月花の二重唱   作:アウロラの魔王

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というわけで分割された6話目。


幼馴染の心配

 あれから、ミカとナギサに分からない所を教えてもらいながら、なんとか乗り切った。"アリア"の記憶をスムーズに思い出せるようになってきたおかげで、ミカともナギサとも話せるようになり、仲良くなれた気がする。

 

「えっと……はじめまして……?」

 

「……」

 

「……」

 

「あ、アリアちゃ~ん……」

 

 気まずい空気を察してか、とりあえず口を開いたものの、誰も何も言わなくて涙目でアリアに助けを求めてくるミカ。

 

 どうしてこうなったのかと言うと、あの後二人は会う約束をしてくれたので、こうして放課後に二人とセイアを引き合わせたんだけど、何故か出会ってすでに数分、こうして無言で互いに見るだけで一向に喋ろうとしない謎空間が出来上がったのでした。

 

「『ちゃんと説明できてえらいね"アリア"』」

 

 いやー……ってあれ?子ども扱いされてる?

 

「『それで、いつまで無意味にお互いを見続けるわけ?』」

 

「……いつまで、と言いますが」

 

「私はそんなことよりもこの状況の説明が欲しいのだが?突然二人を紹介したいと目の前に連れて来られても、私はなんて言えばいいんだ」

 

「『よろしく、今日から友達だね。とか?』」

 

「私がそんな陽気なキャラに見えるかい?」

 

 あ、これ口に出してないだけで怒ってるやつだ。

 

「……はぁ、もういい。思い返してみれば、アリアの突飛な行動に意味を求めること自体が無意味なことだったよ」

 

「『えー、それじゃいつもアリアがセイアを振り回してるみたいじゃん!』」

 

「みたい、ではなくそう言ったつもりだったんだが?」

 

「ごめんね、セイア。今回はアリアから言い出したことだから、"アリア"を責めないで上げて欲しいの!」

 

「うぐっ……」

 

 アリアのせいで"アリア"が怒られるのは嫌だったから、手を合わせてセイアに謝るとバツが悪そうに呻く。

 

「わかった、私が悪かった……。アリアにそう素直に謝られると、私の立つ瀬がない」

 

「ありがとうセイア!」

 

「こ、こら!急に飛び掛かるんじゃない!それと周りに人が居るからやめてくれ!」

 

 ()()()()()()()セイアに飛び掛かり抱き着いてお礼を言うと、恥ずかしがったセイアが必死に引き剥がそうとする。

 セイアの雰囲気が和らいだからか、ナギサも胸を撫で下ろし息を吐いて緊張を解く。……ミカは涙目のままだったけど。

 

「百合園セイアさん……ですよね?私は桐藤ナギサで……」

 

「聖園ミカだよ!」

 

「本来なら日を空けるべきでしたが、急な対面で申し訳ありません」

 

「いや、私も対応が大人げなかった。すまない」

 

 ぽへーとやり取りを聞いていてふと思った事をセイアに尋ねる。

 

「セイアって有名人なの?」

 

「む、それは何というか……」

 

「常に試験で学年トップですからね。知らない人の方が少ないと思いますよ。……もちろん、それ以外の理由もありますが」

 

「へー、セイアってテストで一位なんだ」

 

 アリアは勉強苦手だから一位なんて取った事無いよ。

 

「なんでアリアちゃんが知らないの……」

 

 ミカから呆れた目を向けられた。仕方ないじゃん!ゲームではそこまで掘り下げてくれないんだもん!

 

「ところでそれ以外の理由って?」

 

「……大方、私の力の事だろう」

 

 渋い顔でセイアは鼻を鳴らす。セイアの力、きっと予知夢の事だろう。

 

「……そうですね。嘘と思われるかもしれませんが、そういう目的で百合園さんに近づいたわけではありません。すぐには信じて頂けないでしょうけど」

 

「それもあるが……」

 

 ちらりとセイアがアリアに視線を移す。なんでアリアのことを見てるんだろう……あ!そういうことか!

 

「安心してセイア!ミカとナギサはアリアの友達だから大丈夫だよ!」

 

「……はぁ、そういうところが心配なんだ」

 

「ほえ?」

 

 呆れたように溜息を吐くセイアに、アリアは首を傾げる。そういうところってどういうところなんだろ。

 

「分かります。目を離すと怪我しそうで」

 

 え?そんな幼稚園児みたいな扱いなの?

 

「ちょっとまった!異議あり!異議ありだよ!心配ならセイアだって同じじゃん!すぐ倒れるくらい貧弱なのに!」

 

「いや、さすがにすぐ倒れる程弱くは無いが」

 

「アリアちゃん、アリアちゃん」

 

 くいくいとミカに袖を引っ張られたのでそっちを見る。

 

「どうしたのミカ?」

 

「たぶん、セイアちゃんの言ってる心配と、アリアちゃんの言ってる心配って違うと思うんだ」

 

「なんで?」

 

「えーとえーと!セイアちゃんは、アリアちゃんが悪い人に騙されないか心配なんじゃないかなっ」

 

 え?もしかしてお菓子に釣られるような子供だと思われてる?

 

「セイア!アリア子供じゃないよ!」

 

「いや、私もアリアも間違いなく子供だろう」

 

 そうだけど、そうじゃないの!セイアにはアリアが大人なんだってところ見せてあげないと……。

 

「『そんなことより、校門に立ち止まって話し込んでたら他の人に迷惑じゃない?』」

 

 あ!ちょ!これからセイアにアリアが大人な所見せるんだから待ってよ!

 

「『アリアの何を見せるつもりなの……』」

 

「確かに、これ以上ここに留まっていたら他の人に迷惑ですね」

 

「あ!だったら親睦を深めるために街に遊びに行こうよ!」

 

「……ふぅ、仕方ない。今回はアリアのワガママを聞くとしよう」

 

 そう言って三人は移動を始める。あー!待ってー!アリアを置いてかないでー!

 

「『大丈夫だよ、"アリア"のすごいところはアリアだけが知ってるからね』」

 

 えへへ、アリアそんなにすごいかなー。

 

「『うん、だから"アリア"のすごいところはアリアたちだけの秘密だからね?』」

 

 えー、"アリア"がそこまで言うならしかたないなー。

 

「『じゃあ、三人を待たせちゃ悪いし早く行こっか』」

 

「うん!」

 

 "アリア"に引っ張られるように、先に行った三人を追いかけた。

 

 




校門で話してるだけで一話終わった……。はよ移動してくれと思いながら書いてました。

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