月花の二重唱   作:アウロラの魔王

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ちょっと間が空いたけど二重唱5話!何も考えずに描写を盛ったら増えすぎたので分割!


片羽のアリア

 授業が始まり、また後でねーと解散し、みんながテキパキと動く中、アリアはわたわたと慌てながら"アリア"にBDの用意と使い方を教えてもらい、机に備え付けられてる機器にディスクを入れ再生できたまではよかったのだが……。

 

『……xに……を代入し……を求め……』

 

「…………?」

 

 ……あれ?小学生って算数じゃないの?なんで二次方程式解かされてるの?

 

「あ、アリア~……」

 

「『どうしたの?"アリア"は一度勉強した所でしょ?ふぁいとっ』」

 

 "アリア"の記憶を思い返せば、他の科目も中学レベルになっているようだった。小学生の勉強位なら、と余裕ぶっていたアリアはどうしたら……!だって二次方程式なんて最後に使ったの何年前だよって話だよ!?普通の仕事で使わないよ!

 

「……アリアちゃん?大丈夫……?」

 

 公式とにらめっこして唸っていたら、前の席に座っているミカが心配そうに声を掛けてきた。

 

「分からないところあるなら、教えてあげよっか?」

 

「……!じ、じゃあここ!あとここ!」

 

 プライドがどうこう言ってる場合ではない。これからアリアは、アリアとして生きていかねばならないんだ。旅は恥のかき捨てなんだ!

 

「『それは使い方を間違っているような……』」

 

「伝われば意味なんていいのっ」

 

「『うーん……』」

 

「それで、ここはこの公式を……アリアちゃん?聞いてる?」

 

「あ、ううん!大丈夫!続けて続けて!」

 

 訝しげなミカの視線を躱し続きを促す。勉強は、テストで赤点を回避できさえすればよかったアリアにとって苦行だったが、アリアが出来なくて"アリア"に迷惑を掛けるわけにいかない。

 

「こ、こんな感じ?」

 

「わー!すごいすごい!ちゃんとできてるよアリアちゃん!」

 

「え、えへへ……」

 

 必死に学生時代の記憶を掘り起こして問題を解くと、ミカは我が事のように喜んでくれた。

 ちょうど、そのタイミングで一限目終了の予鈴が鳴り、みんなが思い思いに散っていく。

 

「終わった~!アリアちゃんナギちゃんお話ししよ~!」

 

「ミカさん、先に次の準備ですよ」

 

「えー」

 

 ミカとナギサと話はしたい。けど、その前に限界が。

 

「ごめん!アリアトイレいく!」

 

「アリアさん!?はしたないですよ!せめてお花摘みと!」

 

 ナギサの言葉を聞く前に、アリアは教室を飛び出しトイレに駆け込む。

 

「もれるもれるっ」

 

 個室に飛び込むと、スカートの中に手を入れてパンツを下ろしながら便器に座ると、一気に尿意が高まり、何も無い股から熱いモノが出る感覚に体の力が抜ける。

 

「―――ふーっ、間に合ったぁ……」

 

 カラカラとペーパーを巻いて千切ると、尿が飛び散って濡れた股間を拭く。

 

「『おー……はじめてのおトイレだったのに、アリアが何もしなくてもちゃんと女の子のやり方をできたね』」

 

 "アリア"の言葉にハッとして手が止まる。

 

「あれ!?ホントだ!?ど、どういうこと?アリア、女の子のトイレの仕方なんて知らないのに」

 

「『無意識にアリアの記憶を参照して、その通りに体を動かしたんじゃないかなぁ?いわゆる、体は覚えてるってやつ?』」

 

「……なんだか、本当にアリアが成人男性だったのか、分かんなくなってきた。これから、どんどん"アリア"の記憶に引っ張られて行くのかな……」

 

 アリアの中にあった不安が、思わず口から漏れ出てしまう。それを聞いた"アリア"が、何かを言いたそうに口を開いては閉じ、やっぱり言おうと口を開く。

 

「『……"アリア"には誤魔化せないから言うけど、"アリア"がアリアに近づいていってるの、すごく嬉しい』」

 

「アリアが?」

 

