠点を抱えたまま戦線に出るということが多い。

それを発見し、パイロットたちの生の声を聴いて更に改良。後の機体開発の為の糧とする。

 

「横須賀基地に配備されているISは全部で四機。その半数の二機が強化改修された第2.5世代。残りは二機は現在国内で使用されている機体と同じです。

…ま、話すよりも実際に目で確かめる方がいいでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新型の試験評価部隊…っていうのが実際のところ?」

 

「だと思うよ。けど、あまり成果は芳しくないって聞くし」

 

「ああ…戦争放棄か」

 

「日本は戦争放棄が理由で実戦に出る事が出来ない。だからデータ収集も結果が良くはないんだ。だから、それの穴埋めにって事で演習を繰り返しているし、首都防衛のために多く配備されてるいるココにそれを送る。あと、開発企業からも近いから技術者の往復も楽だろうし」

 

生徒たちの列の後ろ側を歩く鈴とシャルは、先ほどの話題を種に話す。

知識的にシャルの方が上なので、それを聞く鈴は一部分からないと思いつつも何とか相槌を打って話に付いて行く。

 

「…演習だけってそんなに効率悪いの?」

 

「まぁ実戦での戦闘に比べれば…ね」

 

「―――実戦では実弾の他にも機体のスペックを十二分に発揮できます。演習であれば精神的な慢心もあるので良いデータは得られないんですよ」

 

二人の前を歩くセシリアは割って入り得意げに話す。実戦の有無で言えば確かに彼女の方が上だが、それだけで上からと言われるのも鈴にとって腹が立つ。自分の方が現実を知っていると言いたげだからだ。

事実は確かに彼女が正しいだろう。だが、だからといってそれを知らなければ死活問題になるというわけではない。そんなことも知らないのか、と言うような言い方は鈴にとって苛立たせるだけだ。

 

「…悪かったわね。慢心してて」

 

「………」

 

「二人とも…」

 

未だ改善されない二人の関係は巻き込まれる側にとってはいつもの事だが、悩みの種であるのには変わりない。あくまで鈴の一方的な嫌悪ではあるが、セシリアも少なからずそれには同意しているだろう。互いに互いを嫌う、好意をもたないのは同じだ。

だがだからといって一方的なのは鈴だけなので微妙な差はあったりもする。例えば、皮肉にも聞こえる言葉の次にはフォローを。

 

「けど、彼も言ってましたでしょ。だからと言って良いこと尽くめではない。

欠点を抱えたままで戦場を動き回るのですから、それが原因で命も落としかねませんしそれでなくても劣勢になるかもしれない。新型に触れられるという事はそれだけで自分の行いが後々にフィードバックされる」

 

「………。」

 

「…だから。少なくとも、それで浮かれていない私と貴方は、慢心していない…という意味ですわ」

 

果たしてそれがフォローとなっているかどうかまでは分からないが、第三者であるシャルが分かることはセシリアは鈴を小馬鹿にはしているが、嫌ってはいない。少なくとも敵対する意思もないということだけだ。

溜息をついて呆れる顔から分かりやすく言うならば、と彼女に理解できるように説明しているのがその証拠だ。

 

それでも嫌悪な空気には変わりないのでシャルは自分たちの前を歩く友人に助けを求める。大声でなくても声を出す事がてきないのでアイコンタクトだけなために届くかどうかも怪しい。

 

 

(へ…ヘルプだよ一夏ぁ…)

 

自分たちの前を歩く、学園で唯一の男性生徒。そして自分の友人であり恩人である一夏に救援を要請するがはたして気付いてもらえるのか。少なくとも背筋に嫌な空気が漂っているから目だけでも振り向くと信じていたシャルはその一縷の望みを託すかのように彼の後ろ姿を見ていた。

そして、わずかだか首が動き彼の視界が自分を捉えたのを見て応援が来たと確信した。

 

 

それも束の間。どうやらその空気を対処することができないと直ぐに判断した彼の目線は直ぐに前方へと退却。彼女の援軍はそれを最後に無くなってしまった。

 

