「よし、トバ! イージーゴアと並走するぞ!」
【!?】
John F. Kennedy International AirportからBelmont Parkへ輸送され、
馬体検査から少し経過した時奉先くんがそういった。
あまりのわけの分からなさに自分は驚く。
今までアンブライドルドやミスターフリスキーと一緒に馴致していたじゃないか、と奉先くんに疑問をぶつける。
『WHY?』
「疑問はよく分かるがよーく聞いてくれ」
奉先くんと馨厩務員が、櫛で尻尾やたてがみを梳く。
その作業のさなかに、それを聞くんだ。
なんでもサマースコールが施設が整っている場所へ移動されて、
そのまま療養生活になる。
そこで鞍上であるパット・デイさんが、騎乗依頼をよこしてくれた馬の居場所がちょうどベルモント競馬場なんだという。
別に偶然でもなんでもなく、パット・デイさんはずっとその馬の鞍上で
ここを拠点をしているらしい。
それでその馬というのが、イージーゴアだ。
今回ベルモントステークスに出られない事が残念でたまらなく、
ちょうどアンブライドルドやミスターフリスキーのライバルでずっと食いついている自分たちに期待を寄せてくれているらしい。
そこでトレーナーやオーナーと話して、去年のベルモントステークス勝利馬であるイージーゴアと走り勝利を限りなく近づけようということになったのだ。
「Today's training, but help me finish it」(追い切り手伝って)
「Naturally. Let's help him get closer to winning this race.」(ええよ)
【Greetings, young man.】(若造、オレの走りを見な)
【I understood. We will turn your running into your own strength.】(ウッス! オナシャス!)
そういうわけで走り込みを行うのかと思うと、二人の騎手は電源コードと
テレビ・テープレコーダーを持ってきた。
一体どういう訳か鎮座して待っていると、2つのTVにケンタッキーダービーと
プリークネスステークスのレースが流された。
なんとなく理由がわかったので、二人と二匹はそのレースを
穴が空くほど見る。
「Its rival, Sunday Silence, is good at cornering.
He changed his legs, using his left foot in the corner and his right foot straight.
Therefore, injuries have been found to be few.」
(サンデーサイレンスは、コーナー巧者だ。
手前をコーナーと直線で変えることで、速度維持を達成している)
「"Toba" also uses different legs depending on the situation.
Approach the inner fence and keep the distance as short as possible.」
(トバも手前を使い分けしている。限界いっぱい近づいているんだ)
「I also compared the “San Felipe H” and the “Santa Anita Derby.”
The speed per halon has not changed at all from the beginning to the end.
Stamina is very high.」
(いや~トバ君って体力ありすぎない?
全コースラップが変わってないんだけど)
「Yes, it is.
I guess the only issue left is speed.
I don't have enough talent, so the only way I can think of to do
the rest is to increase my muscles and use my body better.」
(そうですね。速度維持だけ自信があります。
後は体の使い方くらいでしょうか)
「That's not the only problem.
You're not off to a good start.」
(暗黙の了解だけど、パワーがないね)
「Oh,yes」
(アッハイ)
【You're like a “Sunday Silence”, you're so good at cornering.
But you are lacking in everything else.】
(若造、おまえはサンデーサイレンスの下位互換みたいだな)
【I have no other merit than my physical strength, so I am below “Sunday Silence”.】
(いやいやいや、自分はそんな大層な馬じゃないっすよ!)
あっさりと弱点が見つかったので、少しでも速くなるように後ろから追い切り
をされたり外から押さえつけるというアメリカ競馬の真髄を味わった。
しかし自分がただの馬じゃないので、そういう焦りがない。
というか、自分の目的はレースに出走して掲示板に入ることだ。
レースへ出走すること自体はなんとかできるが、出走する旨味がないと
レースへ赴く意味がない。
そこで少しでも賞金を稼ぐ事ができれば、レースへ出走させてくれる期間が長くなるはずだ。
死にたくないという意味では、普通の競走馬より必至さが足りないかな。
それはそれとして。
【ひええええええ!! こええええええ!!!】
【If you want to be trampled, fly forward as fast as you can now!】
(死にたくなければ走れ!)
筋肉モリモリマッチョマンの塊がかっ飛んでくる!
かなり本気で走る。いつものドロドロダートで走り込んでいるので、
足への負担が少ないが巨躯が迫りくる音は魂消るくらい怖い。
「筋肉伸ばせ! チーターのように!」
【チートやチーターや! 筋肉ダルマに潰されるゥ!】
「The paws are only for adjustment and support.
