転生したらコンパスの一員だった件   作:バルバトスルプスレクス

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初めまして、転生してもナチュラルです

 

 C.E.75某日。ファウンデーション事変から幾日が経過したオーブのオノゴロ島の軍港。コンパスの補充要員として大西洋連邦所属の俺は、係留されているスーパーミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦ミレニアムの艦長室に足を踏み入れた。

 

「失礼します。本日付でコンパスに配属されました、大西洋連邦所属ダイゴ・マドカ大尉であります」

 

「ご苦労。私はミレニアム艦長アレクセイ・コノエ。ようこそ、ミレニアムへ」

 

 コンパスに招聘される前はプラントで教師をされていたと言う艦長と敬礼を交わす。

 俺がコンパスの一員になったのは、ファウンデーションが壊滅して程なくの頃。オーブ連合首長国のアスハ代表の尽力により、何とか活動凍結を解除されたコンパスであったが、そもそもキラ・ヤマト准将の暴走ーーと、言うよりはファウンデーションの策略ーーが原因とも言えるので、今後二度と同じことがないよう大西洋連邦のフォスター大統領から補充要員かつお目付け役として俺が指名されたのだ。

 そもそもの話、ミレニアムはその乗組員がコーディネイターで占められている。そんな中にナチュラルである俺がポツンとひとりぼっちで配属された。同じナチュラルは一人としていない。

 ちなみにナチュラルで占められた元アークエンジェルクルーは現在オーブで新造艦がロールアウトするまで内勤らしく、中でもかの有名なエンデュミオンの鷹ことムゥ・ラ・フラガ大佐は現在教導隊で後進の指導中と聞く。

 

「マドカ大尉には、ヤマト隊に配属して貰う。ヤマト准将は故あってクライン総裁と共に現在()()()()であるため、臨時とはいえ君にはヤマト隊の指揮を執ってもらう」

 

「了解です。ご期待に沿えるよう尽力いたします!」

 

 コノエ艦長との挨拶を終え、俺はブリーフィングルームへと向かう。

 格納庫を見下ろせる位置にあるそこには三人の男女がいた。

 

「本日より、ミレニアムに配属された大西洋連邦のダイゴ・マドカ大尉です。艦長命令で臨時とは言えヤマト隊の指揮を執る事となりました」

 

「や、ヤマト隊のシン・アスカ大尉です!」

 

「同じく、ヤマト隊のルナマリア・ホーク中尉です」

 

「ハーケン隊のヒルダ・ハーケンだ」

 

 三人と敬礼を交わしたところで違和感を覚えた。ヤマト隊と言えばヤマト准将を含めると四人いるのだが、そのうちの一人アグネス・ギーベンラートの姿が見えなかったのだ。

 

「ギーベンラート中尉は今どちらに?確か彼女もヤマト隊でしたよね」

 

「彼女は今、自宅謹慎の身です」

 

「そうですか。ありがとうございますホーク中尉」

 

 そう言えばアグネスはエルドアでの作戦時、ライジングフリーダムにとどめをさし、そのままファウンデーション側につき、コンパスと敵対していたのだった。

 その彼女の処遇が謹慎で済むとは。本来なら銃殺になってもおかしくないと思うが、ヤマト准将がファウンデーションのブラックナイツ(ア コ ー ド)、の精神干渉を受けて暴走した例があるからそれを踏まえたかは定かではない。スパイとして潜り込ませた事にしておいたほうがいくらか都合が良かったのかもしれない。何せこちらは戦力不足でもあるのだから。

 

「新参者ではありますが、皆さんの脚を引っ張らないよう尽力いたします」

 

「そんなにかしこまらなくても大丈夫さ。アタシと坊主と階級は同じじゃないか」

 

「そうですかね?これでも俺自身いつも通りなのですけど」

 

「俺は気にならないっすよマドカ大尉。俺の事はシンって名前で呼んでください」

 

「了解した、シン大尉」

 

 何とかファーストコンタクトには成功したかな。

 

「しかし、このミレニアム。良い鑑ですね。船体のフォルム、武装、内装、設備どれをとっても素晴らしい」

 

 窓の向こう、格納庫には俺の機体がハンガーに掛けられ整備兵たちの手によって万全な状態に仕上がっていた。鉄灰色の鋼の巨人。かつてザフトを震撼させた地球軍最初のモビルスーツ。

 

「そんな艦で俺の()()()()()を整備していただけるとは恐れ多い」

 

 GAT-X105。機体外見はC.E.71当時の物と同様のデザインではあるが、全天周囲モニターを採用したコックピットに、パワーエクステンダー、更にはデュートリオンビーム送電システムだけでなく、装甲はVPS装甲が採用されている。

 故にこのストライクの正式な型式は、GAT-X105-3となっている。何故そうなのかは今は置いておこう。

 

『各員に通達。これより、ミレニアムはーー』

 

 艦内放送でミレニアムが出港する旨が流される。

 エルドアでの核攻撃。モスクワを焼いたレクイエム。そんな悲劇が起きようとも、やはりナチュラルとコーディネイターの溝はそう簡単には埋まらない。今日も何処かで戦火の火種は燻り続けている。俺たちはその火を、その火種を消し続ける火消し屋に過ぎない。 

 それでも俺は、俺達コンパスはその火を消し続けるしかない。平和が訪れるか、双方紛争すら出来ないほど疲弊するその時が訪れるかを待つしかないのだ。

 今更だが俺は転生者である。テレビシリーズと劇場版は走破済みだ。

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