「……………」

 

これには流石の彼女もどうすることも出来ず、その場で顔だけが硬直。頭の中で何かが崩れる音が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「…助けなくていいのか」

 

「………!」

 

すると、ぽつりと独り言のように彼の隣を歩く箒が訊ねる。

どうやら後ろを観なくても嫌な空気であるのは感じていたらしく、それを避けた彼の様子に無意識に口が動いてしまったらしい。

ここに来てから初めて言葉を交わしたことに驚きながらも一夏は後ろの三人に聞こえないようにという音量で返した。

 

「…別に…それで喧嘩になるっていうなら止めるけど…」

 

「なりそうには無い…か?」

 

「…まぁ、な」

 

 

あの日の夜。様々な理由から楯無に匿われていた箒は、彼女の手引きで一夏と対面した。しかしそのタイミングはある意味最悪というもので、そこから直ぐに際限なしの殺し合いのようなものに発展してしまった。

刀をもって狂喜乱舞する箒と、冷静に銃を持ってそれを制そうとした一夏。

武力的な意味では結局一夏の敗北だったが、彼女からの心からの本音に応えられたという事で一応の和解へと至った。

それでもまだ多少は改善されては居ないようで、ぎこちない会話が二人の間では続いている。

 

 

「…そろそろ見学用のブースだ。そこで変化が無ければいいが…場合によっては…」

 

「…覚悟しとく」

 

本気ではあまり覚悟していないと本音を隠しつつ、一夏はショルダーバッグを肩に背負い直し質問などが続く生徒たちの後ろをついて歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の持つISは世界の中でも上位に位置する。

特に技術大国として栄えたのも理由としてあるが、もう一つ裏の理由が存在する。

それは極単純に米国傘下の国であるからだ。

戦争経済後であっても米国が持つ影響力は強く、形骸化が進む今でもそれは政治界だけでなく国際的にもアドバンテージとなる。

日本はその中でも一応は新米国であり位置や立場的にもどちらも関係を良好にしたいというのが目的だった。

米国は中国、ロシアへの牽制と影響力保持のため。

日本はその影響力を盾に自分たちの地位と立場、そして物理的保護を目的に。

また、技術的にも企業であるAT社が拠点として日本を欲し、アメリカも利害的に一致。更に技術を米国機などに取り込むという目的から、一年半前に米国は日本とのISの技術交流を実施。これはアラスカ条約に違反することと当初は騒がれたが、戦争経済等で形骸化が進んだ国際情勢にとってそれを言うのがやっとだった。

 

 

 

日本のIS技術はイギリス、アメリカ等と並び最先端を行くが技術のみでなら日本が更に先に立っている。その為、効率の良い機体運用が可能となり、機体短所の改善と改良が可能となり第2.5世代の機体が登場している。

これは現在第三世代機の開発に取り組んでいる各国から見れば異例といえる事で、技術的に日本が優位であることや開発に余裕があるという表れに他ならなかった。

 

 

 

 

「―――さて。この横須賀基地は首都防衛の他にも管理区間防衛の任を持っています。自衛隊は主にそれぞれの地域で担当する区間が決まっており、地域ごとによって管轄も違ってきます。

いわば、刑事ドラマによくある「お前他の県のデカなのにどうしているんだよ」っていう感じです」

 

「それってもしかして緊急事態とかでもそうなんですか?」

 

「…例えばどんな?」

 

「…でっかい巨大イカ…みたいな怪獣とか。それが至るところに出てきたり…とか」

 

 

あまり明確には考えていなかったのだろう。だが、何を言いたいのか理解はした柳田は納得した顔で息を突くと返答する。

 

「…もし国家的な危機である場合、そんなのは関係ありません。国が亡んだりするって時に管轄のクソもない…と現地の隊員たちは考えるでしょうし、指揮官たちも律儀に守ったりはしないでしょう。でなければ自分のせいで国や街を滅ぼすも同じですからね。