「『もちろん、この世界に連れてきたアリアが、こんなこと言っていい側じゃないのは理解してるんだけど……』」

 

 不安か、あるいは縋るように左手で右の袖をぎゅっと掴む。それが、アリアには赦しを請うてるようで……。

 

「それでさー!……っていうことがあったんだよ!」

 

「あはは!なにそれー!」

 

「―――っ!?」

 

 "アリア"に言葉を返そうと口を開こうとして、急にドアの外が女の子の姦しい声で賑やかになり、思わず口を手で塞ぐ。うぅ……タイミングが悪い……。いや、トイレの中でずっと"アリア"と話してたアリアも悪いけどさ……。

 外の子たちはトイレに入って来てから、用も足さずにずっとドアの外で喋っていた。出るに出れないから早く行ってくれないかな……。

 

「―――ああ、そういえばあの"片羽"今日来てたんだ?」

 

「ああ、月読アリア?らしいねー」

 

 ……片羽?思わず、自分の背中の右からだけ生えてる羽を見る。

 

「ぷっ!あいつ恥ずかしくないのかな。片羽の半端モノでさ、大して家の格があるわけでも無いのに百合園家に目を掛けられてさ。私だったら恥ずかしくて死ねるわー!」

 

「ふふふ!やめてあげなよー、大して強くなくても生きてるだけで御立派なんだよきっと」

 

「あはは!」

 

「うふふ!」

 

 外にいた子たちは、そのままトイレせずに出て行った。……何しにトイレに入ってきたの?とりあえず、そっとドアを開けて誰もいないのを確認してから個室から出る。

 

「『……』」

 

「あ、あはは……トイレに用無いならわざわざ入って来なくても良いのにね?」

 

「『ごめんね、アリアが……』」

 

「あ!そうだ!さっきの話だけど!」

 

 何かを言い掛けた"アリア"の言葉を無理やり切って、言葉を挟む。

 

「アリアね、別にこの世界に連れて来られて恨んでるとか無いからね!」

 

 仮に元の世界に戻る選択肢があっても、選ばないと思うなぁ。そもそも、元の世界に戻っても楽しいこととか無いし。友人とか家族とか、就職してから疎遠気味だったし……。むしろ可愛い女の子になれてラッキー、みたいな。

 

「だから、"アリア"が気に病む事なんて何一つ無いよ!」

 

「『うん……ありがとう』」

 

 鏡の中で泣きそうな顔をした赤い目の女の子は、ぐしぐしと腕で目を擦ってそう言った。

 

「……それにしても!片羽なんてさっきの子たちは節穴だよ!だって、アリアたちはもう両羽揃ったのにさ!」

 

「『両羽?』」

 

「ほら!アリアは右からで、"アリア"は左から生えてるでしょ?だったら、こうやって鏡合わせにしたら……ほら!これでもう片羽じゃないよ!」

 

 台にお尻を乗せ、鏡に体を寄せてドヤ顔すると、鏡の中で"アリア"の顔がポカーンとなっていて面白かった。

 

「『……そっか、アリアはもう片羽じゃない。もう、半端モノじゃないんだ』」

 

「次に片羽なんて言う奴がいたら、アリアがぶっ飛ばしてあげるからね!」

 

「『ふふ、それはやりすぎだよ。でも、ありがとう"アリア"』」

 

 スリスリと鏡越しに頬を寄せ、親愛を表現してくれる"アリア"に対して嬉しく思うと同時に、直接触れられないのが少し残念に思った。……アリアが"アリア"に可愛いって思うのって、ナルシストになるんだろうか……。

 そんなアホなことを考えてると、予鈴が鳴り響き、慌ててトイレを出て教室に向かう。

 

「あわわ……!思ったより長トイレしちゃった!早く戻らないと!」

 

「『うん、そうだね!(二人で一人なんだって思ってたけど、違った。アリアたちは一人が二人になったんだ)えへへ、おねえちゃんがいたらこんな感じなのかな?』」

 

 教室に戻ると、なかなか戻ってこないからと、ミカとナギサにすごく心配された。

 

 

 




もっと自分と百合百合したい……。
よく考えたら、TSメス堕ちのほうでも同じ顔で百合百合してる。
やばい、性癖がバレてしまう!
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