Don't turn off the energy of the back foot.
Rotate your feet immediately.」
(前足で調整したら直ぐに後ろ足で蹴るんだ!
速さを消してはならない!)
【My muscles roar! Run, run, run!】(マッスルマッスル! 筋肉最強だ!)
レースの前日まで全力で追い回される事が決まった。
さて、馬房に戻ってから何故か競馬関連の記者が押しかけてきやがった。
直接触れたりせずに外でガヤガヤし、勝手に妄想しては帰っていく。
此の事を正一獣医師に告げるのだが、明日だけ我慢してほしいと言う。
なんでもアメリカ競馬っていうのは、日本と違って国が手綱を取っていない。
其の為競馬場も国が補填するものでもなく、競馬場という企業が独立で
行っているので収益がなければなりたたない。
で、アメリカ競馬は、国民の娯楽。全力で走って才能の叩き合いを興じ、
各馬のライバル関係が良いほど競馬場へ足を運ぶ人が増える。
競馬場に来る人が増えるとその分金を落とし、儲けになるというわけだ。
更にその儲けを使って集客のために、出走依頼の出金を行う。
しかも出走するにも、登録費用がかかる。
レースに勝利しても取り分は少ない。其の為クラシックとシニアが経過すれば、
即座に種牡馬行きだ。
こっちのほうが儲かる。しかし、競馬場も儲けが必用なので、G1をたくさん勝利した馬が連綿と続き良血となりさらなる儲け……と。
『受ける でも 条件』
「お、いいのかの? 」
「マジか。で、その条件とは?」
『イージーゴア 産駒1頭ほしい』
「マジで言ってんのか? 種付け料より高いぞ、きっと」
「待ってほしい。親父に聞いてみる」
馬房で黒板にチョークをくわえ込み書き綴る。
流石にチョークそのものを咥えず、合金で挟んでそれを食んだ。
コッコッコッと簡単にやってのけ、三者面談。
さすがにイージーゴア程の名馬の種付け料は高いかな。
しかしイージーゴアを良く見ると、多臓器癌だとわかったから
急いでくれやってかんじで頼んだのだ。
「親父と話してきた。OKだと」
「マジかよ!? まあ、あいつが言うんならいいか」
「ほほー、良い気前よのー」
【よっしゃ! イージーゴアの種一発もろたで工藤!】
『ありがとう!』
そういうわけで、暫くの間アンブライドルドの野郎とミスフリとともに、
米国三冠のライバル関係を盛り上げてやりますか!
「He is “Unbridled,” the Kentucky Derby horse.
Over here is “Mr. Frisky,” winner of the Preakness Stakes.
And here is “Toshiba,” a lifelong rival of “Unbridled” and
“Mr. Frisky.
Aha, this rivalry is very exciting!」
(アンブライドルドとミスターフリスキーが1冠を分け合った。
そして最後の1冠は、終生のライバルであるトーシバが取るのか。
実に見ものだな!)
「Powerful horse racing in “Unbridled".
"Mr. Frisky” has the acceleration to strike hard.
The insane “Toshiba” whose race laps are always the same and cannot win.
Next up is the 2400M Belmont Stakes. The longest middle distance, but will he have the stamina?
After all, it's the third race in a row.」
(ものの見事に違う実力を持つ三体。
連闘の先にあるのは、最長中距離のベルモントステークス。
今回は最初からほぼ同じレースラップを保つトーシバが優位だろう)
「A great horse is shown by its pedigree.
However, a first-rate horse cannot be described only by its pedigree.