ま、そこは隊員たちの臨機応変…という事で納得して下さい」

 

「…それもそうか」

 

「自衛隊でもあくまで隊員としての義務は果たします。ですがそういった守るべきルールというのは守るものによります。倫理的なのか、社会的なのか。

何時、何処で、何が、どうなっているのか。そういったものを的確に把握し、自分の行動に反映させること。これも重要な事です。

が、だからといって普段からこんな事しないでくださいよ。秩序ある内は秩序に従う。そうする方がいいというのは…多分皆さんも分かると思います」

 

 

ブースの中で基地の説明等を詳しく話していた中での一片。皮肉のような言葉をよく出すが、悪意だけというわけではないのは表情から分かる。

あくまで事実を述べているだけ。それが皮肉っぽい話し方を基本とする彼の話し方に乗ってしまっているだけだ。

それを除けば彼はしっかりと案内や説明を語弊無く行っている。

 

 

「…さて。説明は一旦ここまでにして…なにか質問は?」

 

「あ。はい」

 

質問の時間になると生徒の一人が挙手する。道中までも何度か他の生徒たちが質問をしてきたが、どうやら他にもまだ訊きたいことがあったらしい。

しかしその質問は人によって、特に自衛官である彼にとってはとても表情に出さないというのが難しいことで、その反応が直ぐに顔に出てしまう。

 

 

 

 

 

「馬鹿な質問だっていうのは分かりますけど、国内のIS全機と自衛隊の全戦力。もし…仮に戦うとしたらどっちが勝ちますか?」

 

 

 

ごく単純というか、単調と言うべきか。

馬鹿な質問をしているというのは質問した本人でも理解はしている。それがどれだけ呆れるような問いかけであるのかというのも。だがそれでも一度は聞いてみたいものだ。

ひとつの個体としても強力な兵器とそれを保有する軍事力との戦力比。それでどれだけ強いのか、どれだけ違いがあるのか。そこまで深くは考えなくても誰でもそんな事は聞いてみたいだろう。

幸いは質問した彼女は興味と好奇心からの質問であったという事。これが女尊男卑に染まった生徒であるなら、今頃はどうなっていただろうか。

 

 

 

「―――――なるほど。あくまで私個人の意見ですが…よろしいですか?」

 

「あ。はい…」

 

「…あくまで極単純に。正面からのかち合いで言うならば…当然物量的な意味でも自衛隊戦力が勝ちます。ISは一個体に高い戦闘能力を持っていますが、その数は限られている。戦闘開始と同時に自衛隊戦力を削ぐことは造作もないことでしょうが、物量と練度。そして連携も踏まえれば、恐らくは」

 

「じゃあ正面からのではなければ勝てる…?」

 

「それもありますが、自衛隊戦力は基本各地に分散されています。ですから、分散した戦力をIS全機で叩く…というなら、当然ISが勝つでしょう。地域に分散されて、駐屯している戦力もそこまでの数がないのも事実ですから」

 

あくまで客観的に、そして冷静に。全てを単一として話す彼の話はあくまでも例題として、異常(イレギュラー)を抜きにして質問に答える。

もしそれがゲームのように決まったものであるなら。予め設定された通りであるのならという仮説「if」がない話だ。それであるならばと答えた柳田の言葉に生徒たちは無関心を装いながらも納得する。それが常識であるから、当然であるから、と。

 

 

―――だが空虚である。

 

 

彼が話したのはあくまで「if」の無い話だ。そして同時に異常事態(イレギュラー)も存在しない話でもある。ゲームのようシナリオが決められ、設定が固定され、進め方が決まっているだけの話。

つまり、そのシナリオであるのと同じだ。

 

しかし彼らは言う。

それはあくまで仮説としての話だ、と。

 

シュミレーションされた存在。シナリオとして描かれた存在。

それであるなら幾らでも立てられる。子どもでも同じだ。正義の味方が居て、悪の親玉を倒す。それと同義なのだ。

 

 

