悲報 オバロ現地民転生とかいう罰ゲームwww   作:はんぺん大納言

12 / 27
なんか思いついたので投稿。
時系列の捏造等があります。
3か所(2か所)合計で今話の文字数なので体感めっちゃ短いです。
期待値は可能な限りお下げの上で閲覧ください。


幕間 その頃の転生者以外の様子

Case.1 王国の場合

 

 

 

 

 

「正式に王宮勤めになってはどうだね。財務尚書殿からも薦められているのだろう?」

 

「その件につきましては私の経験も浅く、自領の経営もありますので辞退させていただきました。後を任せるには弟もまだ若く、叔父上もあまり手を貸してくれる訳でもない以上、私が差配するしかありませんので」

 

 リ・エスティーゼ王国はヴァランシア宮殿。

 その談話室で、所用を済ませた二人の男たちが他愛のない会話をしていた。

 一人は長身痩躯で金髪をオールバックにした三十半ばに見える色白の男、エリアス・ブラント・デイル・レエブン侯爵。

 もう一人は冷たさを感じさせる顔立ちの青年らしき男、スネイル・メルク・リイル・アーキバス男爵。

 片方は肌の不健康さから、片方は日々のストレスからどちらも実際の年齢よりも老けて見えるのだが、両者ともにさして気にした様子も無く会話を続けていく。

 

「身分違いの恋とは書き物では定番だが、実際のそれはなかなか悲惨だぞ。なにせ、けして叶わぬ恋だ。身分差を埋められる物でもあれば別かもしれないが」

 

「……? あぁ、そんなつもりはありませんよ。そも第三王女殿下をそのような目で見た覚えはありませんし、仮にそれらの前提を満たしていたとしても、あの方が私にそういった感情を返してくださる事などありえません」

 

「そうかね? 能力も商才もあり、顔立ちも悪くない。降嫁するには爵位や功績が足りないが、それを抜きにするならありえない話ではないと思うがね。男爵に魅力が無いなら、今のように縁談も申し込まれないだろう?」

 

「資産目当てか傀儡政治狙いのどちらかですよ。私の噂はご存じでしょう」

 

「冷血卿……だったか。こうして話せば、そのようなもの所詮は噂に過ぎぬと分かるはずだがな」

 

「人は見た目と噂で判断する生き物です。まず中身を知ろうと考える者は存外貴重ですよ?」

 

 雑談を続ける二人に、護衛を連れて通りかかった一人の少女が声を掛けた。

 

「──あら、そちらにいらっしゃるのはレエブン候とスネイル男爵? ごきげんよう」

 

「ッ!?」

 

「おお、ラナー殿下。ご機嫌麗しゅうございます。このような所でお会いするとは奇遇ですな」

 

「気分転換に外に出ようとしていたら、お2人を見かけたのでつい。ごめんなさいね、話の腰を折ってしまったみたいで」

 

「いえいえ、丁度一段落した所ですのでお気になさらず!」

 

「……候の仰る通り、今しがた話を終えたところです。私は領地での仕事もありますのでこれにて失礼いたしたく」

 

「つれない人だこと。私、怒っちゃいますよ?」

 

 淀みなく年齢相応の拗ねた少女の顔を浮かべたラナーと、視線を逸らし素っ気なく答えるスネイルの二人に対して、レエブン候は微笑ましいものを見る目で眺めていた。

 王派閥と貴族派閥が政争を行うこの宮廷において、それはある種の清涼剤──少なくとも表面上は──とも言えた。

 

「しかし、今日は雨も降っておりますし、外出には不向きかと思いますが……」

 

「雨の中に出歩くという、普段なさらない事をされるのは確かに気分転換になるやもしれません。お体を冷やさぬようお気を付けてください。それでは失礼いたします」

 

「アーキバス男爵……。失礼、どうも男爵は殿下に対して素直になれないようでして……。私もそろそろお暇させていただきます。殿下におかれましては、どうかご自愛なさるよう」

 

 やんわりと外出を控えるよう伝えるレエブン候と、外出を肯定したスネイルの2人はそれぞれ別方向へ歩いて行った。

 

 

 

 足早に去っていったスネイルを見送りながら、ラナーは考える。

 私ではない私を見ているようなその目。

 彼の見ている私と、今この場に居る私はほとんど同じだけれど、少し違う存在だという事を彼は分かっているのだろうか。

 いや、分かっていないだろう。それはほんの些細な違い。

 ボタンを1つ掛け違う程度でしかない(ほど大きな)違い。

 誰も居ないこの世界で、少しだけでも私とお話できたのはあなただけなんですよ?