This is because “Sunday Silence” and “Toshiba” have shown this.」
(一流の名馬は血統ではなく、実力で示す。
そう、サンデーサイレンスやトーシバのようにな)
馬房前で騒ぎ立てシャッターを下ろす。更に去年のサンデーサイレンスとイージーゴアのライバル関係に脳を焼かれた人たちは、今年の三冠レースに夢を見ているらしい。
去年は2頭のマッチレースを見ている。
今年もサンフェリペハンディキャップやサンタアニタダービーで、二頭や3頭のマッチレースを見ている。
彼らパパラッチの中には報道陣もいて、未だにサンタアニタダービーがすられているとか。
また去年のベルモントステークスの勝者であるイージーゴアと調練していることがバレると、瞬く間に世間へ広がっていく。
馬なのになんで分かるかというと、ラジオや奉先くんが持ってくる競馬新聞を見て判明したから。
ここに来てやっと世間の今を知ることができる。
次のベルモントステークスは中三週。少しばかり体を休めることができるんだ。
まあたった一週間で体が十分に休まると思ったら大間違いだ。
自分は全く疲れていないが、アンブライドルドやミスターフリスキーはだいぶ疲れている。
出走して掲示板に入れば良いと思っているから、二人には自分直々にケツを頭でグリグリしてマッサージをする。
実際に速度を出すのは後ろ足なので、疲労が溜まるのも後ろ足の筋肉。
そういうわけなので、グリグリする。
グリグリしている間、アンブライドルドとミスターフリスキーの未来で見える、とあるレース内容が変化しているのを観察する。
そのレース内容は、自分がいないベルモントステークスだ。
本来ミスターフリスキーは、食道にできていた腫瘍の治療でベルモントステークスへ出走できなかった。
それが今回早期発見と治療という、患者にふさわしいムーブができていたので軽く収まったのだ。
まさしくバタフライエフェクト。
ミスターフリスキーは無事に、ベルモントステークスへ出走することが決定された。
なんせ1冠取ってるし、出さないわけがない。
またその腫瘍が見つからなかった場合のIFも、競馬新聞に掲載されている。
もしもが描く絶望が希望に変わり、再びサンタアニタダービーやケンタッキーダービーのような熱狂するレースが始まると思えば、観客は大いに盛り上がるのだろう。
「最後の三冠だな。気を抜かずにいくぞ」
【勿論さ】
「それはそれとして、体温調査だの」
【オオン!?】
さて、アンブライドルドとミスターフリスキーと最後の調整をやっている間、
The Sidewalks of New Yorkが演奏される。
事前に合唱と聞いていたが、合奏がスピーカーから拡張されているから全く聞こえない。
「The straight line in the Belmont Stakes is long.
Use your overwhelming stamina to cut down your opponent's stamina.
I hope you win.」
(ベルモントステークスは三冠最長だ。スタミナ勝負で戦ってやれ。健闘を祈る)
「My horse can only play the stamina game.」(勿論。優勝は貰ったぜ!)
【やってやるぜ!】
「He's good at jokes. There is no way I would give up the championship
to you guys.
I will definitely take the last cup.」(冗談がキツイね。勝利は私のものだ!)
【I'll be first again this time.】(優勝は俺様のモンだ!)
「"Ms.Chris" and "Hosen" are really fired up.
It is the role of the jockey to disrupt that consciousness.」
(クリスさんに奉先くんは、実にホラ吹きだね。その余裕、いつまで持つかな?)
【No, no, no, I'll be behind you to stop you from winning.】(オレが後ろからイッキに行く!)
薄暗い曇天が競馬場を包む。今年の三冠は見れないというのに、結構お客さんが入っている。
誘導馬に連れられながらカメラがこちらに向く。
あんまり人気がないクソ雑魚血統なので、愛想だけは良くしてやろうと思って
カメラに近づいて鼻でツンツンしてやった。
奉先くんは自分の行動を抑えない。馨調教師が奉先くんの代わりに手綱を持っていた時、耳で彼がインタビューを受けていたのがわかった。
その時結構アメリカンジョークだったり日本を見下した発言をしたので、
若干頭にきているらしい。
「ったく、国際問題を馬に押し付けんな」
【結構レート関係で賞金が変わるからなんとも……】
円ドル為替レートに響くので、関係ないとも言い切れないのがつらい。
ましてやバブル景気真っ只中だし。
さてさて紹介が終わってゲート入をしていく。
1枠Thirty Six Red
2枠Go and Go
3枠Toshiba
4枠Country Day
5枠Mister Frisky
6枠Video Ranger
7枠Baron de Vaux
8枠Unbridled
9枠Land Rush
10枠Hawaiian Pass
11枠Yonder
するすると入っていく中、隣のGo and Goから話しかけられる。
【Hey. I'm "Go and Go".
I heard rumors about you in Switzerland.
They say you are one of the best 3 year olds? 】
(よお、おいらはゴーアンドゴー。お噂はかねがね。音に聞いたトーシバとは君か?)
【That's right. I have to live up to everyone's expectations.
I'm not going to give in.】
(そっすね。あいつらのライバルとして、簡単に譲る気はないよ)
【It's really interesting. Let's take it away with all our might.】
(そうこなくっちゃ!)
【All right! The winner of this race is mine!】(っしゃああああ!! 俺様が優勝を貰ったぜ!)