全てはあくまでの話。実際そうであるかと言われれば絶対にNOだ。

ゲームやシュミレーションで確定しているとしても、現実はゲームなどとは同じではない。

「if」もあるし「もしも」もある。

確定した未来は存在しない。

 

 

 

柳田が言った事はあくまでそういった事を踏まえての話だ。

つまり、もしもという不確定なものを加えればどうなるか。

 

 

 

 

最悪、IS側が全滅して自衛隊ば無傷ないし被害最小限というのもあり得る。

逆にIS側が圧勝し自衛隊全滅というのだってあり得る。

いくら仮説などが存在しても「絶対にそうである」という確証(・・)になるわけではない。

確定と想定は違うのだから。

 

 

 

 

 

「…楽天的よね。ああいう話を鵜呑みにするんだから」

 

「………」

 

後ろの端側に集まった五人。その中で鈴だけがぽつりと忌み嫌うようにつぶやいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…自衛隊の戦力調査?」

 

「うん。キャンベル…引いては国連からの依頼でね。自衛隊…というか防衛省と現内閣が極秘裏に戦力拡張を行っている。それも、新型の無人兵器を中心にね」

 

自宅に戻った一夏に用件を投げて来たのはオタコンだった。

ちょっとしたついでの仕事だ、と言われ頭を抱えていたが彼の口から話された事に眉を寄せている。

リビングにあるテーブルに投げ出された資料にはこの国(日本)にとっては機密事項であろう事がずらりと記されている。

補充された武器、装備。兵器の製造元や輸入相手。詳細データの所在。

グラフ、写真、データ。明確に記載するためにと書かれたそこには、時折目を細めることが書かれていた。

 

 

「―――メタルギア」

 

 

「ああ。RAYだ」

 

 

その名前を耳にすると、彼の脳裏から今さっき聞いたかのように鮮明な雄叫びが聞こえてくる。鉄と鉄が擦れ合い、まるで生物のような叫び上げるその声は一夏にとって忘れられないものだ。

 

 

「オマケにAT社から無人機を追加発注。もしそこに記されている情報が確かなら、アラスカ条約以前に日本は軍備条約違反だ」

 

「…なんでそんな事をするんだ。日本は基本、戦争放棄の所為で表立っての戦闘は…」

 

「簡単だ。中国、朝鮮からの飛び火が凄いからだ」

 

「…内戦、か」

 

「それもあるけど、中国、韓国にはどちらにも在住日本人が居る。それに、国際的にそういった所に助けに行く、正義の味方…それが自衛隊だ。

そのレッテルの所為で今じゃ近隣諸国から最後の頼みの綱として頼られ始めている」

 

 

軍事力としてもあるが、同時に支援物資としての意味合いもある。

災害などでの自衛隊出動は日本人としてはよくテレビで目にする光景だ。

それが海外にまで及び始め、少しずつそうしたレッテルが張られ始める。

 

日本人としての威信か。それとも国際的地位と利益か。

 

真実がどうであれ、それは彼にとって関係のないことだ。

だが、問題は別にある。

海外に出るなら、当然危険な地に赴くことだってある。

内戦、内乱、内紛、テロ。

そういった場所に彼らは赴き、正義の味方として弱者を助ける。

 

 

その所為で、彼らは血を流すこととなるのだ。

 

 

三年前。自衛隊がとある戦地に物資救援のために赴いた時だ。

憲法や国民からの反論が多く飛び交ったが、その目的地が自国の最も近いところである韓国であったため、急遽強引にそれが決定された。

本当に思惑や理由は色々とあったらしいが、兎も角彼らは人々を助けるために飛んでいった。

そしてその地で事件が起こった。

 

 

反体制派のゲリラが自衛隊の居る難民キャンプを襲撃したのだ。

その難民たちが自分たちにとって敵であるから。というだけの理由で彼らは銃を構え、無差別に発砲した。

当然、攻撃されたのなら自衛隊は最小限ながらも反撃は出来る。それが最小限かどうかは今となってはどうでもいいことだが、ゲリラは政府軍との戦いのためにある兵器を保持していた。