 

 責任を持って、お友達でいてくださいね。

 

 音に出さない声を出し、護衛から見えない角度で歪な笑みを浮かべた少女は、しばしスネイルの去っていった方角を見つめた後、雨の降りしきる王都へと歩みを進めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Case.2 帝国の場合

 

 

 

 

 

 バハルス帝国、帝都アーウィンタール。

 帝城の一室にて二人の人間が授業を行っていた。

 教師側は純白のローブと身長の半分もある長い白髭が特徴の老人、生ける伝説フールーダ・パラダイン。

 生徒側には眉目秀麗という表現が似合う金髪の青年、今代皇帝ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス。

 

「──では、以上で本日の講義を終了と致します」

 

「ふぅ……。まさかじいの講義が息抜きになる日が来るとはな」

 

「陛下、そのような考えでは魔法に対する知識は到底身に付きませんぞ。魔法という深淵に真摯に向き合い、己の血肉とする事で──」

 

 講義の続きと言わんばかりに話を広げようとするフールーダに、ジルクニフは手を向け中断させた。

 

「分かっているとも。おざなりに授業を受けているわけではないから安心してくれ」

 

「で、あればよいのですが……」

 

「しかし、こうもやる事が多いと億劫になる。それなりに優秀な貴族が幾つか居たお陰で、想定より仕事量は減っているのだろうがな」

 

「例えば、かの女男爵……今は女子爵でしたか──などですかな?」

 

 フールーダの挙げた人物に、ジルクニフは微妙な表情を浮かべた。

 本人の能力を鑑みて子爵へと昇爵させ、取り潰した周辺貴族の領地を合併させたが、過不足なく回している手腕は申し分ない。

 ただ、本人にとって最適解だったのだろうとはいえ──正直手間が省けたのでジルクニフとしても助かってはいた──即決で両親と、その二人に関わりのあった貴族達の情報を売り渡した様は少し気味が悪かった。

 理解できない程の動きではないので今はもう気にしていないし、なんならまだ余裕がありそうなので管理者不在で浮いている領地を投げようかとも考えているが。

 

「そういえば最近、優秀な人物を魔法省へスカウトしようとしていると聞いたが、どのような者なんだ?」

 

 ジルクニフの言葉に、フールーダは目を輝かせながら答える。

 さながら欲しかった玩具を与えられた子供のようであり、実際半分は合っていた。

 

「おお、彼ですな。独学で第4位階を修めた魔法詠唱者(マジック・キャスター)で、特に魔法上昇(オーバーマジック)を習得しているというのが素晴らしい」

 

「ほぉ! 第4位階というと、じいの直弟子の中でも上位の者と同じ位階か……。オーバーマジックというのはどういった魔法なんだ? じいの講義ではまだ聞いた覚えがないものだが」

 

「簡単に申しますと、自身の到達している1つ上の位階の魔法を使うための魔法修正強化ですな。いくつか制限はありますが、非常に有用なものですぞ! 資料不足で私は習得できておりませんでしたが」

 

「つまり、その者は制限付きとはいえ転移の魔法を使えるという事か!そして、第六位階に達しているじいがそれを習得できれば……!」

 

「伝説の第七位階魔法を使えるやもしれません。今から楽しみでしょうがありませんぞ!」

 

 ジルクニフはフールーダの後継になりうる者の出現を、フールーダはさらなる魔法の深淵への手がかりを前に年甲斐もなくはしゃいだ。

 

「絶対にその者を逃してはならん。やっかみもあるかもしれんが、じいに次ぐ待遇で迎えても構わん」

 

「無論そのつもりですぞ。多少手荒な真似をしてでも我が高弟に迎えて見せましょう」

 

「いや、あまり無理に事を進めて心象を悪くするのは避けたい。最善は魔法省への就職だが、次善でじいのオーバーマジック習得、次いでその者が他国へ所属しないよう誘導してくれ。魔法詠唱者(マジック・キャスター)軽視の王国に所属する可能性は低いが、万が一があるかもしれん。転移の魔法での暗殺に怯える日々など私はゴメンだぞ」

 

「では、そのように進めるとしましょうかな。失礼いたしますぞ。吉報をお待ちくだされ」

 