【"Unbridled". You miss the winner by my blink of an eye.】
(自由奔放野郎に、この勝負をあけ渡すものか!)
最後の三冠レースだ。これである意味アンブライドルドの野郎とミスフリとの確執が終わる。
哀しくもあるけど、これから始まる2分半が待ち遠しく、胸の奥が非常に高鳴る。
興奮と武者震いが止まらない。
「いくぞ」
【応!】
<All the heads went out of the gate.
The leader was “Hawaiian Pass"."Baron de Vaux" was behind him.
Oops, "Toshiba" jumped into the lead and gradually pulled away to win by four lengths.
Fourth on the inside was "Land Rush".
"Mister Frisky" is in fifth place on the outside.
"Unbridled" is sixth behind and 10 lengths from the leader.
"Video Ranger" and "Yonder" are battling it out.
"Country Day" and "Baron de Vaux" are quietly waiting behind,
with "Go and Go" in last place.
The gap between the leader "Toshiba" and the last-place finisher "Go and Go" is 15 lengths.>
(アメリカ三冠最終レースベルモントステークスが開始されました。
まずトップに躍り出るのは”Hawaiian Pass”。その後ろに”Baron de Vaux”が控えます。
Baron鞍上、Jean Cruguetが少し抑えたか。”Toshiba”が一気に先頭へ躍り出て、
ハナを奪います! 4番”Land rush” 5番”Mister Frisky” 6番”Unbridled”と続いています。
そこから先頭へ、10馬身差となっております。
また8番以下は2馬身差にわたって、一団を形成してます)
最後で最長と言われるだけ合って、500Mの差は大きいな。
スタミナ無限で内ラチを効率よく回り、イージーゴアパイセンにおっ立てられた
経験が活きる。
体を伸ばして前足の回転を上げて、少しでも速度を殺さないようにする。
また馬の走りは足がバラバラで安定感ある走法なんだけど、
今の自分が求めているのは速度だけ。
なるべく前足と後ろ足が同じ時間に地面に着地するように狙う。
ただこれを行うと前足が、後ろ足のパワーで押されて不安定になってしまう。
前に落ちる瞬間に前足で支えるという滑落の瞬間をなんとか留めている
ような感覚だ。
奉先くんも体幹がいいから、なんとか踏ん張ってくれてる。
それでもいつ頭から地面に落ちるか、気が気でない。
そう、後ろあしと背骨を曲げて瞬発力を生み出す走法をしているので、
それの邪魔にならないよう手綱を短く持って前のめりの姿勢になってもらってる。
それとイージーゴアパイセンに追い立てられたときに獲得した業がある。
緩いカーブだからこそ行えるのが、曲がる方向に向かって体を曲げることだ。
前足の着地点や安定感で言うとよろしくないだろう。
しかし遠心力で徐々に外側へ騎乗位置がずれていき、加速するとき騎手に発生する
慣性が見当違いな方向へかかってしまう。
これを防ぐために少々走る効率を下げてしまっている。
だからといって騎手自身が内ラチギリギリの方向へ、体を乗り出すなんてされたら
たまったもんじゃないけどね!
【GO GO GO Go And Go! The winner is right in front of you.】
(イケイケドンドンイケドンドン! 勝利は目前だ!!)
1990年ベルモントステークス史実勝利馬、Go and Go。
こいつの勝ち方は簡単だ。逃げ馬に隠れて力尽きた馬を追い抜くだけ!
なんせストレートが長いんだから、速度さえアレば問題はない!
あと400M。こんなところで負けるか!
「行け! 後ろは気にするな。イージーゴアが来ている!」
【あったぼうよ! 推定8馬身差。何もなければ、そのままゴールになる!】
まあ、そんなことないけど。
【When did you mistake me for a horse sinking in the pack?】
(やあ。オレのエントリーだ)
「It is only by overcoming difficulties that victory becomes worthwhile.
Don't you agree?」(勝たせるかよ)
聞き覚えがある足音。きやがった、史実未出走"Mister Frisky"!
食道に違和感がある腫瘍が完治してから、飼い食いがよく体重も定量まで増え
しっかりと筋肉もつき毛並みがよくなっている。
またアンブライドルドの野郎と自分が、ノードラッグで走っているのをみて
ラシックスに手を出さなかった陣営だ。
早熟のマイル馬だと思ってたんだけど、未来を見通したレース内容と
ほぼ同じで笑ってしまう。
Go and Go の二番目だ。
バタフライエフェクトってレベルじゃねえぞ!?