寄せ集めの歩兵たちが当たり前のように頼る車両。戦車だ。

 

小銃のみであった自衛隊は戦車相手にまともに戦えることができず、難民数十人と共に隊員八名が死亡。ゲリラはその後、逃げた難民と自衛隊の部隊を追跡したが、要請を受けた政府軍によって全滅させられたという。

 

 

 

 

「大義名分は自衛隊の戦力強化と死亡率の低下。そうすれば歩兵が無為に死ぬことはない、ってね」

 

「…で。本音は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――…軍事力の拡大による日本の軍事的地位の再確認と向上。いわば

 

 

 

実質的「日本軍」の再建…かな」

 

 

 

自衛隊はあくまで専守防衛。守りに徹し、最小限の反撃で留めるというのが一応の鉄則だ。

しかし彼の口から語られた真実はそれを完全に破壊してしまう事だ。

歩兵が死ぬのは強い武器を持っていなかったため。これは誰だって考えられることだ。そして、そういったのは軍人肌が強い人間。

だが今の日本にそう言った人間が果たして居るだろうか?

そして、もしこれが確かであるなら、本当に正気なのだろうか。

 

 

 

「ッ………」

 

苦虫を噛みしめるように歯を強く萎める一夏は資料の紙にシワを作る。

 

「…日本は戦争放棄のお陰で戦火から逃れられた。けど、同時にそれは戦争をしたいという人間を抑えてしまう事でもあった」

 

「…戦争経済に乗っかりたいっていう連中のか」

 

「戦争経済による経済効果は各国が示していた。発展途上国が一気に上流階級に上ったのが、そのいい例だよ。

だから日本は経済的に優位に立ちたいがため。国をより裕福にしたいがため。そして…」

 

「手前らの立場を明確に…より上のものにしたいがために…か」

 

「単純明快だよ。彼らは戦争を知らないからそんな事を言ってられる。要は戦争による犠牲よりも戦争で得られる利益に目が向いてしまっていたんだ」

 

 

戦争を経験した国であるなら、戦争によって生じる犠牲も踏まえ行動を考えるはずだ。

しかし日本の場合長らく戦争に無縁だった所為でそれによって生じるデメリットへの意識感が薄れてしまっていた。

実際はもう無きに等しいことだが、だからこそ、彼らは欲していたのだ。

 

戦争経験国が丁寧に食べていたのに対し、日本は貪るように利益だけを欲しようとしていた。

 

 

「幸いにも今の首相とかが弱腰だから助かったけど…これが強腰の人間であるなら、とっくに戦争経済に入っていたよ」

 

「………」

 

戦争経済の波。その余波というべきか。鬼火というべきか。

それは確かに、多くの場所を蝕んでいたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…頼むぜ。オタコン」

 

 

地面に向かって口を開けたリュックサックを目に、一夏は呟いた。

自分が直接行くことも出来るが、何があるのか分かった物ではない。最新式のシステムがたっぷりと仕掛けられた場所で何が弾みで仕掛けが作動するのか。そう言った危険性はこういう施設には山のように存在している。

赤外線、サーモを始めとするシステム系。そして警備員といった人的警備。

それを一々潜入して確かめるというのも無理なことであり、無駄な労力だ。

 

 

そこで。当然のように活躍するものが一夏の手元にはあった(・・・)

 

 

 

 

(…Mk-Ⅳの行動範囲は限られてる。けど、今回はそれを踏まえての事だ)

 

 

リュックサックからスタートしたメタルギアMk-Ⅳはステルスモードで潜入を開始する。

人目につかれてはマズイ物なので当然のことだ。しかし一夏は当面そこから動くこともできないし、見学として参加しているため殆ど動ける範囲には一夏に依存する。これはサニーやマドカであってもどうにもできなかったことだ。

 