 傍から見ても分かるほど上機嫌なフールーダを見送ったジルクニフは、帝国の明るい未来を確信し、しばしの休憩を取った後溜まっている書類の山を片付けるべく執務に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Case.2-2 帝国の場合2

 

 

 

 

 

 豪、と重たい物の振るわれる音が鍛錬場に響く。それも一度だけでなく、二度三度と連続して振るわれていた。

 それは人の身で振るうには些か大きいグレートメイスと呼ばれる武器だったが、その主はそれに見合った非常に体格の良い、否。良すぎる(・・・・)者であった。

 素振りを終えた大男へ、しばらく前からその光景を眺めていた男が声を掛ける。

 

「精が出るな、ゴ=ギン。調子が良さそうでなによりだ」

 

 男の言葉に反応した人物は兜を脱いで、顔を向ける。

 兜の下から出てきた顔は人間のそれではなく、トロールと呼ばれる亜人のものだった。

 

「む、オスクか。何か用か? 飯の時間はまだだと思うが……」

 

「武具を新調しただろう? お前が武器を振るう所が見たくてな。そのメイスの使い心地はどうだ?」

 

「ああ。以前の物よりもよく手に馴染む。鎧も同じだが、些か快適すぎるというのが難点だな」

 

 ゴ=ギンの言葉に気を良くした男、オスクは疑問を口にする。

 

「確か、その鎧は温度調節の効果も付いていたな。快適ならばそれに越したことは無いのではないか?寒暖差を気にせず戦えるのだから」

 

「これに慣れてしまうと、暑さ寒さに弱くなってしまいそうでどうにもな……」

 

「ふぅむ……。他ならぬお前が言うのだからそうなのだろうな。ならば魔化の内容をより戦闘向きのものとした特注品(オーダーメイド)も考えてみるか」

 

 話している中、ゴ=ギンは気になっていた武具の出所についてオスクに尋ねることにした。

 自身の武具を用意する際オスクは、常に前もってこちらにどの様な物か伝えていたが今回の物はそうではなかったからだ。

 北市場などで買ったにしては傷もなく、きちんとした作りなので不思議に思っていたのだ

 

「オスクよ、この武具はどこで手に入れた物だ? いつも武具の自慢をしているお前が突然寄越すなど滅多にないだろう? それに、よく見ればお前も普段の服とは違う物を着ている」

 

「珍しくマジックアイテムを取り扱っている行商を見かけてな。なんでも最近王国の方でできた工房の作品だそうだ。お前の武具は鍛冶工房ユニ=クロなる工房の物で、私の服はシマムラー服飾店という服屋の物だそうだ」

 

「聞いたことのない名だ。出来の良さからどちらも優れた職人が居るのは分かるが……」

 

「その通りだ。良い掘り出し物だった。出来ることなら専属契約を結びたいくらいだ」

 

「ククッ。そうなったらこの武具を纏った相手と競い合う事になるな」

 

 ホクホクとした顔のオスクに、静かに闘志を高めるゴ=ギンが言葉を返す。

 まだ現武王には届かずとも、武人である自身にとって研鑽する相手が強いに越したことは無いと言外で発していた。

 

「そうなっても、お前なら後れを取ることもあるまい」

 

「つい先日の試合で負けたばかりだ。ウカウカはしていられん」

 

「ああ、あれは名試合だった。あのはち切れんばかりの筋肉でありながら、一流の芸術家の手がけた彫刻が如き肉体。ウォー・トロールであるお前に比する肉体能力!ああ、惜しい……。闘士としての専属契約さえ結べていれば今頃……」

 

 恍惚とした表情を浮かべ、めくるめく戦士の世界へ意識をやったオスクから視線を切り、ゴ=ギンは鍛錬を再開した。

 




鬼畜メガネ「ハックシュッ!……風邪かな?」

畜生「や……やっと書類仕事が落ち着いた……。私は休暇を満喫するぞ!ジョジョォー!」

超農民「何も考えずに殴りあうの楽Cィィィ!気晴らし済んだし土いじりすっべ」

生産職俺たち「え?あのグレートつくしと張りぼてグシオン売れたってマジ?あんなの買う物好きも居るんだねぇ」


聖王国視点とか竜王国視点とか法国視点は思いついたら投稿します。
今話で今年最後の投稿になると思います。

皆様よいお年を!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。