体力やスタミナが無限と言っても、この脅威の復活に身震いしそうになる。
だがイージーゴアのゴジラ風味を味わった自分が、この興奮を抑えることは容易い。
<With 300 meters to go, "Go and Go" is four lengths ahead.
On the outside are "Mister Frisky" and "Unbridled".
"Thirty Six Red" is trying to overtake them.
Three lengths.
Two lengths. 100 meters to go
One length.>
(残りは300メートル。チャンピオンコースの直線は長いぞ!
スタミナと速度が試される最終直線!
最内にToshiba、中にGo and Go、外にMister FriskyとUnbridledが来ている。
しかしThirty Six Redに抜かされていく。
三馬身、二馬身とGo and Goが差を詰め、残り100メートル。
残り一馬身!)
「We got the winner.」(貰った)
「いや、まだだ!」
瞬間、ケツアナにムチが入る。
【あふん】
今まで低く走っていたのが、更に低く首を伸ばして前へ倒れた。
その瞬間奉先くんが吹き飛ばされ、そのまま背中から土へ体を打ち付けられるが
そのままゴロゴロと転がる。
自分もそのまま奉先くんを潰さないように、横へずざーっと滑りこむ。
いってえ。しばらくしたばたして、馬や騎手に知らせつつ休む。
「起きてるだろう?」
【お、意外と軽症?】
全身土まみれな奉先君が自分の首を撫でる。
また慌てて正一獣医師や馨調教師が駆けつけてきたり、
ミスフリ陣営やアンブライドルドの野郎の陣営もかけつけてきた。
残念ながら奉先君は打撲と捻挫で、1ヶ月休むことになった。
やっちまった……。
ところで結果は?
【This race, it's a photo finish.】(写真判定だってさ)
【I think they entered the line at about the same time.】(おんなじタイミングで行ったと思うよ)
【Yo, guys! How did you get on the board? I got tired on the way there.】
(よお、速かったな! 途中でバテちまったよ!)
【You were surrounded by all kinds of horses.】(包囲網組まれてたら、そら無理だわ)
「いてて」
「Bruises and sprains. Four weeks minimum. Will you be in the Travers Stakes?」
(全治一ヶ月か。奉先くん、トラバースステークスには出るのか?)
「He will run in the Travers Stakes but will return home once.
As well as the injury, he can't live in the U.S. all the time due to the rules.」
(勿論さ! ただ外国で連続出走はきついから一旦帰りますよ)
「When I heard that he was seriously injured, with a total recovery time of one month,
I rushed to the race course.」
(奉先! 無事かい!?)
「Smith! My injuries are bad, but my body is fine.」
(お、スミスじゃん。意外と大したことなかったぞ)
結果が出るまで馬体検査をして周辺をウロウロした。
水を呑んだらどっちが勝者かで表彰される。
そのため一旦待機中だ。
結果が出る。
「二着だ」
後に新聞に出回るが完全にこっちのハナのほうがでているんだけど?
転げたのはゴールしてからだというのに。
不満しかない中、避暑地へ向かう前のアンブライドルドの野郎とミスフリに会う。
そのときにTVと新聞を持ち出した奉先君が、恨みがましくインタビューに来た
日本の競馬新聞記者に宣伝を行う。
今回結構熱くなってしまったが、自分の目標である掲示板に入れた事が
達成されたのでしょうがないと割り切ることにした。
これからいくつかG1を取れたら良いんだから。
【Where is Japan?】(日本ってどこにあんだ?)
【It is located west of here, across the sea.】(ブライド、海をわたった先にあるんだ)
【The sea?】(ほーん。そんでフリスキー、海ってなんぞ?)
【There's a big puddle, and you fly over it.】(でかい水たまりを飛行機でひとっ飛びだ)
【Wow, that's a lot of work!】(トバも大変だな)
【Crossing the ocean is not difficult. But it's surprisingly tight.】(まあね、結構窮屈だし)
【I hate flying to foreign countries.】(長時間揺らされたくないな)
ミスフリにたてがみをべっちゃべちゃにされるほどグルーミングを行われ、
アンブライドルドの野郎と簡単に並走したら帰国のための馬運車に乗る。
彼らも別の場所へ移される為、馬運車に載せられる。
ちゃんとわかれの挨拶もしたし、再び戦おうと誓った。
なんせミスフリの年一回バトル可能が、1/1のままだからだ。