そこで。二人が導きだした答えは、一夏と同じ存在を造ればいいという事らしい。

聞こえからすればバイオレンスだが、実際はそうではない。

一夏の血液を採取し、それを含めた小型のビーコンを設置する。これによって若干の電波障害等が伴うが活動範囲を広める事が出来るようになった。

ただし、範囲はビーコン一つに対し十メートルが限度。しかも数は四つだけなので合わせて四十メートルが限界だ。

 

それでも無いよりはマシということで、今回そのビーコンをMk-Ⅳの中に搭載して持ち込んだのだ。

 

 

 

(…あとは俺がタイミングを見計らって行けばいい…か)

 

当人である一夏が、Mk-Ⅳによって入手したデータを元に見学コースから外れて潜入開始。

そしてMk-Ⅳを回収後、目的の物を探しに行くという算段だ。

しかし彼には問題がひとつあった。

 

 

 

(…さて。どう言って離れようかな…?)

 

 

律儀に理由を考えるところは呆れるところだと、誰かが言った。

 

 

『…ま。てな感じで一夏も考えていると思うから…』

 

オタコンはMk-Ⅳを動かし、引っぺがした壁の一つの中にあるコードの一つに電気を流す。

すると、突然の事に対し非常事態による爆破等を回避するため…

 

 

 

 

 

 

ブレーカーが降りた。

 

 

「ッ!?」

 

「て、停電!?」

 

突然の停電に生徒たちはどよめき、そうでない者も光の消えた蛍光灯を見上げる。

なにが理由で消えたのかは分からないが、突然電気が消えた事に誰もが驚き、中には思わず叫び声をあげた者もいた。

そして中には、警戒してももに隠していたホルスターに手を伸ばす者も。

 

それが数秒ほどで復旧し、生徒たちは再び明かりがついたことに安堵する。

だがそれでもイキナリの停電には疑問が残るので、千冬は柳田になにがあったのかと問うと彼が持つ携帯で状況の把握を行う。

 

 

「停電…か?」

 

「…? 何がよ」

 

「…いや…」

 

席に座りながらも同じく停電に疑問を持っていた箒は独り言のように呟くと辺りを見回す。

前の席に座る生徒たちは先ほどのに驚いていたりしていたようで、互いに無事を確認し合っている。

 

「…確かに、不自然でしたわね。あの停電」

 

「………」

 

セシリアも箒の意見に同意し、電気が復旧したというのにまだホルスターから手を離さなかった。警戒しているというのもあるが、何かそれに近しいことがあると思えてしまい無意識に手が離れなかったのだ。

 

 

「――――――――――――あ」

 

 

「…どうしたんだ、デュノア?」

 

ふと何かに気付いたような声を出すシャルに問う箒は彼女の目線の先にその答えがあると見て辿っていく。

すると、今の今まで。どうして気付かなかったんだろうと自分に対して恥をかくことになった。

 

 

「…あ」

 

「あら」

 

「………一夏」

 

「あー…どうする?」

 

抜けた声でどうするかと三人に問うが、それぞれ呆れたり軽く驚くぐらいで名案は何一つでなかった。

何せ、また一夏がこつぜんと姿を消したのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…これ、どう言い訳するつもりだよ」

 

『…確かに。一応キャンベルが考えはあるって言ってたけど、こういう状況だと言い訳しにくいよねぇ…』

 

ダクトの中に入っていたMk-Ⅳを拾った一夏は、現在倉庫に隠れて居た。

そこが合流地点であり、そこからが彼の仕事であるからだ。

意図的に行われた停電で姿を消した彼は道中その後で姿を見られないようにとステルス迷彩を使用して人目にはつかない様にして来ているため、偶然でない限り見つかることはない。

 

「で。情報は?」

 

『情報通りだ。ダクトから潜ってみたら、地下ドックを発見した。今データをiDROIDに転送する』

 

 

携帯端末のiDROIDを起動すると投影モニターにデータ転送の状況が記され、それが完了すると事前に調べていた基地内の構造データと照らし合わせる。

すると数か所ほど、その地下ドックに繋がるルートが存在しその内のひとつがかなり近い場所であることに気付く。

 

「一か所は…ここにくっつているプレハブ小屋か」

 

『暗証番号が必要見たいだけど、こっちで入手はしておいた。端末をかざせば赤外線で自動的に解除してくれるし、無い場合は有線で何とかできるはずだ』

 

「了解。こんな仕事、さっさと済ませよう」

 

 

 

倉庫を出て合体しているプレハブような建物の中に入ると、そこには不自然な手すりと端末が鎮座しているだけだった。外からの光が唯一の明かりであるそこで、一夏は周囲を見回して誰か居ないかと警戒する。

しかしこの時間帯でしかも場所が場所のために人気は皆無なので、そこまで気にすることはないんじゃないかと相棒は言うが、念には念をと言って警戒を弱めはしなかった。

手すりの近くにある端末に近づくと、iDROIDを取り出し起動ボタンを押す。赤外線が伸びて端末に繋がると数秒ほどでロックが解除され、丁度ひとりが入れるような地下へ続く穴が開かれた。

 

 

「…行くか」

 

奥は深く、先は暗くなっている。日が当たっているというのに先は見えない。

その先へと続く穴から冷たい冷気が透き通り背筋を走り抜けていく。一歩でも間違えれば転げ落ちてしまうそうな地面の穴に一夏は息をのみながらも進む決心をして腰に下げたM9とコルトのロックを外す。

 

「久しぶりのこういった仕事だからな。感覚を思い出さないと…」

 

『そこまでブランクは無いとは思うけど、そう思うのなら用心に越したことはない。それに地下のシステムは地上のとは独立しているから、これまで以上に警備も厳しくなる筈だ。用心して進んでくれ』

 

「…わかった。システムの方は頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地上と地下の違いを一言で良い現すなら最初に挙げられるのは空気の違いだ。

温暖なというよりも湿気のある生暖かさ。息づまるような感覚に、心地よいことなど何一つない。閉鎖された空間は喉を詰まらせ、呼吸をやりにくくする。だからこそ、人間は解放感のある地上を好み、地下は広々とした作りにする。

なのに、この息苦しさはなんだ。

 

 

「………」

 

『…嫌なほど閉鎖された空間だね。モニター越しからでも息苦しさを感じるよ』

 

「実際に居ればもっと嫌だぞ。俺も窒息してしまうほど…な」

 

まるで水中にでも身一つで放り込まれたかのように感じると、オタコンはモニターからの映像に息を飲み、首元の襟を広げる。

そうしなければ息詰まって窒息してしまいそうだと、喉が締め付けられるような息苦しさに深呼吸した。

 

『機密のためとはいえ、ここまで徹底しているとはね…』

 

「お陰で警備もやたらと厳重だし、息苦しいったら…」

 

 

 

無事に階段を下りた一夏たちの前に待っていたのは、潜水艦のように狭苦しい一本道が続いていた。最初はイメージ通り潜水艦の艦内のようだな、と軽く笑っていられたがそれも近くに地上へと続く道があったからだろう。奥へ奥へと進んで行くにつれて警備と息苦しさに苛立ちと気分の悪さが隠せなくなってくる。

一筋に伸びた道は途中で体を休めることや脇道、更には小部屋すらも見当たらず、延々と道が続くだけだ。次第に募るストレスに判断力と集中が鈍り始め、辺りのことが見えなくなりつつある。

 

「くそっ…これどこまで続いてんだよ…何もないぞ…」

 

『完全欠陥だらけの建築だね。入居者なんて一人もこないと思うよ』

 

「同感…っていうか、本当に合ってるのか、地図?」

 

『嫌というほど。一応、他にも行く道はあったけど、そこは見つかる確率が高かったからね…』

 

「…テロ襲撃とかなら簡単そうだったけどな」

 

『嫌気がさした?』

 

「この道にな」

 

もしこの地下の設計を行った人間と出会える機会があるのなら、一夏は迷わず殴り倒しているだろう。それほどまでに、ここに建築には腹立っていたらしい。

いや、その場に居る事になるだろう人間のことを考えていない。

そこに侵入者についてもだ、と一夏は付け足す。

 

 

「…警備のシステムがザル過ぎる」

 

『そういえば…ここで見た警備システムって監視カメラぐらいしか無いね』

 

「巡回兵が居ないのも不自然だ。一本道だから警備もしやすいだろうに」

 

あまりに殺風景で警備の人間が一人もいないことに二人は、地下の異様さを感じながらも前に進む。果てが無いように長く続く道だが、いつかは終わるだろう。その為に相棒が施設内のデータを手に入れたのだ、と。

 

「あとどのくらいだ?」

 

『もう直ぐ…突き当りの扉があるはずだ』

 

延々と続く道に本当なのかと疑いたくなる一夏だが、直後に彼の言う通り突き当りに接しパスワード式の入力キーが埋め込まれた自動ドアがあった。

 

「…やっとか」

 

溜息をついて漸くたどり着いた事に安堵し、iDROIDをキーの前に出す。今回も赤外線の通信で起動ボタンを押すと自動的にロックが解除されドアが開く。

向こう側がまだ鉄のアーチの中であるのには変わりないが先ほどよりも広く、空気清浄機でも動いているのか透き通った風がドアから吹き込んでくる。やっとまともなところに出られたと深呼吸をする一夏は少しだけだが気分がよくなったのか、ステルス中だか顔色だが顔色がよくなる。

 

 

『イチカ、そろそろステルス迷彩のバッテリーが無くなる。一旦どこかで解除して再充電してくれ』

 

「わかった。ここからなら、多少なくても平気さ」

 

ドアを潜り抜け、広々とした場所に出た一夏は近くのコンテナの影に隠れると散々使っていたステルス迷彩を解除する。いくらステルス迷彩と言ってもバッテリー式である為に長時間の使用はできず、充電にも時間を要する。

その間はステルス迷彩は使えなくなるが、それくらい何度も潜入を経験した一夏にとっては問題にもならなかった。ただ、脳裏の片隅には見つからなければ、と自分の運の悪さも可能性のひとつとして詰め込んで。

 

「…潜ってからどれくらいだ?」

 

『十五分…ってところかな。場所は分かる?』

 

ちょっと待ってくれ、と言うと一夏は顔を上げて周囲を見回した。

上を見ると今までのような鉄のドームではない、コンクリートに覆われたホールのようになっており両端にはキャットウォークが付けられている。無論、それは自分の真上も同じで、そこには今もどこからか人の歩く音が聞こえていた。

そして顔を横へと向けると、今の自分の居場所をオタコンに伝える。

 

「地下ドック…だな。入渠している艦はないが状態からして使われてる」

 

『ドック…よし。隔壁とは反対側の奥に進んでくれ。そこに恐らく、RAY専用の(ドライ)ドッグがある筈だ』

 

「了解ッ」

 

物陰から顔を除かせ、警備の様子を確認する。警備の隊員や監視カメラ。そして赤外線トラップなどもある。突破はそこまで容易ではなさそうだと、悪態をつきながらも彼の口元はつり上がっていた。

 

 

 

 

 

「…リハビリには丁度いい」

 

M9のマガジンを確認し再装填すると、神経を尖らせまるで夜行性の獣のように気配と音を消して進み始める。不思議と体に力が入り、程よい高揚感に彼の体はそれに応えようと最高のパフォーマンスを始めたのだ。

蛇のように、そして狐のように敵を蹴散らし、障害をすり抜け、獲物を捕らえるために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…作戦開始、か」

 

 




後書きというか予告というか…何か。


何となーくという事で時々話に出ていましたが、自分がここで最初に投稿した連載作品であるISGSとRoA。取りあえず本当にRoAはリメイクか何かして再投稿してみたいと思う。
なので主人公も一夏からラウラに変わることも…あると思います。ドイツですしとっつきですし。まぁされた方ですか←

問題は時間とか気合いとかネタとか…まだ山積みです。
まぁ何時か出るだろう、みたいに気長にお待ちください。
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